• S-021_20251214015301
  • S-028_20251214015201
  • S-082_20251214015901
  • S-089_20251214015301
  • S-099_20251214015801
  • S-003_20251214013801
  • 20251213-005902
  • 20251213-010705
  • 20251213-011108
  • 20251212-033146

2025年12月16日 (火)

やっぱり「南京大虐殺」ですか

197

案の定、中国は歴史カードを切ってきました。
伝統的な日本攻撃カードです。

「【南京時事】旧日本軍による南京事件から88年を迎えた13日、中国江蘇省南京市の大虐殺記念館で国家追悼式が開かれた。式典に出席した石泰峰共産党中央組織部長は演説で「軍国主義を復活し、戦後の国際秩序に挑戦し、世界の平和・安定を損なういかなるたくらみも決して容認しない」と述べ、日本の右傾化を念頭にけん制した。
 中国は2014年からこの日を「国家哀悼日」に指定し、毎年追悼式を開催している。習近平政権が今年を「抗日戦勝80周年」と位置付けているのに加え、高市早苗首相の台湾有事発言に中国側が強く反発する中での式典開催となった」
時事2025年12月13日 
中国、「軍国主義の復活」日本けん制 南京事件88年で追悼式典:時事ドットコム

もううんざりするくらい繰り返し議論されてきたテーマです。
政治的にキッチリ色分けされていて、左翼は大虐殺派、保守系は虐殺幻派となっています。
で、私はといえば、ことこのことに関しては「限定的にあった」派です。

中国と日本の「大虐殺」派筆頭の東大の加藤陽子氏は『満州事変から日中戦争へ』という本の中で40万人説を出していますが、荒唐無稽にもほどがあります。 
こういう人とは、中国共産党・政府と同じでまったく議論そのものが成立しないと思います。
最後になると、「侵略した土地で1人でも殺せば虐殺だ。侵略した日本が悪いぃぃ」という感情論になるのは目に見えているからです。 
南京事件や慰安婦問題かイヤなのは、事実の探求ではなく、初めから結論を用意した政治闘争になっているからです。

そして、中国共産党の豊富なプロパガンダと、日本外務省の比類ない無為無策によって、宣伝の主要な場を欧米、カナダなどに移行し、「南京アトロシティ」「南京マサカー」として完全に根付いている現実があります。 
また、1930年代と現代では人権感覚が隔絶しており、兵士の殺害についても極めて狭く解釈されるようになっています。 
これは慰安婦問題でも見られたことで、管理売春が世界の一般的制度だった戦前と現代を並べて、今のラジカル・フェミニズムの規範で過去を裁こうとしています。 
当時の人々は、当然のこととして当時の価値観、当時の制度と法の下で生きているわけですから、本来後世の私たちは腰をかがめて、当時の人たちの視線に立たねばならないはずです。 

そこで、私はひとつの価値尺度として、国際法的にはどうなのだろうかという視点を考えてみました。
というのは、戦時国際法であるハーグ陸戦条約・ジュネーブ条約は80年前と今も共通だからです。 
私が今回言っていることは、どこそこで日本兵が何百人殺したというレベルの話からいったん離れて(後述しますが)、それが「組織的・計画的虐殺なのか、それとも戦闘行為なのか」ということです。
私は計画的大量虐殺はなかったと思います。日本軍に30万人という那覇市人口に等しい市民を丸々殺害し、処理する能力も意志もありませんでした。

Photo_21937年12月に南京城陥落で喜ぶ日本兵。https://the-liberty.com/article.php?item_id=10397 

かといって、日本がまったく白い手袋だったとも思いません。 
掃討戦における捕虜の大規模な殺害、便衣兵摘出時の一般市民殺害は、日本軍側記録にも残されています。
戦闘員との交戦と違って、丸腰の捕虜と便衣兵はいわばグレーゾーンなのです。このことに触れないと公平さを欠きます。 
やや詳しく見てみます。

南京戦において、中国軍が全面崩壊し、掃討戦に移った1937年12月14日から、日本軍は大量の中国兵を捕縛しています。


①第13師団 幕府山付近        ・・・1万4777人 捕虜(飯沼守日記)
②第16師団 堯化門鎮          ・・・7200 捕虜(第36連隊戦闘詳報)
③下関など南京北側           ・・・3096 捕虜 (第33連隊戦闘詳報)
④城内安全区摘出           ・・・約2000 便衣兵(佐々木到一私記)
⑤城外                ・・・数千名 便衣兵(同上)
⑥第9師団 南京北部掃討地域          ・・6670 便衣兵(歩兵第7連隊戦闘詳報)
⑦第6師団 下関          ・・・約5500 捕虜(第45連隊史・第6師団戦闘詳報)
⑧第6師団 漢中門外 捕虜と認めず ・・・約1000名 捕虜と認めず(折田護日記)
⑨第114師団 南京城南部              ・・・1659 捕虜 (歩兵第66連隊第1大隊戦闘詳報)
⑩国崎支隊 江興州               ・・・2350 捕虜 (国崎支隊戦闘詳報) 
・計                              ・・・4万5000人
・うち処刑が記録されているもの①②③④⑤⑧⑨  ・・・計約4万人
・捕虜として認められて殺害された者①②③⑨   ・・・計2万6730人

これらは部隊の戦闘詳報と従軍した兵士の日記などによる数字ですが、ひとり単位までカウントされていても必ずしも正確ではありません。 
これは戦闘詳報では往々にして戦果を誇大に書いてしまう人間心理が働くからで、上の表にある「佐々木到一私記」は有名な資料ですが、「当師団のみで5万人を解決した」と書いている部分もあります。
ですから、おおよその手掛かりとなる数字ていどに押さえていただきたいのですが、これに民間人で便衣兵と誤認された数を加えて、おおよそ4万人前後となります。
この数字に民間人被害数を加えたものが、秦郁彦氏などが唱える3.4万~4.2万という「中虐殺」説です。(『南京事件・「虐殺」の構造』)

Photo_3入城式。戦友の遺骨を抱いている。

「便衣兵」は現代では死語となっていますが、中国特有の市民の姿をした兵隊です。今風に言えば、テロリストと言っていいでしょう。
私服を着ているのにいきなり爆弾を投げてきたりします。もちろん国際法違反ですが、中国はこれをおおっぴらに行ったために、日本はこれに悩まされ続けました。
この戦法が問題なのは、軍が一般市民までも「怪しい奴ら」とみてしまうことです。
米軍が4千人ものテロリストによる戦死者を出したイラク戦争を見れば、お分かりいただけるかと思います。まったくあれと同じ構図です。
レジスタンスがいけないというのではなく、大戦中のレジスタンスはドイツ軍からみればリッパなテロリストに写ったでしょうが、軍服は着ていなくても腕に腕章をしたり、揃いの徽章をつけたベレーなどをかぶっています。
レジスタンスは国際法的には「市民軍」(militia and volunteer corps )扱いを受けますが、正規軍同様に戦時国際法を守る義務は課せられていて、破ればただのテロリストとして裁判なし処分されても文句はいえません。

脱線しますが、よく「自衛隊はいらない。市民が守るんだ」と元気のいいことを言うリベラル文化人がいますが、そんなことをすれば侵攻軍によって真っ先に裁判なし処刑されるのでお止めください。
武器もない、その扱いも知らない「市民が戦う」って、それって竹槍持って本土決戦をするってことですか(苦笑)。本気でやったら地獄でしょうな。
それはさておき、一方軍人はジュネーブ条約によって、捕虜の資格を持ちます。
脱走を企てたり、抵抗をしない限り、捕縛した側もやたら撃ってはいけません。

Photo_4集めされた便衣兵。私服を着て民間人と判別不能。ヘルメットの跡などて判別したが、最後は雰囲気だったという。

では、この便衣兵はといえは、戦闘員が充たすべき以下の条件全部に違反していますから、アウトです。


戦闘員が充たすべき条件
①責任を持つ指揮官がいること。
②遠方から見てはっきりとわかる軍隊の徽章、軍服を着用していること。
③武器を隠し持っていないこと。
④戦時国際法を遵守した行動をとること。
1、To be commanded by a person responsible for his subordinates.
2、 To have
a fixed distinctive emblem recognizable at a distance.
3、 To carry arms
openly.
4、 To conduct their operations in accordance with the laws and
customs of war.

南京戦において中国軍の司令官は、中国文化の「エライ奴から先に逃げる」という文化を発露して、真っ先に逃げてしまいました。
しかも「お前ら死守しろ」と言って、降伏すらしなかったのですから話になりません。
卑怯もさることながら、指揮官は敗北した場合、敵軍に降伏を通知せねばなりません。
白旗を持った軍使が敵陣に赴き、「わが軍は本日何時何分を以て貴軍に投降いたしました」ということを通告し、「分かりました。では何時何分を以て戦闘行為を中止しますから、武器を捨てて陣地から出てきてください」という答えを貰わねばなりません。
これを攻める側が受諾すればその瞬間に休戦が成立します。
これが国際法的に「正しい負け方」なのです。

下の写真がシンガポール陥落時の英軍の降伏軍使の写真です。日本軍の先導者に率いられて白旗と国旗をもって従っています。これが文明国のスタンダードです。Hi英軍のシンガポール降伏。これが「正しい降伏」の仕方

南京戦の場合、あくまでも司令官・唐智生が降伏のための軍使を送って、降伏が日本軍司令官・松井岩根によって認められなければ降伏は成立しないのです。
よく勘違いされますが、兵隊が手を上げて投降した時点では捕虜としての要件を充たしていません。
本当に降伏する意志があるのか戦闘中では見極めがつかないし、武器を隠し持って攻撃されるかもしれないからです。
陸戦条約では投降した敵を殺傷することを禁じていますが、現実には中国軍のテロリストまがいの戦争をくぐってきた日本軍にとって、微妙なところです。

まとめておきます。


●投降兵(正規軍兵)
①武装解除の上で、捕虜として捕縛した投降兵を殺害することは違法。
②ただし、捕虜の敵対行為が原因で殺害した場合、状況により判断が[異なる。
③投降とほぼ同時に殺害した場合、戦闘中、戦闘行為の継続中ととるか、虐殺ととるかは個々に判断。

というわけで、私はこの捕虜殺害とされた約2万6千人に関しては、国際法的にも日本に非があると言われても仕方がないと思っています。

ただし、日本は当時捕虜条約を批准していなかったので、違法ではないとする説もあります。

 

Photo南ベトナム・サイゴンの崩壊の日。逃げた兵士が捨てた軍靴や装備が散乱している。

さて、司令官が真っ先に逃げてしまったために、それでなくても士気が高いとは言えない中国軍は我先にとヘルメットを捨て、軍服を脱いで市民から服を奪って隠れようとしました。
このために日本軍は、本来想定していなかった「摘発」をするはめになりました。
この時に戦闘で興奮している日本兵によって、多くの誤認殺害がなされたと思われます。
民間人の人数に言及した資料としては、スマイス調査報告がありました。かなり問題のある資料なのですか、スマイス報告書の数字はこうです。


・農村部の一般市民殺害数(対象は江寧県の一部・・・推定1000人以下。
・都市部
                          「兵士の暴行」・・・2400人
                        「拉致」されたもの・・・4200人
計                       死者3400人 拉致4200名

一方、安全区国際委員会という外国人居留者から日本大使館に提出された「南京暴行報告」によれば、安全区内における「殺人」は50名でした。
スマイス報告書は「拉致」が便衣兵摘発なのかどうかわかりませんし、もしそうだとしたら処刑された可能性があるわけでそれと重複カウントされた可能性があります。
したがって、農村部で1000人以下、都市部で2000~3000人(うち便衣兵の摘発が1000~2000人)、計3000~4000人ていどだと思われます。
また、この民間人被害者の相当部分、特に農村部の被害の多くは、軍規が崩壊した中国軍も関係していることは想像に難くありません。

Photo_5

また中国軍には督戦隊という味方の兵士が逃げないように、後ろから機関銃で撃つための特別部隊すらいました。
映画『スターリングラード』で冒頭にでてきますね。あのチャイナ・バージョンです。
この督戦隊が機銃を乱射して、軍服を捨てて逃げようとする自軍の兵士をなぎ倒していたという証言もあります。
私個人の推測としては、捕虜の違法殺害の2万6千人に、摘発時の誤認民間人殺害2000~4000人を加えた2万8千~3万人ていどだと推測します。
あるいは安全区国際委員会の民間人被害者50名が正しければ、一気に下がって2万6050人という事になりますが、なんともいえません。

「虐殺ゼロ」派は、捕虜が国際法要件を充たしていない、便衣兵処分は正当であるとしていますが、後者はともかくいったん受け入れた捕虜を裁判なし処刑したことはいかがなものでしょうか。
南京事件を、おおざっぱに見てきましたが、数字はとりようでいくらでも変化するので、あくまでもひとつの目安にすぎません。

問題は何度も繰り返しますが、「国家意思」の有無です。
南京一般市民を全員殺戮することを命じた大本営の命令書、あるいはその議事録、それを受けた中支派遣軍から師団への命令書、師団司令部から連隊司令部への命令書、現場指揮官への命令書などなど大量になければなりません。
よく敗戦時に焼却したという人がいますが、慰安婦問題もそうでしたが、軍というのは巨大な官僚機構ですから、上から下まで各級で文書が大量に残っていなければなりません。

とまれ便衣兵といい、督戦隊といい、戦争のルールがまったく違う相手と戦ったのが、当時の日本だったのです。
それは今に至るもまったく変わりません。

 

2025年12月15日 (月)

メガソーラーに規制始まる

S22-012

やっとメガソーラーに規制がかかりました。ほんとうにやっとというところでした。
岸田、菅、石破と3代に渡って再エネにゲタを履かせ続けたのですが、やっとこれで終止符が打たれます。

ところで麻生氏はいみじくも石破政権を「どよーんとした感じで、何にも動かないという感じがあった」 と評していますが、まさにその通り。
ゲル氏はこの批評にぶつぶつ言っているようですが、今の高市政権のように「世の中のことが決まり、動いている」という空気とは正反対でした。
鈍重で重苦しく、活気がなく、不細工で先行きが見えない。
とうぜん何事も決まらず、しかも大きな選挙をやるたびに政権基盤が大揺れなのですからなんともかとも。

今の高市政権で、日本がいきなり目が醒めたように政策が倍以上のスピードで動いています。
政権発足からわずか1.5か月で、いままで天井に張りついていたガソリン価格が140円台となったようにすばらしいスピード感があります。
なんだやりゃ出来たんじゃないですか、それをあれやこれや言い訳してネグってきただけ。
要は、前政権があまりに怠惰で「どよーん」だっただけです。

その中で日本のエネルギー政策を歪めてきた再エネに対する過剰な支援が見直されます。

「政府・自民党は大規模太陽光発電施設「メガソーラー」について、2027年度から新規事業に対する支援を廃止する方針を固めた。メガソーラーを巡る環境破壊などが社会問題化しており、東日本大震災以降の普及促進方針を根本から転換する。環境影響評価の実施も厳格化し、野放図な拡大に歯止めをかける」
(読売12月14日)
新規メガソーラー、電力買い取り価格上乗せ廃止へ…消費者が支払う再エネ賦課金が原資(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

経済的合理性が皆無な再エネがこんなに支援されてきたのは、脱炭素イデオロギーがあったからです。
だから立憲のように再エネを「国内(電力需要の)100%にする」なんて空論を政策に掲げた政党も出たわけです。
100%無理なだけでなく、200%国民を不幸にします。
いまでも風力、太陽光、地熱など合わせても8%に満たないのに、どこをどうしたら100%になるんだっつうの。
北海沿岸の風力発電から長距離送電網を作って、森林伐採しまくってまで「自然エネルギー」を増やしたメルケルのドイツですら、せいぜい2割台です。

Fig11

2018年(暦年)の国内の自然エネルギー電力の割合(速報) | ISEP 環境 ...isep.or.jp

このメルケル・ドイツのFITを丸パクリしたのが日本のカン総理でした。これが悲劇の始まりです。
脱原発に熱心な民主党政権時代にはグリーンニューディールなんて言っていた米国も、早々と壁にぶち当たって、いまや原子力を増やそうとしていますし、トランプは化石燃料に舵を切りました。

04
世界ひろしといえど、原発ゼロにして再エネを100%に近づける、なんてイっちゃったことを言っていたのは立憲のところくらいです。
そもそも「自然エネルギー」で唯一モノになるのは水力くらいでしたが、脱ダムやっちゃったのは民主党政権でしたっけね。
「自然エネルギー立国」なんて、イメージだけでしゃべっているからこうなるのです。

なぜそうなるのでしょうか。理由は単純です。
化石燃料資源が豊富にあり、したがって安価かつ安定したエネルギー源だからです。
これは経済産業省の試算結果にでています。
資源エネルギー庁「発電コストワーキンググループ資料」(H27.5)

まず2014年における、各種エネルギー源の価格比較です。

 _20221212_014333

資源エネルギー庁 発電コストワーキングチーム

なぜ企業は化石燃料を使い続けるのか、その理由はなんといっても安いからというのは上のコスト比較のグラフを見れば一目瞭然です。
安ければ使う、というただそれだけです。
しかし野放図に使えば環境汚染を引き起して、環境コストが増えてしまいます。
また原油価格が上昇すれば原油の消費は抑えられ、消費が抑制されるために原油輸出国は増産して価格を下げるしかなくなります。
こういった市場メカニズムで動くのが、化石燃料の特徴です。
なんといっても人類は産業革命以降、化石燃料とはもうかれこれ200年以上つきあってきていますから、自律的市場経済のシステムがしっかりと組み込まれているのです。

ですから、自由な選択が許される民主的経済システムにおいては、同じ目的を達成するための最小コストを目指しますから、化石燃料しか選択の余地はありませんでした。
ですから、なにが哀しくて、化石燃料の4倍もするような再エネを使わにゃならんのですか。(泣く)
再エネが増えたのは経済外的要素、つまり政治の強制です。

したがって、化石燃料以外を企業が使わねばならぬとしたら、それは経済外的強要、つまりは政府が強制的に化石燃料から再エネに転換するような政策をとった場合に限ります。
化石燃料には、炭素税をかけて高くしてしまい、一方で再エネはFIT(全量買い取り制度)というトンデモ制度で高く買い上げ、それを家庭や企業に再エネ賦課金で税金のように支払わせてるようなアコギなことをして、やっと再エネが増えたのです。
ひとつの政治目標を達成するために、無理やりに経済合理性に反する計画経済を押しつけているわけですから、うまくいくわけがありません。

こういう経済は政治によって支配できる、イヤなら税金高くして使えなくさせてやろう、オレの好みのものには補助金で竹馬はかせて、それを家庭と企業に払わせてやろう、というような発想を社会主義的思考といいます。
こういうことを考える人たちの脳味噌は芯までカチカチですから、地球温暖化阻止→火力発電削減→原発ゼロ→再エネなんて図式が並んでいるのでしょうね。

実はこれらの事柄は、なにも考えないとスッと矛盾なく繋がるようですが、実は矛盾した要件です。
というのは、地球温暖化の主な原因が二酸化炭素かどうかはとりあえず置くとして、現実にCO2削減をしようと思うと、もっとも手っとり早いのが、原子力を増やすことだからです。

原子力はなんせ二酸化炭酸ガスや硫黄酸化物をまったく排出しない「クリーン」なエネルギーだからで、ただCO2削減が目的ならば、化石燃料発電(火力)をさっさと止めるには、原子力に一本化するのが近道です。
ただし、3.11の福島事故のように事故が起きた場合、その規模と影響の時間尺の長さは巨大で、他のエネルギー源のそれとは比較になりません。
廃炉コストも馬鹿にならないという欠陥があります。

つまり原発もまた未完成な技術体系なことは確かですから、せいぜいが3分の1くらいにとどめておくのが無難なのです。
いま新世代原発の登場によって福島事故のような全電源停止状況でも炉心冷却可能なタイプが生まれてきてはいますが、むしろハード以外の耐用年数制限の問題、高濃度廃棄物の最終処分のあり方、核廃棄物と原発稼働数との関係(総枠規制)、あるいは核リサイクル施設の存続といった未解決な問題が山積しています。

これらの諸問題は、いくら新世代原発がステーションブラックアウトであっても炉心冷却出来るようになったといえどもつきまとう以上、原発は「今なくては困るが、そこそこに」というのが私の考えです。
私はその意味で、少なくともGE型のような旧世代原発から段階的に削減して、新型の原子炉にリプレイス(置き換え)していくしかないと考えています。

とまれ、高市政権は再エネに待ったをかけました。エネルギー政策の正常化に向けた大きな一歩です。

 

 

2025年12月14日 (日)

日曜写真館 星空も生者の側に蘭溢れ

S-003_20251214013801

蘭の花はみだら晩学稚気多く 小野蒙古風

S-099_20251214015801

われをにくむ人に贈らむ蘭の花 会津八一

Sa_20230916004701

つと入や蘭の香にみつ一座敷 松瀬青々

S-028_20251214015201

月落ちてひとすぢ蘭の匂ひかな 大江丸

S46

幼な子が鼻よせて嗅ぐ蘭の花 細見綾子

S103

むせび泣くあまりに高き蘭の香に 渡辺恭子

S-082_20251214015901

蘭の香の言葉のはしにただよへり 米澤吾亦紅

S-089_20251214015301

蘭というきれいな玩具たまわりぬ 柴田美代子

S-021_20251214015301

われ等みな名もなき山の蘭の花 会津八一

 

 

2025年12月13日 (土)

日米共同訓練で中露をはね返す

S-048
日米が横車を押し続けている中国に強いメッセージを送りました。
「防衛省 ・統合幕僚監部は2025年12月11日(木)、自衛隊がアメリカ軍と日本海上の空域で共同訓練を実施したと発表し、その様子を捉えた画像を公開しました。共同訓練では、米軍のB-52爆撃機を航空自衛隊の戦闘機がエスコートする光景が実現しました。航空自衛隊は共同訓練に、主力戦闘機であるF-15戦闘機3機(第6航空団)、最新のステルス機であるF-35戦闘機3機(第3航空団)を参加させました。アメリカ軍はB-52を2機派遣し、各種の戦術訓練を行ったとしています。
なお、12月9日にはロシア軍のTu-95爆撃機2機が日本海から東シナ海に進出し、東シナ海で中国軍のH-6爆撃機2機と合流した後、四国沖にかけて長距離の共同飛行しています。
防衛省・統合幕僚幹部は今回の訓練を通じ、「力による一方的な現状変更を起こさせないとの日米の強い意思及び自衛隊と米軍の即応態勢を確認し、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化した」としています」
空自機が米軍の「黒い巨人機」を護衛!? 最新ステルス機も参加して共同飛行 ロシアの前で「訓練です」(乗りものニュース) | 自動車情報・ニュース - carview!
20251212-170849

ロイター

この空自がエスコートしたB-52が核搭載可能かどうかはわかりません。
元来B-52は核搭載機として開発されましたが、多様な任務を与えられており、一概に核を搭載しているかどうかは判別できません。
ただし、米空軍は必要に応じて、核爆弾を搭載したB-52を24時間体制で即時出撃できる準備を進めることもあります。

なお中露爆撃編隊が、この日米訓練に先だって日本海を四国沖まで共同飛行しています。
統合幕僚監部 12月9日

12月9日(火)午前から午後にかけて、日本海から東シナ海に進出したロシアの爆撃機(Tu-95)×2機が、東シナ海において中国の爆撃機(H6)×2機と合流した後、東シナ海から四国沖の太平洋にかけて長距離にわたる共同飛行を実施したことを確認した。
また、当該爆撃機が沖縄本島と宮古島との間を往復して飛行する際、中国の戦闘機(J-16)×4機が合流したことを確認した。
この他、日本海においてロシアの早期警戒管制機(A-50)×1機、ロシアの戦闘機(Su-30)×2機を確認した。
これらに対し、航空自衛隊の南西航空方面隊等の戦闘機を緊急発進させ対応した。
p20251209_05.pdf

20251213-005902

統合幕僚監部

写真も自衛隊機によって撮られています。

20251213-010705

統合幕僚監部

この中露編隊が「遼寧」艦隊と共同で作戦していたことは、これに艦隊動向マップを重ねて見るとわかります。

20251213-011108

統合幕僚監部

中国空母艦隊は宮古海峡を通過して太平洋に進出した後に、いままでと違った航路をしました。
12月8日から駆逐艦が一隻抜け、代わりに補給艦が合流し、空母1隻+駆逐艦2隻+補給艦1隻となっており北上を開始しました。
補給艦を合流させることで北上を可能にしたものと思われます。
またこれが、日本海を南下してくる中露爆撃編隊との共同作戦を意図したことは明らかです。

中国がこの時期にこれだけ大規模な空海共同作戦をとったのは、高市氏の発言もさることながら、ベネゼエラに意識が集中しているトランプが、東シナ海まで意識が回るまいという読みがあったようです。
しかし小泉大臣の迅速な対応により日米防衛大臣が共同歩調を取れたことで、この日米の共同訓練という形で打ち返しました。

 

2025年12月12日 (金)

空母「遼寧」ポンコツ艦隊の意図

Dsc_5992_2
12月5日、中国初の空母「遼寧」が、東シナ海に姿を現しました。
そして翌6日午後に今回のレーダー照射事件を引き起こします。
この水域は既に日米によって国際手続きに則って訓練・試験区域(NOTAM)を設定されてあった水域(空域)でした。
下図の薄い紫色の部分が日米が訓練していた水域です。

20251212-033146  

まこ、このようなこのような水路航行危険情報が公表されていました。

20251212-033352

このようなエリアに意図的に空母艦隊を進出させ、100回を越える離発着訓練をしていたわけです。
中国側は事前通告したと主張し、音声を公開しました。時間は
12月6日午後2時10分と28分です。

中国軍側
「こちらは中国の101艦です。私たちの編隊は計画通り艦載機の飛行訓練を行います」
自衛隊側
「中国の101艦へ。こちらは日本の116艦です。メッセージを受け取りました」

日本の海自はDD116「てるづき」です。

20251212-035320

DD-116 Teruzuki Right - てるづき (護衛艦・2代) - Wikipedia

ここで海自とされる女性の音声はCopyと言っていますが、これは「受信した」という通信の末尾によくつけられる用語で、「了解した」という意味ではありません。
中国はこれを事前通告といっていますが、事前通告は最低でも数日前の衆知期間を置くもので、また地図上で北緯東経を告知し、かつ訓練期間も公表して危険を回避するのが国際ルールです。
この海自艦艇からのCopy という返答を、中国はねじ曲げて「了解した」と言っています。
例の「ひとつの中国」と同じで、中国の言うことを「聞きました」と「同意します」をあえて混同してミスリードさせています。


事前通告されたこの日本の訓練領域に、中国側はあえて入ってきて艦載機訓練をすれば日本側は警戒監視をするのは当然です。
またこの艦隊が異常に日本沿岸に接近しているのは今日もアップした地図でわかるでしょう。
20251210-100606
朝鮮日報
おそらく今回の「遼寧」艦隊の目的は、太平洋に進出し沖縄と奄美をいつでも狙うことができるというデモンストレーションでしょう。 
いうまでもなく、高市氏の発言に対する軍事的ゼスチャーです。

ではこの危険をゲームを誰がやらせたのでしょうか。
福島詩織氏はズバリ習近平だとみています。
「今の解放軍は中央軍事委員会7人中、制服組3人が失脚によって欠けて補充されていない機能不全状況です。つまり習近平中央軍事委員会主席の決断がそのまま良識ある軍人の意見や検討なしに末端に降りてくる状況です。ですから、末端の人員が、習近平への忠誠アピールに、かなりチキンレース的な挑発をやる可能性があると思います。
軍部へのホットラインに誰も応答しなかった、そうですが、今の解放軍が大粛清の真っただ中であると考えれば、それも当然かと。ホットラインに習近平の不興を買ってでも応答できる立場、良識のある軍官がいないんじゃないでしょうかね」
(福島香織 中国趣味聞12月12日)

もちろん習その人が自衛隊機をロックオンしてビビらせてやれ、と言ったかどうかは定かではありませんが、今の中国軍の指導部は粛清されまくったために習に異論を唱える者がいません。
だから通常なら、軍の官僚組織で誰かが危機感をもって待ったをかける案件でも、末端は習に忖度して過激な行動に走る可能性があります。

ただし、同時にこれは中国の弱みをさらけ出していることです。
「遼寧」を軍事ツールとして見た場合、空母というより、「空母もどき」と言ってかまわないからです。
中国は例によってこれを「国産空母」と呼んでいますが、呼びたい見栄心は痛いほどわかりますが、ご承知のように、入手経過自体がパッチモンです。

1998年の冬、厳冬のウクライナに怪しげな自称実業家を名乗る中国人が訪れ、「ねぇ、オレ、鉄くず商人なんだけど、あんたの国の空母ワリヤーグを売らない」と持ちかけました。
ウクライナ政府の担当官と、中国人が持参したという62度のパイチュー(白酒)をグビグビやりながら、結局、アルコールの濃い霧に包まれたままウクライナの言い値の40億ドルを2000万ドルに買いたたいてしまったそうです。
やりよりますなぁ。空母一隻2000万ドルとは!(爆笑)

ちなみに、米空母はだいたい50億ドルくらいです。 

当時ウクライナは慢性的な国庫カラの状態で、国家ぐるみでロシアのEU向け天然ガスを盗んでいたくらいですから、足元を見たのでしょうが、それにしてもエグイ。 
中古空母というのは、インドやオージー、ブラジルなどが運用していますが、さすが、クズ鉄再生「空母」は世界にこれ一隻という貴重な存在です。 
しかしなにぶん2000万ドルで買いたたいたクズ鉄再生「空母」ですから、様々な問題を抱えていました。

Photo
まずは、肝心要の動力が使い物になりませんでした。 
ウクライナも武器に再生されるのを避けるために、蒸気タービンの配管を切断し、重要部品を取り外していたからです。 
もちろんいっさいの資料文書は付けなかったために、さすがコピー大国中国も手こずったようです。 

この「遼寧」も2000万ドルで買いたたいたのはいいのですが、蒸気タービンがうまく再生できないために一時はお蔵入りかと言われた時期もありましたが、なんとか海に浮くことはできました。 
しかし、空母が艦載機を射出するに足る速度をだすことが難しい上に、射出用カタパルトがありません。
なんといってもこれが致命的でした。

Photo_2
おそらくペイロード(最大積算量)一杯の燃料やミサイル類を搭載して発艦することは相当に困難だと言われています。
まぁ、カタパルトという現代空母に必須のシステムがなかったのが問題でした。
現代のジェット戦闘機はともかく重い。J-15なら全備重量で27トンもあります。

これを甲板からはじき出すんですからハンパじゃありません。
だから英国はハリアーなどというSTOVLという垂直離陸も、短距離離陸も可能な特殊な戦闘機を開発したのです。

ところがカタパルト技術を持っているのは世界でも米国だけですから、中国やロシアが歯噛みしてもどーにもならなかったのです。
しかし空母が欲しい、カッコよくアジアを地回りして近隣諸国をおどして回りたい、そのような地域覇権国への渇望が止まらずに手を出したのがクズ鉄空母ワリヤーグだったわけです。

で、手に入れました。天にものぼる心地だったことでありましょう。
しかし乗せたロシア製スホーイSU-33のパクリのJ-15にはSTOL性能などありません。
代わりになる機体はない。で、どうするのか。
いや、なんの燃料搭載を減らして、爆弾やミサイルをギリギリしか積まなきゃいいんです。
これでなんとか飛ばせる、キャホーというわけでした。航続距離は激減するし、攻撃力は限定的ですがカッコは一人前。
アジア諸国あたりを相手にするぶんにはこれで十分だ、なにか言われたら訓練中ですって言っておけ、というわけです。

しかしだからといって、ギリギリのミサイルを積んで航空機を飛ばすだけはできますから、脅威であることはまちがいありません。
このように今のところ「遼寧」は兵器というより、近隣諸国を威嚇するための心理的・政治的ツールと呼ぶほうがよい存在です。

また艦載機のJ-15もエンジンに致命的欠陥を抱えており、頻繁に墜落事故を起こすしろものです。
いままで少なくとも4回の墜落事故が確認されています。2016年4月27日には、空母着陸訓練中にJ-15が墜落し、パイロットが死亡する事故も起きています。この事故の原因は飛行操縦制御装置の故障とされています。

着艦装置回りも耐久性が危ぶまれています。

搭載しているWS-15ジェットエンジンの推力損失の問題は解決されていないうえに、艦載機であるにもかかわらずエンジンブレードが塩害に弱く脆いと言われています。
これらは初飛行から10年もたつというのに改善されたとは聞きません。
つまり飛び立って正常に飛行し、降りてくるという基本的なことがアブナイ機体のようです。

おまけにパイロットの質が上等とはいえません。
自分が火器管制レーダーで愛敵をロックオンすることが、どれほど恐ろしいことなのかわかってやっているとは思えません。
前回のP3Cへの異常接近でも、プロフェショナル意識を持ったパイロットなら、命令されてもやらないことです。
それを安易にやってしまう。それが勇気だと勘違いしている。しょーもないクズパイロットたちです。
未熟傲慢無知。
自衛隊機の沈着冷静な対応の爪の垢でも煎じて飲みなさい。

このような「空母打撃群」の使い道は、張り子の虎として使うしかないじゃありませんか。

 

 

2025年12月11日 (木)

常識がない奴と会話するのは大変だ

S-062

あーあ、書く気になれない。だってつまんないんだもん。
思ったとおりの展開というのも能がない話で、この中国によるレーダー照射事件はかつてのコリア海軍の同種の事件と同じ軌道を辿っていますから、同じ結末となるでしょう。

観光客は日本に行かさん、なんて言って自爆してしまったかと思うと、こんどはサンフランシスコ条約は無効だなんてメチャクチャを言い出し、さらにそれで日本が柳に風と受け流していると、とうとう自衛隊機にロックオンするというクレージーぶりです。
どうしたらいいの、こういう奴って。
よくコメンターで話し合いをしろという者がいますが、ルールから説明せにゃならない人と「話し合い」が成立するんでしょうかね。
はたまたやり返せなんて気楽に言う人もいますが、ナニ言ってんだか。
いいですか、今の日本は手を出さない、紛争にしないという姿勢をキーブすることが得点になっているのです。
それを手を出してしまえば、チャイナと同じ土俵に乗ってしまいます。損ですね、馬鹿馬鹿しいですね。
勝手にやらせて自滅を待つのが正解なのです。

さて、メンドーですが、チャイナにルールというもんがあることを教えてやらねばなりません。
公海は国際法上、すべての国が自由に航行や軍事演習を行う権利を持つ場所です。
だからなんでもしていいわけじゃありません。(あたりまえだ)
むしろ逆です。
他人に迷惑をかけるなという大人のルールを守れない奴は、公海でナニかしてはいけません。
国際紛争になり、こじれると戦争になってしまうからです。

軍事演習をしたいのなら、近隣の関係国に航空関係ならがNOTAM(ノータム)、海上関係なら航行警報といった方法で広く情報を共有しなければなりません。
さらに平時の艦艇に対してはCUES(海上衝突回避規範)があり、やってはいけないことが列記されています。
ちなみにCUES2.-8.1aには「砲やミサイルの照準、火器管制レーダーの照射、魚雷発射管やその他の武器を他の艦船や航空機がいる方向に向けない」という一項が入っています。

しかもこれすらいわばマナー協定であって、国際法そのものではありません。 
ですから、これらは国際的に定められた義務ではありません。
では守るも守らないも自由かといえば、一切無視して軍事演習を近隣国の近辺でやれば、なんて常識のない馬鹿な国と蔑まれます。

今回の位置関係はこんなかんじです。
朝鮮日報の地図は位置関係がでていて便利です。

20251210-100606

                         朝鮮日報

上図に日本のEEZの図を重ねてみましょう。

20251211-050906

排他的経済水域(EEZ)とは? | 日本の最南端・最東端の国境離島 〜東京都 沖ノ鳥島・南鳥島〜

チャイナの軍事演習の地域はモロに入りますね。
EEZとは、沿岸国の基線から200海里(約370キロメートル)までの水域のことで、Exclusive Economic Zone の頭文字をとって「EEZ」と呼ばれています。
この水域では、漁業や石油・天然ガスなどの資源探査・開発、海洋科学調査といった経済活動を沿岸国が排他的に行うことができます。

では軍事演習はどうなのでしょうか。
国連海洋法条約では、EEZにおける自国の権利行使や公海の自由の行使に際して、他の国の権利や利益に「妥当な考慮(due regard)」を払うことが義務付けられています。
これは、軍事活動についても同様に適用されると解釈されています。
UNCLOS 58条3項で「沿岸国の権利及び義務に妥当な考慮を払う」こと義務づけられています。
しかし具体的に何を指し、どの程度の配慮が必要なのかは明確に示されていません。
つまりあいまいではあるのですが、大人の常識で考えろというヤツです。

いかに公海であろうとEEZでの軍事演習は、沿岸国の船舶や航空機の安全に配慮する必要があり、そのため多くの国は演習の際、国際的な安全基準に従い、NOTAM (航空情報) や航行警報によって情報を周知させています。
今回のチャイナ海軍のようにノータムは出さない、航行警報も出さないというのは言語道断の蛮行なのです。

え、なになにチャイナは「事前に日本側へ通報していた」、無線交信の音声データを公開しただろうって。
確かにチャイナは「艦載機の飛行訓練を行う」旨を伝え、日本側とされる声が「メッセージを受信した」と応答しています。
しかしこれってノータムでもなければ、航行警報でもない、ただの「挨拶」です。
事前に日本がその区域を通過する船舶や航空機に危険情報を出し危険を回避するものではありません。
そもそもこれは海上であって航空機に対してではありませんから話になりません。
だから危険回避のための特定空域の飛行制限をかけようがないわけです。

逆にこれでチャイナはノータムも航行警報も出していなかったことが暴露されてしまいました。
本当に馬鹿ですね。

 

 

2025年12月10日 (水)

トランプの「意気揚々たる撤退」をしたら

046

舛添氏と意見が一緒になることはきわめて稀なのですが、氏はこう言っています。

「日中間の対立を前にして、トランプ政権は敢えて介入しようとはせずに、沈黙を守っている」と言及「中国とのディールを同盟国との関係よりも優先させている。これは、ヨーロッパについても同じである。アメリカと中国で世界を支配する『G2体制』が念頭にあるようだが」と推し量った上で、「それでは民主主義は守れない」と私見を述べた」
(日刊スポーツ12月9日)
舛添要一氏、中国がホットライン応じず「軍事的衝突の危険性が高まる」懸念強める(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

あーあ、ユーウツですが、大いにありえますね。私も同じことを危惧しています。
トランプはマーブルチョコよろしく取っ替え引き換えいろいろなことを言いますから真意がよくわからないのですが、要はカッコよく米国が「意気揚々たる撤退」をしたいだけだと見ています。
世界に責任をもつのはマッピラ、戦争はしたくない、米国がまだ力を持っているうちに米国の庭に戻りたいということです。
「米国の庭」というのは勢力圏ということです。
そして世界の秩序維持は他の超大国となぁなぁで仕切っていく。

まぁ、すぐにG2になることはありえませんが、トランプは常にその傾向を強く持っていますから警戒せねばなりません。
ヨーロッパでは既にその片鱗を見せており、アジアでも地域覇権国と共同統治しようとする誘惑が常にあります。
ちなみにヨーロッパではその相手がロシアであり、アジアでは他ならぬ中国です。
なんだぜんぶ敵じゃないかと思われるかもしれませんが、敵と手打ちせにゃ縄張りは守れんぞな。

さてG2体制にはいくつもの段階がありますが、おそらくその最終的な形態は、在日米軍は沖縄はおろか日本全土から撤収し、グアムの線まで後退します。 
このラインを中国は「第2列島線」と呼び、伊豆諸島を起点として小笠原諸島、グアム、サイパン、パプアニューギニアへ至る線まで中国海軍を進出させることを目標にしています。

Photo

(図 右側の赤い線が第2列島線、左赤線が第1列島線 Wikipediaより) 

その場合、日本が置かれた条件を思いつくままに上げれば、このようなものです。

①人口1億2千万人、高い技術力をもつGDP世界4位規模の工業国である。
②日米同盟崩壊によって、集団的防衛体制(日米安保、NATOなど)を持たない孤立した国家となる。
③エネルギー自給率、食糧自給率共に低く、長大、かつ不安定なシーレーンによって輸入されている。
④防衛力は中規模であり優秀であるが、専守防衛のみに偏っている。
⑤MD(ミサイル防衛)は限定的ながらすでに保有し、潜在的核兵器開発能力を持つ。
⑥憲法問題など多くの防衛関係と情報関連の法整備が不十分である。

以上のようなわが国が、ハワイ以東までを「約束された海」として海洋進出する中国の矢面に孤立して立たされた場合、いかなることになるでしょうか。 
しかも、その時、わが国は唯一の外国との軍事同盟である日米安保を廃棄されてしまっていたとします。 
あまり考えたくない最悪シナリオですが、あえて考えるなら、日本が取りうる選択肢はたぶんきわめて限られたものになるはずです。

現在の自衛隊には他国への侵攻能力はありません。それは、戦力を外国に投入する能力がないからです。
その能力のことを専門用語で、戦力投射能力といいますが、戦力投射能力(パワープロジェクション)とは、俗に言う他国への「攻撃能力」、あるいは外征能力のことです。
侵攻する国に、多数の兵員と武器弾薬を送り込む能力、あるいは、核ミサイルを撃ち込む能力です。

●戦力投射能力として、国際常識上分類される兵器
①大陸間弾道ミサイル(ICBM)
②大型空母(原子力推進であることが望ましい)とイージス艦、攻撃型原潜による空母打撃群
③水中発射型核ミサイル(SLBM)登載戦略ミサイル原潜、長距離核ミサイル搭載大型爆撃機
④他国に橋頭堡を築くための海兵隊
⑤大量に兵員装備を送り込めるC-17やC-5など戦略大型輸送機
⑥大量の兵員・装備を送り込める強襲揚陸艦
⑦空軍の攻撃機、戦闘機、電子戦機、空中警戒管制機などで作る打撃群(ストライクパッケージ)

●戦力投射能力を保有している国
①米国、仏、英国、中国、ロシア
②米国、仏、英(中露は能力不足)
③米国、ロシア、中国、英国、仏
④多くの国で持つが、本格的な海兵遠征打撃群は、米国のみ。近いものはロシア、中国、英国。
⑤米国、ロシア、中国、英国、仏
⑥米国、英国、仏、中国。他の国も個別には保有するが能力不足
⑦米国、NATO、ロシア

これらすべてを共通して保有するのはP5(常任理事5ヶ国)で、いずれも外征型軍隊を保有しています。
わが国は日米安保が存在するために、この①~⑦までの軍備を持つ必要がありませんでした。
よくリベラル派の人は日米安保があるから、日本は世界の果てまで米軍に追随せねばならない、などといいますがそのようなことはありえません。
逆に外征型軍隊の保有から免れた軽武装国家でいることが可能でした。

その結果、海自は対潜水艦作戦と対空防御のみ、空自は迎撃のみ、陸自は守備専門に特化しています。
世界の専門家から見れば、自衛隊がアスリートだとするなら、水泳なら平泳ぎだけ、陸上なら高飛びだけ、球技ならバトミントンだけが得意といった、すこぶるバランスの悪い「軍隊」なのです。ただしどの「競技」も金メダルですけどね。
そもそも憲法上は「軍隊」ですらなく、「軍隊のようなもの」なんていう奇妙な武装集団は、世界にひとつしかありません。
わが国が、やがてそのいずれかひとつを少数持つことはありえますが、一定数揃わないと外征型軍隊とは見なされません。
戦力はあくまで一定数なければ、現実に機能しないし、質だけではなく「量」の問題だからです。

さらには、それを支える大枠の哲学、つまりドクトリンがなければ、装備は意味をなしません。
これが国際関係論でいう、脅威=能力+意志という法則です。

たとえば、わが国で強襲揚陸艦や長距離輸送機を装備することはありえますが、それはあくまで離島防衛のためやPKO派遣のためです。
ですから、装備数もあくまでも少数であって、これでは外征など絶対に不可能です。
それは日本には外征する必要がなく、したがって外国に侵攻するためのドクトリンそのものが不在だからです。

Bandx7xceaatxrb

写真 米海軍空母打撃群。こういうのを言葉の正確な意味で「空母」と呼ぶ。いかに多くの艦船群によってなりたつのかわかる。人員も約7000人に登る。米国はこれをなんと12セット持っているのだから、むしろ呆れる。ただし予算不足で、稼働しているのは3セット。

日本の場合、①から⑦まで、その全部が欠けていますし、その意志も能力もありません。
ただし、日本はこれらすべてを10~20年後には実現可能な技術力と経済力を有しています。
もし本気で外征型軍隊を作る気なら、改憲して、国防予算を今の5倍ていどにするしかありませんが、やってやれないことはありません。
日本は初めから無理な小国ではなく、フランスと同等の戦力を持つことも可能です。

かつての帝国海軍は、実に国家予算の6割をつぎ込んでいました。海軍が予算を独り占めにしたために、国民は貧しく、陸軍は常に海軍を憎悪していました。
いかに身の丈にあっていない一点豪華主義の海軍だったかわかります。
現代において、そのような「攻撃力」を持つ意味はまったくありませんし、そもそもこんな状況にならないために、日米同盟という集団的自衛権があるのです。

戦前は集団的安全保障という、概念そのものがありませんでした。

Photo_6

                                                               ロイター

しかし不幸にも、米国の裏切りによって日米同盟という日本やアジア全域の安全保障インフラそのものが消滅した場合、わが国は、①から⑦を保有するフランスのような中規模軍事大国になるしか生き残れないでしょう。

オバマはギリギリ覇権国から転落する崖っぷちで、どうしようかと逡巡しているといましたが、共和党のトランプと民主党のサンダースが、立場は左右両極ながら、一致しているのは覇権国からの撤退です。これはきわめて象徴的です。
このような時期に、野党が言うように集団的自衛権を強化するための安保法制を撤廃したらどうなるのでしょうか。

それは、日本からも「日米安保などいらない。もう日本はアジアの安定には協力しないよ」という外交的シグナルだと100%、そう受け取られます。
これがトランプの孤立主義を加速することだけは間違いありません。
トランプは、「戦争法案廃止」となっていたら、ほら見たことかと口を歪めて、「言ったとおりだぜ。ジャップは1ドルも出さない。汗もかかない。こんなチキンな奴らのために、米国の青年の命を捧げるわけにはいかないぜぇ」と叫ぶことでしょう。
トランプ現象とは、「意気揚々たる撤退」なのですから。

トランプ現象を彼らの国内事情にだけに狭く見るのではなく、米国は確実にトランプが言うような方向に舵を切りつつあることを、日本人はいいかげん理解したほうがいいと思います。
私は「平和国家」を叫ぶ人たちには抜きがたい不信感を持っていますが、「平和国家」であることの遺産はしっかりと継承すべきだと思っています。
おそらく今起きている世界の覇権国シフトには、大規模な戦争がなければ半世紀以上の時間かかることでしょう。
その間に、米国はどんどんと外国に展開する軍隊を引き上げていき、内向きの「普通の大国」に戻る可能性もあります。

この過渡期に対応して、私たちも「平和国家2・0」を作る時期なのです。
戦争をしないために、何に備えるべきなのかを真剣に議論する時期に、このトランプが現れたことに感謝せねばなりません。

トランプはまったく信用できません。故に備えなければならないのです。

 

2025年12月 9日 (火)

高市は世界で孤立しているって?

Dsc_1724

習近平は高市氏の発言に対して、欧米を仲間に引きずりこもうとやっきです。
トランプには電話をかけ、英国にはすり寄り、マクロンはわざわざ呼び寄せて下にも置かないおもてなしをして見せました。
その結果はいかに。

まず米国から。

「[台北/北京 3日 ロイター] - トランプ米大統領は2日、米国と台湾の公的な交流に関する指針を定期的に見直し、更新することを義務付ける「台湾保証実施法案」に署名した。
法案成立を受け、台湾は謝意を表明。中国は不快感を示した。
法案は米国務省に対し、台湾との交流に関する指針を少なくとも5年に1度は見直すよう定めている。
台湾総統府の報道官は声明で「(この法律は)米国と台湾との交流の価値を再確認し、より緊密な米台関係を支持するものであり、民主主義、自由、人権尊重という共通の価値観を堅持する揺るぎないシンボルだ」と述べた」
(ロイター12月3日)
トランプ氏が台湾保証実施法案に署名、台湾が謝意 中国反発 | ロイター

これはキツイ。習近平は中南海でごみ箱のひとつも蹴飛ばしたんではないでしょうか。
これがトランプのマーブルチョコというヤツです。
あの男はいくつも色の違う玉を持っていて、その都度出したり引っ込めたりするのです。

WSJが高市氏にトランプが自制を要求したなんてほぼほぼ「誤報」を出して、それを受けて一部のコメンテーターは大喜びで、サナエはゴマすったがトランプは米中G2時代に備えて、台湾を見捨てた、やーいやーい、梯子に上ってはずされぞ、見たことかという発言が出ました。

そう思って習近平もニンマリしたでしょうが、こんどはなんとこの「台湾保証実施法案」により、現在行われている「実質的外交関係」は「公式な外交関係」に引き上げてしました。
米台断交以降、自粛されていた米国と台湾の公式な高官交流が可能となる法的条件が整ったことになります。
この法律は国務省の判断次第で、トランプ大統領をはじめとする現役高官が台湾を訪問できるようになり、逆に米国として台湾高官を受け入れることも可能にする法律です。
この先はもう台湾との国交正常化しか残っていませんから、それのための準備法というわけです。
提案議員はすっきりと、これは中国が台湾の主権を奪うことを阻止するためだと言っています。

「この法案を提出したミズーリ州共和党上院議員のアン・ワグナーによれば、「この法案は中国に対して明確なシグナルを送るのだ」と言います。「つまり米国は中国共産党が台湾の主導権を奪おうとたくらむことに断固反対し、同時のグローバルな影響力を拡張することにも反対だ、と」(福島香織12月8日中国趣聞)

また台湾南華大学国際事務企業学部の孫国祥教授氏はこう言っています。

「中国共産党が長年台湾問題を内政問題とし、頼政権を分裂勢力と位置付けてきました。ですが、今回、米国がこの法律によって米台間の公式接触の深めていくと、その中共の政治的ナラティブが弱められていくことになります。これは、中国が国内にむけて「国際社会が一つの中国枠組みを承認している」と主張することをより困難にしていくでしょう。
中国にとって、この法案は、米国が台湾に武器を販売よりも、長期的構造的な課題となる、ということです」
(福島前掲)

つまり中国がいままで主張して止まなかった「ひとつの中国」というナラティブは否定され、諸外国を従わせていた軛がはずれようとしているということになります。
これは大きい、実に大きい一歩です。たぶん英国はこれに追随するでしょうし、自由世界も追随するかもしれません。
高市氏の台湾有事は日本の「存立危機事態」だという勇気あるひとことが、世界に及ぼした巨大なインパクトです。

現に英国のスターマー首相はこのような発言をしました。

20251209-025951
対中外交は安保確保と協力推進の両輪で、英首相が演説 | ロイター

「英政府は世界第2位の経済大国である中国との関係修復を試みているが、中国によるスパイ疑惑や旧植民地である香港の行方をめぐり、両国関係は依然として緊張状態にある。
スターマー氏は2024年11月、中国の習近平国家主席と会談。英中首脳の直接会談は2018年以来で、両国関係の改善の兆候を示すものだった。だが、1日に行われたシティ・オブ・ロンドン市長主催の毎年恒例の晩さん会で、中国について、「真の国家安全保障上の脅威」であり、引き続き同国政府に対し人権問題を提起していくと述べた。
これに対し在英中国大使館は2日の声明で、「根拠なく中国を非難し、内政に干渉する英国側の発言に断固反対する」と述べた」
(AFP12月3日)
中国、英首相に「真の国家安全保障上の脅威」と呼ばれ猛反発 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

英国は中国を「国家安全保障上の脅威」と認定ですか、踏み込みましたね。
以前から英国は、国防大臣が「台湾有事があれば英国艦隊を出動させる」と明言していたのです。
また新しいデカイ大使館を中国がロンドンに建てる計画にも了承を与えていません。

新大使館問題とは、2018年に中国政府がロンドン中心部に広大な計画地を購入した、完成目論見ではヨーロッパ最大の大使館となる計画でしたが、英国政府は待ったをかけています。
英国政府は、この建設許可の承認決定を複数回延期しています。
当初は2025年9月上旬に予定されていましたが、10月21日、そして12月10日へと再延期されました。

理由は、英国政府が「中国は真の国家安全保障上の脅威」と認識しているので、広大な新大使館がスパイ活動に利用される可能性があるからです。
英国では、すでに中国製監視カメラの公共施設への設置や通信インフラにおける中国企業の関与が問題視されており、その元締めに新大使館が使われるのは必至です。

スターマー首相は、加えて「香港における自由の制限」を含む人権問題について、引き続き中国政府に問題提起していくと述べています。
先日行われた香港立法会選挙で、親中国派がすべてを占有しました。

香港の議会(立法会および区議会)の選挙では、選挙制度の変更や政府による「愛国者」認定の必要性から、親中派の候補者が議席を占める傾向にあります。
2021年の立法会選挙において、中国政府主導で選挙制度が変更されました。
これにより、立候補には政府機関からの「愛国者」認定が必要となり、民主派の候補者は候補すら擁立できない事態となりました。
また、2023年の区議会議員選挙でも同様の制度変更があり、市民の投票で決まる議席が全体の2割以下に減少しました。
英国は、今後香港の民主主義に大いに介入していくことでしょう。
これは返還条件にあった一国二制度を公然と破るものだからです。
そしてこのような中国の民主主義潰しが続くなら、もはや「香港を返せ」という話です。

またヨーロッパ最大の親中国であったフランスは、マクロンがこれで4回目で、今年12月3日から5日の日程で中国を国賓訪問しました。
今回は、マクロン氏にとって4度目の訪中となります。

20251209-025256

日本経済新聞

人民日報はこう嬉しそうに書いていました。

「現在、国際情勢は混迷している。中国側は仏側と共に、今回の訪問を契機として、中仏国交樹立の精神を発揚し、戦略的な意思疎通を強化し、実務協力を深化させ、多国間の調整を緊密化し、中仏の包括的な戦略的パートナーシップの新たな進展を後押しし、中国EU関係の健全かつ安定的な発展の促進、多国間主義と世界の平和・安定・繁栄の維持に、一層の貢献を果たすことを望んでいる」
(人民網2月3日)
外交部がマクロン仏大統領の訪中について説明--人民網日本語版--人民日報

そりゃ嬉しいでしょうよ。
小賢しい小日本が生意気にも逆らったために台湾問題が大きくクローズアップされてしまい国際問題化した時期に、年来の友人のマクロンが駆けつけてくれたのですから諸手を上げて大歓迎でした。

「中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は4日、訪中しているフランスのマクロン大統領と北京の人民大会堂で会談した。習氏は台湾問題を念頭に「それぞれの核心的利益と重大な関心事について相互の理解と支持を深めるべきだ」と述べた」
(日経12月4日)
習近平氏「核心的利益に理解と支持を」 台湾念頭、マクロン氏に提起 - 日本経済新聞

「核心的利益と重大な関心事」って、もちろん台湾問題のことです。
しかし帰国するやマクロンはこう述べて、中国に冷や水をかけました。

[パリ 7日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は、中国を先週訪問した際に、同国が欧州連合(EU)に対する貿易黒字を削減する措置を取らなければ関税を課すと警告したことを明らかにした。
マクロン氏は訪中時、中国に対し「持続不可能」な世界貿易の不均衡、地政学、環境問題での協力を強化するよう求めた。
同氏は仏紙レゼコー日曜版に掲載されたインタビューで「中国は特にわれわれからの輸入を大幅に減らしたことで自国の顧客をつぶしているため、中国の貿易黒字は持続不可能だと彼らに説明しようとした」と述べた。
「彼らが対応しなければ、われわれ欧州は今後数カ月で、米国に倣って中国製品に関税を課すなど強力な措置を取らざるを得なくなると伝えた」と語った。
中国に対するEUのモノの貿易赤字は2019年以降60%近く拡大している」
(ロイター12月8日)
仏大統領、中国に関税警告 対EU貿易黒字巡り=仏紙 | ロイター
というわけで、一方的に雪崩込む中国製品をなんとかしろ、しないとトランプのような高関税をかけざるをえないぞ、ということです。
このように米英仏の意見は出揃いました。
さて、どちらが孤立しているのでしょうね。

2025年12月 8日 (月)

中国、武力行使の前段にまで突入

S-062

中国は正気を失いつつあるようです。
とうとう武力行使の前段にまで突入してしまいました。

[東京 7日 ロイター] - 小泉進次郎防衛相は7日未明、中国軍機が自衛隊機にレーダーを2回にわたって照射したと発表した。いずれも沖縄本島南東の公海上で、自衛隊機は中国海軍の空母から発艦した戦闘機に対領空侵犯措置をしていた。
小泉氏は「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為」としたうえで、「極めて遺憾で中国側に強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れた」とした」
(ロイター12月7日)
中国軍機、空自戦闘機にレーダー照射 太平洋上で空母から発艦(ロイター) - Yahoo!ニュース

小泉大臣は深夜にもかかわらす記者会見をおこない強く抗議しました。いい仕事です。
防衛省の発表。

※2025年12月6日(土)、沖縄本島南東の公海上空で対領空侵犯措置
※中国空母「遼寧」搭載J-15戦闘機が空自F-15戦闘機にレーダー照射
①16時32分頃から16時35分頃
②18時37分頃から19時08分頃 ※上記①とは別のF-15に照射
「今回のレーダー照射は、航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為であり、このような事案が発生したことは極めて遺憾であり、中国側には強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れた。なお、自衛隊機及び隊員に被害はない。」
防衛省・自衛隊:中国軍機による自衛隊機へのレーダー防衛省は7日夜、中国軍の空母「遼寧」など艦艇4隻が、沖縄本島と大東諸島の間の公海を通過し、鹿児島県の喜界島から約190kmの海域に進んでいると発表した。

この間、中国海軍は「遼寧」空母打撃群4隻を尖閣から宮古島の間を通過させて展開していました。

20251208-013059

防衛省

そしてこの空母から飛び立った中国軍戦闘機J-15から12月6日18時37分頃から19時08分頃まで、実に30分間にわたってレーダー照射を受けました。

20251208-014004

「遼寧」搭載J-15

自衛隊機にはロックオン警報が鳴り響いており、それが30分近く継続しました。
これは中国戦闘機が、レーダーで自衛隊機をロックオンしたことを意味します。
ロックオンとは空対空ミサイルを発射誘導する準備として、レーダーが通常の広い範囲を探る捜索モードから目標にレーダー波を集中させる照準モードに切り替わることです。
つまり、後は中国機がミサイル発射ボタンさえ押せば、ほぼ確実に自衛隊機は撃墜されたというきわめて危険な行為です。
自衛隊機は2機編隊で対応しており、僚機が撃墜された場合、司令部の了解をとった上で自衛戦闘に移る可能性がありました。
その場合、今の日中間でもっともあってはならない偶発戦争が起きる可能性があったわけです。

なお、半年前の2025年6月には、海自の哨戒機が中国空母「山東」の戦闘機から威嚇飛行を受けていました。
この時は、中国「遼寧」空母打撃群は日本の南鳥島や沖ノ鳥島の経済水域内(EEZ)を航行していました。
中国の海軍高官は、「中国空母の行動は作戦行動だった」と明らかにしています。
この時は、「遼寧」の戦闘機がP-3Cに異常接近して追い払おうとしました。
おいおい、ここは日本の管轄下にあるEEZだぜ。
日本が経済水域内で監視行動を行うのは当然のことであり、我が国の防衛のために実施しなければならないことにもかかわらず、他国の管轄水域にまで入り込んで、軍事演習を行い、あまつさえ当該国の航空機を追い払っているのですから横暴も極まれりです。

20251208-021147

画像ギャラリー | 危なっ!中国空母の戦闘機が自衛隊機に「超接近」 目の前に迫る機体を捉えた画像を防衛省が公開 | 乗りものニュース

今回は相手が機敏な機動をする戦闘機なので、ロックオンしてきたものだと思われます。

これは2018年12月20日に能登半島沖を飛行していたP-1哨戒機に対して、韓国海軍の「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から火器管制レーダー照射を受けた事件と同種のものです。
この時、「クァンゲト・デワン」は前後2基ある火器管制レーダー「STIR-180」のうち、後部の1基を自衛隊哨戒機に向けられていることが撮影されており、単に捜索していたのではなくピタリとミサイルを照準していたことがわかっています。
このような行為は、戦闘の前段階であって準戦闘行為と受け取られています。

このような事件が起きたのは公海上の国際空域であって、中国の管轄権はありません。
では、どうしてこのような危険な行為を中国軍は行うのでしょうか。

よく中国海軍は統制が効いておらず、指揮統制の未成熟で、現場パイロットの裁量が大きすぎるから起きたという人がいますがどうでしょうか。
確かに中国海軍は海軍として図体は世界第2位であるという巨体ですが、急成長した軍隊によくある品位を欠落させた未熟な組織です。
技術的にも日米海軍とは比較にならない未熟さだと評されています。
そのくせ、いやだからか、攻撃的な行動のみが評価され、国際常識を逸脱することが推奨されるような好戦的文化風土があるようです。

海自の幹部養成過程の幹部学校で徹底的にたたきこまれるのが国際法です。
また現場において過剰なほど国際法規を遵守するという海自の組織文化がありますが、中国海軍の場合これと真逆なものを持っているようです。
つまり、国際領域を事実上占有することによって実効支配していくという既成事実化戦略です。
じわじわと重要海域、この場合台湾東側から尖閣水域、宮古海峡までを実質的に「中国の海」とすることです。

これは将来彼らが欲して止まない台湾侵攻において、台湾海峡、台湾東側、宮古海峡一帯から海自と米海軍をあらかじめ追い出すことを意図しています。

20251207-073006

台湾有事が発生したとき、日本近海で実際に何が起きるのか 中国が日本に対し繰り返している軍事的示威行動と情報収集の実態(2/4) | JBpress (ジェイビープレス)

ちなみに中国は日本の抗議を鼻先でせせら笑って突き返したようです。
まぁ、さもありなん。 からだと腕力だけはデカくて、頭はカラッポ、世間常識はなく、粗暴なことがカッコイイと思っている軍隊、おおこわ。

 

2025年12月 7日 (日)

日曜写真館 月落ちてひとすぢ蘭の匂ひかな

S-089_20230204041301

われをにくむ人に贈らむ蘭の花 会津八一

S-101

星空も生者の側に蘭溢れ 花谷和子

S-071k

既望は葉がくれに見る蘭の香ぞ 松岡青蘿

S-066_20230204040901

むせび泣くあまりに高き蘭の香に 渡辺恭子

 

«中国にはもう打つ手がない