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2026年5月10日 (日)

日曜写真館 青天や烏を友に鯉のぼり

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湖の風はらみ堅田の鯉幟 山口青邨

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寝ころんで山より高き鯉のぼり 佐伯のぶこ 


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鯉のぼり遊ばす風となられけり ことり

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2026年5月 9日 (土)

イラン、とうとう原油満杯

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とうとう前々から言われてきたイランのカーグ島原油貯蔵施設からの原油流出が衛星写真でとらえられています。
もう待ったなし、タイムアウトですね。

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XユーザーのJack Prandelliさん X

実はイランがカーグ島に中古タンカーを横付けして積み出していた時点で一杯だったのです。

「トランプ米政権による海上封鎖の影響でイラン産原油が行き場を失い始めた。イランは原油生産を続けるが貯蔵タンクが満杯になり、現役引退したタンカーをペルシャ湾に浮かべて洋上貯留でしのいでいるとみられる。再攻撃の圧力で譲歩を迫るトランプ政権に対し、イランが耐えられなくなるのは時間の問題だとの見方もある」
(日経5月2日)
イラン原油、日量180万バレル行き場失う ペルシャ湾を漂うタンカー - 日本経済新聞

これが4月末から5月頭ですから、もう1週間前にはカーグ島は一杯一杯だったということになります。
つまり革命防衛隊がイキって交渉を引き延ばすのは勝手ですが、それは油層に地下水の侵入を許したことになるので、イランの原油生産の未来そのものが断たれます。
それでいいのか、という判断をイランは求められているわけです。

イランはOPEC3位の産油国で、1日あたり330万バレルの原油を生産し、世界の石油供給の4・5%を占めています。
カーグ島には毎日、イランの各主要油田から数百万バレルの原油がパイプラインを通じて送り込まれて貯蔵されています。
カーグ島から9割の原油が輸出されていました。
この島の支配権は革命防衛隊であり、彼らがこの島のすべてを仕切っており、一般国民は島に行くことすらできません。

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ロイター

そしてこのイラン原油の9割を買っているのが中国です。

  • イランは戦争開始以来、少なくとも1,170万バレルの原油をこの水路を通じて輸送しており、すべて中国に向かっていたと船舶追跡データが示している。
  • テヘランが水路を通過しようとする船舶を攻撃すると脅した後、多くの船が「通信停止」状態に陥っています。
  • イランはまた、ホルムズ海峡南のオマーン湾沿いのジャスク石油・ガスターミナルでタンカーの積み込みを再開しており、これにより原油輸送能力が増加する可能性があります。
    (CNBC3月10日)
    イランは戦争が水路を封鎖する中で、ホルムズ海峡経由で数百万バレルの石油を中国に送っている

 戦争初期には通れたオマーン湾沿いのジャスクターミナルも、米海軍の逆封鎖で使用不可能となっています。
またイランは制裁されているために、米国が支配する国際決済システムであるSWIFTを使用することができません。
ですからイランと中国は原油決済をCIPSなどの人民元決済で処理してきましたが、これも米国のエコノミックフューリー作戦で潰されました。
米国は中国の5つの製油所に制裁をかけ、二次的制裁の可能性を通知して締め上げました。
当初、中国商務省は強気で米国の制裁なにするものぞと命じていましたが、とうとう先日折れて銀行にこの5つの精油所に新規融資はするなと命じました。
この前後から中国はパキスタンを使って和平調停に乗り出しています。

つまりイランは外堀を埋められ、本丸も炎上し始めたわけです。
したがって交渉もそろそろラストストレッチに入りました。

「米国は、トランプ大統領による戦争終結に向けた最新提案について、イランが近く回答するとの見通しを示した。一方で、衝突が発生しており、約1カ月続く停戦が揺らぐ恐れもある。
ルビオ米国務長官は8日、イランは同日に回答を示すはずだと記者団に話した。
イランは依然として、トランプ氏が6日に提示した停戦案を受け入れるかどうか明らかにしていない。この提案は、今後1カ月でイランがホルムズ海峡を再開し、米国はイランの港湾に対する封鎖を解除するという内容だ」
(ブルームバーク5月9日)
米国、イランの回答を8日に見込む-衝突発生で緊張一段と高まる - Bloomberg

海上封鎖をしていた米駆逐艦が攻撃を受けて軽い交戦をしたとの報道もありましたが、交渉そのものには影響はないはずです。

 

 

2026年5月 8日 (金)

フィリピン、準同盟国となる

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「物品役務相互提供協定」は、日本の自衛隊と相手国の軍隊のあいだで、軍事活動に必要な物品やサービスをお互いに融通し合うためのルールを定めた協定です。
英語では Acquisition and Cross‑Servicing Agreement (ACSA )と呼ばれます。
この協定を締結していないと、その都度条約を作って締結せねばならなかったのですが、これがあればいつでも相互に軍隊を派遣することが可能となります。
日本は米国やオーストラリア、イギリス、インド、イタリア、オランダ、フィリピンなど、価値観や安全保障上の協力関係が深い国々と ACSA を締結しています。

これにより、共同訓練や有事・災害時の連携をスムーズにし、日本は同盟国や同志国から支援活動を受けることが可能で、また逆に相手国に対してスムーズな支援をを絶えることが可能となりました。

一方円滑化協定は、英語名を Reciprocal Access Agreement(RAA) と呼ばれ、「一方の国の部隊が他方の国を訪れて共同訓練などを行うときの手続きや法的地位などを定める協定」です。

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  • 円滑化協定(RAA)
  • 相手国に部隊が入るときの出入国手続き
  • 航空機や艦艇のアクセス方法
  • 装備品や物資の持ち込み・税制上の扱い
  • 武器の携帯や輸送に関する取り決め
  • 部隊の構成員が事件・事故を起こした場合の刑事裁判権の扱い
  • 環境や住民の安全への配慮に関する規定
  • 協定の運用を話し合う合同委員会の設置など

要するに、相手国で自国軍が活動するときに「どの国の法律をどう適用するか」「どう出入りし、何を免除するか」といった細かいルールをあらかじめ決め、訓練や協力をスムーズに行うための枠組みです。

かくしてこれにてフィリピンは事実上の「同盟国」(準同盟国)となりました。
そしてそれに合わせて、日本は海上戦力が貧弱なフィリピンに対して大きなプレゼントをしました。
退役する「あぶくま」型護衛艦を供与するという太腹です。

「小泉防衛相は5日、フィリピンを訪問し、首都マニラでギルベルト・テオドロ国防相と会談した。海上自衛隊の中古護衛艦の輸出に向けた作業部会を設置し、具体的な協議に入ることで合意した。地域の平和と安定に向け、海洋安全保障分野での協力を拡大する。会談後に発表した共同声明では、中国を名指しし、日本周辺や南シナ海での威圧的な活動への「深刻な懸念」を明記した。
中古護衛艦の輸出が実現すれば、日本政府が4月21日に防衛装備移転3原則と運用指針を改定後、初のケースとなる見込みだ。装備品の輸出品目を救難・輸送・警戒・監視・掃海に限る「5類型」を撤廃し、殺傷能力がある護衛艦の輸出が原則可能となった」
(読売5月5日)
日フィリピン防衛相会談、中古護衛艦の輸出協議入りで合意…防衛装備移転3原則の改定後初 : 読売新聞

これで日本とフィリピンは共同の運用を加速し、中国への盾が何重にもなったというわけです。
このような取り組みが早くなされていたなら南シナ海がみすみす中国の支配下になることはなかったでしょうし、台湾有事においても極めてこころ強い味方を得ることができました。
公明党をデトックスした効用はここにも現れています。

 

2026年5月 7日 (木)

韓国二枚舌外交通用せず

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トランプがホルムズ海峡の商船護衛「プロジェクト・フリーダム」作戦を一時停止しました。
あ、そうそう、いままでやっていた「エピック・フューリー作戦」は戦争権限法の時限が来て5月1日で止めたそうで、今やっているのはプロジェクトなんじゃらの方だそうです。
これを一時停止したのは、イランからなんか色よい返事が来たような雰囲気ですが、内容は現時点ではわかりません。

「トランプ米大統領は5日、ホルムズ海峡を通過できずにいる船舶の航行を支援する米主導の取り組みを一時停止し、イランとの戦争終結に向けた合意が最終的にまとまるかを見極める考えを示した。
SNSへの投稿で「プロジェクト・フリーダム(ホルムズ海峡を通過する船舶の移動)は、合意がまとまり、署名されるかどうかを見極めるため、短期的に停止される」と述べた。
トランプ氏は今回の判断に至った理由として「イラン側代表との間で完全かつ最終的な合意」に向けて「大きな進展」があったとしたほか、パキスタンや他の国々の要請に基づくものだと説明。一方で、イランの港湾に出入りする船舶に対する米国の封鎖については「引き続き全面的に維持される」とした」
(ブルームバーク5月6日)
トランプ氏、ホルムズ通過支援計画を一時停止-対イラン合意見極め - Bloomberg

ま、来てもおかしくはないですね。
イランにとってホルムズ海峡封鎖というのは最後のカードでした。
世界のエネルギー供給に制約をかけて、国際世論を味方につけて「イランをいじめるトランプが悪い、早くカネ払って土下座して開けてもらえ」という声を盛り上げたかったんですよね。
「世界一の親イラン国」である日本でこそこういう声がメディアに溢れましたが、こんな湿った感情論は世界世論の大多数にはなりませんでした。
国際海峡における航行の自由を妨げているのがイランの側だというのはハッキリしていたからです。
今、そんなことを認めてしまったら、未来永劫イランはホルムズ海峡封鎖を武器化しちゃいますからね。
そうしたら核兵器なんか作らなくても世界はわが手にの内に、ってなもんです。

さて、今回土下座して自分の国だけが通してもらおうという国がほんとうに現れました。
やっぱりお隣の韓国です。
韓国は日本メディアご推奨の土下座戦術を本格的にやってしまいました。
日本は高市さんが「すべての国の航行の自由を守れ。カネはびた一文払わん」と原則をゆずらなかったのに対して、韓国は日本よりももっと踏み込んで、4月23日には外交特使をイランに派遣し、「50万ドルの人道的支援」という冥加金を渡しました。

「韓国外交部の鄭昺河(チョン・ビョンハ)長官特使が22日、イランのテヘランで同国のアラグチ外相と会い、中東情勢と両国関係の懸案などを議論した。
外交部によると、鄭特使は22日にアラグチ長官と会い、ホルムズ海峡内で足止めされている韓国籍の船舶26隻と船員、イラン国内在住の韓国国民約40人の安全を強調しながら格別の関心を求めた。特にホルムズ海峡内の自由な航行を保障しなければならないと強調し、あらゆる船舶の迅速で安全な航行に向け協力してほしいと要請した」
(韓国中央日報4月23日)
韓国外交部長官特使、イラン外相と面談…「ホルムズ海峡の韓国船舶と国民の安全強調」 | Joongang Ilbo | 中央日報

あーあ、やっちゃった。「ホルムズ海峡内で足止めされている韓国籍の船舶26隻と船員、イラン国内在住の韓国国民約40人の安全を強調しながら格別の関心を求めた」だなんて、薄みっともない。そうとうに恥ずかしい。死ぬほど恥ずかしい。
これに対するイラン当局様のお答。
かわいい奴よ、さらに「長期的利益を維持するためには、(米国への)対応から脱却せぇよ、とのお言葉を賜ったのでございます。
つまり韓米関係を見直せってことです。

「イランの準国営メディアが、米国・イスラエルとイランとの戦争中の韓国の対イラン外交について「前向きで建設的なアプローチ」だと評価した。ただし同メディアは、人道支援の定例化などに言及しつつ、「長期的な利益を維持するためには、対応から脱却し、積極的に役割を果たすべきだ」と注文をつけた」
(ハンギョレ5月1日)
李大統領の発言をイランメディアが評価…「韓国外交、慎重なバランスは前向き」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース

それがなんと言葉だけだったとわかったのが昨日のことです。

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米の海峡通過船舶支援作戦始まる イランは貨物船を相次ぎ攻撃 韓国船で爆発も(テレ朝NEWS)|dメニューニュース(NTTドコモ)

「中東戦争により封鎖されたホルムズ海峡付近で、被弾したとみられるHMM運航の中小型バルク貨物船の火災は鎮火したが、機関系統に致命的な損傷を受けており、自力航行が不可能な状態とみられている。
5日、HMM関係者は「前日(午後8時40分ごろ)、爆発とともに発生した火災は、日付が変わった後にようやく鎮火した。二酸化炭素(CO2)を放出して消火作業を行った」とし、「人的被害はなく、火災の原因はまだ明らかになっていない」と明らかにした。船社側は監視カメラ(CCTV)で火災の鎮火を確認しており、この日(日本時間5日)午後ごろ、船舶の機関室に入り、調査作業を行う方針だ」
(中央5月5日)
「被弾の可能性」韓国貨物船の火災鎮火…「自力航行不能の状態」 | Joongang Ilbo | 中央日報

韓国と長い期間おつきあいしてきた者には、またいつもの中国とやっていることをイランにもしているのね、としか見えません。
ムン・ジェイン元大統領は、自称「バランサー外交」を唱えてこんなことを述べています。

「米国との関係を重視しながら中国との関係も一層堅固にするバランスのよい外交を目指したい」

ムンはそれを実践し、中国の要求を丸呑みしてTHAADの追加配備を拒否し 関係修復にこぎつけるという成果を上げます。
このへんは、中国まで含んだ東アジア共同体という意味不明の構想をぶちあげ、普天間移設問題をちゃぶ台返しをして日米同盟に打撃を与えたバカバト首相によく似ています。

そしてこのまま中国の傘下に入ってしまうのかと思いきや米韓同盟を廃棄するわけでもなく、トランプ訪韓を控えて今度は逆に舵を右に切って防衛力の強化に向けてミサイル弾頭重量制限を解除することで合意してしまいました。
これが韓国得意の二枚舌外交、自称「東アジアのバランサー外交」です。

このお家芸の二枚舌外交がイランにも通用すると思ったのでしょう。
お生憎。イランは冥加金だけをかすめ取って、あっさりと韓国船を襲撃したのです。
やれやれ、笑うきゃないですな。

 

2026年5月 6日 (水)

祝ホルムズ海峡開通

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この戦争も終わりが見えてきました。たぶんあと数週間、早ければ来週には終了するでしょう。
というのは、米国が「プロジェクト・フリーダム」作戦を本格開始しましたが、イランの最後の切り札「蚊の艦隊」は手も足も出ないことがバレてしまったからです。
イランラバーの皆さんは、雨あられとミサイルの飽和攻撃があるとワクワクされていたのかもしれませんが、ミサイルはUAEのハリファ港を狙った4発のみ。それも3発は撃ち落とされ、1発は海中にドボンでした。
昨日書いたフジャイラ石油関連しせつにはドローンが飛んできただけ。火災が起きましたが、たいしたことはありません。

「アラブ首長国連邦(UAE)は4日、イランによるミサイルやドローン(無人機)の攻撃を受けたと発表した。国防省によると、イランからミサイル4発が発射され、そのうち3発を迎撃し、1発は海に落下した。
また、東部フジャイラの地元当局によると、イランによる無人機攻撃を受けて石油関連施設で火災が発生した。インド国籍の3人が負傷し、病院に搬送されたという」
(読売5月5日)

UAE、イランによるミサイルやドローン攻撃被害…石油関連施設で火災発生、3人負傷 : 読売新聞

米海軍に守られた船団は静々とホルムズ海峡を押し渡っています。
イラン革命防衛隊の特攻ボート(「蚊の艦隊」)が襲撃しようとしましたが、鎧袖一触で吹き飛ばされて6隻撃沈されてしまいました。

「ブラッド・クーパー米中央軍司令官は4日、米国がホルムズ海峡の船舶航行を解放するための作戦を開始し、​イランの小型船舶6隻を破壊したほか、イランが発射した巡航ミ‌サイルとドローンを迎撃したと述べた」
(ロイター5月5日)
米中央軍、イラン小型船舶6隻を撃沈 ホルムズ海峡開放作戦を開始 | ロイター

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ロイター

そりゃそうなるでしょうとも。米国は多層的防御陣形を敷いていたのですから。
空中から多数の航空機で監視する下を、多くの駆逐艦と海中ドローンが守備を固めていたのですから、わずか10隻足らずのレジャーボート艦隊などつけいる隙間はありませんでした。

「クーパー氏は、作戦開始にあたり、イラン軍​に対し米軍に近づかないよう「強く推奨した」と述べた。作戦には​米兵1万5000人、米海軍の駆逐艦、100機超の陸上・海上航空機、水中戦力が⁠投入されているという。また、イランへの船舶の入港やイラン領土からの​出港を阻止する米国の対イラン封鎖も継続しており、予想以上の効果を​上げていると述べた。
作戦は複数の段階で構成され、まずイランが敷設した機雷を除去する航路の確保から始まった。米国は4日、米国旗を掲げた商船2隻を海峡に通過させ、​航路の安全性を実証した」
(ロイター前掲)
ホルムズ海峡は驚くほど狭い海峡で、大型タンカーが通過できる水深がある最も狭いポイントはたった33キロしかありません。
こういう地形をチョーク・ポイントと呼びます。チョークは「締める」くらいの意味ですから、ここを封鎖してしまえば、世界経済に大打撃を与えることができるわけです。
「水深75m - 100m、最も狭いところでの幅は約33km。イラン本土近傍のゲシュム島ホルムズ島をはじめとして、複数の島が海峡内にある」

Wikipedia

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ホルムズ海峡の衛星写真 Wikipedia

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Wikipedia

ちなみに2019年6月には日本が運用していた「コクカ・カレイジャス」号が革命防衛隊とおぼしきボートで吸着機雷を着けられて炎上したことがあります。

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この襲撃現場は革命防衛隊海軍ジャースク基地の目の前です。

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出典 黒井文太郎氏ツイート
2月末のイランの軍事力がまだ残存している時期のホルムズ海峡での攻撃ポイントは下図のようになっています。 
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ホルムズ海峡周辺でイランは船舶にどのような攻撃を行っているのか ミサイル攻撃、水上艇、携帯型対戦車砲、ドローン…(1/4) | JBpress (ジェイビープレス)
攻撃はペルシャ湾全域ではなく、ホルムズ海峡とその周辺の狭い海域であり、カタール沖、クウェート沖ではそれぞれ1隻と極めて少ないのがわかります。
あれ、ホルムズ海峡はイランが支配してたんじゃなかったの?機雷原じゃなかったの?
ミサイルの飽和攻撃でアメ公に尻尾を振って通ろうとすれば、海岸に隠したミサイル陣地から雨あられと鉄拳が降り注ぐんじゃなかったの?
こんな襲撃をすれば、リッパな休戦違反ですから反撃を喰いますよ。ばかですね、わかってやっていればクレージー、知らないでやっているならただの大馬鹿です。
トランプの思う壺じゃないですか。
仮に米海軍駆逐艦に発砲などしたら、満を持していた米国の航空戦力がイランを徹底的に叩きのめしに出撃しますよ、いいんでしょうか。

200ドル、いや300ドルになるぞ、日本は破滅だぁと嬉しそうに待ち構えていた危機待望論者にはもうしわけないですが、原油価格はこのホルムズ海峡開通で一気に暴落するでしょう。
UAEが増産開始していますし、たぶん60ドルくらいまで下落するんじゃないかしら。
もうイランに打つ手はありません。というか元々なかったんです。

 

 

2026年5月 5日 (火)

海事保険と海軍の関係

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やっとホルムズ海峡情勢が動くようです。

「トランプ米大統領は3日、ペルシャ湾に足止めされている中立的な一部船舶を対象に米国がホルムズ海峡を通過させる誘導を4日に開始するとSNSに投稿した。
トランプ氏は「船舶の移動は、何ら非のない個人や企業、国家を解放することを目的としたものであり、彼らは現在の状況の犠牲者だ」と指摘し、「この人道的プロセスが何らかの形で妨害される場合、遺憾ながら断固とした対応を取らざるを得ない」と表明した。
投稿では、米国が具体的にどのような措置で船舶の海峡通過を支援するのかは明らかにしていない。米中央軍は3日、ホルムズ海峡での商業航行を回復させるため、誘導ミサイル駆逐艦や航空機、ドローンの活用を含む軍事支援を提供すると発表した」
(ブルームバーク2026年5月4日 )
米国、ホルムズ海峡通過を4日から支援-中立船が対象とトランプ氏 - Bloomberg

ただし、よく分からないのは「米当局者」はこうも言っていることです。

「米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が米当局者の話として伝えたところによると、この新たな取り組みには現時点で米海軍による護衛は含まれておらず、各国や保険会社、海運団体との調整プロセスが中心になるという。当局者名は示されていない」
(ブルームバーク前掲)

う~ん、このWSJがいう「保険会社と海運会社との再調整プロセス」って、例のトランプが言っていた米政府がロイズから再保険するということなんでしょうか。
あれはトランプが、いままで英国の繁栄を支えて来たロイズ保険組合とガチンコの勝負をしようという話でした。
ロンドンにはもうひとつロンドンがあって、それは「シティオブロンドン」(通称「シティ」)と呼ばれている金融業の中心地です。
今の英国はこの金融業で食っているのですが、その中心は保険と船主組合、船員組合などが一体となったロイズ保険組合です。

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ロイズとは何か?イギリスの保険市場「ロイズ」の仕組みを解説 - ひつじ図書協会

これは海事における大型保険などの再保険を引き受ける引受人団体のことで、彼らロイズが300年間に渡って海のルールを決めてきました。
そして、その下には、地域別の7つのP&I保険組合があり、そこが船の自賠責保険であるP&I保険(船と船荷ともしもの時のサルベージなど)を引き受けてきました。

その引き受け条件として、船体検査等安全な船の運行を手助けしてきており、海事条約加盟国はこの保険の加入を入港の必要条件としてきたわけです。
海事条約とは国同士で取り決めた「海と船に関する国際ルール」をまとめた条約の総称で、国連の専門機関である国際海事機関( IMO) や、国連などで作られています。国連海洋法条約が有名ですね。
つまりロイズは各海運会社にこれらを守らせ、ロイズに保険金を払っていないと外国の港に寄港すらできなくなるわけです。

もっとも、いまやロシア、インドなどが白タクならぬ「影の船団」をおおっぴらに運航して保険に入らない船が2割にも達するという事態になっています。
ロイズの権威はロイヤルネイビーが裏打ちしていたのですが、海軍が衰退したためにこのような事態になってしまったのです。

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ロイズとは何か?イギリスの保険市場「ロイズ」の仕組みを解説 - ひつじ図書協会

今回のホルムズ海峡封鎖事件でも、ロイズは杓子定規に保険には入れないという型通りの対応をしたために、数百隻のタンカーやばら積み船、貨物船が依然としてペルシャ湾内に滞留しており、一方産油国も新規の原油供給を受け入れるスペースがなくなり、地域の産油国は大規模な石油生産の停止を余儀なくされているわけです。

これに怒ったのがトランプです。
なんだロイズ、てめーの無能で世界が困っているじゃねぇか、リスクを引き受けてこそ保険会社だろ、航行の自由を保険屋が奪ってどうする、といきりたったのです。
ならばオレの国でロイズに代わる海事保険の仕組みを作ってやろう。
それが米国による米海軍による船舶の安全の保証と、3兆円の保険の創設です。

そのうえに英国のスターマー労働党政権は、今回の戦争に反対して米国に非協力を貫いています。
いちばんトランプが腹を立てたのは、インド洋のヘソに位置する英国と米国の共同基地があるディアゴガルシア島をイラン作戦に使わせないとした措置です。
そのために、米軍機はディアゴガルシアにで給油できないために、何度も空中給油をくりかえしながらヘトヘトになって中東に到着するはめになったのです。
怒ったトランプは英米の「特別な関係」(the Special Relationship )はお終いだと喚きだしたので、慌ててチャールズさんがふっ飛んでいったのです。

このような状況で、4日から船団を組んで、それを米海軍が護衛してホルムズ海峡を渡ることになります。
さてすでに2隻の米国籍船舶が通過したそうですが、どうなりますか。

 

2026年5月 4日 (月)

UAEが作ったパラダイムシフト

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UAEのアンワル・ガルガシュ大統領顧問は2026年4月27日というOPEC脱退直前に、中東紛争の発端となった米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復攻撃への湾岸諸国の対応を批判しました。
非常にすっきりとした批判で、いままでのイランに対する湾岸諸国のあいまいさを鋭く突いていて、UAEはOPECという経済的カルテルから離脱するだけではなく、軍事的にも独自の道を歩もうとしているようです。

「【5月1日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)のアンワル・ガルガシュ大統領顧問は4月27日、中東紛争の発端となった米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復攻撃への湾岸諸国の対応を批判した。
ガルガシュ氏はドバイで開催された会議で、この危機において湾岸諸国とは物流面で助け合ったとする一方で、湾岸諸国の政治的・軍事的対応を厳しく批判。
「攻撃の性質と、それがすべての国に及ぼす脅威を考慮すれば、GCC(湾岸協力会議)の対応は歴史的に見て最も弱腰だった」と述べた。湾岸協力会議の加盟国は、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6か国。
ガルガシュ氏は、中東・北アフリカの21か国と1機構から成るアラブ連盟については弱腰な対応をすると予想していたが、「GCCの弱腰な対応については予想外であり、驚いている」と述べた」
(AFP5月1日)
UAE、湾岸諸国のイラン対応を「弱腰」と批判 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

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AFPBB News

UAEは日本にとって原油の輸入において、サウジを凌いで圧倒的に第1位の座に君臨しています。

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【日本の原油調達】脱中東依存、妙手なく 多角化困難、続く高騰懸念:山陽新聞デジタル|さんデジ

今回のOPEC離脱の原因となったのは、UAEが高い潜在的生産量を持っているにもかかわらず、サウジに頭を抑えられていることへの不満が溜まっていたからです。
というのもUAEの生産能力は日量480万バレルですが、現在のOPECの生産割当制度の下では日量約342万バレルに制限されてきました。
産油能力の3分の1に近い138万バレルも削られれば、そりゃ頭くるわな。

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UAEがOPEC脱退表明 ホルムズ海峡の封鎖長期化の中 背景にサウジとの“対立”(テレ朝NEWS)|dメニューニュース(NTTドコモ)

最も加盟国が多い時には、OPECの加盟国は16カ国でしたが徐々に離脱していき、今はなんとロシアなどを入れた「OPECプラス」という新たな枠組みまで作ってカルテルを維持しようとしてする始末です。
ロシアが国際制裁で原油輸出できないのを百も承知でやっているのですから、まったくサウジはタチが悪い。

ここまでしてサウジは生産量の割り当てを押しつけてきていたのです。
このようなサウジの動きがUAEを刺激したのは間違いありません。

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サウジアラビア皇太子とロシア・プーチン、世界石油市場について対談|ARAB NEWS

また近年UAEは油井や精油所の近代化に大きな投資をおこなっています。
だから湾岸諸国随一低い採算分岐点を誇っており、増産を強く望んできたという背景があります。
したがって、サウジのようにいたずらに高く売る必要はなく、したがって価格カルテルを拡大する必要もないのです。

「英ウォリック・ビジネス・スクールのデイヴィッド・エルムズ教授は、UAEは採掘した石油の損益分岐点が最も低い国の一つで、サウジアラビアのほぼ半分だと指摘。これは、原油価格が低い局面でも利益を確保できることを意味する。
「つまり、UAEはもっと多く売りたい一方で、価格を高く保つことにはあまりこだわっていない。(OPEC離脱によって)それが可能になる」と、同教授は説明した」
(BBC4月29日)
UAEが5月1日にOPEC脱退へ、かねて生産拡大に投資(BBC News) - Yahoo!ニュース

今回のホルムズ海峡騒動でわかったように、イランはこのここを握ることで世界を自由に操れると過信していました。
しかしあいにくなことには、UAEはホルムズ海峡を通過せずに原油輸出することが可能なのです。
それがフジャイラ・ルートです。
UAEの原油の半分ほどを占めるムルバン原油はパイプラインでフジャイラの製油所と港に直接接続されています。
つまりフジャイラ港から輸出することで、イランによるホルムズ海峡封鎖の影響をなくすことが可能です。

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UAEがOPEC離脱。日本はフジャイラ港からホルムズを経由しない低リスク中東産原油を輸入可能に:徹底解説レポート | さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔

「UAEは、自国が保有する「アブダビ原油パイプライン(ADCOP)」およびフジャイラ港のインフラ機能を最大化することで、ホルムズ海峡の物理的リスクを「例外化」することに成功した 。この物理的な海峡バイパス能力を背景に、UAEは生産枠に縛られない「売り切り戦略(Front-loading Strategy)」へと舵を切り、石油で稼いだキャッシュをAI、宇宙、クリーンエネルギーへ集中投下する国家改造計画を加速させる 」
(今泉大輔)

このような切り札を持つUAEがOPECを見限ったのは遅すぎたくらいで、さらにそれは湾岸諸国のもうひとつの繋がりである安全保障協力にも連動していったわけです。

次回はもう少しUAEのもたらした政治的パラダイムシフトを考えていきます。

 

 

2026年5月 3日 (日)

日曜写真館 我もまた岡にのぼれば花茨

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茨咲く水の迅さよ旅をゆく  中村汀女

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花いばら故郷の路に似たるかな  蕪村

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茨咲きぬ朝は真珠のいろに覚め 石原八束

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花茨仲間はづれの女の子 白石美喜枝

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花茨来し方をまた行方とす 深谷雄大

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わが丘の道なり風の花茨  福島壺春 

2026年5月 2日 (土)

大統領閣下、時間切れです

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大統領閣下、時間切れです。
日本のメディアはスルーしていますが、米国には大統領が勝手にダラダラ戦争をさせないために戦争権限法(War Powers Act )というのがあります。
それが5月1日で切れました。

「米国憲法上、戦争を宣言する権限は議会にある。1973年に制定された戦争権限法は、大統領が議会の承認なしに軍事力を動員した場合、共同決議によって軍の即時撤退を求めることができると規定している。また、60日以内に議会から武力行使が承認を得られなければ、30日以内に撤退しなければならない。今回の戦争の実際の開戦は2月28日だが、トランプ政権が議会に公式に作戦開始を通知した時点(3月2日)から日数が数えられる。
軍を撤退させない場合、トランプ大統領が選択しうる方法は、共和党を説得して上下両院で戦争の承認を得るか、議会の同意なしに自ら戦争延長を強行するかの2つだ」
(韓国ハンギョレ4月24日)
トランプ大統領「議会承認なき戦争」あと7日…共和党も「デッドライン」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース

米国における「大統領」はいわば国王のようなものだと考えて下さい。
一方「議会」は上院、下院のそれですが、大統領の権力とバランスするように出来ています。
これは伝統的な欧米の考え方ですが、米国の場合、ベトナム戦争が議会の明確な承認なしに長期化したことへの反省から、大統領の独走を防ぎ、議会の関与を強めるために作られました。
軍事行動に関して、大統領は緊急時には議会の正式な宣戦布告がなくても一定期間、軍を行動させることができます。
ただし、戦争をする権限があるのは議会だけです。
つまり、大統領は自分の権限で軍隊を動かせますが、それは短い期間ですよ、という仕組みです。

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米国防権限法が成立、予算は過去最大 台湾の防衛力強化など盛り込む - 日本経済新聞

また、軍事行動は議会への「報告義務」と「期間の制限」があって、期限を過ぎると議会の承認が必要となります。
戦争権限法ではその具体的期限はこのようになっています。

① 最初の48時間以内。大統領は米軍を戦闘状態に投入した場合、48時間以内に議会へ報告しなければなりません。
② 報告後、原則60日間は議会の正式承認なしで戦闘行為を継続できます。
③この60日を過ぎて、議会が承認しない場合は、大統領は単独の判断で戦争を継続できません。
④撤退に要する期間を追加で30日間とみなしますから、都合90日間ということになります。

したがってこの期間を過ぎると、特定の軍事行動を認める法律、あるいは同等の決議や授権決議が必要となります。
2月28日が開戦ですので、60日の制限は4月28日となります。
議会の承認が得られない場合、4月28日までに撤退を開始しなければなりません。
なお、撤収のための「追加30日間」が適用される場合は、さらに5月29日まで延長される可能性があります。
いずれにしても、この期限までに議会からの正式な承認を取り付けねばなりません。

ではトランプ政権はどう考えているのでしょうか。
ヘグセス国防長官はこう言っています。

「1973年制定の戦争権限法は、議会の承認なしに軍を派遣した場合、原則として60日以内に戦闘を終える必要があると定めており、政権の対応が注目されていた。ヘグセス氏は「停戦中は60日間の期限をカウントする時計が一時的に止まる」と主張。トランプ大統領が4月、対イラン攻撃を2週間停止することに同意すると述べ、その後も停戦を延長しているとの立場を踏まえた発言とみられる」
(読売5月1日)
対イラン軍事作戦、戦争権限法の60日撤退規定「停戦中は対象外」…米国防長官が派兵継続を主張 : 読売新聞

つまり、休戦協議のために2週間戦闘行動を停止しているのだから、カウントからはずすということです。
するとデッドエンドは5月2週ということになります。撤収までいれるとさらに30日間追加されます。

では、議会で承認される可能性はどうなのでしょうか。
実はギリギリです。

「一方、上院は4月30日、野党・民主党の議員が提出した、米軍の撤退を求める決議案を採決し、賛成47、反対50で否決した。6回目の否決で、4月22日の前回採決時に反対した与党・共和党の議員1人が賛成に回り、票差が縮まった。
民主党は今後も採決を続ける構えだ。トランプ氏は30日、記者団に「イランとの交渉を進めているのに、(民主党は)毎週のように決議案を提出してくる」と述べ、不快感を示した」
(読売前掲)

微妙ですね。このように見ると、トランプもただのんびりとイランの回答を待っているというわけにいかなくなります。
イランはタンクが満タンで油井がオシャカになりそうですし、トランプもあまり時間が立つと共和党からあと3名造反がでるとアチャーとなるわけです。
またあまり待機させていると集結した軍の志気がダダ下がりとなりますので、来週早々に米軍の再攻撃があるかもしれません。


 

 

2026年5月 1日 (金)

「出光丸事件」をどう評価すべきでしょうか

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イランが日本に難しい球を投げてきました。出光丸をホルムズ海峡を通したのです。

「船舶位置情報の提供サイト「マリントラフィック」によると、出光タンカー(東京)が所有する超大型タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」(パナマ船籍)が日本時間28日午後現在、ホルムズ海峡を通過中のもようだ。
サウジアラビア産原油約200万バレルを積載しているとみられる。当初の目的地は名古屋港で、現在は「FOR ORDER」(注文用)と表示されている。出光タンカーの親会社、出光興産は出光丸の位置などについて「安全上の観点から、お答えできない」、日本船主協会は「連絡がなく、分からない」としている。
同協会によると、ペルシャ湾内には今も日本関係船舶が42隻残っている。米国とイスラエルによるイラン攻撃後、商船三井の液化天然ガス(LNG)運搬船などがホルムズ海峡を通過したものの、目的地は日本ではない。出光丸の安全航行が期待される」
(産経4月28日)
超大型タンカー「出光丸」がホルムズ海峡を通過中か サウジ産原油200万バレルを積載 - 産経ニュース

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「出光丸」ホルムズ海峡通過 戦闘開始後、日本関連で“初の原油タンカー”(2026年04月29日) - YouTube

出光丸はモンスター級の超大型タンカー(VLCC)です。
長さ333m、幅60m、深さ29mの巨大な船で、30万トン(200万バレル)の原油を積み、約30km/h(路線バスくらい)で休みなく走り続けることができるという怪物です。

ではこれが日本にどういう影響を及ぼすのか。
日本の製油所が復活します。というのは、日本の精油所は日本最大のENEOS川崎製油所で約24万9,100バレル/日、日本全体での原油処理能力は、石油連盟などの統計では日量合計で200万〜300万バレル規模とされています。
つまりちょうど出光丸が運んだ量に匹敵し、今の日本の精油所が陥っている苦境を救うまさに干天の慈雨です。

さて、気になっていたイランが要求していた「通行料」について、支払っていないとのことです。
また、日本政府がすべての国の船舶の無条件での通航を強く求めていましたから、その成果ともいえます。
これをさすが出光と手放しで激賞しているのが百田尚樹御大です。

「百田氏は29日、X(旧ツイッター)で「さすが出光! 約80年前、出光が日章丸でイランの石油を積み込み、ホルムズ海峡を突破したことを思い起こさせる」と投稿。30日の動画番組で「その出光が、状況は違うが、日本のタンカーとして最初にホルムズ海峡を抜けたのは感慨深い」と、声を詰まらせながら語った」
(産経4月30日)
日章丸描いた百田尚樹氏、ホルムズ通過「さすが出光」 飯山陽氏「イランのプロパガンダ」 - 産経ニュース

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ホルムズ海峡通過の出光丸、行き先は「名古屋」 厳戒下の決断、73年前の日章丸事件想起 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

でたな、妖怪というかんじですが、いきなりこちらは頭が冷えてしまいました。
百田氏が有名な『海賊とよばれた男』を書いたことは有名すぎるほど有名ですが、あの「日章丸」事件とは、身も蓋もない言い方をすれば、日本の民族石油会社がイランと結託して米英を出し抜いてやったぜというお話なんですよ。
「日章丸」事件を彷彿とさせるというならば、今回の「出光丸事件」も苦境のイランと手を結んで、英米を出し抜いてやったぜということになってしまいます。
それってイランの日米分断工作にまんまと乗ったということじゃありませんか。
まちがいなくイランにはその意図があったはずです。

というのは、口が酸っぱくなるほど書いてきていますが、イランのカーグ島貯蔵施設は満タンでもう入らないのです。
窮余の一策でカーグ島にポンコツタンカーを付けて移送しようとしてみたり、最後には中国に陸路でなんとか移すことまで考えたそうですが、全部ダメ。インフラが革命政権のおかげでガタガタだからです。
溢れだしたら、イラン油井は「永遠のゼロ」です。

アラグチなどの現実派はなんとかホルムズは開けるし、封鎖が解ければ核物質もなんとか革命防衛隊をなだめるからと米国に言っているのでしょうが、米国の答は変わらずにノーです。
イランの約束破りと引き延ばし戦術はいつものことですし、そもそも言っている
アラグチらが実権を掌握していないことを充分に知っています。
「一億総特攻」のカリバフがクーデターを起こして現実派を一掃しようとしていることまで知っているからです。

現実派がどこまで国軍を味方に付けられるかが勝負です。
結局、国軍を動かすしかないでしょうが、今ひとつ国軍の状況がつかめません。

イランのもひとつの軍である国軍が、「一億総特攻」に走った革命防衛隊とシッカリ対峙できれば状況は大きく変わるのですが。

こんなときに飛び出したのが「出光丸事件」でした。
これをアラグチらの差し出す手ととるか、分断ととるかなんともいえません。

 

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