トランプINF条約離脱へ

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トランプが、10月20日、レーガン政権下でゴルバチョフと結んだINF(中距離核戦力全廃条約)を廃棄する方向の検討を表明しました。
中距離核戦力全廃条約 - Wikipedia 

Reagan_and_gorbachev_signing INF条約に署名するレーガンとゴルバチョフ Wikipedia

「トランプ氏は同日、「ロシアは長年、条約違反をしてきた。我々は合意を破棄し、(条約から)離脱する」と明言した。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が近くロシアを訪問し、トランプ氏の意向を伝える見通しだ。
 条約で禁止された核弾頭も搭載可能な地上
発射型の中距離ミサイルについて、トランプ氏は「我々はこれらの兵器の開発をしなければならない」と強調した」
(朝日10月22日)

表面的に見ると、トランプは中距離核戦力の相互廃棄を「やめるわ、オレ」というのですから、例によって米国が腕っぷしに任せて横紙破りを始めたのかと思われた方もいらっしゃったことでしょう。 

実際にNHKのニュー9などでは、「力に対して力での対抗はイカン」といった、いかにも9条の国の公共放送らしいことをのたまうていましたね。 

ほー、となると、いままでの米国の抗議を歯牙にもかけずに始まった、ロシアのINF条約破りは不問に付してもいいが、核のバランスを回復するための米国のそれはいかんということになりますね。 

実際、日本のメディアはロシアの新型巡航ミサイルについては、まったくスルーしていました。

そもそも日本のメディアは、いつもながら旧共産圏には甘く、米国と自国には厳しいという非対称のスタンスをとっているから、わからなくなります。 

INF全廃条約は、射程範囲500~5500キロの核弾頭および通常弾頭を搭載した地上発射型の短距離および中距離ミサイルを廃棄するよう定めていますが、この新型の9M729巡航ミサイルの射程は1500キロを超えると思われています。 

99299M729巡航ミサイル 出典不明

INF条約違反と目されているロシア製核ミサイルは下記です。
JSF氏による
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20181022-00101377/

①SSC-8地対地巡航ミサイル  ・・・ 射程2000km~2500㎞
②イスカンデルM弾道ミサイ     ・・・短距離弾道ミサイルだが射程500km超
③RS-26ルベーシュ弾道ミサイル・・・射程5500km以下の中距離弾道ミサイル

いうまでもありませんが、ロシアの中距離弾道ミサイルの射程内には、ヨーロッパ全域と日本が納まります。 

たとえば、北朝鮮の中距離弾道ミサイルのノドンの射程は1300キロと言われていますから、日本列島がすっぽりと納まります。

Photo_2海国防衛ジャーナル http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstanc

先ほどふれましたが、オバマも2014年にロシアのINF条約破りを批判してはいるのです。 

しかし例によって例のごとく腰砕けに終わって、ロシアは開発を続行し、とうとう完成させて実戦配備してしまいました。 

匿名のトランプ政権高官は、ロシアがSSC-X-8・9M729ミサイル部隊を既に2個大隊保有しており、1個大隊はロシア南部ボルゴグラード周辺の開発実験施設に配備され、もう1個大隊は昨年12月に中央ロシアに実戦配備された、と発言したことが伝えられています。 

ただし、これは西側インテリジェンスの調査によるものであって、ロシアは本来公開されるべきINF条約関連の情報を秘匿しているために確証情報ではありません。 

トランプが怒っているのは、「お前の時代にロシアを止めておけば、今、オレがこんなややっこしい条約脱退なんかしなくてよかったんだよ、このウラナリビョータンめ」ということのようです。

「トランプ氏は20日、ネバダ州で開いた支援者集会の後、「自分たちができないのにロシアは好きに兵器ができる」のを米国は容認しないと述べ、INF全廃条約について「どうして(バラク・)オバマ大統領が交渉や離脱をしなかったのか分からない」などと批判した。
オバマ前米大統領は2014年、
ロシアが地上発射型巡航ミサイルの発射実験を行った際、INF全廃条約違反だと抗議した。オバマ氏は当時、条約離脱は軍拡競争再開につながると欧州各国首脳から圧力を受け、条約に留まったと言われている」
(BBCNews10月222日)

かつてのクリントンが北の核施設を空爆しようとして腰砕けになった結果、北は核開発を続行し、とうとう実戦配備したと主張するまでに肥大させてしまったのとよく似た構図です。

米国民主党政権の負の遺産の尻ぬぐいをトランプがさせられているところまで、よく似ています。 

この時は米国は、欧州各国の首脳から反対されて条約に止まりましたが、今回、さすがに喉元にナイフを突きつけられた格好のNATOは違った対応を見せています。 

PhotoストルテンベルグNATO事務総長 スプートニク

「北大西洋条約機構(NATO)は4日、ブリュッセルで開いた国防相理事会で、ロシアによる新型の地上発射型巡航ミサイルの開発について議論し、ストルテンベルグ事務総長は理事会後の記者会見で、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反しているとの認識を明らかにした。
ストルテンベルグ氏は露側が「9M729」と呼ばれるミサイルの存在を最近認めたとする一方、信頼できる説明を拒否しており、各国は透明性に欠くとの認識で一致したと強調。その上で、露側を条約違反とみることが「最も妥当」とし、ロシアに対してNATO側の「深刻な懸念」に対処するよう要求した」
(産経10月5日)
 

西側自由主義陣営は、ロシアが新型9M929巡航ミサイルの配備を完了したことをもって、ロシアがINFから離脱したと見なしています。

プーチンが狡猾に離脱表明しないで、実戦配備をしているだけのことです。

核戦力は「力の均衡の論理」によって成立しています。人類は英知をもっているのに、なんて野蛮だと言わないでください。これが現実なのです。 

今日の国際社会の平和秩序は、二つの要素で保たれています。 

ひとつは「力」、すなわち軍事力であり、今ひとつは合意の積み重ねによる国際法という慣習法です。 

今回のINF条約は後者の国際条約ですが、これが破られた場合、それを守らせるには国際機関が仲介するか、さもなくば国際警察力を持つ国、つまり米国ですが、その遵守を強制せねばなりません。

国際機関、つまり国連安保理が、この掟破り常習犯の中露に拒否権を与えているために(与えないとさっさと脱退されてしまうからですが)、現実には単なる町内会の常会ていどの役割しか果たさなくなって久しいのは、ご存じのとおりです。

トランプは業を煮やして国連人権委からの脱退、分担金の減額、本部のNYからの立ち退きなどを構想していて、このまま推移すると国連脱退し、第2国連作りもあながち冗談ともいえなくなったとみられています。

といっても、実際に脱退できるのは予告期間の6カ月をみて、来年4月頃になるとみられています。

その間、米国は急ピッチで中距離核戦力を再構築せねばならなくなったわけです。

米国は完全に廃棄していたために、当座は核搭載トマホーク巡航ミサイルの復活といったことが現実的でしょうが、それはそれで大変なことではあります。

それはさておき、NHKのキャスターがしたり顔で「力に力で対抗してはイケナイ」と叫んでも、このような力学で国際社会が作られている性質上、いたしかたがありません。

つまりは、ロシアが条約の拘束から離脱した以上、INF条約の精神を守るためには自らも条約離脱をして、「力の均衡」を回復するしか道がないことになります。

これが核時代の哀しいパラドックス(逆説)なのです。

そしてもうひとつのトランプの狙いは、INFにすら加盟せずにせっせと核軍拡に励む中国を視野に入れていますが、長くなりましたので次回にします。

 

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那覇市長選大敗 負けるべくして負けた沖縄自民

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消化試合のようだった那覇市長選が終わり、とりあえずこれで沖縄の選挙の季節は終わりました。 

「任期満了に伴う那覇市長選は21日投開票され、共産党や社民党などの支援を受ける現職の城間幹子氏(67)(無)が、新人の前沖縄県議・翁長(おなが)政俊氏(69)(無=自民・公明・維新・希望推薦)を破り、再選を果たした。
 城間氏は9月の知事選で初当選した玉城デニー知事の支援を受けた。与党などが翁長氏を支えており、知事選と同様の構図だった。知事選、同県豊見城(とみぐすく)市長選(今月14日)に続き、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する勢力が3連勝する形となった」(読売10月21日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181021-00050071-yom-pol 

Photohttp://jin115.com/archives/52236404.html

ひとことで感想を言ってしまえば、負けるべくして負けたということです。 

篠原章氏がこのようにツィートしていますが、私も似たような感想です。

「那覇市長選。現職の城間幹子氏が約8万票、対する翁長政俊氏が4.2万票。ほぼダブルスコア。選挙前からから敗色濃厚だった那覇市長選に県議の椅子を捨てて出馬した翁長氏の勇気と運動員の方々の努力には敬意を表したい。ただ、県知事選に続いて那覇市長選も「普通の首長選挙」になったことは評価したい。」

翁長政俊氏とその陣営の皆さんの奮闘には拍手を送ります。

当初から敗色濃厚な後退戦に、県議の職をなげうって出馬した政俊氏は、自民県連の最後の意地をみせてくれました。
※翁長氏と書くと故翁長氏が強烈ですので、「政俊」氏と表記します。

一方、城間氏は立場は違えど優秀な政治家であることは確かで、知事にも擬せられた人物でした。

仮に知事候補となっていたら,、お菓子系候補のデニー氏よりよほど手ごわい相手となったことでしょう。 

私は内心、城間氏が出馬しなかったことを残念に思ったほどで、城間氏が相手ならば、佐喜真氏ももう少しまともな政策論議ができたかもしれません。 

彼女に勝利するには、自民の選挙体制の見直しと再構築が必要でしたが、今の沖縄県連にそのような力があるはずもありません。 

知事選のタガがはずれような組織状況のまま、首長選挙に臨んでしまったようです。

敗北を受けて、県連会長の国場氏が辞任するそうです。あたりまえです。遅すぎるくらいです。 

自民党沖縄県連会長の国場幸之助衆院議員は21日、先の県知事選敗北などの責任を取って、会長を辞任する意向を示した。那覇市で記者団に「責任は私が一番背負っている」と語った」(時事10月21日)
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12145-109290/

Photo_2国場幸之助氏  共同通信 

国場氏だけがこの間の三連敗の敗因とはいいませんが、氏の指揮官としての不適格さがこの事態を招いたことは明らかです。

選挙期間中に文春に、こんなスキャンダルを書かれる始末で、これで正俊陣営の士気が上がるはずがありません。

自民党の沖縄県連会長を務める国場幸之助衆院議員(45)。2012年に初当選し、以来3回連続当選の「魔の3回生」である国場氏が、既婚女性に対し、〈キスしたい〉などのLINEを送っていたことが「週刊文春」の取材で分かった」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181017-00009366-bunshun-pol

しかもご丁寧にも2回目です。

1回目は、県連会長に就任した4月28日の夜に那覇市内の路上で、連れていた妻以外の女性と口論になり、それを止めようとした観光客を、あろうことか殴ってしまったという愚かな武勇伝の持ち主です。 

沖縄知事選という天王山を控えた時期に、無関係な観光客と暴力汰を起こしたわけで、この段階で自民党は県連会長はおろか県連からも追放すべきでした。 

しかも笑えることには、返り討ちにあって入院(失笑)。

肝心要の知事選候補選定過程には、ずっと不在というのですから、これでは県連会長なんていてもいなくても同じようなものです。

結局、保守系候補の選考過程の不透明さが後々まで響きました。

そのうえに今回2回目のスキャンダルです。相手の女性は1回目の路上暴力事件の時に居合わせた人だったようです。

やれやれ、くだらない。

デニー氏もやっているじゃないか、などといっても始まりません。デニー氏は政治家になる前の話。国場氏は現職の県連会長就任後(というか、その当日)のことです。

痴話喧嘩を暴力沙汰にするような人物に、天王山の采配をとる指揮官としての資格はありません。この時点で自民党中央は国場氏を解任すべきでした。

良きにつけ悪しきにつけ、戦後沖縄を作ってきたた国場一族も、ここまで劣化した後継者が出てしまっては、もう長くないかもしれませんね。

県連会長辞任はあたりまえ、離党するのも当然、議員も辞職しなさい。

県連は国場氏を選挙の責任をとって辞めさせたりしてはいけません。しっかりとこの間続いた不祥事の責任を追及し、県民に事実を明らかにすべきです。

そのていどのことをしないと、ここまで堕ちた沖縄自民は再生できないことでしょう。

こんな会長の破廉恥2連発をウヤムヤにするようなら、沖縄自民はあってなきが如しの存在となったということです。

選挙の季節も一巡したことですし、沖縄自民は一から真摯に沖縄における保守とは何かから考え始めることをお勧めます。

 

 

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日曜写真館 水鳥の声しか聞こえない朝

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朝日は沖縄にも「県民感情法」を作るべきだというのか

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今回の防衛省の不服申請について、出るだろうなと思っていたら案の定です。 

昨日も少しふれた朝日ですが、そのタイトルがふるっています。 

辺野古工事、政府が奇策再び 知事会談からわずか5日後
政府が米軍
普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事再開に向けた手続きに入った。移設に反対する玉城デニー氏の当選からわずか半月。安倍晋三首相と新知事との会談は1回だけで、強硬措置に踏み切った。沖縄の怒りはおさまらない」
(朝日10月17日)

https://www.asahi.com/articles/ASLBK4K6VLBKUTFK00G.html 

昨日は「奇手」と書きましたが、正しくは「奇策」ですので修正しておきますが、奇策とはこんな意味です。

「人の予想もしない奇抜なはかりごと。奇計。「奇策を講じる」「奇策妙案」」
奇策(きさく)の意味 - goo国語辞書

「人の思いもつかない」ですか、ほー。朝日はご丁寧にも前回2015年との経過比較を載せていますが、いかがなものでしょうか。前回と較べて、どこがどう「奇策」なんでしょう。 

Photo_2岩屋毅防衛大臣 https://www.jiji.com/jc/p?id=20181017155542-0028600169 

2015年のケース
・10月14日 防衛省が国交省に゙不服申請
・10月27日 国交相が県の承認撤回の効力停止
・10月29日 政府が埋め立ての本体工事に着手
2018年(今回)のケース
・10月17日 防衛省が国交相に行政不服不服審査請求と承認撤回の効力を申し立て
・10月18日 国交省、県に25日までに県の意見書の提出を要請。提出され次第審査開始。
 

2015年時は不服申請から国交省の効力停止、つまり県の訴えが退けられるまで15日間。

今回はまだ結論は出ていませんが、25日に県の意見書をもらってから1週間として11月の初めには結論が出ると見て、15、6日間といったところです。 

たぶん、国交省によって県の撤回の効力停止となった場合(99.9%そうなりますが)、直ちに工事が再開されることになります。

まったく同じタイムスケジュールです。

政府は新たに何か新しい「奇策」で臨んでいるのではなく、まったく同じスタンス、同じテンポで淡々と対応しているにすぎないのです。

ここのどこが「人の予想もつかないはかりごと」なんでしょう、朝日さん、教えてたもれ。 

そもそも行政不服審査法は、国民の行政行為に対する不服を扱うもので、国と県という行政機関同士が争うものではありません。 

地方自治法は、国と自治体が係争するという事態を想定しないのです。

そりゃそうでしょう。普天間移設は国防が国の専権事項だからなんて言う前に、米国との条約に準じる国家間合意事項です。 

移設問題のもうひとりの主役は沖縄県ではなく米国政府です。つまりは外交事案なのです。

それがいつのまにやら、まるで国内問題のように争われていますが、それはただの錯覚にすぎません。

あくまでも普天間移設問題は、本来、外交案件です。

ここを押えないから初めのボタンを掛け違ってしまい、外交権を持つはずがない沖縄県が介入するからおかしくなったのです。

故翁長氏が愛好した県外交などはその最たるものでした。

Photo_3
デニー氏も訪米するとか、多額の税金使って翁長氏のように国務省のロビーをさまようのでしょうか。まったくもう・・・。

したがって、外交案件であり、なおかつ安全保障案件である移設問題に県が介入すること自体が、「違法」とまでは言いませんが、地方自治法からの逸脱です。 

なにか深い誤解がデニー知事にはあるようですが、県は移設するしないについての権限はありません。 

何度も書いてきましたが、県知事の権限はしょせん、公水面の埋め立てに対して、環境配慮がなされているか、海を汚すような工法は取っていないか、承認時と異なった工法をしていていかなどという、極めて限定された事案に対しての技術的審査に限定されます。 

ですから朝日が「奇策」というのは、「政府が常識的にはありえないトリッキーなことをしている」という印象に導く報道です。 

それを「奇策」とまで書くのは、「強硬措置に踏み切った。沖縄の怒りはおさまらない」(前掲)からだそうです。 

朝日流にいえば、「県民感情」さえがあれば、正当な法に基づいた行政執行は無視できる、いや積極的に無視すべきだということになります。 

Photo_4朝日新聞の社旗を掲げて進む自衛艦ではない

既視感があるなぁ。先だっての韓国の国際観艦式をつい思い出してしまうからです。 

韓国は、ハーグ陸戦条約や国際海洋法といった国際法を無視して、海自に対して軍艦旗(自衛艦旗)の掲揚をするなと言ってきました。 

理由は韓国の「国民感情」を逆撫でするからだそうです。 

「韓国海軍は、済州国際観艦式に艦艇を送る日本など14カ国に対して、海上査閲の際には自国の国籍旗と太極旗(韓国の国旗)を掲げるよう要請した。
また李洛淵(イ・ナクヨン)首相は1日、「旭日旗が韓国人の心にどのような影響を与えるか、日本は細かく考慮すべき」と語った」(朝鮮日報10月5日)
 

朝日は、韓国政府とまったく同じロジックを使っていることに気がつきましたか。 

「民族感情」や「県民感情」がありさえすれば、正当な法執行をしてはならないという情緒優先主義です。 

これでは法治国家は成立しません。

デニー知事が、朝日が煽るような「沖縄の心」とか、「沖縄県民の情緒」で対決する限り、政府は逆に、韓国に対する対応と同様に普通の二者間関係にシフトしていく速度を速めることでしょう。

朝日は、韓国よろしく「県民感情法」でも作れとでもいうのでしょうか。

■[お断り ]  タイトルと本文末尾を「情緒」から「感情」に差し替えました。そのほうが意味がとおる思います。いつもすいません。

 

 

 

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デニーさんの勘違いとは

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これといって感慨もわかないことですが、デニー知事の承認撤回表明、首相との会談を経て、これにて儀式の終了ということで、次のステージに移りました。 

なんか予定調和、いや予定不調和の出来の悪いリメイクドラマでも見せられている気分です。 

防衛大臣による国交大臣に対しての効力停止の申したてがありました。朝日は「奇手」なんてことを言っていますが、本気でそう思っているならアホです。

奇手どころか、オーソドックスな法手続きの開始にすぎません。

奇手なのは、いまさらですが、権限のない日米同盟の決め事を、地方自治体が介入することのほうです。

したがって、前回の翁長氏の時と寸分違わぬ展開がまたリセットされたにすぎません。 

「米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、埋め立て承認を撤回した沖縄県への対抗措置として、防衛省が石井啓一国土交通相に対して、承認撤回の効力停止などを申し立てた。
8月の承認撤回によって止まったままの埋め立て工事を再開するための措置で、行政不服審査法に基づく。
辺野古移設反対を掲げて沖縄県知事選に初当選した玉城(たまき)デニー知事は12日、安倍晋三首相に対して翻意しない姿勢を示した。
 そうである以上、防衛省の申し立ては妥当だ。速やかに工事が再開されることを期待したい」(産経2018年10月18日)

この後にどのような展開になるのかはわかりきった話で、国交省が防衛省から要請された承認撤回の効力無効を認め、それを受けて県が裁判に持ち込むということになります。 

前回は、ここから県の口頭弁論があり、地裁判決から高裁判決、そしていわゆる「和解期間」をはさんで最高裁判決というらせん階段を昇ることになりました。 

今回はこの地裁で終わりです。

だって、既に同じ案件に関して最高裁判決がでていますから、下級審はその判例に準じて判決を出すしかありません。 

主文以外で県に配慮したことは述べるでしょうが、法の立て付けがそうなっている以上、動くことはありえません。 

どんなに遅くとも、年内には承認撤回は封じられます。 

となると、後は延々と県外の砂利がどうのとか、アンカーがどうしたというような小技を繰り出してくるしか手はないわけです。 

謝花副知事はそのいやがらせのエキスパートですから、豊富にネタをお持ちのことでしょう。 

あまりしつこいと、かねてから言ってきたように、政府は県による工事の悪意ある遅滞に対する損害賠償請求をほのめかすかもしれません。 

少なくとも、振興予算の減額ていどの「報復」は覚悟するのですね。まだ首相か「沖縄の心に寄り添う」などといっているうちが花です。 

Photo_2https://www.fnn.jp/posts/00403042CX

そういえば先日首相と会談したデニー氏が、いきなり「振興予算の増額」を言ったのが、本土では話題になりました。 

何を勘違いしているのでしょうか、この人。 

公約で「沖縄経済の自立」を言っていたから驚いたわけではありません。あれは耳に快いことを選挙向けに言っただけのことです。 

私が驚いたのは、この人が彼我の力関係を読み間違えているということです。 

さてこの間、沖縄県知事で予算に関して圧倒的に強い立場にあった知事は誰だとおもわれるでしょうか。 

仲井真知事です。 

歴史をちょっと見バックします 

2011120300003_1出典不明 

上の写真は首相就任のご挨拶に沖縄県庁を訪れた野田首相の時のものですが、知事はかりゆしルックで起立すらせずに出迎えています。 

もう一枚お見せしましょう。これは鳩山首相が仲井真知事を訪れた時のものです。 

Img4bfa0d23957d8出典不明 

まるで仲井真校長に呼び出された中坊です。知事応接室は校長室かって。 

しかし、ハト氏は謝りに来るのに、ずいぶんとラフな格好ですな。まぁ、大富豪の息子で、選挙以外で他人に頭を下げたことなんかない人だからな(ぬるい笑い)。 

ハト氏は、就任前の2008年から「国外・最低でも県外」ということを述べていましたが、さすがはハト氏、自分が日米同盟を揺るがすことをやっているという自覚もなければ、もちろん一片の「腹案」があったわけでもありません。 

突如、地元に根回しのひとつもしないで「ボク、徳之島に決めちゃったもん」と言い出して、地元から大反対を受けることになったことなど、今は懐かしく思い出します(←遠い眼)。 

結局、「あそこだ、ここにするんだ」と、首相の仕事を放り出して狂瀾怒濤のダッチロールの挙げ句、わずか半年でギブアップ。 

その間に、オバマからLoopy(脳タリン)と呼ばれたことは、教科書にも乗っています(うそ)。 

で、5月23日にすごすごと県庁にやってきて、仲井真知事に「ボク、頑張ったんですけど、全部ダメでしたんで、やっぱり辺野古移設にしました。ごめんなさーい」と泣きを入れに来たのが上の写真です。 

この時期、ハト氏は「抑止力を学んだ」とか言っていましたから、この人、首相になりながら国家間合意も知らず、抑止力という概念も知らなかったようですから、確かにこりゃLoopyといわれるはずです。

それはともかくハト氏は、5月28日に日米両政府が辺野古崎地区とこれに隣接する水域を移設先とする共同声明発表し、ハト氏は訪沖後1週間後の6月4日に首相退陣と相成りました。 

いま、この移設呪縛から解き放たれたハト氏は、のびのびと「オール沖縄」と一緒に反対運動にいそしんでいらっしゃいます。 

首相として謝罪に来る時はアロハで、私人として反対運動する時は背広というアンバランスが光ります。

Photo_3出典不明 

この後に、菅直人政権が移設はやはり辺野古となって、野田氏の平謝りの写真へと続くのは、ご承知のとおりです。 

ここで歴代の民主党政権の首相のみっともない姿をお見せしたのは、ひとつにはデニー氏がこの時期他ならぬ民主党沖縄県連の一員だったことをお忘れになっているようなので、記憶回復の一助にというのがひとつです。

民主党政権として当時、彼らが決めたTPP参入表明、消費増税法、辺野古移設など、抵抗野党として都合の悪いことは、一切合切「ありません、ありません」の引き出しにしまい込んでしまいました。

デニー氏におかれましても、同様にご都合主義的記憶喪失になったようです。

それはさておき、もうひとつは仲井真知事の傲慢にすら見える様子の理由が何かです。 

仲井真氏が時の首相にこの態度をとれるのは、沖縄県の立場が政府なんぞより圧倒的に強い力関係だ、という大前提があるからです。  

「民主党さん、一回ハトさんがちゃぶ台返ししたのは、謝ったくらいでは原状復帰は出来ませんぞ」と言っているわけです。 

要は、「ハトのチャブ代返しの以前の合意水準より、いっそう要求ハードルを高くしますよ、覚悟しなさい」というボディランゲージなのです。  

実際、以後の本土政府との交渉は、一貫して「沖高政低」の気圧配置で展開されました。この力関係を作ったのは仲井真氏です。  

よく、左の人たちは「沖縄をいじめまくる本土政府」と言いたがりますが、とんでもない。2人の首相を、這いつくばらせたのは仲井真さんです。 

では、ハト氏だけがちゃぶ台返しをしただけかというとちがいます。これには延々と前史があります。

この移設問題は、実に14年間の間、あーでもないこーでもない、拒否、合意、拒否、合意という定期的波動を繰り返していました。 

その波動がいったん収束したのが、麻生政権時の2007年10月のことです。  

今まで事務処理を拒んでいた仲井真知事は「環境アセス手続きの一つとして受け取らざるを得ない」として、方法書の受け取り保留を解除を決めたのです。  

この時点の名護市長は島袋氏で、市長も苦悩の末に合意に達していましたから、この段階で、なんと初めて政府-沖縄県-名護市-辺野古現地の4者が、惑星直列に達したわけです。 

Photo_4http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/517100...

まさに五目並べか、惑星直列かという奇跡の一瞬でした。 

簡単に経緯を整理しておきます。

・2007年10月 麻生政権-名護市移設で合意
・2009年12月 鳩山政権「国外・最低でも県外」公約
・2010年5月  鳩山氏撤回し、県に謝罪
・同年6月   鳩山氏移設についての日米合意
・同年6月   菅首相、合意継承
・2013年12月 仲井真知事埋めたて事務承認
・2014年12月 翁長知事移設反対
・2015年3月  コンクリートブロックの作業停止を指示
・同3月     農水大臣、知事指示効力停止

 ところが、2009年12月、これをたったひとりで、一瞬にしてぶっ壊したのが、先述したとおり自称「友愛の使徒」、実は破壊神であらせられた鳩山氏でした。  

そして2013年12月27日、仲井真知事は沖縄防衛局の移転に関する環境評価証明を承認しました。 

ハト破壊神が移設合意体系というガラス細工を破壊してから、ちょうど丸4年後のことです。 

当時、首相に復帰した安倍氏と仲井真氏の会談の様子が、下の写真です。

Photo出典不明 

なんだ仲井真さん背広持っているじゃないの、しかも立ってる、と新鮮な驚き(笑い)。

確認しておきますが、この時防衛局が提出した埋め立て申請は、先ほど述べたように既に2010年5月28日に、他ならぬ鳩山政権時の日米合意表明に基づいています。 

つまり、ほんとうはこの時点において、既に政治決着済みであって、あとは沖縄県内部の「県内政治」にすぎません。 

それを仲井真氏は熟知しながら、実に3年間も言を左右にしてゴネまくって、本土から妥協を取りつけたというわけです。 

これは圧倒的に強い「沖高政低」の力関係が続いていたからです。 

では、今、デニー知事がこの力関係を背負っているのかといえば、ノーでしょうな。

翁長氏の延長戦でしかない、政治手腕が未知、というかたぶんまったく期待できないデニーさんを政府が恐れる理由はまったくありません。

それが、今の力関係です。

予算編成期であるのは、かつての仲井真-安倍会談と同じですが、果たして安倍・菅両氏が、かつての仲井真氏に感じたようなものをかんじるかどうか、ご判断下さい。

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日本が為替操作国だって?

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トランプ゚政権は、中国のみならず日本に対しても揺さぶりをかけてきています。 

つい先日、米国発信の世界同時株安が発生しましたが、その後に今度はムニューシン財務長官の為替条項発言で、東京市場は混乱しています。

「日本株が再び売りに押されている。世界的な株安の連鎖にはいったん歯止めがかかったが、ムニューシン米財務長官が通商協議において日本に対しても例外なく為替条項を求めると、為替の円安進行をけん制した発言をきっかけに、投資家が日本株に対して警戒感を強めている」(日経10月15日)
 

何を言ったのかといえば、こういう内容です。ムニューシンさんは、下の気のいいロバさんのような人物です。

Photoムニューシン米財務長官 Shutterstock/アフロ

ムニューシン米財務長官は13日、日本との物品貿易協定(TAG)交渉を巡り「為替問題は同交渉の目的の一つだ」と述べ、通貨安誘導を封じる為替条項を日本にも求める考えを明らかにした。日本の通貨当局には、市場への介入余地を狭めかねない同条項の導入に反対論がある。米国は円安を強く警戒しており、日米交渉の火種となる可能性がある」(日経10月13日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36461930T11C18A0MM0000/

茂木大臣は「財務大臣で対応していく」と受け流したようですが、ああいやだ、日本にまでこういう攻め方をするなんて、馬鹿じゃなかろか。 

このムニューシンの発言を額面 どおり受け取ると、自国通貨安に誘導する政府の政策がことごとくアウトということになります。 

たとえば、日本は金融緩和という至ってスタンダードな経済政策を用いて、市場に大量の円を供給することによって円安誘導をおこなっています。 

量的緩和、別名「黒田バズーカ」(←いまや懐かしい)ですね。 

別に汚い手段でもなんでもなく、中央銀行が自国通貨をどれだけ刷ろうが、国債をどれだけ買い込もうが、まったく主権の権限範囲内のことでとやかく言われる筋合いはありません。 

日本政府がやっているのは、金利を下げて、市中に通貨を大量に供給することで、事業者に金を借りやすくして、消費を伸ばそうとするものです。 

Photo_2まことにオーソドックスなデフレ脱却政策であって、結果としてそれが円安につながるのかな、ドルさんそうなったらゴメンね、でもきみだってやってるよね、ていどのことです。

あくまでも主目的はデフレ脱却という景気浮揚策であって、副次効果として円安効果もあるのかなということです。

それができないのは、ユーロのような「みんなの通貨」(共通通貨)くらいなものです。 

まぁそれゆえに、EU諸国は自国の景気対策を打てない不景気な国がたくさん生まれて、いまやユーロが怨嗟の的だというのはつとに知られた話で、まことにお気の毒なことです。 

ですから、日本政府がとっているデフレ脱却政策を、為替操作なんていわれるのは心外です。 

そもそも言っている当の米国ですらFRBが一貫してやってきたことじゃありませんか。 

景気の加熱を抑えるためにFOMC(連邦公開市場委員会)が公定金利を少し上昇のピッチを速めたために、世界同時株安となったのは、つい先日のことです。 

ルール違反を宣告されるのは、昔日本もやったことのある為替市場の直接介入です。 

これは為替市場で、財務当局が自国通貨安のために円を売ってドルを買うなんて乱暴なことをするわけで、これはアウトです。 

ちょっと前まで、中国はこの為替操作介入の常習犯でしたから、中国の為替操作と同列に並べるがごとき、ムニューシンの言い方は不適切です。 

実は米国は貿易相手国に対して、「為替操作国」に認定するという武器をもっています。 

これには3条件あります。 

①対米商品収支黒字200億ドル超過
②国内総生産(GDP)比3%を超える経常収支黒字
③GDP比2%を超える外国為替市場でのドル買い越し
 

つまり、外国為替市場で当該政府がジャブジャブとドルを買って自分の国の通貨を売り払っている額が、その国のGDP2%になったら、制裁宣告を受けるという仕組みです。

たとえば中国なら、GDPが1396兆円(18年現在)ですから、その2%といえば 約28兆円という額になります。

今まで1980年代から90年代にかけて、中国、韓国、台湾が為替操作国の認定を受けました。 今はありません。

為替操作国認定を米国から受けてしまうとどうなるかといえば 

①アメリカとの二国間協議が行われ、通貨の切り上げを要求される
②アメリカは必要に応じて関税による制裁を行うことができる
 

ね、大変でしょう。通貨を切り上げろと言われて通貨高になった上に、高関税をかけられるのですから、たまったもんじゃありません。 

特に輸出で食っているような中国、韓国はモロに効きます。 

トランプは中国には為替操作国に指定してハルマゲドンみせたるぞという脅しをかけていますし、韓国は既に「観察対象国」となっています。 

常識的には、軍事と一緒でやるぞやるぞと喚いて相手国の自粛を要求する抑止効果狙いであって、実際にやるとなると返り血覚悟のこととなります。

まぁこの「常識」が通用しないのが、トランプの凄みなんですが。

とまれ、米国が中国を冷戦対象にしたのはけっこうなことですが、日本まで巻き添えにして闇雲に弾を撃ってくるのはやめて頂きたいものです。

それにしても、財務省はもはや使い道がなくなった外国為替資金特別会計(外為特会)の20兆円はどうするんでしょうか。

財政危機を叫び、消費増税と緊縮財政が唯一の救済策と言い続けてきた財務省が、こんな巨額のブラックボックスを抱えていたらまことにシャレになりませんからね。

 

 

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なぜこの時期に消費増税をするのかわからない

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安倍首相が消費増税表明しました。 

正確には、消費増税は既に決まっていたことですし、安倍氏自身も延期はないということは何度となく言ってきていますから、増税に備えてその対策を1年がかりでしろと関係閣僚に命じたということです。 

ウルトラCで再々延期かという淡い希望があった皆さん、残念でした。 

とうに法律で決まったことを、改めて表明しただけという人もいますが、自分がやる気がなくて後継政権に任せますというのではなく、自らが来年10月にやるわけです。

しかも来年には天王山と言われる改憲日程前夜の参院選が控えていますから、その重さが違います。 

安倍氏は消費税の税率10%への引き上げについては、過去2回延期してきています。 

一回目は2015年10月実施を1年半延ばし、2回目は17年4月実施を2年半先送りしました。 

座っている首相が安倍氏ではなく、麻生氏あるいは石破氏、なんだったら枝野氏でもかまいませんが、どなたが座ってもこの2回の延期は可能だったでしょうか。 

公平に見ても無理でしょうね。このお三方には財務省の財政再建の呪文が骨身に染みついていますから、2014年実施には麻生氏も反対するかもしれませんが、17年実施は避けられなかったでしょう。 

石破、枝野の両氏に至っては、積極的財政再建論者ですから「痛みを乗り越えて、子孫に借金を残さない」とかなんとかいいながら、15年に実施していたことでしょう。 

この15年の時点で、消費増税がなされた場合、GDPの6割を占める個人消費が腰折れしたままですから、デフレ脱却もへったくれもありません。

日本経済はおそらく再生の機会を失ったまま永久凍土の下です。

そのように考えると安倍氏が、政権を渡された当初から法律で実施が決められていた増税法案を二回に渡って握り潰し、とにもかくにも「デフレからの緩やかな脱出」といえるていどのところまで引き上げたということは素直に評価するべきだと思います。

ならばなおさら、なぜ自らが苦心惨憺積み上げた成果をここで壊してしまうのでしょうか。

日本経済の現況は、日銀のインフレターゲット(物価上昇目標)だったインフレ年率2%には遠く及ばない状況です。

「日本のインフレ率が一向に上昇してこないばかりか、逆に低下しつつあることが指摘できる。
6月の全国消費者物価指数(CPI)におけるコア・コア指数(変動の激しい生鮮食品・エネルギーを除く総合指数)は、4月以降、3ヵ月連続の低下で前年比+0.2%となった
」(安達誠司「インフレ率と失業率が同時に低下...日本経済、どう読みゃいいのか」)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56925 

その一方、景気指標の重要なひとつである雇用指数は劇的に改善しています。

「雇用環境の改善はとどまるところを知らず、いまだに継続中である。特に、今年に入ってから、「非労働力人口(職探しをしていない無職者)」が大きく減少している点は特筆に値する。
日本の非労働力人口は2012年12月時点では4561万人だったが、直近時点(2018年6月)では4300万人となっている」(前掲)

つまり、「デフレとはもはやいえないが、目標には到達しておらず、デフレ脱却とは言い難い」のが、現在の日本経済の偽らざる姿です。

別の言い方をすれば、日本経済は消費増税すれば、デフレスパイラルに逆戻りしかねない切所にいるともいえるわけです。

このような状況で、3回目の引き延ばしが可能かどうか、安倍氏は探っていたと思われます。

行政府の長としては、民主党政権末期の民自公による三党合意で法制化されている以上、それを行政化することは義務ですから、悩ましいところです。

一方で覚悟を決めていたとはいえ、できるなら完全デフレ脱出まで待ちたいという二律背反が、安倍氏の胸中にあったことはたしかでしょう。

Photo出典不明

そもそも消費増税に懐疑的な政治家は、自民党内にも安倍氏とあと数人しかいない希少種です。 

関係官僚の全部、自民党の9割、公明党の全部、民主党の幹部全部、財界主流の全部、新聞・テレビなどのメディアの全部、経済学者の9割が、包囲網を敷いているわけですから、絶対的極少派である安倍氏の孤独な抵抗にも限界があったということでしょうね。 

え、枝野氏が立民は増税反対ですって。がはは、反対もなにも、増税法を決めたのはあんたら民主党野田政権の時だったでしょうに。 もう忘れたんですか。

ま、あの人たちのご都合主義的健忘症は毎度のことですから放っておきましょう。 

むしろ大事なことは、なぜ「今なのか」というタイミングです。 

安倍氏は本心はどうか余人が知るよしもありませんが、かなり前から上げる決意をしていたことは間違いありません。 

だいたい増税した首相は退陣します。不人気で政権が持たないということもありますが、実際手を汚すのは、後継総理に押しつけたいというのが本音でしょう。

永田町の常識では、総理任期の間1回の増税ができたらエライと言われていて、安倍氏のように2回眼にチャレンジするというのはよほど自らの権力基盤に自信がなければできないことです。

その意味で、安倍氏が任期3年を決めたその直後にこの表明をすることは、当然、自分が手を汚しても政治生命を短くする気はない、という意味です。 

この自信がどこから来ているのか、どのような国民経済の見通しがあるのか、私にはわかりません。

またこれを責任感とか義務感とかいう表現で捉えていいのかも、正直、私には判然としません。 

2017年の総選挙の自民の公約は、「保育・幼児教育の無償化」でした。これは公明との政策協定でした。 

問題は財源で、財務省的発想ならばどこかを削るか、増税して幼児福祉に充てるということですから、そのための財源に消費税を充てよということになります。 

消費税は恒常的財源ですから、半永久的に続きます。 

景気に左右されにくく、そのうえに貧困層も富裕層からもまんべんなく取れますから、貧困層の負担が相対的に大きくなるという悪平等な性質も抱えています。 

ですから財務省としては、消費増税で労することなく年5・6兆円の税収増を見込めます。 

たしかに前回14年時の消費増税8%時と今回とでは、上げ幅が多少違っています。 

「14年4月の8%への引き上げでは、表明が13年10月1日でちょうど半年前だった。そして、前回の駆け込み需要は年明けから本格化し、14年の4月に急激な反動減が襲った。前回に比べて今回は引き上げ幅が小さいことは当然に考慮にいれなければいけない。前回に比すると今回はだいたい7割近くの上げ幅になる」
(田中秀臣「消費税率10%、安倍首相の決断で甦る「失われた3年」)https://ironna.jp/article/10936 

また、準備まで前回は半年、今年は1年ですから、対応策を取る時間はあります。 

おそらく補正予算を手厚くするために、この時期にしたと思われますが、財務省がどのていど呑むかです。 

といっても、キリがいい10%となることによる消費の冷え込みは見えていますし、軽減税率をグチャグチャいじっても、消費は心理的バイアスが強いので、これもほとんど意味をなさないでしょう。

「日銀の片岡剛士政策委員は、最近の講演で「耐久財やサービス消費はぶれを伴いながら増加しているものの、飲食料品や衣料品などを含む非耐久財消費は低迷が続いており、家計消費には依然として脆弱(ぜいじゃく)性が残っている」と指摘している。妥当な見方だろう。
しかも、問題は前回の経験でいえば、消費が一度落ち込むと、回復が長期間見られないことだ。これは現実の経済成長率の足を引っ張る。また、完全雇用の水準近くまで来た失業率の改善も、ここで再びストップするだろう。さらにはインフレ目標の達成が当面困難になるのは明白である」(前掲)
 

では、政治的になにかひとつでもいいことが思いつくかといえば、ゼロです。

メディア・野党はさんざん自分たちが煽ってきた消費増税だったにもかかわらず、来年の参院選を「増税選択選挙」として、反安倍キャンペーンに熱中することと思えます。 

もうすでにその兆候は現れていますから、来年は更に吹き荒れることが予想されます。 

この参院選で与党が敗北した場合、改憲日程は宙に浮くことになるでしょう。

最後にあえてひとつだけ望みがあるとすれば、菅氏が漏らしていたという「これで最後の消費増税となる」という意味です。

先行きが見えないために消費者は、今まで2回の延期でも消費を伸ばしませんでした。

しかし後の消費増税がないと政府が公約するとすれば、先行き不安の雲が晴れます。

そうなった場合、軽減税率などよりはるかに個人消費の後押しとなるような気がしますが、なんとも今の時点ではわかりません。

さてこんな逆風を覚悟でなぜ安倍氏が、今、消費増税の最終決断をしたのでしょうか。私ももう少し考えてみることにします。

 

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最高ではないが、ベターな選択としての慰安婦合意

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消費増税、99%決まりですね。かなり前から覚悟してきたので、とうとうという感じです。 

さて、先にHYさんのコメントにお答えしておきます。

コメントは2つありますので、ひとつにしておきます。 

「あの後合意が紙屑のように破り捨てられたのはご存じのとおりです。
 憲法改正だって公明党に配慮しているから自衛隊明記にとどまっているのです。裏切られる可能性もあるのに。
国際政治的には正しくても世界世論的にはどうですか?あれから反日宣伝は治まりましたか?慰安婦像は立てられなくなりましたか?いくら合意文章に「最終的かつ完全に解決」と書いてあっても彼らには関係ないのです」
 

ご承知だと思いますが、この慰安婦合意は米国の圧力です。当時のケリー国務長官は自ら韓国と日本に強力な圧力をかけてきていました。

北との軍事的緊張の中で、米国をブリッジにした米日韓同盟が瓦解する可能性があったからです。 

それは韓国の中国シフトが明らかになったになったからで、この傾向を放置すれば、今と別なルートで中国を核とする反米反日同盟を作られる可能性があったわけです。 

離反していく韓国に緊急に手をうたねばならず、そのために慰安婦問題を反日のダシにし続ける韓国を黙らせる必要がありました。 

米国の圧力は、日本以上に韓国に向かっていて、国務長官が韓国相手に「いいかげんにしろ」机を叩いたという噂があるほどです。 

日本に対しては、とまれここで折れて米韓日関係に亀裂を走らせないようになだめてくれや、といったところでしょう。 

外交的に米国に貸しひとつということで、安倍氏は呑んだのです。 

ですから、後継政権のムンとしても、慰安婦合意は米国が仲介者ですから、グチグチ文句を垂れたり、癒し財団を潰すなどといっていますが、なかなか踏み切れないでいるようです。

HNさんは「破り捨てられた」といいますが、いません。そうムンがほのめかしているだけです。

あれは条約的意味を持つ国家間合意ですから、一方的廃棄は不可能ですから、なんとか日本も考えてくれないかということにすぎません。 

そりゃ慰安婦合意を公然と韓国政府が廃棄してしまったら、米国の面子をモロに潰しますからね。 

ムンにとっては、かつての翁長氏よろしく「重大な欠陥がある」ことを理由に、廃棄したいでしょうが、仲介者の米国が許さないだけのことです。

もちろんそれで日韓関係が変わったわけではありません。

というか、日韓関係は温度差はあっても永久にこんなものですよ。

私はシニシズム(冷笑主義)は嫌いですが、日韓関係にかんしてだけは諦観しきっています。

諦めてつきあうしかないのです。

敬して遠ざけるではなく、敬さずに遠ざける国です。

できたら、日本列島にスクリューでもつけて、ひょこりひょうたん島(知ってます?)よろしく、南太平洋にでも移動したいくらいです。

しかしそれも出来ぬ以上、浮世の義理でしかたがないからつきあっているだけのことです。

いつか南北が統一され、正恩が初代大統領、ムンが大統領秘書室長にでもなったら、スッキリするとさえ思っているくらいです。ああいかん、ニヒっているぞ。

したがって、日本にとっては、韓国政府に対して、「政府間合意を守れ」と、今の河野氏が言い続けているようなことが可能となった分だけ多少のプラスになったていどのことです。

合意がなければ、元慰安婦と抱き合って泣いて見せるようなムンなどは、待ってましたとばかりに大攻勢をかけたでしょうが、不発に終わっています。

Photo出典不明 

それはコリアが「民族」を至上の価値としているからで、その燃料に反日ほど有効な燃料は存在しないからです。

今回の国際観艦式も同じでした。今後も永久に続きます。

ただし、それはいわゆる「民族」感情の範疇で、一山口県人さんが言うように庶民はいたって普通ですよ。

過去も未来も、黒田勝弘氏のよくいう「昼は反日、夜は親日」というやつです。いかれた奴もいるでしょうが、一定範囲内です。韓国に現実に行ってみればわかります。

いったん「民族」に集合すると、極端な反日ナショナリストになる場合があるし、そうしないとあの社会では生きていけないだけのことです。

国際世論ですか。これに関しては、しかたないですね。これに対しては、無能な外務省の尻を叩いて逐次反論させるしかありません。

最近は外務省も国連人権委などでは、かつてより多少マシなことを言っているようですが。

またぞろNYなどに慰安婦像を建てると騒いでいる阿呆がわいているようですが、外国政府や自治体に対して、このような行為は合意をないがしろにするものだ、というていどのツールには使えることができるわけです。 

むしろ問題は日本人の屈折した意識のほうです。

慰安婦問題がややっこしいのは、ただ白か黒かではなく、戦後の国際秩序の枠組みを認めるのか否かということだからです。 

日本は認めたからこそ、今の日米同盟があったわけで、「正しい歴史観」(そのようなものがあるとしてですが)を持つ持たないという次元とは別なのです。 

いやならば、かつてのフランスのゴーリスト(ドゴール主義者)のように、日米同盟を止めて独自核武装を準備するしかありません。

核武装などと言うと、極端なことを言うなと言われそうですが、日米同盟を廃棄するということは、すなわち米国をも敵とすることを意味します。

必然的に独立を担保するためには核保有しか選択肢は残りません。 

何回か書いてきていますが、これは現状ではありえない外交選択です。 

核保有は議論を盛んにすべきですが、そのていどの覚悟をもってするべきです。

とにもかくにも、日本人の歴史意識と戦後的枠組みは整合していません。

よく、「大東亜戦争は勝利だった。なぜならアジア諸国民は解放されたではないか」などという人がいますが、失礼ながら自己欺瞞です。

ではなぜ、今、戦勝国の米国を盟主とする国際秩序の中軸である日米同盟の下でぬくぬくと生き長らえているでしょうか。

米国と相互補完的安全保障システムを組むことが、もっとも合理性があったからです。

故に、日本は戦前までの日本と連続的に生きておらず、屈折したのです。 

その日本人を苦しめ続ける不整合に耐えることが、今後も必要なのかどうか、その都度考えていけばいいんじゃないでしょうか。

かつての第1次安倍政権が瓦解したのは、直線的に「戦後レジームの脱却」を言ってしまったらで、そんな戦後秩序の総否定のようなことを言ってしまったら日米同盟は危機にさらされます。

に米国からは、極右扱いでした。再起してからの彼はその失敗を深く総括しているようです。

それは米国議会における大戦70周年記念演説によくあらわれています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-b930.html

ですから、たぶん戦後最強の首相・外相コンビである安倍-河野氏レベルでこのていどだということくらい、わかってやって下さい。 

ほかの凡百の連中なら、目も当てられません。

考停止したような極端な米国従属となるか、さもなくば思いつき的反米に走って国を危機にさらすかのいずれです。

最後に憲法改正ですが、公明への配慮うんぬんは週刊誌情報の類です。むしろ2項改正は石破氏も唱えていました。

もちろん2項改正は、ロジック自体としては正論に決まっています。ただしそれは一種の理想論で、改憲のハードルをいたずらに高くするだけのことです。

2項改正案を国民投票にかけた場合、負ける可能性が出ます。というか、私は8割の可能性で負けると思っています。

3項加憲でさえ、この騒ぎです。負けた場合、たぶん二度と改憲が国民に問われることはありません。果たしてそれでいいのかです。

すると自民党内においても、石破氏のように「国民的議論が煮詰まって、野党が納得するまで議論を尽くそう」というリアリストの仮面を被った者が支配することになります。

彼らは議論だけやって、(実際はそれもしないでしょうが)、改憲を永久に棚上げします。

このように現実政治に「最高」はなく、よりベターなものの選択の連続なのです。 

おっと今日は消費増税について書くつもりですが、こちらが長くなってしまいました。

明日に回します。

 

 

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安倍さん、一帯一路に協力なんかしないで下さいね

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安倍総理大臣が今月25日から中国を訪問し、翌26日には習近平と首脳会談をするそうです。 

どんな顔で習が安倍氏と握手してみせるのかいまから楽しみですが、そのこと自体は問題ありません。 

今まで何回か書いてきていますが、中国の行動には一種の法則性があって、日米同盟が強固になり、中国が追い詰められてくると、必ず日本に秋波を送ってきます。 

これは日米同盟を離反させたいという戦略、というか、もうこれは中華帝国の本能みたいなものです。 

だからといって、これで日中関係が永続的によくなると思ったら大間違いで、仮にトランプが中国制裁の手を緩めれば、直ちに元の反日の立場に戻ります。

ただし日本からすれば、緊張緩和によって貴重な時間を稼ぐことができるわけです。 

その間に、イージスアシュアなどの弾道ミサイル迎撃システムの充実を図れますし、離島防衛も本格的な稼働体制に入ることができます。 

ま、そんなていどのことですが、今、あちらからすり寄ってきている以上、外交的成果はとるだけ取っておかねばなりません。 

それは、首脳会談で明確に日本の国際的立場をはっきりと表明することです。 

たとえば、南シナ海での覇権を求めることをやめよとか、東シナ海のわが国領海付近での調査活動をするなとか、色々とあるはずです。 

もちろん習が、ハイ、そうしますなんて言う可愛いタマではないのは百も承知ですが、首脳会談で「言いおいた」という外交的行為自体に意味があるのです。

Photo_2http://www.asahi.com/special/t_right/TKY2012091901...

これは後日、またぞろ公船を大量に尖閣水域に入れてきたり、中国軍艦や航空機が自衛隊に対して挑発行為をした場合に、「首脳会談で止めろと言ったはずだ」というカードとして使えます。 

さて、ただひとつだけ安倍氏にこれだけは止めて欲しいことがあります。 

それは中国の一帯一路政策への協力です。 

福島香織氏はこう述べています。

「現在、日本の一帯一路へのコミットの可能性として挙がっているのは、1つが日中の企業が共同参画するタイの鉄道計画、もう1つが日本政府とJICA(国際協力機構)が共同で取り組んでいる西アフリカ「成長の環」広域開発に中国も参加しようという計画です。
西アフリカ「成長の環」経済回廊計画を日本が始めたのは、アフリカで勢力を伸ばす中国に対抗し、国連総会におけるアフリカ票を取り返すためです。
安倍政権が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、明らかに一帯一路のカウンターパートであり、米国やオーストラリア、インドと連携して対中包囲網を築く試みです」
(ウェッブVOICE10月 5日)

https://shuchi.php.co.jp/voice/detail/5613

まったく安倍氏は微妙なことをやってくれるなぁ、と思います。 

Photo出典不明 

一帯一路は、習が中華皇帝としての威信をかけて始めたもので、当初は壮大な「新シルクロード」ができると大受けしました。 

ちょっと考えてみれば、あくまでも出発点は中国であって、そこから四方八方に道が伸びるわけですから、これでは「すべての道は中国に通じる」ということになります。 

言い換えれば、栄えたいと望む者は、わが大中華共栄圏に参れという中華思想丸出しのシロモノです。 

2013年当初は一帯一路の終着駅となる英国などのヨーロッパ諸国まで、諸手をあげて馳せ参じたものでした。 

日本のメディア・野党はこれを見て、AIIBに入らないと、「乗り遅れたバスになるぞ、なぜ入らぬ、イギリスだって入っておるぞ」と政府を責めたてましたっけね。
アジアインフラ投資銀行 - Wikipedia

ところが数年もたたないうちに、化けの皮がはがれていきます。 

よく中国は百年先を読んで布石するなんて聞きますが、いまや数年でボロをだしてしまうようです。

中国がやりたかったことの実態が、スリランカやモルディブで明らかになったからです。 

中国は融資先国に借りなくてもいい借金をさせて、それが払えないとカタで港を取り上げ、それを中国海軍の軍事拠点にしていくという悪徳街金まがいのことをしていたことがわかったからです。 

下の写真は、この手口で中国が作ったジブチの軍事基地です。 

3出典不明 

このジブチ港は、航行の要衝にありますが、ここには海賊監視活動のための米海軍や海自の拠点がありますが、これを牽制する目的だと見られています。 

さて、今回の安倍氏の対中インフラ支援は、この中国の無理無体を止めさせて融資国を保護する役割があると、政府は説明しているようです。

政府は日本が協力することによって、不法な高利を止めさせたり、プロジェクトそのものを完成させることで、貸付金が焦げつかなくなることで、当該国を救おうとするものだと述べているようです。

悪いことは言いませんから、止めておいたほうが無難です。

たとえばインドネシア高速鉄道建設などの事例で分かるように、中国は意図的に当初の見積もり額を極めて低く設定し(それで国際入札に勝利できるわけですが)、金がなきゃこちらで貸しましょうと低利借款をワンセットで出してきます。

その上に、プロジェクトを裁量する当該国の高官どもはあらかた金と女で抱き込んでありますから、大方の発展途上国はこれでコロリといきます。

まったくやれやれですが、いまだに国際社会で大ぴらにワイロ政治をやっている国は中韓くらいなもので、こういってはナンですが、国民性なのでしょうかね。

しかし現実に工事を開始してみれば、当初の見積もりは大甘でとんでもないコスト増になることが発覚します。

ところが中国にとって、こんなことは想的内なんですな。元々、できるはずもない額で受注しているのですから。

すると、とうぜんのこととして借款額を引き上げるということになり、中国に鼻薬を嗅がされている当該国の高官がそこでウンと言おうものなら、そこから国家的サラ金地獄が始まることなります。

これを断ち切るには、モルディブやスリランカのように、国民自らが選挙によって中国から袖の下を貰っているような売国政府を倒さねば解決できません。

日本が中途半端に協力して、仮に失敗すれば日本が債務を被り、成功しても大中華共栄圏の属国が今ひとつ増えただけのこととです。

どっちにころんでも馬鹿丸出しです。

仮に日本の出番があるとするなら、当該国の国民がバカヤローの政府を倒して国を建て直す時に、さまざまな手伝いをすることくらいです。

今、他ならぬ安倍氏が提唱して、日本は「自由で開かれたインド太平洋戦略」としてすでに米国やオーストラリア、インドと連携して対中包囲網を築こうとしています。

また日本はTPP11のリーダー国として、巨大貿易圏の牽引役をしています。

そんな時期に、一帯一路に対しての余計な手助けは無用なばかりか、それらの国に不信感を抱かせかねません。

 
 

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日曜写真館 鴨さん一家の午後

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«韓国による「戦犯旗」掲揚禁止要請について