エコポイント制の教訓 自然エネルギーも同じ途を歩みそうだ

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脱原発は解けない知恵の輪のようになっているということを考え続けてきています。我ながら不人気なシリーズですが(苦笑)、もう少しおつきあいください。

この脱原発知恵の輪は、三つのパーツで出来ています。

一つ目は、いうまでもなく環境問題です。原発の危険性だけの問題ではなく、他の環境問題のこともかんがえねばなりません。たとえば、CO2問題です。

原発ゼロの現時点で、火力発電は、実に国内の総電力量の7割を占める状況になってきています。
*関連過去ログhttp://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-7e2a.html

このような状態が放置されれば、大幅にCO2の増加するだけではなく、CO2排出権を外国から買い取るために巨額の出費を強いられることになります。

二つ目は、電力安定供給の問題です。震災以後の復旧もままならない時期に、電力供給が長期的に不安定になる可能性がでてきました。

これは原発ゼロにした場合の発電量の減少だけではなく、それを置き換えることを期待されている自然エネルギー自体が不安定な電源だからです。

これは、天候による発電量の振幅が激しいからです。ヨーロッパの経験では、太陽光と風力の電源としての不安定さが悩みの種となっています。

旧来の送電網を、次世代送電網であるスマートグリッドに転換しなければ本質的に解決することはない問題です。


ヨーロッパにおいても自然エネルギーの大量導入に伴ってスマートグリッドの建設が検討されていますが、コストが巨額なために厳しい判断を迫られています。(
資料1参照)

そして今日お話したい三つ目は、原発ゼロにした場合の持続的な経済発展が確保されるのか、という問題です。

飯田哲也さんは、自然エネルギーに代替した場合のプラス効果として、グリーン産業が勃興して新しい経済成長を生み出すことをあげています。

残念ですが、私はその可能性は非常に低いと私は考えています。

つい最近、薄型テレビのバブルがありましたね。エコポイント終了の駆け込み重要と、地デジの相乗効果でひと頃は注文から納入まで3か月などという時期もあったそうです。

沈滞ぎみの家電業界に救いの神だったはずが、終わってみるとそうはなりませんでした。

エコポイントは、薄型液晶タイプへの移行による節電効果と、、グリーン家電普及による景気浮揚策の二つが目的でした。今の自然エネルギーとよく似た構図です。

2011年6月、経済産業省は、この事業によって予算額の7倍に及ぶ5兆円の経済効果があり、32万人の雇用を創出したとしています。(同)

しかし、現実は額面どおりではありませんでした。5兆円の経済効果は、あくまでも理論的な生産誘発額の足し算でしかなく、中間財の重複カウントがあって実体ははるかに少ないと見られています。

32万人雇用創出効果などなおさらであり、シャープ、東芝、パナソニック、ソニーなど各社が軒並みに事業打ち切りによる工場閉鎖に踏み切っており、逆にリストラを加速したと評価されている始末です。(ソース「一橋ビジネスレビュー」2012年3月 下図も同じ)

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             図 薄型テレビの国内出荷台数に占める輸入台数の割合

上図は、薄型テレビの国内出荷台数に占める輸入台数の割合を死す表です。これをみればよくわかるように、エコポイント導入が開始されると、輸入台数は激増していきます。

エコポイント導入以前には30%前後であったものが、終了緒全の10年末にはなんと100%を振り切っています。

これらには国内メーカーのODNも含まれていますが、それにしてもすさまじい外国勢の攻勢がお分かりいただけたでしょうか。これでは、エコポイントという税金を使って外国企業に金をバラ撒いたようなものです。

結果として、日本企業はエコポイントというグリーン政策によって、急激な課価値下落攻勢にぶつかり、競争力を維持できずに、国内製造からの撤退といった苦境にたたされてしまったのです。

おそらく、これとまったく同じ構図が、太陽光などの自然エネルギーでも再来することは間違いありません。

ヨーロッパにおいては、既にそれははっきりと結果がでています。

世界の太陽光パネルの80%を占める最大市場のヨーロッパでは,、欧州ブランドは瀕死の状況です。

かつて世界一の生産額シェアを誇ってQセルズは再建申請中となり、中国に生産拠点を移したにもかかわらずシェア5%で7位に転落しました。後の太陽光製造メーカーは、軒並み倒産しています。

太陽光以外でも、デンマークの有名な風車メーカー、ベスタスもシェア30%から15%にまで下落し、3千名のリストラをかけている有り様です。

米国でも太陽光パネルメーカー大手のソランドが倒産しました。つまり、世界を覆うグリーンエネルギー産業の崩壊現象が起きているのです。

いや、その言い方は正しくはありません。ひとり勝ちしているのが中国メーカーです。太陽光パネルの世界一のシェアは中国・サンテックパワー社が握っており、この優位はもはやガリバー型独占といっていい状況にすらなっています。(資料4参照)

ちなみに風車でも、中国企業のジノベル社が首位につくのは時間の問題と言われています。

ドイツでも、脱原発を宣言し、FIT(全量・固定価格買い上げ制度)が出来たときには40万人の雇用創出を謳っていました。しかし、結果は無残です。

 るそ て5年で太陽光バブルは弾けて、雇用創出どころか、リストラと倒産の嵐が吹き荒れたのです。

これは、日本の薄型テレビのエコポイントと同じです。一挙にFITで需要がバブルをつけると、国内産業だけでは需要を満たしきれず、輸入が増え、同時に価格競争が熾烈化し、国内市場に外国企業が大量参入し、市場を独占した結果、国内産業は育つどころか潰れてしまう瀬戸際にいます。

自然エネルギー市場でもまったく同様のことが起きるでしょう。これが脱原発の絡んだ糸玉の三つ目です。

今後、日本もFIT制の導入を受けて、太陽光メガソーラーに中国企業の大量参入が開始されようとしています。(資料4参照)

税金をかけて外国企業を育成し、国内企業が駆逐されるというドイツのような馬鹿げたことが、この日本でも始まろうとしているのです。

■今日はなぜかフォントが大きい。偶然ですが、まぁこれも見やすいでしょう。明日から普通サイズに戻すします。また今日は農繁期で多忙のために、校正が不十分のままアップするというポカをやってしまい、誤字だらけでした。ごめんなさい。

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■資料1

欧州連合(EU)欧州委員会のギュンター・エッティンガー(Guenther Oettinger)エネルギー担当委員は17日、欧州のガス•電力供給網の改善•整備には2000億ユーロ(約22兆8000億円)が必要だとする今後20年間のエネルギー•インフラの最優先課題を発表した。

EUの調査によると、分散エネルギーを統合する供給網が老朽化しており、温室効果ガス削減などを妨げる問題となっている。欧州諸国をまたぐ送電網と再生可能エネルギー開発に多大な投資をしない限り、EUが掲げた再生可能エネルギー、温室効果ガス削減の目標を達成できないだけでなく、供給量の確保も危うくなると予測している。「エネルギーインフラは、われわれすべてのエネルギー目標のカギである。EUの優先的な事業の実現を加速させるためにはきわめて重要である」とエッティンガー氏は述べている。

欧州委員会は二酸化炭素(CO2)排出削減の長期的な取り組みとして、2020年までに北海(North Sea)、バルト海(Baltic Sea)での風力と、地中海域での太陽熱からの電力を送電する電力ハイウェイ(electricity highways) の開発を計画していることを明らかにした。また、CO2回収・貯留(CCS)技術が商業的に実現可能となれば、CO2用の移送インフラの開発も計画されている。

■ 資料2 独Qセルズ:7-9月赤字、予想以上に悪化-ヘルムズCFOが辞任

11月14日(ブルームバーグ):ドイツの太陽電池メーカー、Qセルズが14日発表した7-9月(第3四半期)決算は、利払い・税引き前損失が4730万ユーロ(約50億円)となり、赤字幅がブルームバーグがまとめたアナリスト予想(2140万ユーロ)の倍以上となった。

同社はまた、マリオン・ヘルムズ最高財務責任者(CFO)が自ら辞任し、同日付で退社することも明らかにした。同社株は急落している。 ネディム・セン最高経営責任者(CEO)は記者団との電話会議で、CFOを兼任すると述べた。来年2月末に償還を迎える2億200万ユーロの債務について、「全額返済」できない可能性があると警告した。( ブルームバーク)

■資料4 
 九州に初進出の同社は「日射量の多い九州でさらなる開発をしたい」としている。

 建設地は同市住吉町の市土地開発公社の遊休地(2万5千平方メートル)。同日、年間約500万円の賃料で20年間の賃貸借契約を同公社と交わした。総事業費は約6億円。太陽光パネル約3800枚を設置する。出力は1955キロワット。年間発電量は195万キロワット時で、九州電力に売電する。10月に着工、12月稼働を見込む。

 調印式後、同社の陳鋭社長は「自治体や大きな建物の屋上での開発も進めていきたい」と語った。九州で出力合計3万~5万キロワットの開発を目指す。

 同社は世界12カ国に支社を持つ「スカイ・ソーラー・ホールディングス」(中国・上海)のグループ会社。国内では茨城県鹿嶋市でメガソーラー開発に携わっている。

=2012/05/23付 西日本新聞朝刊=

■【3月15日 AFP】ソーラーパネル世界最大手のサンテックパワー(Suntech Power Holdings)が生産拠点を置く中国東部の江蘇(Jiangsu)省無錫(Wuxi)は人件費が極めて安い。そのため、省力化のために設計された機械は放置され、労働者が手作業で生産を行っている。

 安い人件費と約1万4000人が働く大量生産ラインのおかげで、サンテックパワーはたった10年で世界最大手のソーラーパネルメーカーに成長した。

 しかし、中国企業の台頭により打撃を受けた米業界は、中国のソーラーパネル企業は政府から不公正な補助金を受け取って米市場でダンピング(不当廉売)を行っていると訴え、大きな貿易問題に発展している。

 米政府は今月中にこの件に関する調査結果を発表する予定で、その内容によっては中国メーカーへ関税が課される可能性がある。

■中国の低価格戦略で米社の破綻相次ぐ

 これに対しサンテックパワーは、不公正な商慣行は行っていないと主張しつつ、価格を抑えて販売を促進し、より多くの人に製品を提供するという戦略を隠そうとしていない。

 だが米業界は、この先何兆ドルもの成長が見込まれる代替エネルギー産業での優位性を確立するため、中国政府は国営銀行による低金利融資や、直接的な補助金政策などあらゆる手段で自国の企業を不公正に支援していると主張している。

 国際的な販売価格の下落により米業界は大きな打撃を受け、2011年には少なくとも3社が破綻した。米バラク・オバマ(
Barack Obama)政権から5億3500万ドル(約450億円)の融資保証を受けていたソリンドラ(Solyndra)、米ナスダック(Nasdaq)市場に上場していたエバーグリーン・ソーラー(Evergreen Solar)、そして米インテル(Intel)から独立したスペクトラワット(SpectraWatt)だ。

■中国の国内市場に期待

 サンテックパワーの24時間稼働の工場で働く従業員たちは、手作業でソーラーセルをプラスチックとガラスで挟んでソーラーパネルを作っている。基本給は1か月に1500~1800元(約2万~2万4000円)ほど。豊富な労働力を利用できたことで生産コストが下がり、製品価格も安くなった。太陽電池の原材料となるシリコン価格の暴落もさらなるコスト削減に寄与した。

 しかし、出力1ワットあたりのソーラーパネルの国際価格が約1ドル(約84円)にまで落ち込んだことで、サンテックパワーの利益率も下がっている。市場に大量の製品を送り込んで価格低下を招いた中国メーカーを非難する声も上がっている。

 現在世界第2位の石油消費国である中国は、クリーンエネルギーへの移行を進めており、2011年には太陽光発電電力の買い取り価格保証制度も開始された。

 サンテックパワーのグローバル・マーケティング責任者は、債務危機などで先行きが不透明な欧米市場よりも中国の国内市場に期待していると述べ、中国は来年までに単一の市場としては世界最大になるだろうとの見通しを示した。(c)AFP/Bill Savadove

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スマートグリッドを夏の節電グッズに矮小化するな

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スマートグリッドが、今変に注目されています。それは「賢い節電」ができる道具としてです(笑)。

これはスマートグリッドを、狭い一地方都市のそのまた一部に設置して、電力供給に合わせて使用電力をコントロールしたり、現在使用している電気器具をコントロールボードにあるパネルでワンタッチで切ったりできるというスグレモノだそうです。

またスマートシティ構想と称して、日立や東芝が既に中国・大連や柏市、米国・アルバカーキや仏国・リヨンの実証実験にも日本企業が多数参加しています。蓄電池技術の技術研究もNEDOでなれれているようです。(資料1・3参照)

でもなんか笑っちゃいますね。これじゃあ牛刀を持ってなんとやらです。あんな巨大な送電インフラを、庭先に打ち水ていどの夏の節電ツールにしてしまうとは、バッカじゃないかと私は思います。

電気会社としては、海外などで実証研究をして、本格的な全国規模のスマートグリッド建設に備えようということだと思いますが、肝心の全国展開がまったく霧の中です。

これにはふたつのネックがあります。ひとつは前にも触れたことがある発送電分離問題ですが、経済産業省は「電力自由化」としてかねてからその構想を持っています。(ソース「エコノミスト5月22日)
*関連過去ログhttp://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-fda2.html

経産省は電力市場自由化による競争原理の導入自体には肯定的であり、そのためには発送電分離もやむなしと考えています。

ただし現状では、東電処分との兼ね合いも含めて、電力会社側の抵抗が強いために踏み切れないといった現状のようです。

ただ、やるのなら電力会社側が圧倒的に不利な今しかないでしょうね。平時には無理です。

そしてもうひとつの難点は、その膨大なコストです。

自然エネルギーはFIT(全量・固定価格買い取り制度)により、非常に高額な長期間(20年間)全量買い取り制度が開始されました。

そのことにより、5種類の再生可能エネルギーの上乗せコストを加重平均した12円から13円が電気料金に加算(サーチャージ)されます

風力やバイオマスなどは買い取り価格が安いのですが、例の太陽光42円という世界一の高額価格が響いて平均電気料金サーチャージを押し上げてしまっています。

更に、これには自然エネルギー(太陽光と風力)の宿命的欠陥である発電量の振幅の大きさを是正する系統安定のための建設費用は含まれていません

現状のようなミニサイズの参入ならば、電力会社は入札制度などして新規参入をカットできますが、FITによる大量参入が開始された場合、そのような壁を作るのは不可能となるでしょう。(北海道電力は風力の新規買い上げはしないと言っていますが。)

そもそもFITは自然エネルギーの大量参入のための制度なのですから、入札制度にしたりすればFITそのものが無意味になります。

となると政府は、電力料金への転化を買い取り額が1キロワットあたり0.5円を超えないようにするとしていますが、たぶん早々に崩壊することが予想されます。

その場合、例外規定を使っての買い取り制限をするとしていますが、間違いなくこれを使うはめになると思われます。(資料2参照)

しかし、いつもいつも系統連結から切り離してばかりいることが頻発すれば、再生エネ法を作った意味がなくなります。スマートグリッドは絶対条件でインフラ整備する必要があるのです。

スマートグリッドはミニミニサイズのスマートシティなどをやるためのチャチな技術体系ではなく、全国的なスマートグリッド網を建設せねば意味のない技術なのです。

細野環境相が言う、「30年に原発比率15%」を実現するには、自然エネルギー比率を最低でも15%から20%に飛躍的に拡大せねばならず、原発ゼロの場合はその比率は30%とされています。(資料4参照)

この政府案(?)実現のためには、スマートグリッドはいるいらない以前の絶対的必要条件だと思われます。

韓国もスマートグリッド構想を持っており、全土で1兆円予算規模だと言われています。これから考えると、わが国は10兆円超規模となると思われます。

これがどのように予算化されるのか、自然エネルギーの命運はここにかかっていると思われます。

■写真 藤の花です。花が咲かなければ、ややグロな樹に絡まる蔦ですが、花は美しいですね。

    ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 復興計画でも注目のスマートシティ゛
2012年1月13日 読売新聞

IT(2012年1月13日 読売新聞情報技術)を活用した環境負荷の少ない街「スマートシティ」事業に、日立製作所や東芝など電機大手が力を入れている。国内では震災を機に省エネルギー政策の切り札と位置づけられ、海外でも新興国を中心に都市開発が相次ぐ。 米ゼネラル・エレクトリック(GE)など海外メーカーも参入しており、受注競争も激化している。

 日立は、中国・大連市や千葉県柏市の計画に参加する。事業部門が売り上げや収益に責任を持つ「社内カンパニー」の設立を検討し、体制強化を図る。事業部門の2015年度の売上高目標は約3500億円と、10年度比で5割増を計画する。

 東芝は、仏・リヨンの実証事業など20件に参加する。受注増を目指し、関連ITサービスを企画する社長直轄の部署を今月1日付で設立した。関連事業の15年度の売上高目標は9000億円と、11年度より約2・3倍にする目標だ。

 被災地の復興計画でも注目され、日立は仙台市に、東芝は宮城県石巻市に整備を提案している。

■資料2 東京新聞2011年8月24日

買い取り法案は、風力発電など再生エネ事業者が発電した電力の買い取りを電力大手に義務付ける。事業者が安心して設備投資を行い、精製エネルギーの普及に弾みをつけることがねらいだ。

買い取り費用は電気料金に天下されるため、買い取り価格が高いほど電気料金ははね上がり、家庭や企業の負担は増す。海江田万里経済産業相は「転化額を1キロワット当たり0.15円を超えないように制度を運用する」と、買い取り価格に事実上の上限を設定する考えを示唆。標準家庭の場合、10年後の負担額は月150円程度に収まる計算だ。
(略)
また、風力や太陽光を利用する再生エネルギーは出力が不安定なのも普及のネックになっている。法案では、電力の低供給に支障が生じる場合には全量買い取りを免除する例外規定が設けられた。実際に、風力発電の適地が多い北海道電力は、風力の新たな買い取りをすぐには行わない方針を示している。

 安定供給を理由に買い取り拒否が続出すれば、再生エネの普及の足かせとなる。不安定さを補うにはIT(情報技術)を活用して電力供給を調整する次世代送電網(スマートグリッド)の技術開発や送電網の整備も必要だ。ただ、実現するには開発やインフラ整備のコストはちいさくなく、官民の役割分担などの議論を加速させる必要がある
(後略)

太字引用者

■資料3 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

研究内容は以下です

■要素技術開発(地域レベル実証)
1 需要側蓄電システムの統合化技術開発
2 自動車用リチウムイオン電池技術を応用した定置用大型蓄電システムの研究開発
3 車両からの放電技術を用いた EV、ソーラ電力充電システム、EV 予約/配車システムを利用したエネルギーマネージメントシステムの研究開発
4 集合住宅における燃料電池、蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメント実証 及び 蓄電池付電気自動車用急速充電器および複数蓄電池の共同利用の研究開発
5 ①創エネ・省エネ機器と蓄電池付き HEMSの連携及び V2Hシステムの研究開発と実証検証
6 商用施設用蓄電池付きBEMSと商用車、EV/PHVの連携システム研究開発と実証検証
7 施設ナノグリッドを対象とするビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)の開発
8 戸建住宅における太陽光発電の効果的活用のための蓄電池利用技術と上位システムとの結合化技術の開発と実証
9 EV向け充電インフラ及び車載装置の研究開発
10 地域節電所を核とした地域エネルギーマネジメントシステムの開発
11 リチウムイオン二次電池を用いた住宅用およびコミュニティ用の電力貯蔵システムの開発とエネルギーマネージメントに関する実証研究

■要素技術開発
1 CEMS 系統協調デマンドサイド蓄電池システムの研究開発 蓄電集配信システム開発 及び ガバナフリー機能付蓄電池システム
2 BEMS 複合電力貯蔵対応 Advanced BEMSの研究開発 ビルPV用蓄電システムの研究開発
コンパクト&スマートシティの核となる大型商用施設向けの蓄電池システムの EMS 開発
3 FEMS 産業用デマンド型 蓄電池・太陽電池複合システムの研究開発
4 HEMS 高安全な10kWh級住宅用蓄電システムの研究開発
5 EV関連 次世代サービスステーションにおける蓄電・充電統合システムの研究開発 電気自動車に搭載した蓄電池を他用途に利活用するための要素技術の研究開発
6 標準化 リチウムイオン電池システムインターフェース標準化・海外展開の研究開発

■共通基盤技術開発
1 蓄電池を用いたエネルギーマネジメントシステム性能評価モデルの開発
2 需要家設置の既設大容量蓄電池による系統対策への活用可能性評価・システム標準化の研究開発
3 車載蓄電池の性能評価手法の技術開発

■資料4 原発の割合「30年に15%が有力」環境相
日本テレビ5月25日

細野環境相は25日、エネルギー全体に占める原子力発電の割合について、30年の段階で「15%」とする案が有力だとの考えを示した。

 政府の有識者会議は、福島第一原発事故の前まで26%だった原子力発電の割合について、30年時点で「0%」「15%」「20~25%」「35%」の4通りの数値を示して、国民に議論を促すことを検討している。
 細野環境相は25日の会見で、「いずれの選択肢も排除するものではない」としながらも、「40年を(原子炉の)運転期限と設定することを、政府として方針を出している。(15%は)その方針に沿ったもの」と述べ、「15%」とする案が最も有力だとの考えを示した。

 「15%」とする案を含めた選択肢は、今後、政府の「エネルギー環境会議」での議論を経て、国民に示されることになる。

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風車の国オランダの現実 風力を増やすと、火力が不可欠になるという皮肉な構造

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日本にはどのような自然エネルギーがふさわしいでしょうか。

太陽光、地熱、風力、水力、バイオマス、まぁいろいろありますが、ひとつ条件があります。

それは、わが国の国土の特色を生かした電源だということです。たとえば、風の少ないつくば市に風力発電機をつけてもまわりませんでした。訴訟沙汰にもなり、今や市政失敗のモニュメントと化しています。

しかし筑波から10キロ先の神栖の海岸地域では、巨大なプロペラがブンブン回っている姿を見られます。「エコが好き」ていどの気分で風車を作っても、金食い虫を作るだけなのです。

各国ともにFIT制は失敗していますので(*)、額面だけで受け取れない数字ですが、ドイツの電力総量に占める風力の割合は6.5%です。デンマークはケタがひとつ上で2割近い供給率をもっています。
*関連過去ログhttp://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-e850.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-922a.html

一方日本は東北、北海道、九州、本州の海岸部などには、風力発電にうってつけの地形が多くありますが、230.4万キロワト時と低調な数字です。

これは、安定風力を確保しやすい地域でしか系統連結ができないでいるからです。

日本の陸上風力発電の潜在量は、飯田哲也氏の試算によると、平均風速6.5m/秒の地域で、1億6890万キロワット時、洋上で最大6億1332万キロワット時という膨大なものだそうです。

ただし、現実の世界最大の風力発電国のスペインですら1万9149万キロワト時にすぎませんから、飯田氏の数字はあくまでも理論数値にすぎませんが。

だとしても、飯田氏の運動家的バイアスを差し引いても、ポテンシャルの99%以上利用されていないことは事実なようです。

ではその原因は氏が主張するように、自然エネルギーの系統連結を少なくしたい電力会社の「陰謀」なのか、かねてから指摘されていたバードストライクや低周波公害などだけにあるのでしょうか。

おそらく違います。最大のボトルネックはなにか、風力先進国のオランダの例を見てみましょう。

オランダの風力発電は、歴史記伝統があり風車揚水によってオランダ人は国を作ったといわれているほどです。しかし、これがつまづいています。(欄外資料1参照)

オランダは国が狭隘なために、洋上発電にシフトして普及をはかました。洋上は、人間の生活スペースから離れており、低周波公害の影響もなく、風が安定しているなどの期待が寄せられていました。

しかしそれから5年、風力発電の箱を開けて見ると、難点ばかりが続出しています。まず洋上にあるために日常的なメンテナンスに陸上よりはるかに手間がかかり困難であることです。

少し荒れた北海の風が吹くと、プロペラが破損したりする事故が頻発しましたが、それを修理しようにも、簡単にハシゴをかけてというわけにいかず、船で沖まででていかねばなりません。

設置工事も、陸上と違って海底掘削をせねばならず、陸上より多くの資金が必要でした。

そのための工事やンテンスにコストがかさみ、想定していたよりはるかに発電量は下がり、逆にメンテナンス費用は上がるといった苦しい経営となりました。

一方オランダ政府は、他のヨーロッパ諸国と同様に、自然エネルギー普及のための補助金をそうとうに出していました。

「キロワット時当たり0.18ユーロ(19円)の補助金を続けられないとしている。昨年1年間の補助金は約45億ユーロ(4650億円)に上った。」(資料1参照)

これはオランダのGDPや人口を日本と比較するために一桁増やすと、10倍の4兆円近い補助金となります。ひとつの自然エネルギーの補助金としては莫大なものです。

そのために政府支出だけではなく、民間の投資を呼び込もうとしているようですが、思うに任せない状況のようです。

これにより、一般家庭の電気料金の値上がりがされて、いっそうオランダ人の風力発電に向ける目は厳しさを増したようです。

また、思わざる事態も起きました。皮肉にも、風力発電がなんと火力発電の負荷を増してしまうということがわかったのです。

5年前の導入当初は、CO2削減の期待をかけての風力発電でした。火力は、自然エネルギーの拡大と共に減少しつづけるだろうと見られていました。

しかしそうはなりませんでした。むしろ真逆に、常に安定した発電量を確保できない風力のバックアップのために、火力発電はいつも稼働可能な状態になければならないことがわかったのです。

オランダでも火力発電所は原発が多くなるにしたがって、おもに経費面から徐々に稼働休止される方向にあったのですが、自然エネルギーの普及につれて、それらが一斉に稼働せねばならない事態になってしまいました

風力の発電量のブレを、火力が補完する構造がしっかりと出来上がってしまったのです。原発は減少したが、化石燃料は以前よりいっそう不可欠なものとなってしまったわけです。

これは現在のわが国の状況と一緒です。
(関連過去ログ
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-7e2a.html

これはオランダの発電会社にとっても大きな悩みの種を作ってしまいました。風力を作りすぎれば火力の稼働を止め、少ないとなると稼働を上げるというバカみたいな役割になったからです。

これでは火力発電所はたまったものではありません。常に指令センターの指令どおりに上げ下げするが、風車のほうはただのんきに風任せということになるからです。

火力発電はこの負荷のために悲鳴を上げ、コストが急増しました。そして、ドイツなどではっきりと現れているのが、発電会社の火力離れです。(資料2参照)

火力にとって、損な役割を引き受けて、もうけは自然エネルギーよりはるかに少なく、コストばかりかかって、しかもCO2を出すからといって「地球の敵」扱いされていつも反対運動をされるようなものを誰もやりたがらなくなったのです。

わが国においても、必ず火力発電と自然エネルギーの関係が問い直される時期がきます。自然エネルギーが増加すれば、化石電源が減るという単純な構図ではないことを考えておくべきでしょう。

わが国は、現在原発ゼロ国家です。このまま再稼働を許さずにゼロのままつっ走るとなると、化石燃料が全電源の7割近く占めたまま相当期間固定化される可能性があります。

だからといって、自然エネルギーを拡大させてもまた、今見てきたようにヨーロッパと同じように化石電源は必須です。この解けない糸玉のような難問を、今後われわれは解いていかねばなりません。

■写真 梅がポツポツなり始めました。今年は梅の開花がおそかったので、数週間遅れです。

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■資料1 オランダの洋上風力発電、コスト高で陰り
時事
2011/11/17

エグモントアーンゼー(オランダ)16日ロイター時事】オランダが2006年に当地に同国初の洋上風力発電設備を設置したとき、この設備はグリーンな将来のシンボルと見られていた。北海の洋上にそびえる設備は巨人の武器のようで、タービンは二酸化炭素(CO2)排出を減らす一方で、増加する電力需要を満たす最大の希望でもあった。30階建てのビルの高さがある36機のタービンは、年に10万世帯以上の需要を満たすに十分な発電をしている。

 しかし、それから5年たった現在、グリーンな将来は先のことのように見える。財政赤字削減を迫られたオランダ政府は、洋上風力発電は費用がかかりすぎるとし、キロワット時当たり0.18ユーロ(19円)の補助金を続けられないとしている。昨年1年間の補助金は約45億ユーロ(4650億円)に上った

同政府は、この財政負担を一般家庭と産業界の需要家に転嫁し、一方で魅力的な民間部門の投資を呼び込もうとしている。消費者と企業への負担転嫁は13年1月に実施され、同時に、民間投資家は再生可能エネルギー・プロジェクトへの参加申請ができるようになる。

 ただ、民間への負担転嫁で得られるのは推定15億ユーロで、これまでの補助金支出の3分の1にすぎない。また、投資に関心のある団体なども風力発電よりも費用のかからない技術を選ぶと見られている。

 オランダの風力発電プロジェクトの将来は暗い。
 同国では何世紀にもわたり、低地から耕作地への水のくみ上げなどで風力が利用されてきた。しかし、風力への国民の熱い思いは冷めつつある。洋上設備の設置、維持費用が高く、また、その格好の無様さが住民の不評を買っていることなどで、洋上風力発電は行き詰まり状態となった。

洋上設備は陸上のものよりも発電効率がいいものの、資材や海底掘削の費用は高く、しかも保守は陸上設備より面倒だ。
 陸上風力発電にも障害がある。陸上でのプロジェクトのほぼ半分が住民とのトラブルを抱えている
。背の高い設備が景観を壊すという主張の他、安全性や騒音への懸念も指摘されている。
 オランダのエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率は4%にすぎない。同国は20年までにこれを14%に拡大することを目標としているが、極めて難しい情勢だ。

■資料2 ドイツ国内で石炭火力発電所の中止が相次ぐ

2010年2月4日付けドイツ紙の報道によれば、ドイツでは石炭火力の建設プロジェクトが相
次いで中止に追い込まれている。2010年2月1日には、フランスの大手エネルギー企業であるGDFスエズが、ドイツ北西部地方Stadeで計画していた80万kWの石炭火力発電所の建設計画の中止を発表した。

これまでにも、ドイツのE.ONやEnBW、スウェーデンのバッテンフォール、デンマークのDong Energy等が相次いで建設計画を断念している。GDFスエズ計画断念の理由として、騒音対策が困難であることや冷却水の利用制約等、設備対策上の問題を挙げているが、近年相次ぐ計画中止の主な理由には、地元住民や環境団体の反対運動が挙げられる。

加えて、出力変動が激しい再エネ電源の急増により、石炭火力電源をフル稼働させることが難しくなり、それによって石炭火力の経済性が低下するリスクが出てきたのも計画断念の要因と考えられる。同紙によれば、至近12ヶ月で計画中止となったプロジェクトは、GDFスエズの計画中止を含め7件に達し、現在建設中、あるいは建設がほぼ確実な計画プロジェクトは5件しかないという。政府系のエネルギー研究機関であるDENAの試算によれば、現状のペースでは、2020年までに約1,500万kW(石炭火力発電所約15基相当)の発電容量が不足することになるといわれている。

(太字いずれも引用者)

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北九州市瓦礫搬入反対運動の虚妄

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正直言って、北九州市の瓦礫処理反対運動にはコメントしたくない気分でした。

なにを言っても聞く耳を持たない、どのようなデータを示されても無視する、そして穏やかに言えばいいものを、自分たちの主張だけを怒鳴り散らす、市長や知事をつるし上げる、果ては暴力まがいの行為を働く、これがこの人たちに共通する特徴です。

先日はとうとう搬入車両の下にもぐり込んだり、警官隊ともみあったあげく、とうとう警察沙汰になりました。多くの国民が眉をひそめていることに、この人たちはまったく気がつかないようです。
*追記 この事件について革命的共産主義者同盟中核派が関与表明しました。
http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/sokuhou/2012/05/post-1601.html

さて、この人たちの反対理由は要約するとこのようです。

被災地は19年分を自分で勝手に処分しろ、という非情

彼らは、廃棄物処理の原則を「復興」の名のもとに、廃棄物は、それが発生された場所、そこにもっとも近いところで処理するという原則を踏みにじっている、と言っています。

お前ら被災地は、処分できようが出来まいが、被災した東北で勝手にやれ、助けるなんてとんでもない、ということのようです。なるほどお優しいことです。

自分の所でできればしてますよ。できないからしかたなく他県に依頼しているのです。

瓦礫受け入れを希望している宮城県、岩手県の震災瓦礫計2045万トン、こんな天文学的瓦礫をどうやって処分しろと言うのでしょうか。

被災地の瓦礫の総量は約2,045万トン(茨城県廃棄物対策課)、うち広域処理分は約400万トンで残りの約1900万トンは被災地自身で処理されています宮城県の瓦礫だけで、日夜処分場を稼働させても通常の19年分に相当します。

そしてこの8割以上は既に被災地地震でなんとか必死に処理している事実を知らないのでしょうか

こういう大震災時に、廃棄物処分は発生地で行うという平時の原則を持ち出す神経が分かりません。

瓦礫は2年目の夏を迎えて、今年もまた腐敗による臭気や害虫の発生が始まってきています。それがいかなる影響を被災地の人たちの健康に与えるのかは、考えないでもわかりそうなものです。

瓦礫が片づかないことによる復興計画の遅延は、かねてから指摘されているとおりです。

それを知らないとはいわせません。知りながら、この状態が19年続く被災地の地獄は平気であると、なぜなら廃棄物処分の広域処分は原則に反するからだ、と。これじゃあまるで出来の悪い官僚の言い分みたいです。

■いつのまにか「放射能を拡大するな」を引っ込めた不思議

そしてこの瓦礫に、「放射能汚染さえなければいいと、東北から九州まで運ぶことを合理化」しています、としています。

おやおや、これはどうしたことでしょうか!「放射能汚染さえなければ」ということはようやく放射能がないことが分かってきたのですね。

大変な後退ですね。去年までは盛んに「放射能を拡散させるな」と言っていたはずでしたのに。

「被災現地での計測など信じられない」、とまでインタビューで言っている人が今回もいました。じゃあ、直に現地へ行って計測してきなさいよ、と言いたくなります。

北九州市で、逮捕者まで出すような騒動を起こすくらいなら、一日で宮城、岩手の現地に行けます。ぜひ、思う存分放射能測定をすればよかったのです。

私たち「被曝地」農民は、自腹で計測器を買い込み、シラミつぶしに計測して回りましたよ。その手間を惜しんで、言うことが「現地計測は信じられない」とは!

より高い線量の地域に、低い地域から持って来るなの怪

この両県は極めて限られた地域(一関など)を除いて被曝から免れています。その被曝量は東京都東葛地域、千葉県柏市、松戸市などより低い線量です。

空間放射線量を比較してみます。(11年9月現在)

・宮城県          ・・・・0.061μSv
・岩手県          ・・・0.023

東京都          ・・・0.056
・北九州市        ・・・0.07 
(*)
*北九州市皇后崎ゴミ処分場バックグラウンド線量12年4月4日計測値

https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000110719.pdf

上の被災地と北九州市の空間線量を見てなにも感じなかったらヘンです。北九州市のほうが、この東北2県よりバックグラウンドの空間線量が高いのですよ。空間線量が低い地域のものを、高い地域が騒ぎ立てるとはこれいかに。

だからと言って、気にする必要もないていどの差ですが、それを針小棒大に騒ぎ立てて「放射能が来る!」と根も葉もないデマを言い散らしてきたのはこの人たちです。まさにオオカミ少年。

■試験焼却後にも処分場周辺の線量には変化なし

そして、市当局は約束どおり、搬入前と後で計測を実施しました。それが以下です。(同上)

ごみ搬入車両       ・・・0.05(0.05~0.05)μSv
・バックグラウンド      ・・・0.05
・主灰(焼却灰)搬出車両 ・・・0.05(0.05~0.07)
・バックグラウンド     ・・・0.06
●皇后崎工場
・飛灰(ばいじん)搬出車両・・・0.06(0.05~0.07)
・バックグラウンド     ・・・0.06

空間線量にはまったく変化ありません。あたりまえです。元々放射能なんてなかったんですから。それを現地で事前に測り、それをクリアしたものが入ってきくるのですから当然の結果です。

「処分場の近くの学校で運動会があるので危険」と言っていた人もいましたが、その心配は無用にしてください。すでに受け入れをしている島田市、松坂市、東京都でも処分場近辺の空間線量の上昇は観測されていません。
島田市http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-040/gareki/1-7.html

■被災地瓦礫に放射能がないとわかると、今度は有害物質に鞍替え

そして放射能が怖い」が根拠なしと分ると、次に持ち出したのが瓦礫内の有害物質です。反対する種が尽きると、次から次に理屈にもならないことを持ち出してきますね、この人たちは。

初めから有害物質がテーマなら、それを測定することを現地行政に要求すればいいのです。それを今になって、自分たちの「放射能が拡散される」という論拠が全面崩壊すると、新手を出して来ます。こういうのを世間では無原則といいます。

変わったのなら変わった理由をはっきりさせて、宮城県、岩手県の人たちに「すいませんでした。放射能を拡散させるというデマを飛ばしてしまいました」と謝罪してから、次の有害物質とやらに移りなさい。それが常識というものです

■行政の測定が信じられないのなら自分でやるしかない

あれがダメだとコレ、そして言うことには、「なし崩し的に認めてしまうと、今後検査が厳密に行われる保証がない」とまで言い出す始末です。

今回の検査は初回だったから、宮城県は飛び切り安全なヤツを選りすぐって搬入した、とでも言いたいのでしょうか。(どうもそのようです)

ため息が出ますね。つきあい切れない。現地行政も北九州市も信じられないとまで言うなら、処分場にテントでも張って、来る瓦礫をこれから毎日自分たちで計測したらどうなんです。

行政が測るのが信じられなければ、自分でしなさい。ただそれだけです。なしくずしもなにもあったものではありません。

■こんな反対運動は脱原発運動とは無関係の単なる地域エゴだ

最後にいかなる低レベルだろうと閾値がないのだから危ないという、私たちがもう1年ちかく毎日聞かされて手垢のついたようなゼロベクレル主義が根拠として持ち出されます。

これにはコメントを差し控えます。私はそのような神学論争には興味がありません。ゼロベクレルを信奉したければどうぞ勝手に信じて下さい。このゼロベクレル主義者とは議論が成立しないことは身に沁みています。

ただし、被災地を踏みにじるようなことをせず、社会に迷惑を及ぼさない限りでお願いします。

あ、それともうひとつ。脱原発運動をやっているなんて触れ回らないで下さいね。あなたがたの「運動」は、脱原発とは名ばかりの、単なる地域エゴの化け物にすぎないのですから。

■瓦礫問題過去ログ
 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-2240.html

 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-da6d-1.html 

追記 扉写真を入れ換えました。この石巻の写真を見てなにもかんじないのならもはや言うことはありません
追記2 この仙台住民のブログ記事をお読みいただくことをお勧めします。http://hhvstudio.seesaa.net/article/271243481.html

      ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

西日本新聞5月22日

北九州市が試験焼却する宮城県石巻市の震災がれき約80トンが22日、北九州市に到着し、小倉北区の不燃物保管施設「日明(ひあがり)積出基地」に搬入された。試験焼却に反対する人が激しい抗議活動を繰り広げたため、予定より約8時間半遅れの作業となった。反対派の2人が福岡県警の強制排除に抵抗し、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。市は予定通り23日から試験焼却を行う。

がれきは19日に石巻市をトラック28台で出発。午前9時ごろ、最初の6台が施設前に着いたものの、反対派約40人が施設正門前で先頭のトラックを取り囲んで搬入を阻止。「市長を呼べ」などと大声を上げ、阻止活動を続けたため、市は午後になって「業務に支障がある」として、門の前からの移動を求めて警告。午後4時ごろ、同県警の警察官約40人が強制排除した。

午後8時までに27台が施設内に入ったが、1台は施設入りできず、23日以降に荷卸しする。  

施設内では、市の委託業者が重機を使ってトラックからがれきが入った袋を降ろし、袋を破いてがれきを取り出した。

市は23~24日に日明工場(小倉北区)で約32トン、24~25日に新門司工場(門司区)で約48トンを試験焼却する予定。試験焼却を通じてがれきに含まれる放射性物質の濃度や工場の空間放射線量を測定する。22日に予定されていた保管施設の敷地境界での空間放射線量などの測定は23日に行う。市循環社会推進部は「無事に到着してよかった。試験焼却に万全を期したい」としている。

宮城県によると、石巻市では震災がれき446万トンが発生し、最大73万トンの広域処理が必要という。

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原発のリアルな終り方  脱原発で今や化石燃料大国に転換してしまった日本

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先日、北九州市で宮城県石巻市の震災瓦礫80トンの試験焼却に実力阻止行動があり、2名が逮捕されるという事件が起きました。

このような瓦礫搬入反対運動は、なにものも生まないばかりか、脱原発運動に放射能差別と被災地差別を持ち込んでいます。
(*これについては過去ログで批判していますので、詳しくはそちらをご覧ください。)
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-2240.html

さて、「脱原発」という言葉は一種のマジックワードです。アブダカダブラみたいなものです。

それを言っただけで、あ~これで解決したぁという錯覚を与えてしまうといった便利な言葉です。しかしもちろん、言っただけでは現実は変わりません。

「脱原発」という目的そのものが無意味なのではなく、それだけでは何も言ったことにならないからです。ですから、具体的に原子力社会から離脱するには、もっと具体的に踏み込んで多方面から考えていかねばなりません。

さて、私は原子力社会からの離脱を、「原発のリアルな終り方」と言ってみることにしました。

どうやったら本当に原子力から足抜け出来るのか、そのためになにをしなければならないのか、逆になにをしてはいけないのか、あれこれ考えていきたいと思っています。

ところがこれは複雑な方程式での解けない解のようです。とりあえず3ツのパラメータを挙げてみましょう。
➊環境問題
❷原発をなくした場合のエネルギーの安定供給
❸代替エネルギーの普及=経済効果

たとえばまず、「環境問題」です。安全問題と言い換えてもいいかもしれません。

「原子力を選ぶのか、命なのか」というような問いかけが去年からよくなされましたが、それはあくまで「気持ち」であって、原発のリアルなたたみ方については何も言ったことにはなません。

そこで、もう少し別な角度から見てみましょう。それは原発事故が起きる前まで一番のテーマだったはずの地球暖化問題です。

「自然エネルギーは環境にやさしい」といっても、ならば原子力もCO2を出さないというコダマが返ってくるでしょう。事実、原子力のうたい文句は地球温暖化でした。

2009年の国連気象変動サミットにおいて、鳩山元首相が勝手に国際公約してしまった1990年比で2020年までに2%温室効果ガスを削減するという目標には、あと8年しかありませんが、原子力発電なくしてどのようにするのかはまったく不透明です
(*CO2削減率問題については過去ログをご覧ください。)
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-a3c7.html

それ以前の1990年に8%削減という政府目標を立てた時ですら、そのために原発を9基増設し、当時60%台だった稼働率を一挙に81%にまで引き上げ、太陽光も20倍にする、と試算されていました

また、2009年時点で、政府は電力に占める原子力の割合を当時の30%から2030年には50%にまで引き上げる計画を立てていました

とうぜんのこととして、それらの計画は3.11以後、完全に白紙になったのは言うまでもありません。

ここで、ではどうやったら原子力なしでCO2削減ができるのか、という放射能以外のもう一つの環境問題のパラメータが出てくるわけです。

当座の間、新エネルギーで現実的に供給体制に入っているものはありません。存在するのは、唯一化石燃料のみです。

実際、止まっている原発の代わりとなる電力は、今まで稼働を止めていた旧型火力発電所を再稼働したものによって補われています。

発送電実績をみればそれは明瞭です。事故前の2010年11月時点で原発は230キロワット時をを発電し、電力需要の30%を超えて供給していました。

それが事故後の2011年11月には70億キロワット時と3分の1以下に減少し、10%を切りました。それが現在2012年5月時点ではゼロです。

では、火力発電の増加ぶりを見ましょう。2011年11月時点で、363億キロワット時であったものが、493億キロワット時と35%増大し、今や電気供給量の実に68%を占めるまでになっています。

脱原発の世論の流れによって、皮肉にも日本は今や約7割を化石燃料に依存するCO2大国に生まれ変わってしまったと言っていいでしょう。

この状況が続くのならば、1990年比25%削減など夢のまた夢であって、大量の排出権購入を考えない限り、わが国は外国に排出権購入で膨大な富をむしりとられ続けることになります

つまり、原子力をゼロにする環境問題解決を実現すれば、片方の地球温暖化阻止というもうひとつの環境問題を犠牲にせざるをえないパラドックスが現実のものとなったわけです。

片方を立てれば片方が立たない、これが原発のたたみ方の解けない解のひとつです。脱原発は呪文ではありません。

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金環日食が教えてくれた

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皆様、金環日食をご覧になりましたか。いや、すごいの一語です。太陽が上弦の右から三日月になり、外縁だけ残して完全な金環月食になったのを見たとき、こういうふうにしてこの世が滅びるのなら納得できるのかもしれない、と不埒なことを考えてしまいました。

それほどまでに美しく、哀しげな終末的な光景でした。

月食が進むと、本当に冷えてきます。Tシャツで空をにらんでいたのですが、途中でパーカーを羽織ったほどです。

太陽の恵みなどとわかったことを言っていますが、短い時間でそれをみせつけられると、改めて自分たちはなにによって生かされているのかが分るようになってきます。

3.11の時には、放射能による大地の汚染がありました。そこで、私たちは放射能を封じ込めた「土の神様」に出会いました。

そして、遅まきながら知ることになるわけです、土という愛おしくも絶対的な存在を。

よく、人は農業を成立させている三要素を、ヒト、生産基盤、生産技術などということがあります。いずれも、人為的な要素です。まるで人が農業をするから、作物ができるようです。

そうなんでしょうか。そんなにヒトはごたいそうなものなのでしょうか。

原子力発電所ひとつが事故を起こした「ていど」で恐慌を来し、外国からの食糧がなければ生きていけないような生活をしておきながら、ヒトがいつも主語になると思っています。

ヒトができることは、限られているんじゃないでしょうか。

私たちは、太陽のように巨大な熱量を与えて、この世界にあるあらゆるものを生かす力などありません。

大地のように膨大な微生物と地虫を包み込み、植物を育てるゆりかごになることも出来ません。

せいぜいが、種を播き、作物を管理し、収穫するという仕事だけです。それも、゛太陽と大地がなくては一日たりとも存在できないのです。

それも、太陽が地球に降り注いでいる惜しみない熱量の数兆分の1と、大地の持つ力のごく微量しか自らの糧とすることができない存在でしかありません。

昨日、金環日食を見ながら、私は自分の傲慢を恥いっていました。農業が、太陽、大地、そしてヒトによってなりたっていることが゛改めてわかったからです。

■写真 いちおう金環日食を撮りました。日食グラス越しには全部失敗、しょうがないので、直に撮ったのがこれです。うっすらと金環になってますが、わかりますか(涙)。

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金環日食を見るためにお休みします

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今朝は、金環日食を見るためにお休みします。現在、わが茨城県地方は曇りです(涙)。

ああ、あと1時間15分で晴れてくれぇ!日食グラスもカメラも準備しているのに、ああ!

6時36分 右上弦がかけてます!ウワー感動だ。

7時20分 痩せた三日月。雲間の陰から見えます。かなり曇ってきました。少し涼しくなってきました。

7時34分。 完全なリングが!ラッキーなことに完全なリングが観測できます!夜でもなく昼でもない、幻想的な明るさ。

7時44分。上弦のみが残っています。 

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原発事故は必然だった 原発事故率と対策費グラフでみる東京電力の人災責任

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最近でこそあまりl聞かなくなくなりましたが、原発事故=天災論というのが去年かなり力をもった時期があります。

それは、津波対策が講じられていた東海第2や、高台にあった女川が事故に至らなかったこと、あるいは新型である福島第2が外部電源の復旧と、冷却機能を早期に回復したことなどがあったからです。

このことから、福島第1ですらスクラムができていたのだから、津波による全電源喪失さえなければ・・・、という論調が生れました。

この論調によれば、福島第1の事故が起きた条件は
➊十分な大津波対策を実施していない原子力施設
❷旧型で運転から30年以上経過する沸騰水型型原子炉(BWR)
❸原子力施設に対しての送電施設の脆弱性
➍電源喪失で機能しなくなる緊急冷却装置の脆弱性

事故は、突然起きる天災などによる偶然因子のみに支配されているわけではありません。

事故に至るまでに、かならず予兆のようなものがあります。細かい事故が多発し、その積み重ねが重大事故の原因のリード線になっている場合が少なくないからです

原発事故も同様です。福島第1は敦賀と並んで、事故の常習犯でした。東海第2もトラブルが頻発しています。

下図は、原子力施設情報公開ライブラリ(NUCIA)データベースの1999〜2010年のトラブル等発生率を炉齢別・型式別に比較です。(戒能 一成氏 独立行政法人経済産業研究所(RIETI)作成による)

福島第1のような旧型BWRが、新型BWRと比較して2倍の事故回数であることがわかります。

また圧力水型(PWR)は、新型BWRより更に低い事故回数であり、新型PWRは旧型BWRの8分の1しか事故を起こしていません。

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次に、原発ごとの事故発生率をみます。(同)Photo_2

福島第1の事故頻度は極めて高く、同じ東電の福島第2は2004年に一時的に福島第1と並ぶ事故率になりますが、すぐに改善されて事故を急減させています。

一方福島第1は2007年に年6回というピークに達して以降、さすがに年4回ていどまで下げながらも横ばいを続けて高止まりとなったまま運命の3.11を迎えました

このようなひんぱんに事故を繰り返し、それが低減せずに高止まりとなるような施設には、なんらかのトラブル要因が潜在し続けており、それの除去ができなかったことを物語っています

このことから、おそらくは全電源喪失によらずとも、地震による冷却系パイプの破断が生じていたという説にも信憑性がでてきます。

また、年に4回から多いときで8回という事故回数は、ひっきりなしに現場は事故対応に追われていただろうことも推測できます。

このことが、現場を疲弊させ、事故対応能力を磨耗させていただろうこともありえるかもしれません。

ではここで、他の電力会社の騰水型(PWR)と比較してみましょう。(同)

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企業別に見た場合、東電が圧倒的に多いことが目につきます。敦賀、東海第2も原電ですが、いずれも東電管内です。

では、これに対して電力会社がどのような事故後の対策をとったのかが分るグラフが下です。(同)

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多くの電力会社が、2005年から09年にかけて、地震対策や、旧式化する発電所の強靱化に努めていたことに対して、東電のみはまったく補強対策を怠り、対策費が下げ止まっているのが見て取れます。

東電がこの時期に、ディーゼル非常用発電機だけでも高い場所に移設していれば,、事故はなかったかもしれないというのに。

つまり、事故率は全国でもっとも高いにもかかわらず、対策費はもっとも低いという経営を、東電がしていたことが明瞭になりました。

これらのグラフを見ると、福島第1の重大事故は、東電の経営体質とその施設の高経年化、BWRの本質的欠陥などの原因により起きるべくして起きた人災であると、私は考えます。

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アジアに架ける送電網の夢と現実

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壮大な夢というのはいいものです。セシウムが5bqあろうものなら、天下の一大事になるような現実から離れて、パッと大きな夢を描くのもいいことです(笑)。

「エコノミスト」誌5月22日号には、「アジア太平洋州電力網」というドデカイ構想が載っていました。掲載されたのが由緒ある経済誌ですから、あながちホラでないようです。

さて構想は、10年後の日本を見据えた構想を出し合うという、経済人、学者、政治家などのお歴々の集まった「日本創成会議」というところが発信元です。http://www.policycouncil.jp/

いろいろな提言をしているのですが、その中に壮大なホラ、失礼、夢がありました。これがさきほど書いた「アジア太平洋州電力網」構想です。(資料1 参照)

2020年までには韓国に海底ケーブルを通して送電網をつなぎ、その勢いで50年までには東南アジア、そして豪州にまで引っ張ろうというかんがえです。

いや、ズゴイ。まことに気宇壮大ですが、実はアジア・太平洋州の送電グリッドは非常に遅れています。

これはこ個別の国の事情が、アジアでは大きく違っており、電気さえ行き渡っていない国がある一方、日本のような原発大国もあります。

運営形態も民営あり、韓国のような国営あり、はたまた日本のようなのような国策民営もあるとでんでんバラバラです。おまけに周波数も違います。

これらをアジア統合の系統化にするとなると、そうとうに柔軟性のあるグリッド・システムが必要となるでしょう。

これをヨーロッパのような、いくつかの系統をもつ欧州広域連系系統(UCTE)のようなものにしようというわけです。(資料2参照) 

また、この電力問題になると必ず顔を出すようになった孫正義氏は、独自に中国、モンゴル、インドまで及ぶ3万6000キロにも及ぶ送電網を考えています。

外国とネットワークを結ぶのは賛成ですが、その前に自分の足元をみてみましょう。

かなり知られるようになってきましたが、日本の送電網はヨーロッパのような広域ネットワークになっておらず、電力会社の幕藩体制ごとの環状ネットワーク構造になっています。

要するに、沖電を除く本土の電力会社は、めいめいに自社所有の送電網をもっていて、他者との連携は緊急時以外に想定していません。

特に電力会社間で送電を行うための高圧送電網の能力には限界があり、増強しないと電気融通もできません。

例えば、中部電力は去年東電に電気融通をしましたが、そのときネックになったのはこの問題でした。

中部電力から東電に電気を流すためには、中部電力の東清水変電所で周波数を変換せねばなりません。

しかし、15年前に工事を開始した275万キロボルト(kV)の高圧電線の工事がいまだ終了しないために、30万kWの変換設備が3分の1の13.5万kWしか使えない現状です。

15年かかってこのザマですから、おい、やる気があるのかよという気がしますが、ハイないのです。だって、3.11以前まで東電が電力融通を求めたことは確かなかったはずですから。

不要不急の施設に金かけるほど、中部電力はお人好しじゃありません。万事この調子で、今回の関西電力のSOSに対して、スムーズに電力融通ができないのは、余剰電力問題以外にこの変電施設の低能力にありました

もっとも、ただヤル気がないとだけ言ってはかわいそうで、電力会社は電気事業法の定める所に従ったまでですが。

この、地域間で自閉した環状ネットワークを、ドーンと貫通して全国を貫通するという構想があります。これが、飯田哲也氏が提唱し、孫正義氏がラッパを吹いているスーパーグリッド(高圧直流送電網)です。

いわば「電気のハイウエイ」(飯田氏)というわけですが、これが出来れば50Hzと60Hzの壁などへいちゃらというわけです。

もっとも飯田氏の場合、日本の電力事情から発想したというよりも、自然エネルギーを普及させるために発想したようです。

自然エネルギーのボトルネックは、とりもなおさず送電網にあるからです。というのも、今まで何度か述べて来ましたが、自然エネルギーには、お天気任せであるために約30%といわれる発電量のブレという宿命があるからです。

実用化するには、このブレをどうにかしないわけにはいかず、そのためにはスマートグリッドが必要であり、発送電分離がなくてはそれが出来ず、ええい、こうなったらいっそスーパーグリッグだぁ!、という論理展開のようです。

問題はアレをどうするのかです。アレ、つまり資金です。

高圧送電網の敷設費用は、とんでもない金食い虫で、1キロメートル当たり9.5億~10億円かかると言われています。仮に最低限の直線だけで南北2000㎞とします。するとそれだけで1兆9000億円から2兆円です。

この幹線に、地域ごとに支線が張り出しますから、さてどれだけの距離になるものやら。

変電設備やら、ケーブル維持管理や、更新費用なども必要でしょう。震災で通信用の海底ケーブルが切れましたが、最近やっと復旧したようです。切れたケーブルや中継器を、船に引き上げて継ぎ直す作業をしたようで、それは大変だったと聞きます。

ちなみに、欧州広域連系系統(UCTE)は、2000億ユーロ(22兆円)かかったという話もありますから、島国の日本では10兆は楽にかかってしまいそうです。

これを現行の総括原価方式でやるのだけはかんべん願いたいものです。それでやられた日には、ザブザブとコストばかりがかかって、一切合切のツケが電気料金に上乗せになります。冗談じゃないってもんです。

孫さんがいくら持っているか知りませんが、いくら資材を擲っても無理でしょうから、国家事業としてやることになるのでしょうが、自然エネルギーだけで作る必要があるのか、あるいは電力融通だけでやらねばならんのか、と異論が噴出しそうな問題です。

ましてや、陸上より数倍増しの海底ケーブルとなると、アジアに架ける送電網の夢も前途多難のようです。

■写真 ピンポケではありません。ソフトフォーカスでタンポポの教室を撮ってみました。春の眠い午後。

■追記 今日は仕事が押していて、ロクな推敲もしないでアップしたら、転換ミス、脱字の山(大汗)。ごめんなさい。これからしっかり推敲してアップいたします。

       

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 ■資料1 日本創生会議構想  「エコノミスト」誌5月222日号より

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■資料2 新エネルギー導入時の系統安定に向けた取り組みに関する欧州現地調査概要http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90522a03j.pdf#search=

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そして、電力自由化と原発ゼロ社会への過渡期がこの夏に始まる

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おととい、全国の夏の電力不足予想が、先月23日に発表した16.3%から5%に大幅に下方修正されました。特に関西電力の出していた-14.9%の見直しが大きいと言えます。

この需給予想は定期的に地元行政と関西電力がやっているようで、打てば響く法華のタイコよろしくやるたびに需給ギャップ見積もりが下がっていきます。めでたいことです。

大阪市の特別顧問になってこの会議に参加している飯田哲也氏が、「来週の見積もりではプラスに転じます」と自信たっぷりに言っていましたから、きっとそうなるのでしょう。

この手品の種明かしは、需要を下げて、供給見直しをした、ただそれだけです。以下、足し算引き算になりますので、電力需給に関心のない方は、下半分からお読みください。

まず、今まで関西電力は-14.9%の根拠を、-445万kWの需給ギャップにあるとしていたわけですが、これを太陽光、水力発電などを最大48万kWに見直し、他社からの電力融通を162万kWにしました。

これで電力供給サイドは、210万kWに積み上がります。

一方需要サイドも、なかなかユニークな方法をとって下げようと努力しています。一般家庭には、目標達成するとプレゼントが送られるそうで、これで-4万から-7万kW異常を削減します。

次に、電力不足、電力不足といっても、要はピーク時の午後1時からの2時間、3時間を節電すればいいわけで、そこを高めに設定する料金プランを作り、これで-0.2から-0.3万kW異常を削減できるとしています。

そして計画調整契約といって、緊急の不足時に調整役を果たす大口の事業者がいたのですが、これは通常は割引料金で電力を使える代わりに、イザという時に真っ先に削られます。

これの加入条件を緩和し、割引単価も安くしたそうです。これで更に、-3万から-7万kW以上の需要が下げられるしています。

しめてこれで-73万kW以上を下げ、しめて需給ギャップは-147万kW、-5%に縮小されました。やりゃできるじゃないですか。

後は電力融通ですが、これは去年の3.11以後と較べて火力などの発電施設の被害が回復したことがプラス、原発が当時はかなり稼働していたのが一挙にゼロとなったのがマイナスの条件となります。

これを供給予備率3%以上の電力会社である東電、中部、北陸、中国から頭を下げて借りて回り、これが計162万kWとなりました。

この融通余地についてはまだ揉みようがあるようで、東電から100万kWの融通が効くのではないかと言われています。

これは今月の東京都環境局見積もりでは、最大103.5万kW融通しても大丈夫だという見積もりが出ていたからですが、政府の受給検討委員会では2ケタ少ない1万kWにすぎないとしています。

東京都が言う試算が正しければ、一気に電力需給はプラスに転化してしまいます。

まぁ、どっちでもいいですよ。とまれ、なんのことはない麗々しく発表される電力需給などというものは、こんなていどにコロコロ変わるていどのものだったということが分かりました。

これは、関西電力や経済産業省の基本姿勢に変化のきざしが現れたからです。

従来は、大飯原発の再稼働をめぐってなんとか中央突破が可能だろうと、電力会社と政府は甘い見通しを立てていました。しかしご承知のように、見事に周辺各自治体の総スッカンを食いました。

というのは、従来では、ということは3.11前までということですが、ともかく立地自治体がウンといえば通ったのです。当該自治体と県の了解です。

しかし、今はそうはいきません。いったん事故があれば、福島第1の事故でそうであったように、風下の広範囲な地域が汚染されることが分かりました。

もはや、近隣自治体の承認なくして稼働できない時代に入ったのです。

となれば、電源立地予算の恩恵もない周辺自治体にとって、原発はただひたすら被害だけを受ける危険な存在にすぎないわけですから、ウンと言う道理がありません。

つまり、政府の電源三法により立地自治体補償で済んでいた旧来の構造が、もはや通用しない、ということになります。

今後、新たな建設はおろか、再稼働においても周辺県の合意なくしては一切進まないことになってしまったのです。ということは、再稼働はラクダを針の穴に通すより困難ということになります

となると、経済産業省が電力会社に独占の特権を与えていたのは、「電力の安定供給」が大義名分としてあったわけですから、安定供給するためには原発ゼロでも電気を供給できる態勢を作れということになったのです

先月まで、全国の電力会社は大飯原発の再稼働をわがことのように注目していました。それはここが突破できなければ、全国の再稼働はなきに等しいからです。

しかし、それがないと分かりました。仮に将来あったとしても、この夏などは100%無理です。となれば、電気事業法の精神である「安定供給」を原発ゼロで真面目に考える必要が生れたのです。これが一転して、この夏の電力需給が-16.3%から-5%に一桁下がった理由です。

電力という大きなジグゾーパズルの中で、原発という大きなピースを抜いてしまうと、まったく違った絵が出現します。それは多種多様の電源の登場であり、それを供給可能とする自由な送電網であり、競争のある電力社会です。

競争なき超独占構造の中で、今までジャブジャブ使ってきたコストを少し下げただけで電気料金は下がっていきます。

送電網を国が買い上げ適正な開放を行えば、自然エネルキーや新たな代替エネルギーが続々と現実化していくことでしょう。

東電や関電は、その発電会社の有力な一部となればいいのであって、発電から送電まで一切合切をわがものとして帝王の如く君臨する時代は終わりました。

霞が関は、今や問題児と化した原発から足抜きし、欧米タイプの電力自由化を射程に入れています

その意味で、ややフライング気味でいえばですが、電力自由化と原発ゼロ社会は、事実上この夏をもって「開始」されたと考えていいでしょう。

もちろん法的な発送電分離が完成するのは、数年先になるでしょうし、いくつかの原発も、(賛成ではありませんが)暫定的にであっても再稼働せざるをえないかもしれません。(*)

つまり、過渡期が始まるのです。

今、私たちに必要なことは、先行事例を真摯に分析し、その失敗に学ぶことです。原発賛成、反対を問わず、わが国がかつてのような原発大国に戻ることは不可能なのですから。

ならば、どのような道を進むべきか考えつづけなくてはなりません。政治スローガンであった「脱原発」を現実にせねばならないとしたら、どうしたらいいのかを真剣に考えねばなりません。

*追記 今年、橋下大阪市長が首相になった場合、信じられないような速度で過渡期が終了し、本格的な開始になる可能性はありますが、なにぶん政局は分かりません。

■写真 翠様、コメントありがとうございます。初夏の柿の葉です。お日様に透かしてみると葉脈がキレイ。

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