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2026年7月20日 (月)

一転して県の特別調査委員会設置決まる

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すったもんだで設置が危ぶまれていた辺野古転覆事故の背景や再発防止策を調べる特別調査委員会の設置がようやく決まったようです。
当初、デニー知事とその与党であるオール沖縄は「捜査中で時期尚早5などというわけのわからないことを言って反対してきました。

「沖縄県議会の各会派代表者会が8日開かれ、名護市辺野古沖で3月に発生した修学旅行船舶転覆事故を巡り、沖縄自民党・無所属の会が提案した調査特別委員会の設置について協議した。しかし、自民以外の各会派は「捜査中で時期尚早」「総務企画委員会で対応できる」などとして反対し、意見の一致には至らなかった。自民会派は引き続き、本会議への上程を求める方針だが、設置議案は否決される公算が大きくなった」
(産経7月10日)
沖縄県議会の辺野古事故調査特別委、設置否決の公算 自民以外「時期尚早」などと反対 - 産経ニュース 

特別委員会設置要求の景気となったのは、当時の状況を防犯カメラ映像が見つかったのです。これの詳細は明日に。

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【動画】辺野古沖事故、漁港防犯カメラの映像公開 緊迫した様子…救助された生徒「1人足りない」(写真・画像 5/5) - 産経ニュース

「17日の会見では、その真意を問われ『事故は捜査機関が調査中で、県としては引き続き状況を注視したい』と説明。その上で、『一般論として、防犯カメラの映像は捜査や調査の一級証拠品となり得るものと認識している。捜査の情報として伝えられるものが、なぜそのように発信されているのかという疑問はついて回る』と述べた」
(八重山日報7月10日)

防犯カメラ映像公開重ねて疑問視  玉城知事 「捜査の一級証拠となり得る」(沖縄八重山日報) - Yahoo!ニュース

ほー、デニーさんそこにズラしましたか。
当時の事故後の辺野古港状況をリアルに伝える防犯カメラ映像がを公表したのは産経でした。
産経はヘリ協議会の代表の浦島氏がいうところの「右派メディア」ですが、右から出ようと左から出ようと、それが語る事実こそが問題なのです。
それをデニー氏は「なぜ発信されたのかという疑問」にすり替えてしまってうやむやにもみ消そうとするわけです。

 

死亡事故、それも未成年を死に至らしめたのですから、当該首長は再発防止のために徹底した事実究明を率先して行うのが常識です。
その第一級の資料が出てきたら、デニー氏は「誰が出したんだ、こんなもん」と言うのですから人間失格です。

鋭く反応したのは知華さんの御遺族でした。
お父上はデニー知事とその与党に対してこう述べています。

「この報道を受けて、遺族としての考えを残しておきます。
海上保安部による捜査は、刑事責任の有無を明らかにするためのものです。
一方で、なぜ学校の研修旅行という教育活動の中で、生徒が安全性が確認されていない船に乗ることになったのか。学校、旅行会社、受け入れ側、そして行政のそれぞれに、どのような課題があったのか。こうした全体の構造の検証は、捜査とは別に行われる必要があるものです。
文部科学省の調査と通知、学校法人の特別調査委員会は、その一部を担うものですが、沖縄県側の受け入れの仕組みを検証できるのは、沖縄県と県議会しかありません」
(辺野古ボート転覆事故遺族メモ7月10日)
防犯カメラ映像 沖縄県議会|辺野古ボート転覆事故遺族メモ

まことにそのとおりです。
この前後にご遺族は知華さんと共に暮らした家を引き払ったそうです。

「京田辺にはこの5年間の思い出がたくさんあります。
よく寝落ちしていたコタツ
朝メイクの洗面台
推し活グッズが並んだ棚
夜中までお菓子作りをしていたキッチン
知華が入るとなかなか空かないトイレ
家の中では、どこにいても知華の姿や声がはっきりと思い浮かべられます」
(辺野古ボート転覆事故遺族メモ前掲)

ご遺族は知華さんの遺品を整理しながらこれをお書きになっていたのでしょう。
そのような時に、それにもっとも答えねばならないはずの県知事は新事実の調査に尻込みし、誰がこんなもんを出したんだと筋違いな怒りを吐く、このギャップを埋めるのは県議会しかなかったはずです。

その背景には事故調査が進展をみせない、捜査範囲は狭く、政治責任に問われる可能性も低いと遺族は見ています。
ご遺族はこう書いています。

「いろいろな方々に、広く話を聞いています。
その中で、当初から持ち続けている大きな懸念があります。
それは、刑事罰に問われる範囲が、私が想像しているよりも遥かに狭い範囲にとどまってしまうのではないかという点です。
今まで直接やり取りをさせていただいた関係各所、弁護士、専門家、報道の話を総合すると、おおよそ以下のようになります。
・海難事故の捜査は、陸上での交通事故等と違い、送検までに時間がかかる
・海上保安庁が担当する捜査は、海上とその周辺に範囲が限定されがちである
・警察が並行して捜査することはない
・船長を含む反対協議会は被疑者として捜査対象にはなっているはず
現時点で、学校法人、校長、教員は、いずれも被疑者として扱われていない
・旅行会社についても、学校と同様
特に、学校に対する家宅捜索などが未だなされていないことからすると、現時点で、学校関係者が被疑者として捜査の対象になっていないことは間違いなさそうです。
法に明るくない私からすると、
複数年にわたって積み重ねられた学校のいい加減な対応や怠慢。
一部教員が危険を認識しつつも、共有や改善が行われなかった。
違法な抗議活動を行う船長に生徒だけを乗せ、引率教員は乗船すらしなかった。
結果、船は転覆し、知華は未来が奪われた。
事故は何度も防ぐ機会があったのに、学校は何も行わなかった。
そうした学校側の責任は、転覆させた船長と同等に重いのではないでしょうか。それなのに、誰も何の罪にも問われることなく終わるなど、あって良いものかと思うのです」
(辺野古ボート転覆事故遺族メモ 6月23日)
刑事責任|辺野古ボート転覆事故遺族メモ

遺族から「沖縄県側の受け入れの仕組みを検証できるのは、沖縄県と県議会しかありません」と名指しされて、一転してようやく県議会も動きました。

「沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し同志社国際高(京都府)2年、武石知華(ともか)さん(17)ら2人が死亡した事故を巡り、沖縄県議会は13日、事故を調査する特別委員会設置案を全会一致で可決した。8日に行われた各会派の代表者会議では自民以外の会派が「時期尚早」などとして反対。設置案は当初、否決の公算だったが、知華さんの遺族の意向を踏まえ、一転、全会一致での可決となった。
政治利用につながらないよう十分配慮し、慎重かつ適切な運営を期すとする付帯決議案も全会一致で可決した」
(産経7月13日)
辺野古沖事故で沖縄県議会、調査特別委の設置案可決 否決公算から一転、「全会一致」に - 産経ニュース

今後どのような展開になるか予断を許しませんが、県議会がこの事件の闇を払ってくれることを祈ります。

 

 

 

2026年7月19日 (日)

日曜写真館 偽りのなき香を放ち山の百合

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今生のこれも夢なる百合の風 石塚友二

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のびすぎてうつむきそめつ百合の花 正岡子規 

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匂ふ百合花弁をあちらむけて寝る 伊丹三樹彦

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風落ちて谷底の百合動く見ゆ 松本たかし

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百合匂ふ暗き方へと向き睡る 岡本眸

 

 

2026年7月18日 (土)

またまた再燃したイラン戦争

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米イラン停戦で「MOU」(了解覚書)を取り交わしましたが、双方の合意ではなく「とりあえず戦闘を止めてみた」、にすぎない休戦であることがはっきりしました。
再び米国はイラン攻撃を始めようとしています。

「トランプ米大統領は14日、イランの全港湾に対する海上封鎖を再開し、イランが交渉に復帰しない限り来週にも発電所や橋を攻撃すると警告した。米国によるさらなる軍事的圧力の強化となる。
米軍は同日、「ホル​ムズ海峡で商業船舶を攻撃するために使われているイランの能力を引き続き低下させるため」として、イラン‌に追加攻撃を開始したと発表した。米当局者によると、イラン国内の軍事目標に対し追加攻撃を実施し、「新たに生じた脅威」を排除した。同当局者は追加攻撃は数回にとどまったと述べ、詳細については言及を避けた。
イランは先週、米国との対立が再び悪化したことを受け、ホルムズ海峡を再閉鎖したと表明し、先月合意し​た脆弱な停戦が一段と揺らいでいる。
トランプ氏は14日夜に放映されたFOXニュースのインタビューで「エネルギー関連の標的は最後に取っ​ておくが、最終的には攻撃する」とし、「交渉のテーブルに着かない限り、来週は発電所、そして橋だ」⁠と述べた。また、米交渉担当者がイラン側と接触し、取引を呼びかけたと明かした」
(ロイター7月15日)
トランプ氏がイラン港湾封鎖再開、エネ施設攻撃警告 「通航料」は撤回 | ロイター
まだ「警告」の段階のようで、イランの出方を見てエスカレーションするという理性は残しています。
一方イランも攻撃を再開しました。

「米軍が連日、イランを攻撃する中、イランの反​撃も激しくなっている。米軍が6夜連続で攻撃したの‌に対抗し、イランは初めてシリアの施設を攻撃したと発表した。
米軍は16日、6夜連続となる攻撃でホルムズ海峡に位置するケシム島などを攻​撃した。イランの国営メディアなどによると、南​東部のイランシャール、沿岸部バンダルハミルの⁠橋や鉄道駅が攻撃され、7人が死亡した。
イラン軍は17日早朝、バーレ​ーンとクウェートの米軍施設を攻撃したと発表。ヨルダン​の空軍基地やカタールも攻撃された。
その後、イスラム革命防衛隊は、国営メディアを通じ、イランシャールで同国の兵士が殺害された​ことへの報復として、シリアのアルタンフにある米軍​の特別作戦司令センターを攻撃したと明らかにした。ホルムズ海峡‌はイ⁠ランが完全に掌握していると改めて主張し、米国の攻撃が続く限り同海峡を通じた石油やガスの輸出は行われないと表明した」
(ロイター7月17日)
イラン反撃強める、湾岸諸国の米軍施設攻撃 シリアも初めて標的に | ロイター
イランの攻撃は一見四方八方にミサイルを撃っているようですが、中東調査会によれば攻撃対象はいちおうこのような箇所です。
イラン:イスラエルに対して弾道ミサイル攻撃を実施 | 公益財団法人 中東調査会
①イスラエル
②中東に展開する米軍基地
③米国を支持する湾岸諸国、米軍基地を提供する国
なんだやっぱり四方八方じゃないかというかんじですが、今回はシリアにまで戦争を拡大しています。
そのうえに切り札としての味をしめてしまった海峡封鎖も、ホルムズ海峡だけではなく紅海ルートにも手を伸ばしています。
それは中東産油国がホルムズ海峡の代替ルートとしてヤンプー港と紅海ルートでほぼすべての原油輸出を行っているからです。

下図をみると左端の紅海沿岸にヤンブー港から東部のアブカイク石油処理センターにパイプラインがつながっています。
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数十億ドル規模の石油パイプラインプロジェクト5件により、1日あたり1000万バレル以上の石油が輸送され、世界がホルムズ海峡への依存度を低減するのに役立つだろう。

サウジはこのヤンブー港-紅海ルートで、日量460万バレルを輸出していますが、それはこの港湾のほぼ最大能力です。
ただしこの紅海ルートの問題は、ここにサマリアの海賊とイエメンのフーシ派というイラン出先勢力が存在することです。
イランはイエメンのフーシ派に資金と武器を流し込み、イランの代理勢力として育ててきました。
イエメン国内では国際承認政府と11年近い内戦を続けていますが、人口の約7割が同派支配地域に住み、独自の行政サービスを提供し、強力な軍隊を保持する姿は「事実上の国家」とも称されているそうです。
テレビでは堂々とイエメン政府を名乗って登場しますのでお間違いなく。
このフーシ派はサウジと戦争を繰り返してきましたが、イラン戦争前までは一時的な休戦状態でした。

しかしイラン戦争が始まりフーシー派の本部であるイランが危機に陥るや、ヒズボラなどと共に親分危うしとばかりに参戦しました。

まぁ、中東原油と海峡問題は古くて新しい問題で、イラン-イラク戦争当時から問題とされていました。
サウジやUAEせよくわかっていて、だからこそサウジは東西パイプラインを作り、UAEもホルムズ迂回ルートを構築してきました。
今回のイラン戦争で、第3ルートとしてイラクからシリアへのルートの構想も進展しています。
シリアがかつてのような内戦が終結したのでそうとうに進展することでしょう。
イランはホクムズ海峡を実効支配していくとぶち上げ、米国はそれを逆手にとって逆封鎖をかけてイランを締め上げたのですが、戦争の始め方がイスラエルに煽られているかのように何の根回しもなくあまりに突発的、かつトランプ流傲慢に満ちていたために国際社会の協力が得られていません。
特に、本来ならば米国と必ず共同していた英国が労働党政権でなにも決められずに懐手してしまったために、NATOも動かないという状況です。
本来は国内生産の原油で賄える米国がしゃかりきになり、一番の利害関係国であるヨーロッパが冷やかというねじれかげんです。
このていたらくでは、トランプの機嫌はいっそう悪くなるでしょうな。
込んだトランプはかなりの確率でイランの主力原油積み出し基地であるカーグ島を攻撃するかもしれません。
そさも空爆だけでは効果が薄いので、今中東に出張っている海兵隊や82空挺師団を使って限定的占領をする可能性があります。
カーグ島を占領すれば、イランの原油積み出し能力はゼロになりますから、海上封鎖をする必要の大半がなくなり、イランの外貨収入が切断されてしまいます。
まぁ、イランもわかっていますからお待ちしているでしょうが。
いずれにしても、イラン戦争とは石油戦争であるという宿命から逃れられないのです。

2026年7月17日 (金)

日本はロシアのスパイ天国だった

Ssssssssssssss

ロシアが日本において強力なスパイ網を構築し、国際制裁で買いつけできないハイテク部品をロシアに転送していたことがわかりました。
それを報じたのはニューヨークタイムスです。
How Putin Turned Japan Into a Den of Spies - The New York Times

2022年、ロシアがウクライナ侵略を開始すると、自由主義陣営は一斉にロシアのスパイ数百人を検挙し国外追放しました。
彼らはおとなしくロシアに帰ったのでしょうか。
いいえ、そのうちの数十人はちゃっかりと日本に拠点を移し替えて、そのまま「業務」を継続していました。
なぜそのようなことができたのか、理由は簡単。日本は世界でも類例を見ないスパイを逮捕する根拠法がない国だからです。
その結果、日本はウクライナを支援すると口ではいいながら、ロシアの戦争遂行を支えてきました。

「不充分なスパイ対策法制と、発達したハイテク産業ゆえに、日本はロシアの戦争遂行にとって欠かせない存在となっている。ウクライナ政府の推計によれば、ロシアのミサイルやドローンの約90%に、日本製の部品が使われているという。
東京での工作の中枢を担うのは、「第20局」と呼ばれるロシア軍の秘密情報部隊だ。その役割はこれまで一度も公にされたことがない。西側の5つの情報機関の現・元当局者によれば、同部隊の工作員は外交官やビジネスパーソンを装い、戦場で使われる技術を購入・窃取してロシアへ密輸しているという」
(NYT前掲)

日本は一貫してソ連時代からロシアスパイの標的となってきました。

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ロシアのスパイ120人が日本に潜入 だましの手口を徹底解説:日経ビジネス電子版

それは国内に世界有数のハイテク技術を持ちながら、それが漏洩する危険を取り締まる法律がなかったからです。
ロシアスパイは、表向き外交官や民間企業の社員として日本の駐在しています。
今回明らかになったケースでは密輸を統括していた指揮官はアエロフロートの社員となっていますが正体はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の将校でした。
この人物は2024年に、日本に赴任し、ロシアが戦争で使用するドローンのハイテク部品や製造装置の部品を日本で確保し、スリランカやベトナムなどの第三国を経由してロシアに送っていました。

ハイテク製品は国際制裁のためにロシアには直接輸出できないためにイテク機器や工作機械を買い付け、アエロフロートと協力する日本人オーナーの運送会社を通じてスリランカなど第3国に迂回輸出した上で、ロシアに搬入していたようです。
ウクライナは早い時期からこれを知り、日本政府にも通告し善処を求めてきたようですが糠に釘、暖簾に腕推しでだったようです。

この日本人協力者はプーチンの熱狂的支持者らしく、一貫してロシアの侵略を支持してきました。
そしてGRUから預かった日本製ハイテク部品を「医療部品」として海外に転送していましたが、当然なんのためにそうしているのかよく知っていたはずです。
ちなみに、この日本人協力者もGRU将校も拘束されていないようで、この日本人はこう言っています。

「ニューヨーク・タイムズに名指しされた運送企業の執行役員は13日、読売新聞の取材に「記事に出てくるロシア人に一度会ったことはある」とした上で、「弊社では、国の許可を得た物品の輸出手続きをしているだけだ。アエロフロートと協力し、ロシアに経済制裁の対象品を送ったことはない」と話した」
(読売7月13日)
都内のアエロフロート事務所、ロシア人スパイの活動拠点か…身分偽った軍将校がハイテク機器買い付けと報道 : 読売新聞

NYTは日本を「スパイの楽園」と呼んでいますが、まさにそのとおりです。

 

 

2026年7月16日 (木)

脱原発と再エネをゴッチャにするからどっちも失敗する

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小泉大臣の父親は有名な反原発運動家です。
初めは引退しての暇つぶしの手慰みかとおもいましたが、どうやら真剣のようです。

小泉パパは再稼働反対だそうです。
再稼働反対というのは、安全性を規制委員会から認められても原発絶対反対、段階的削減にも反対という意味です。
20%を越えていたエネルギー基盤を、40年くらいかけて徐々に減らし、別な電源に替えていくためには、一定の数の原発を動かす必要があります。
だからこそ、廃炉にするためにも、「悪の電力会社を潰せ」などという一部脱原発活動家の暴論は止めにしてほしいものです。

もし、本気でそんなことをすれば、電力会社は新たな電源の開発投資が不可能になる上に、廃炉資金を捻出することができなくなります。
ではその原発ゼロの20%超の穴はどうするのかといえば、小泉翁は再生可能エネルギー(再エネ)だそうです。

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小泉翁はこう言っています。  


「今こそ原発をゼロにするという方針を政府・自民党が出せば一気に雰囲気は盛り上がる。そうすると、官民共同で世界に例のない、原発に依存しない、自然を資源にした循環型社会をつくる夢に向かって、この国は結束できる。 」
(ハフィントンポスト 2013年10月2日
 

ああ、まるでマックのセットメニューだ。
ところが、実はこのふたつ、つまり脱原発と再エネは本来、なんの関係もない別次元のテーマなのです。  

再エネは、もっとも古典的なエネルギー源として古くからありました。
中世にはほぼ今の原型を完成させていますが、産業革命で大部分はすたれつつも、地域にしぶとくしがみついて生き抜いてきました。 

それが改めて再注目されたのは、1979年のスリーマイル島事故以後の脱原発運動の盛り上がりからです。 
当時は反原発運動といっていましたが、若き日の私もその一翼を担っていました。
この中で再生可能エネルギー(再エネ)、当時の言い方では「市民エネルギー」という言い方を好んで使っていましたっけね。  
その言葉のニュアンスどおり市民が、「裏庭で自分の家のエネルギーくらいは作ってみせる。その分原発はいらないんだぜ」という気持ちが込められていました。  

飯田哲也氏の初期の本には、1986年のチェルノブイリ原発事故以後のスウェーデンで同じような、地域で市民が知恵と金を出し合って風車を建てていくエネルギー・デモクラシーの様子が描かれています。  
世界中で私のように、市民が日曜大工で怪しげな「エネルギー発生装置」を作ったり、市民ファンドで風車を作っていたのです。 

さて、言うまでもなくこのようなある意味牧歌的な再エネは、今では「神代の時代」の昔語りにすぎません。
なぜなら、今や脱原発運動は、裏庭どころか再生可能エネルギーを社会全体の代替エネルギーと位置づけてしまったからです。  

結論から言いましょう。私はかつての再エネの実践者の経験を踏まえて、それは不可能だと断言します。 
再エネは元々そのような近代工業国家規模のエネルギー源ではなく、地域の生活や生産に密着した「もうひとつのエネルギー源」でしかないからです。 

発電規模のケタが違う再エネを「飛躍」させようとすれば、必ず別の矛盾を引き起こします。 
それは反原発運動の意識の延長で国家規模の、しかも世界で屈指の工業技術国の代替エネルギーを再エネに据えてしまったドイツの経験が物語っています。  

ドイツではいくら優遇策であるFIT(全量・固定価格買い上げ制度)に厖大な金をつぎ込んでも再エネは07年時点で最大で16%にしか伸びませんでした。 (下図参照) 

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熊谷徹

ちなみにその内訳は、風力発電が4割、バイオマスが3割、水力が2割、太陽光が1割未満です。  
驚かされるのは、太陽光は再エネの代表選手のように思われているものの、実は全エネルギー源の0.2~0.4%(2010年現在)にすぎないことです。
 一方、ドイツは原発を暫時停止(完全停止していません)することによって、低品質の硫黄酸化物の多い国内石炭火力発電が49%にも増えてしまいました。 

皮肉なことには脱原発政策によって化石燃料シフトが起きてしまったのです。 これによってドイツの炭酸ガス排出量は一挙に増えています。 

実はわが国もまったく一緒でした。わが国はある意味ドイツより過激な「全原発停止検査」ということを初めてしまったからです。
なんの法的根拠もなく、ただのカン氏の「お願い」で、全原発ストップですから呆れたもんです。
結果がこれです。火力発電一色となりまなした。

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2013年度のエネルギー源別の発電電力量の割合http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035081.html

2018年度の実績値 → 2030年度の計画値
原子力 6% → 20-22%
石炭 31% → 26%
LNG 38% → 27%
石油 7% →  3%
再エネ 17% → 22-24%(*再エネは水力を含む)
出所:
・ 2018年度エネルギー需給実績(速報値)
・ 第5次エネルギー基本計画(2018年7月発表)

化石燃料を主体とした発電を続ける限り、わが国は二酸化炭素を削減することは不可能なのが分かるでしょう。
原発を止め、9割弱を化石燃料に依存している現状では、パリ協定目標を達成することは不可能です。
つまり、エコ政策を突き進もうとして二酸化炭素ガス削減するためには原発を一定割合で組み込まねばならず、組み込んだら今度は反原発派から「危ない原発反対」とやられるという二律背反になってしまうわけです。
反原発派の運動家諸氏にどうやったら原発を止めたままで、CO2削減できるのかお聞きしたいものです。

特に2008年からの2年間の二酸化炭素の排出量の増加は危険視されています。脱原発よって環境が確実に悪化したのです。  
2009年の国連気象変動サミットにおいて、鳩山元首相が国際公約してしまった1990年比で2020年までに25%温室効果ガスを削減するという目標年になってしまいましたが、原子力発電なくしてどのようにするのかはまったく不透明です。
(*CO2削減率問題については過去ログをご覧ください。)
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-a3c7.html 

下図を見ると、1997年の京都議定書以降も、CO2は増加の歯止めがかかっていないのが現状です。
京都議定書 - Wikipedia

 

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Warming_chart01化石燃料などからのCO2排出量と大気中のCO2濃度の変化出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010http://www.jnfl.co.jp/recruit/energy/warming.html

このように京都議定書は失敗し、パリ協定もまた実行が疑問視されていることは確かです。
それ以前の1990年に8%削減という政府目標を立てた時ですら、そのために原発を9基増設し、当時60%台だった稼働率を一挙に81%にまで引き上げ、太陽光も20倍にする、と試算されていました。 

また、2009年時点で、政府は電力に占める原子力の割合を当時の30%から2030年には50%にまで引き上げる計画を立てていました。 
とうぜんのこととして、それらの計画は3.11以後、完全に白紙になりました。 
ここで、ではどうやったら原子力なしでCO2削減ができるのか、という問題に直面せねばならなくなったわけです。 

当座の間、新エネルギーで現実的に供給体制に入っているものはありません。
存在するのは、唯一化石燃料のみです。
福島事故当時から数年間の電力は、今まで稼働を止めていた旧型火力発電所を再稼働したものによって補われていました。
事故前の2010年11月時点で原発は230億キロワット時を発電し、電力需要の30%を超えて供給していました。 
それが事故後の2011年11月には70億キロワット時と3分の1以下に減少し、10%を切りました。それが現在2012年5月時点ではゼロです。 

では、火力発電の増加ぶりを見ましょう。2011年11月時点で、363億キロワット時であったものが、493億キロワット時と35%増大し、2013年には電気供給量の実に80%を占めるまでになっています。 
脱原発の世論の流れによって、皮肉にも日本は今や8割を化石燃料に依存するCO2大国に生まれ変わってしまったと言っていいでしょう。 

この状況が続くのならば、1990年比25%削減など夢のまた夢であって、大量の排出権購入を考えない限り、わが国は外国に排出権購入で膨大な富をむしりとられ続けることになります。 
つまり、原子力をゼロを実現すれば、片方の地球温暖化阻止という環境問題を犠牲にせざるをえず、温暖化阻止のために炭酸ガスを削減使用と思うと原発を一定範囲内でうごかすしかないのです。

 

 

2026年7月15日 (水)

馬鹿が作り、詐欺師が儲け、国民が負担する

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脳みそが軽いカン氏は、専門家や官僚の意見などには目もくれず、独断で全原発の「検査停止」を「お願い」(根拠法がありませんから)したために、それから10数年立とうというのにいまだ日本の原発は半身不随から抜け出していません。

そのうえカン氏は全原発を止めて日本のベースロード電源の3割を奪っただけでは飽き足らず、再エネを代替エネルギーとするという素人以外思いつかない「革命的」方針を、「アタシを辞めさせたかったら再エネ法を飲みなさい」と、自分の辞任と引き換えに押しつけて去って行きました。
与党の民主党まで含めて、与野党全部がカン氏に一刻も早く辞めて欲しかったので、スイスイと再エネ法が通過してしまいました。
これが今に至る不幸の始まりです。
結果、将来を展望した制度設計があってやったわけではないので、そりゃあ目があてられないやね、ということになりましたですよ。

重度のドイツコンプレックスのカン氏がやったのは、ドイツ式FIT(全量・固定価格買い取り制度)というモノスゴイ制度で、本場でも失敗しています。
このようにFITはカン氏の政治的思惑で生まれたのですが、カネの臭いがあるところ必ず登場する孫正義氏という怪人がこれに飛びつきました。
彼は当時、ソフトバンクという携帯業の顔だけ世間にさらしていましたが、本業はM&Aの買収屋です。

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そして「盟友」の孫氏が言うがままに、カン氏は世界一高い買い取り価格を設定しまい、当初はなんと40~42円/kWhを20年間固定で全量買い取りますっていうんですから、そりゃやりたい奴が殺到するわな。

こんな馬鹿げた投機的価格をつければ持続可能エネルギーどころか、持続不可能エネルギーに堕するのは目に見えると、私は初めから指摘していましたが、そのとおりとなってしまいました。
FITは詐欺師とヤマ師の巣窟と化し、発電枠だけとって無許可転売する輩、その枠を買い占めるチャイナ、そして太陽光パネルは中国製に支配されるというハチャメチャなことになりました。

「国が普及を進めてきた再生可能エネルギー業界に2月14日、ついに経済産業省の“メス”が入った。再生エネルギーで発電した電気を電力会社に一定価格で買い取ることを義務づけた固定価格買取制度(FIT)の認定を受けたにもかかわらず、運転を始めていない太陽光発電約670件について、認定取り消しを検討すると発表したのだ。前代未聞の事態の背景には、「いくらでもズルができる」と業界関係者が明かす制度の致命的な甘さがあった。
実は国が認定した設備容量は2249万キロだったが、実際に運転を開始したのは382.7万キロワットで、2割にも満たないことが経産省の調査で判明。しかも、認定から1年以上たっても土地・設備を確保していない業者が全体の3割に上っていることも分かった。」
(産経2014年3月8日)

呆れてモノが言えません。国が支援している枠に対して、実際に運転を開始しているのはたった2割!悲惨というより、もはやお笑いです。
この制度初期で、実際の発電事業はそっちのけで利権漁りが横行したためです。
こんな詐欺師の楽園と化した再エネ業界を、ひたすら税金と消費者負担に頼る再エネ賦課金で乗り切ろうとしたために、年間実にひとり1万円超、国全体で2兆円ものカネが流出し、しかもその多くは中国へと流れていきました。

再エネ賦課金とは、案外知られていないのですが、まるで税金かNHKのように黙って国民全員が再エネに協力を強いられています。

Surcharge2020

資源エネ庁 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html

しかもこの再エネ賦課金は、毎年、それまでの買い取り価格が上乗されるために、累積して増えていくという仕組みになっていきます。

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北電

賦課金が増える理由は、電力会社が再生可能エネルギーを買取る量が増えているからなのですが、2017年度は総額2兆7045億円と毎年4,000億程増えます。
したがって、2016年には2.3兆円の負担だったものが 、 このままいくと2030年にはなんと4兆円になるという試算がされています。
このようにFITは、逆スライドで毎年重い負担となるというトンデモ制度なのです。

そこでみかねた経産省は2014年にFIT制度の見直しをします。

①太陽光による電力の価格を大幅に下げ、地熱などを相対的に優遇する。
②地熱発電による電力を優先的に買い取らせる。
③大規模太陽光発電につき、FIT適用のための認定を一時停止する。
④太陽光発電への新規参入や発電施設の新増設の凍結。
⑤買取価格に入札制度を導入する。
⑥電力会社が再生可能エネルギーによる電力を受け入れなくてもよい期間を30日からさらに延長する。

 大幅に買い取り価格を下げるといっていますが、それでも当時はまだ37円ていどでしたから、焼け石に水です。
特にプレハブ住宅のようにあっという間にできてしまう太陽光には新規参入を制限するなんて言い出しました。 

2017年当時、経産省資源エネルギー庁の再エネに関する検討委員会で、次の4つの課題が上げられています。
(2017年12月18日資源エネルギー庁で「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」)

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資源エネルギー庁


①依然として日本の再エネの発電コストは欧州の二倍で国際的に高い水準にある。
②既存系統と再エネ立地ポテンシャルの不一致により「再エネ電源を作りたくとも系統の空き容量が存在せず繋げない」という系統制約の問題が顕在化している。
③太陽光発電および風力発電という変動再エネの導入が拡大したことにより、系統全体の調整力が不足してきている。
④長期安定発電の開発を支える環境が未成熟な他、洋上風力等の新たな電源は立地制約が厳しく、結果として再エネ電源の開発が太陽光発電に偏っている。
宇佐美典也『今後の再エネの普及を左右する「日本版コネクト&マネージ」の行方』より抜粋

①は、日本の再エネはFIT制度で世界一高い水準に高止まりしたままだということです。
現在は15%だが、これでも既に年間2兆円の国民負担をさせているが、目標ドイツ並の24%にするためには更に後1兆円の国民負担が必要だということのようです。
おいおい、冗談も顔だけにしろよ。国民の負担で誰を設けさせているんだ、と言いたくもなります。

②再エネを作っても送電網の系統の空き容量がないのではどうしようもありませんが、これは送電会社の系統接続がネックとなっているということのようです。電力ネットワークの再編が必要だと、委員会は指摘しています。
しかしこんな「異物」のために、それでなくても電力自由化の余波で弱体化している送電網にこれ以上の負担を要求するのは、ちょっと。

③気まぐれエネルギーが大幅に増えたために、系統全体の調整力が不足してきている、としています。
これについて、将来は蓄電池の導入で調整力を増すとしていますが、それがか電力のさらなる高コストにつながることはきのう触れました。

④簡単・安価な太陽光にのみ参入者が殺到したために、他の洋上風力や地熱などに新規参入が見られないというアンバランスな現象が生まれたようですが、これも当然のことです。
ものごとは安易な方に殺到するのですよ。
だからFITが蟻の大群に群がられるケーキのようになってしまったのです。

いまもさらに再エネ買い取り制度の手直しを図って行くようですが、どうなりますことやら。
とまれ、初めのボタンをかけ間違ったら、最後までボタンは合いません。

たとえば、太陽光はメガソーラの浮島発電所の発電実績は1年稼働して、柏崎刈羽原発1号機のわずか15時間分ていどでしかありません。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-cf07.html

再エネにとうていベースロード電源の資格などないことは明白です。
その明らかな真実に目を背けて、竹馬を履かせているのですから、しょーもない。
そんなことは、とっくにドイツの先駆例で既にあきらかなのにもかかわらず、脱原発=再エネという誤った政治的思惑から開始してしまいまったうえに、ムチャクチャなFITで後世につけ払いを残してしまったのですから、タチが悪すぎます。

失敗して当然、というか、失敗したら制度全体を白紙にすべきです。
といっても20年間固定買い取り制度ですから、いったいどうするつもりなんでしょう。
枝野さんーん、どうするんだーい。
馬鹿が作り、詐欺師が儲け、国民が負担するというのが「自然エネルギー立国」の実態です。

 

 

2026年7月14日 (火)

ドイツが脱原発脱火力が出来たわけ

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山の彼方の空遠く幸い住むと人は言う、ってなことが日本の知識人の有り様でした。
戦前は赤いロシアに憧れるあまり「祖国」とまで呼び、戦後は毛沢東の中国に恋い焦がれていました。
外国に範を求め、なにからなにまでを模倣することが進歩的だと思っていたのです。哀しいサガやねん。
そして少し前までの知識人の「心の祖国」はドイツでした。
おお、工業大国でありながら原発を止め、再エネを大幅に拡大し、さらには大軍縮に踏み込む平和主義を見よ、これぞニッポンの進む道だぁ、という声を多く聞いたものでした。
言うだけじゃなくて実際にやっちゃった、というのがしびれたんでしょうね。

逆に考えてみましょう。なぜドイツはこんな危険な綱渡りができたのか?
メルケルはちゃんと命綱つけてたんですよ。今日はその話をします。

ドイツが脱原発をして再エネに全振りした結果、電力料金は高騰しましたが、なんとか凌いでいけたのには、ふたつの理由があります。 
ひとつめの理由は、ドイツは大きなヨーロッパ電力広域連携の送電網の中に位置しており、電力が余剰の時は旧東欧諸国に輸出し、不足した場合は輸入できるのです。

PhotoIntegration of large scale wind in the grid - The Spanish Experience, REE 社 ,2008 

このおかげで東欧はドイツの風車が回りすぎると、突如過剰な電力を流し込まれ、逆に不足すると突然の需要が舞い込むということになり、自国の電力需給すら不安定になったほどです。  
よく、「脱原発をしても原発大国フランスに電気を売ってやったゾ」と大本営発表のようなことを言う人がいます。
たとえば河野太郎氏です。

「ドイツは脱原発というが、隣のフランスから原子力の電力を輸入して脱原発している。電力料金も高くて困っている。」となぜか誇らしげに発言する議員がいます。(略)
2015年にドイツはフランスに対して13.27TWhの電力を輸出し、3.84TWhの電力を輸入したことがわかります。差し引き9.43TWhの「輸出」超過です。ドイツはフランスの原子力の電力を使って脱原発をしているわけではないのです」
2016.12.14 ドイツの電力輸出 | 衆議院議員 河野太郎公式サイト

河野氏は見落としていますが、広域送電網を持つ地域の国の電力の売り買いは周辺国との収支トータルで見ねばなりません。
下図をご覧になると理解できるのですが、ドイツはフランスから2.7GW買って、3.2GW売っていますが、そのフランスは英国から2GWを買っています。
つまりヨーロッパ諸国はどこかの国から買って、どこかの国に売りという複雑な電力需給収支をしているのです。

 

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つまり、ドイツは単に電気の通過国に過ぎず、その電気はドイツを通り過ぎてさらに周辺国に流れて売られているにすぎないのです。

そしてもうひとつが、ロシアからの天然ガスです。

ロシアの天然ガスに依存する欧州

ロイター

EUの消費する天然ガスの25%はロシア・ガスプロムから供給を受けており、その最大の消費国はいうまでもなく、脱原発に走ったためにエネルギー基盤がもっとも脆弱となったドイツでした。 
これがEUをして、ウクライナ侵略当初、ロシアを強く批判できなかった大きな理由となりました。 
これをフィナンシャルタイムスはこう述べています。


「反原発政策により、ドイツがロシアからの天然ガスへの依存度を高めることだ。ウクライナ問題を巡りロシアとの緊張が高まっていることから、ドイツは居心地の悪い立場に置かれている。仮にドイツと仲間の国々がプーチン大統領の侵略行為に対して異議を唱えるのならば、その前にロシア産ガスへの依存度を低める必要がある。だが、これは、原発をなくしていくことで、メルケル首相にとって達成が難しい目標になっている」

このように、メルケルの脱原発政策という手品の種は日本にないふたつの要素、つまり電気を直接に外国から供給してもらえる広域電力網と、直接に地続きのロシアから供給される天然ガスによって支えられていたわけです。 
このふたつともにない日本で、同じような脱原発政策が可能かどうか、ちょっと立ち止まって考えてみればわかるはずです。 

 

 

2026年7月13日 (月)

一に分散、二に分散、三に分散

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もしエネルギー論の教科書があれば、第1章1節に出てくるような絶対に知っておかねばならない言葉があります。短いので直ぐに覚えられます。

「供給安定保障の要諦は、一に分散、二に分散、三に分散」

エネルギー源を何かひとつの電源、ないしはひとつの供給国に頼っていると、それが国際政治や経済の影響、あるいは事故でポシゃったら全部がパーになります。
だから電源や、供給源(供給国)はできるだけ多角化しておかねばなりません。 
これが鉄則です。

極端なエネルギーバランスはなにかあった時は眼も当てられませんからね。
たとえばフランスのように半分以上のエネルギー源を原子力に依存したり、ドイツのように原発を止めて8割を再生可能エネルギーにしたり、日本のように原油の中東依存率が9割なんてなんとオットロシイことをしていました。
ただし日本の場合原油の電源構成に占める率は今は7%と低く、主力にはLNG32.9%、石炭28.3%です。全体としては火力3割、原子力3割、

資源エネルギー庁WEBサイト|資源エネルギー庁

再エネだけにしろという過激な人がいますが、そんなことは火力あっての再エネという舞台裏を知らない人です。Photo_2


北海道電力HP

ついでに北海道電力のエネルギー構成をみてみましょう。
黄色が原子力ですが、北電は全国でも関西電力に並ぶ44%と高い依存率を持っていました。

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これが一気にゼロとなったのですから、北電は4割もの電力供給源を失ったことになります。
下のグラフが、震災前と震災後を比較したエネルギー構成比率です。
「震災後」とは、震災復興の最中にカン先生が原発を全部止めるという超絶暴挙をした時期のことです。
もっとも電力がいる復興期に日本全体でいかに大きな電源が失われたままだというのがわかるでしょう。

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しかも、再エネは文字度りの風頼りの風来坊で頼りにならず、結局のところ日本の社会と経済の屋台骨は火力が一手に引き受けることになってしまっています。

さてドイツは再エネ(再生可能エネルギー )で全部賄おうと真剣に考えました。
電力というのはその時間の消費と生産がぴったりとマッチングしていなければなりません。

いやいや、蓄電できるだろって。たしかに再エネ論者が言うように蓄電技術は存在しますし、電力会社、自動車会社、住宅メーカーなどまでが参入して多額の研究費をかけていますから性能は飛躍的に改良されました。

しかし今の10倍の蓄電能力をもつようになったとしても、24時間火力を運転するほうがはるかに安く上がるのです。
仮に天候任せの再エネが8割を占めたら、系統送電網はガタガタになり停電が頻発してしまいます。
なぜでしょうか。
再エネは火力のバックアップなしには存立できないからです。
晴れてビンビンに発電できた時は火力は休止し、逆に曇ったり雨だったり、夜間には素早く肩代わりするという出力調整機能があってこその再エネだからです。
だから再エネを8割も大量導入した場合は、需給バランスの維持が不可能になってしまうのです。 

現実には1時間ごとに出力がジグザグするような場合、その都度、出力増加(ランプアップ)、出力低下(ランプダウン)をするわけにはいきません。 
なぜなら、そんなことを1時間ごとにおこなっていたら手間と経費がかかり過ぎてバックアップ発電所はそのためのコストのほうがかかってしまうからです。 

では、どうするのでしょうか。 ヨーロッパではこうしています。
ドイツの場合、再エネの電力は、電力卸市場(EEX)に全量売ることが定められています。(下図参照 クリックすると大きくなります)

 

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図 再生可能エネルギー大量導入時の火力発電所の運用
(経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会第23回資料 「再生可能エネルギーを巡る事実関係」2012年5月)

通常の発電業者は、電力系統の運用者に運転計画を提出し、計画不履行の場合、罰金を食います。
そこで、再エネのバックアップをする火力発電所は、その増減を見越して、あらかじめ「ネガティブ・プライス」としてその出力低下分の費用をマイナス計上してしまうのです。 
たとえばドイツなどでは発電量に応じて、あらかじめ「マイナス10ユーロセント/kWhを、いわば「罰金」として支払っています。

しかし、優先的に系統電源に給電される再エネのほうは、FITの固定価格制度に守られて本来、卸電力市場の常識である「ネガティブ・プライス」を支払う必要がありません。 
つまり、再エネは天候に左右されるハンパな発電しかできないにもかかわらず、以下のような特権をえているわけです。

①優先的に系統送電網に給電できる資格をもつ。
②他電源のバックアップ発電所を常に必要とする。
③固定買い取り制度に優遇されてネガティブ・プライス支払う必要がない。

④市場相場の倍の固定価格で全量買い取ってもらえる。

まさに親(国)にベタベタに甘やかされた出来の悪いパラサイト・シングルみたいです。
ですから、再エネのことを「間欠性電源」と呼ぶ場合がありますが、これは通常の恒常的電源供給者からの痛烈な皮肉が込められています。
電源が間欠、つまりできたり出来なかったりするなんて、中世ならいざ知らず現代ではありえませんからこんなもんはまっとうな電源じゃない、と既存の発電業界は言っているわけです。
なんと素晴らしくも、考え抜かれた不平等な制度でしょうか。

エネルギー問題の専門家である、マサチューセッツ工科大学教授リチャード・シュマレンジャーはいみじくもこう述べています。 

「固定価格買い取り制度は電力需給に一致に関するすべてのリスクを、他の市場参加者に押しつけてしまった。」

ドイツは、再エネを市場メカニズムの「外」に遠ざけてしまい政府が乳母日傘にしてしまったわけです。
これでは再エネが増加するほど、ドイツ人は不幸になるに決まっているではありませんか。
実際、ドイツなどではバカバカしくて火力発電所などやっていられるかという発電業者が増えた結果、既存火力発電所には投資インセンティブ(意欲)が激減していき、メンテナンスさえもままならなくなりました。

このようなFITというひいきの引き倒しのようなシステムを作れば、かえって再エネの健全な発展を阻害し、社会のやっかいものにさせてしまうことになるのです。
私は、再エネに限らず新たなエネルギー源は、初期に国が多少の面倒は見てやっても、それは速やかに終わらせ、通常の市場競争の中に置くべきだと考えています。
そうすれば、自ずとなにが使える新エネルギーなのか、依存してはいけないエネルギー源なのか、分かってくるはずです。
これが通常の市場の「選択の自由」です。
ところがドイツのように甘ったれたFITを長期間続けると、補助金を貰って当たり前となってしまい自立したエネルギー源に育っていかなくなります。
このようなことにひとこともふれず、「脱原発」と再エネをムード的に叫んで、30年後には脱原発だ、再エネ8割だと言うノーテンキな人たちは、一度頭を分解掃除したらいかがでしょうか。

 

2026年7月12日 (日)

日曜写真館 むせび泣くあまりに高き蘭の香に

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われをにくむ人に贈らむ蘭の花 会津八一

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つと入や蘭の香にみつ一座敷 松瀬青々

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星空も生者の側に蘭溢れ 花谷和子

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清貧の家に客あり蘭の花 蘭 正岡子規

 

 

2026年7月11日 (土)

気をつけよう、甘い言葉と政権交代

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菅直人氏の民主党政権が、憲政史上類例を見ないダメダメ政権だったことには定評がありますが、このご仁はトンデモない置き土産を残していきました。
「一度やらしてくれ」というもんで、一度くらいはと気軽な気分で民主党に政権を与えたツケは、その後十数年のスパンで後遺症を残したのです。
ハトが安全保障の根幹である日米同盟を揺るがしたのに対して、カンはこれまたもう一つの国家の根幹であるエネルギー政策に大打撃を与えたのです。

ひとつは原発を「検査」という名で事実上の停止に追い込んだこと、そして再生可能エネルギーの固定価格買い上げ制度(FIT)です。
共に十数年たったいまも国民と企業を苦しめています。
気をつけよう、甘い言葉と政権交代。
彼らは意識高い系馬鹿なんで、じぶんたちだけが正しいと信じて疑わないもんで困ります。
一般国民を見下して「おまえらの救いの道は自分たちだけが知っている。黙って従え」とのたまうのですらたまらない。
昔共産主義、今グリーン。いまや混ざって赤緑。

彼らは赤い時代から元来西欧崇拝でしたが、緑のタヌキのドイツ様は原発を完全に止めると仰せだぞ、メルケル様は再エネに完全シフトなさるぞ、FITなんていうスゴイシステムまで作って一気に自然エネルギー大国だぁ、おおなんという素晴らしさ、グリーンな未来よ来れ、さぁ全部日本に輸入だぁ、てな調子です。
それをアタマが軽い馬鹿首相が後先考えず、本気でオール乗せでやったもんだからたまらない。
こんなことは福島事故という大災害の直後のドサクサだからできたわけで、典型的なショック・ドクトリンというやつです。

で、実際やったらどうなったのか。
発電がメチャクチャになってしまった電力会社は買い取り制限をかけました。
太陽光による電力の急増による送電設備の容量オーバー、発電の気象条件による周波数の乱れによって大規模停電などの怖れが出たからです。

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菅首相は、「友人」である孫正義氏を「忖度」して、孫氏の言うがままに世界一高い買い取り価格を設定しました。
当初はなんと40~42円/kWh、現在は下がって32~37円/kWhです。
こんな馬鹿げた投機的価格をつければ持続可能エネルギーどころか、持続不可能エネルギーに堕するのは目に見えると、私は初めから指摘していましたが、そのとおりとなってしまいました。
2014年に行われた経産省の見直しの内容は、以下です。

①太陽光による電力の価格を大幅に下げ、地熱などを相対的に優遇する。
②地熱発電による電力を優先的に買い取らせる。
③大規模太陽光発電につき、FIT適用のための認定を一時停止する。
④太陽光発電への新規参入や発電施設の新増設の凍結。
⑤買取価格に入札制度を導入する。
⑥電力会社が再生可能エネルギーによる電力を受け入れなくてもよい期間を30日からさらに延長する。

しかし歯止めが掛からず、いまや半分本気で「発電税」をかけるしかないという声すらあがっています。
当初のウルトラ高値の買い取り価格を、市場価格にみあって平準化し、新規参入を抑制させることが狙いです。
それにしても当初から予測可能なことばかりで、初めから政治的に押し込まずに専門家が検討を繰り返していればよかったことばかりで、2030年度までに再生可能エネルギーを2割にするなどという空論は止めて、一定の枠内で丁寧に育てていく方針に切り換えるべきでした。

原子力発電はあたりまえですが、エネルギー問題であって思想問題ではありません。
エネルギーは社会インフラの基本中の基本なので、観念的にイエスノーを言ってはいけない問題なのです。
電気が来なければ社会の生産活動がすべて止まります。来たり来なかったりすれば、工場のラインはそのつど停止、再起動をするためにオシャカの山を築きます。
周波数の安定が要求されている社会でこんなことが起きれば、日本の製造部門は壊滅状態になるでしょう。
実際にドイツは原発を半分止めただけで、企業の国外移転が相次ぎました。
それでもドイツはヨーロッパ広域送電網によって周辺国から電気をもらえるからマシでしたが,、日本はそれもできません。

こんな国からは生産部門は逃げ出し、やがて人も逃げ出すことでしょう。
再生可能エネルギーが化石燃料や原発に代わる基幹エネルギーにというのはファンタジーに過ぎません。
再生可能エネルギーは正しく社会に位置づければ有意義な電源ですが、過剰な期待をかければ社会的ダメージは計り知れません。
それは自然由来故の、克服しようがない「ブレ」があるからです。これではベースロード電源になるはずがありません。

ですから、風力発電を持つ地域の電力会社は、大風が吹くと大量に送り込まれる電気を拒否したり、逆に風がなければ火力を増加させるというバックアップに振り回されています。
まぁ、制度の心配もさることながら、いまや太陽光パネルのほぼすべてを独占する中国製の安物が、簡単に故障しては修理部品もなくなっているようですので、野山にはパネルの残骸が醜く放置され環境破壊と自然災害のの原因となっています。

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また太陽光発電を名目にした、中国の土地買い占めが大変な面積に登っていることがわかりました。


「昨年1年間で外国資本に買われた森林は実に“東京ディズニーランド15個分”(777ヘクタール)
4月28日、農林水産省が発表した調査結果が永田町や霞が関に衝撃を走らせている。買収された森林の多くは北海道で、香港・台湾を含む中国系の土地取得者による買収面積が81%にものぼる。実は本州でも今、ある事業を名目とした中国系資本による土地取得が進んでいる。それが「太陽光発電」だ。電力事業関係者が説明する」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170604-00000017-pseven-soci&p=1

そもそも再生可能エネルギーはミズモノです。    

では再エネ(再生可能エネルギー)がなぜ基幹エネルギーにならないのか、考えてみましょう。 
結論から言えば、発電量の「ブレ」の激しさが致命的なのです。「自然を資源」としているわけですから、気まぐれが激しいのです。  
下図は、東京電力浮島太陽光発電所の発電量の時間推移のグラフです。12時頃をピークとして崖型に発電量が推移するのがわかります。

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 (図 東電による) 

6時以前と4時以降はまったく発電を停止します。曇りと雨でも稼働しなくなります。 
ちなみに、このグラフは太陽光発電が活発な春3月のグラフです。
冬や梅雨などはもっと悲惨なことになって底浅フライパンのような形になりますが、反原発の皆さんがショックを受けるといけないのでいちばんいい季節を選びました。
春は太陽光のベストシーズンで、利用側もエアコン使用がないため電力需要にも余裕があります。  
ただ残念ながら、これからの夏の気温上昇はパネル内の温度上昇により電気抵抗が増すので効率が下がる季節です。  
燦々と太陽が降り注いでいるのに案外発電をしません。にかかわらず、ご承知のように1年でもっとも電力需要がピークを迎える季節です。  

つまり、太陽光は一番必要とされる時には発電が減るという宿命的な欠陥を持っているクセのある電源だということです。
ですから、「発電量」公称1メガワット(100万ワット)と発表されていても、実態の発電量はその7から10分の1にすぎません。
中とって8分の1として、公称1MW太陽光発電所の実発電量は0.12MW(メガワット)にすぎません。  

ここまでを整理しておきます。


①再エネの「定格出力」、あるいは「最大出力」はカタログデータ。実際はその時間ごとの発電量にすぎない。実効発電量は、定格出力の約8分の1から10分の1ていど
②太陽光発電は6時以前、4時以降は発電しない。冬や梅雨、夏の盛り、曇りや雨の日は絶望的
③発電量が極端に貧弱。日本最大の浮島・扇島発電所の1年間の発電実績は、柏崎原発1号機のわずか16時間分ていど
④発電量を人為的にコントロールできないので、必ず火力などのバックアップ電源が必要
⑤出力と周波数調整のために、大容量NAS(ナトリウム・硫黄)電池が必要。

発電量のブレは宿命だとしても、最大の問題は蓄電コストてす。
つまり、メーカーの日本ガイシさんに言わせれば、大規模蓄電なんてやりゃやりますが、とんでもなく金がかかりますよ、ということです。
 
kWh単価(コスト)は、リチウムイオン電池20万円、ニッケル水素電池10万円、鉛電池5万円、もっとも安いNAS電池で2.5万円 です。  
したがって、1万人規模の街の電気を蓄電するためには、もっとも安いNAS電池ですら1日で約15億7千万円ほどかかってしまいます。
1か月で約532億円ていどかかります。 もちろんこんな計算もまた机上の空論にすぎません。

というのは、本来の再エネにおける蓄電技術は、丸々蓄電する目的に作られたものではなく、再エネ特有の出力や周波数の「ブレ」の調整の為にあるからです。
その日の予定以上に多く発電した場合は、多少貯めておいて、まったく発電できない時にそれを出すというような目的です。 
蓄電池もそれに応じた規模のものをつけてやればいいし、現実にもそうなっています。 

そもそも、反原発派には、原発問題をエネルギー問題として捉えていません。彼らの主張は、結局は「原発は危ない」のただ一点だけです。  
それが故に、予想される大災害時、あるいは夏のピーク時に必要なライフライン確保のためには、ギリギリの電力予備率では危険だという自覚がないのです。 

現在、夏の電力予備率は関西電力で3%を切り1.8%という危機的状況です。  
まして、わが国が脱原発政策のために再エネが6割(※ドイツの目標値)などという頭のネジが飛んでしまったような政策をとったら、絶望的な事態になります。
電源予備率はまちがいなく大幅マイナスになっているでしょうから、ピーク時や災害に極端に脆弱な国になっています。
まさに国破れて太陽光パネルあり、だったのです。

 

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