空自機 宮古海峡で中国軍機の挑発を受けて回避行動

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休日のためにスクラップに止めます。 

また中国軍機が宮古海峡を編隊で通過し、その際「妨害弾」を空自が撃ったと中国が抗議しています。

統合幕僚監部によると、通過したのは中国軍のSU30戦闘機2機、H6爆撃機2機、TU154情報収集機1機、Y8情報収集機1機です 

「妨害弾」は自衛隊が用いている(中国軍も共通)用語でフレアかチャフのことてす。

F15e_6http://eaglet.skr.jp/MILITARY/F-15E.htm

上の写真はF15Eですが、燃えている火球がフレアです。 

これは緊急時に発射するもので、フレアを出さざるを得ない状況はひとつだけしか思いあたリません。 

中国軍機が攻撃動作をとって空自機の背後をとり、ロックオン(※)したのです
※射撃管制装置の照準に目標を捉えること。

ロックオンというのはミサイルの照準レーダーを相手機に照射することで、国際的には純然と戦闘行為と見なされます。

これが相手が米空軍機なら、即刻反撃を受けていたことでしょう。

Su302中国軍SU30戦闘機

6月にも空自機は空戦を挑まれて、背後を取られてやむなくフレアを発射して回避機動をしたことがあります。

中国側は鉄面皮にも「安全を脅かした」「重大な懸念」と日本に抗議していますが、なにを言っているのやら。 

空自側から空戦を挑むことは100%ありえません。

空自機が侵犯機に対して、警告射撃をおこなうとすれば、重大な領空侵犯が起きた場合に限られます。

しかもその判断をパイロット(2名一組)が判断できる権限はなく、領空侵犯が極めて深刻な事態であると、那覇の第9航空団司令部が判断した場合のみに限られます。

那覇も独断で決めることはなく、横田の航空総隊(※)に判断を委ねるでしょう
※航空総隊(ADC)とは、航空自衛隊の戦闘機部隊および高射部隊、警戒管制部隊などの防空戦闘部隊を統括する組織のこと。

空自が実弾を用いた警告射撃を実施したことは、沖縄本島上空を通過したソ連爆撃機に対してのただ一回かぎりです。

それも空自機は、侵犯機に対してやや前方に出て、なにもない空間に発射する規定になっています。

中国軍機は自衛隊がそのような「専守防衛」ドクトリンでがんじがらめになっていることを熟知して挑発し、あわよくば戦闘に巻き込んでしまうことを狙ったのだと思われます。

なにせ、沖縄県領空は、中国にとって「中国領空」だそうで、空自機に「ここは中国領空だ。即時退去せよ」と警告を発するそうですから。

                       ~~~~~

Photo
「【北京時事】中国国防省は10日夜、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡から西太平洋に向かう定例の遠洋訓練をしていた中国空軍機に対し、日本の航空自衛隊のF15戦闘機2機が接近し、「妨害弾」を発射し中国側の安全を危うくしたと発表した。

 同省は日本側に「重大な懸念」を伝え、抗議したとしている。

 同省の発表によると、空自機と中国機の接近は10日午前に起きた。「妨害弾」について具体的に説明していないが、ミサイルを回避するための火炎弾(フレア)のような防御装置とみられる。日本政府関係者によると、6月に空自機と中国軍機が接近した際も空自機はフレアを作動させ、退避した。

 中国国防省は、空自機の行動について「中国機と乗員の安全を危うくした。行為は危険であり、国際法による航行と飛行の自由を損なうものだ」と批判。「中国機は必要な対応措置を取り、訓練を継続した」という。

 接近が起きた空域も明確ではないが、同省は「宮古海峡は公認された国際航路だ」と主張。中国軍は西太平洋に通じる宮古海峡を重視しているとみられ、9月に初めて中国の戦闘機が宮古海峡から西太平洋側に飛行し、11月にも中国軍機が同海峡を通過した。 」
 

「防衛省は10日、中国軍の戦闘機など6機が同日午前から昼頃にかけて、沖縄本島と宮古島の間の公海上空を太平洋方面へ通過し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表した。

 領空侵犯はなかった。

 統合幕僚監部によると、通過したのは中国軍のSU30戦闘機2機、H6爆撃機2機、TU154情報収集機1機、Y8情報収集機1機。このうちSU30は、Uターンして東シナ海方面へ向かったという。

 これに関し、中国国防省は、空自機2機が接近して「妨害弾」を発射したと発表。防衛省は「緊急発進した時の自衛隊機の具体的な行動は言えない。ただ、国際法、自衛隊法にのっとった行動をしている」と説明している。 」

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日曜写真館 白鳥の朝

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外交戦略は一喜一憂しないためにあるのです

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この稿は、昨日夕方に書いたもので、大部分は山路さんの2本目に対応していないことをお断りしておきます。 

貴兄はこう述べられています。

「和解の象徴として「広島」があり「真珠湾」があるのなら、オバマのレガシーに資する必要はなく米国民の最大多数が受け入れやすい時期で、かつトランプ就任後のしかるべき時期を選ぶべきではなかったか。」

なるほどわからないではありません。しかし私は、むしろ逆ではないかと思います。  

トランプは優秀な男で、しかも勘がいいので楽しみですが、外交をいままで真面目に考えてこなかったのは確かです。 

「教育期間」というか、馴れるまで多少時間がかかるでしょう。  

いまですら、大統領就任前の国家機関の事前ブリーフィングを拒否しているという噂があるので、やや心配しています。  

その間、日米関係を凍結しておくわけにはいきません。  

あまりアジアに関心がなさそうなトランプの首をねじ曲げてでも、東アジアに向かせねばなりません。 

そのためには真珠湾訪問は絶好の機会なのです。  

ここを米国議会演説と同様の格調高い演説で締められれば、日米同盟はあと10年は息がつけます。  

この仕事はまだ海のものとも山のものとも分からないトランプには無理です。広島訪問などは、彼の支持基盤を考えればなおさら無理でした。  

だから首相は、オバマの任期中にやっておくべきだと考えたのではないでしょうか。

また貴兄はこう書かれています。

「向後、オバマ氏は「反核運動」のメルクマールになり、スーザンライスなどは親中言論人に衣替えするでしょう。
失職する四千人と言われる高級官僚のほとんども、「反トランプ」方向に振れるでしょう。
安倍総理は方角的にはそっちに向かっているのかも知れません。」

Photo_4同じライス補佐官は二人いますから、ご注意。左がパンダハガーのスーザン。右がブッシュ政権下のコンドリーザ。考え方は正反対。

うーん、向かってないと思いますがね。

スーザン・ライスは有名なバリバリの親中派です。

彼女はキシンジャーの直弟子で典型的なG2主義者で、生粋のパンダ・ハガー(パンダをハグする親中派の意味)です。 

ライスは尖閣の緊張に対しても、「米国は主権の問題には立場を取らない」と表明したり、「米国も中国との新型大国関係を機能させることを目指す」と発言しています。 

南シナ海の中国の内海化を歓迎しているそぶりさえ見せました。 

彼女はオバマの広島訪問にすら、執拗に反対したことも知られています。 

スーザン・ライスという人物のおかげで、オバマはアジア・ピボットを唱えながら、骨抜きにされました。(もちろん彼の優柔不断もありますが) 

こんな親中反日の人物が、政権外に去って在野でなにをしようと知ったことではありません。

政権中枢に巣くっているから問題なのであって、元のリベラル親中派知識人に戻ってくれれば、 いっそせいせいします。マイク・ホンダの落選くらいにうれしいことです。

代わってマイケル・フリンが安全保障補佐官という要職に座るわけで、日本にとっては慶賀の至りです。 

Photo_3マイケル・フリン http://www.sankei.com/photo/story/news/161119/sty1...

来年1月以降、オバマ派政府職員が4千人ワシントンから出ることになろうとも、ライスが中国ロビーになろうとも、はたまたオバマが反核のシンボルとなろうとも、知ったことではありません。 

そして貴兄が心配されるような安倍氏が、「反トランプの方向に向かう」ことなど、絶対にありえません。 

そんな方向感覚がハト氏並に狂った人物だったら、トランプにイの一番で駆けつけるはずもないではないですか。  

問題は、おそらく達成されるであろう「真珠湾和解」を全世界の注視の下ですることです。 

そして世界を証人にして、あくまでも日本政府と米国政府がそれを成すのです。

安倍氏とオバマ個人がするのではありません。

成した日米首脳は歴史に残るでしょうか、<真珠湾和解>は属人的なものではないし、あってはならないのです。 

Photo_3東洋経済より引用 

貴兄は「行われなかった事の意味」とおっしゃいますが、意味がよくわかりません。  

それは単に我が国に短期無能政権ばかりが続いたからです。

一国にとって重要な対外的判断を下せる首相には条件があります。

まず、長期安定政権でなければ、相手国から侮られて交渉にすらなりません。

あと5年は続くようでなければ、相手にされません。

次に、必ず交渉事には譲歩せねばならない部分があるわけですから、それを納得させるに足る保守政治家でなければなりません。

反対する人たちにも「しょうがない。あの人なら悪くはしないだろう」と言わせる政治家への信頼感が必須です。

慰安婦合意など、首相でなければ絶対に無理でしたし、今回の真珠湾訪問も保守層からは、「謝罪するなら行くな」という声があがったことでしょう。

国家間では謝罪などありえません。

あるとすれば相手の立場におもいやり、共に亡くなったひとびとを慰謝し、未来に手を携えて進もうという決意を述べることです。

そうなると必要なことは、第3に<言葉>の能力なのです。

<言葉の戦略性>を行使出来る能力が必要です。これが日本の多くの政治家には致命的に欠けています。

大臣は官僚の作文の棒読み。追求する野党党首は金きり声の般若顔。これでは話になりません。

スピーチの修辞学を勉強していないのです。首相はスピーチライターなして米国議会演説を書き上げる能力を備えていました。

ついでに首相は英語も自在に使えますから(ジャパングリッシュですが)、首脳間で通訳なしで会話ができるというおまけつきです。

こういう条件を兼ね備えた政治家は、我が国では彼しか思い当たりません。

さてここまで書いてしまってから、山路氏の2本目を読みました。 

「領土問題も経済援助も全て投げ打ってでも、ロシアをせめて中立に置かなければならない状態に陥ってしまった」という見立てです。

う~ん、ペシミスティックだなぁ(笑)。 まだ、やりようはいくらでもあると思いますが。

対ロシア政策は、ご承知のようにこっちが変わったのではなく、アチラが変わったのです。 

理由は第1に、原油価格の回復です。 

ロシアは輸出品として原油・天然ガスしかない資源輸出国です。 

原油価格の下落はロシア経済を直撃しました。 

PhotoそれがOPECの原産合意を受けてやや持ち直してきています。

次にロシアを苦しめてきたのは対露金融制裁です。これはウクライナ侵攻が原因ですが、ロシアは外貨不足により海外産のチーズや乳製品がモスクワですら店頭から消える事態にまでなっていました。

Photo_5http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/2242..

上図はロシア経済を襲う2つの危機である、外貨準備高とルーブルの為替水準を現しています。

2016年はじめにはデフォールト寸前まで追いやられて、今一服していますが危険水域です。

プーチンとしては、早急に金融規制を解除してもらい外貨を調達して物不足を解消する必要に迫られたのです。 

これがプーチンの日本接近の理由です。

実に現金なもんですが、大嫌いな中国と同盟を結ばねばならないほどロシアが追い詰められていたとは言えます。

ご承知のように、中露は長大な国境を挟んで対置する仮想敵国の関係が基本であって、今の準軍事同盟状態は両国が国際的に孤立したことによる偽装結婚のようなものです。

それはさておき、どちらが領土問題を持ち出したのかわかりませんが、案外プーチン側から匂わせたのかもしれません。 

ところがトランプの選出で、ロシアと米国の関係が改善するのではないか、という期待感が出たわけです。 

詳述はべつの機会にしますが、いまや中東情勢は米国とEUだけでは手におえない泥沼状態となっており、なんらかのロシアとの協力関係は必要でしょう。

既にロシアの非人道的シリア爆撃(下図参照)を、米欧は容認しています。

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なにせオバマは硬直した価値観外交でしたから、トランプが経済規制緩和をカードとして握り、プーチンはシリア問題と対テロ戦争での協力をカードとしての交渉となることでしょう。

互いに独裁者型ですので馬が合うのは事実でしょうから、案外うまくいきます。

そうなった場合、やたら悲観的に米露中の対日包囲網だなどという人もいますが、被害妄想です。

ロシアを日米欧の側につける、ないしは中立化させてしまえば、事実上の中露同盟の崩壊だからです。

中露同盟が崩壊してから、おもむろに領土交渉戦略の練り直しをしてもいいと思います。

ともかく外務省の「不法占拠」論はロジックとしても破綻していますしね。

一回領土問題について根本的に再構築をせにゃなりません。

私はここでせせこましく2島で満足して事実上の交渉終了となるよりも、本来の領土だった南樺太まで視野に入れた奪還構想を考えるべきだと思いますが。

佐藤優氏の持説のように、ロシアには2島の安保適用除外地要求をしているでしょうから、それを飲んでしまうと、米国との安保第5条適用除外区を日本みずから作る事になります。

これは尖閣がらみで、大変にまずいですね。日米同盟の分断につながる可能性もあるからです。

ならば焦ることはないのです。

山路さんのおっしゃるのがそういう危惧ならば、私も同意します。

戦後一度たりとも領有権を行使できなかった北方領土と、実効支配している尖閣では、国家の戦略性の重要度がまったく違いますから。

ネックはサンフランシスコ講和条約ですが、ソ連は調印していませんしね。まぁ、そのうちゆっくりと論じたいものです。

それはともかくとして、あちらさんはこれらの状況の変化で、北方領土返還の必要性が消滅した、と読んだのでしょうね。 

もちろん、ロシア国内の軍部、漁業関係者ブロックは北方領土を還されては大打撃だとして、ワナを仕掛けていました。 

Photo_2スプートニクより引用 世耕氏とウリュカエフ氏https://www.youtube.com/watch?v=A9-I-UyGxnY

それがプーチンが世耕氏のカウンターパートナーに指名したウリュカエフ経済発展大臣の収賄容疑での逮捕でした。
 

コンビニで弁当を買うように気楽に贈収賄がされる国で、何を今さらですが、ワナに掛かったのです。 

日本としては単に北方領土交渉だけがメーンにあったわけではなく(中露準軍事同盟の分断という下心があったにせよ)、もうひとつのテーマは、いまや公然たる核兵器保有国となった北朝鮮情勢との絡みもあったはずです。 

おそらく交渉テーブルのどこかで、北朝鮮に対する支援を止めるような要請がなされているはずです。

アジア情勢が絶対的に悪くなってからでは、ロシアが圧倒的に有利になりますから、急いだのはそのへんもあったのではないでしょうか。

山路さんは、こう述べています。

「そこはやはり『領土問題の棚上げ』と、『国民感情を日露友好を寿ぐ方向に持って行くこと』の二律背反をどう解消するのか、が課題でしょう」

領土問題を棚上げにするとは、安倍氏は口が裂けても言わないでしょう。

いずれにしても外交交渉というのは、その時その時の力関係ですから、領土問題で一定の前進の成果を取りながら先に繋げつつ、トランプ就任以降の情勢を見定めながら考えるしかないでしょう。

なんといってもトランプは、「ソ連崩壊に並ぶ世界史的パラダイムシフト」という人がいるくらいですから、一喜一憂しても仕方がありません。

ただ、今のトランプ新政権の布陣を見る限り、日本にとっては明らかに吉兆ですね。

ライスなんていう、中国の手先がいないだけでも喜ばしいかぎりです。

ですから貴兄が仰せのように、日本がなにもかも投げ打って、「ロシア様、せめて中立に」とすがりつくなんてことは考えにくいというのが、私の見立てです。

いずれにしても、外交戦略を持つというのは、一喜一憂しないためでもあるのです。 

北方領土交渉については多くを書き残していますので、別の機会に譲ります。

最後に山路さんにお願いですが、一対一的にやりあわないで、オレならこうするというビジョンを見せていただければ楽しいですね。

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経済支援は中露準軍事同盟を分断する武器として使え

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状況を整理しましょう。 

ロシアを好きとか嫌いかという好みの問題は度外視してください。そのような発想をすると、中華料理と紹興酒が好きだから日中友好推進となってしまいます。 

おおむね3つの条件の下に、わが国は置かれています。 

第1に.中国は疑う余地なく、南シナ海から尖閣・東シナ海の覇権を握る意志を明確にしています。
この状況を放置すれば、中国は沖縄の領有権に干渉してくる可能性があります。
 

第2に、米国はセットバック(後退)の時代に突入しています。
トランプは就任前には軍拡を示唆する人事をしていますが、未知数です。
 

第3に、ロシアは中国と準軍事同盟関係にあります。ちなみにこの両国は核保有国です。 

この3つの国際状況下でせねばならないこともまた明瞭です。

いうまでもなく、日米同盟の強化です。 

米国のセットバックをいかに食い止め、その開きつつある隙間をいかにわが国が補完するか、です。 

次に副次的ですが、中露準軍事同盟を分断し、解体に追い込むことてす。 

本来はこれにASEAN諸国やオージー、インドまで加えた大きな対中包囲網を目指すべきですが、現時点では下拵えすら完了していません。 

ですから、日本はほぼ独力でこれをなさねばならないことになります。 

このような情勢で、首相が打った駒が、<広島>と<真珠湾>のふたつです。 

おっと、重要なピースを忘れていました。 

それが北方領土交渉に名を借りた、ロシアへの<経済援助>です。 

これら3ツの駒を、別々に解釈するからわからなくなります。 

メディアは政局にしか関心がありませんから、首相の選挙目当ての人気取りていどという浅い理解に止まっています。 

私が確信をもてないのは、3番目のロシアに対する<経済援助>が、北方領土交渉と連動しているか、否かについて首相の意志がよく分からないことです。 

もし通説どおり、この二者は連動していて北方領土の2島返還とワンセットて経済援助を考えているなら、私はそのようなものは止めたほうがいいと思います。 

なぜなら、北方領土は返ってくることなどありえないと、ある種の諦観をもって眺めるしかない問題だからです。

そもそもロシアにとっては、「固有の領土」という発想自体がありません。 

モスクワ公国から戦争を繰り返して膨張を続けてきたロシアにとって、国境線とは常に戦争の結果領有している暫定的な線でしかないからです。 

このへんのセンスは、中国と酷似しています。

簡単に言えば、戦争で失ったものは戦争でしか取り返すことができません。 

すくなくとも、ロシアという国はそう思っている国なのです。 

ちなみに、米国にも似た部分があり、沖縄が返ってきたのは基地という「占領地」を日本が保証し、防衛すると約束したからです。 

Hoppou_hensenhttp://www.asahi.com/special/t_right/hoppou/

それはさておき、日本側は北方領土について、3ツのことを不法占拠の理由に上げています。 

①ソ連が日ソ中立条約を破棄参戦したこと。
②日本がポツダム宣言を受諾後に、ソ連が千島列島を占拠したこと。
③日本が降伏文書に書名した後に、ソ連が国後島・択捉島・色丹島・歯舞群島を占領したこと。

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残念ですが、この3つの日本側言い分は間違っています。 

①の中立条約破棄と参戦は、1943年10月の連合国の米英ソ外相会談と、1945年2月のヤルタ会談で、米英がソ連に頼んだことです。 

Yarutahttp://matome.naver.jp/odai/2139598874404380601/21...

後にブッシュ大統領が「痛恨の失敗だった」と述べようが、英国が秘密文書で合法性を否定しようが、あの時点で米英が対日戦争に参戦を要請した事実は消えません。

この時点で、主要連合国側は例外なく、ソ連の参戦を待ち望んでいたと言っていいわけです。 

したがって、この日本側の主張は国際社会で相手にされません。 

②、③も同じことで、ソ連軍の北方領土侵攻は、日本を降伏させるための連合国の戦略分担の一環にすぎないのです。 

言い換えれば、「日本が降伏したにもかかわらず」ではなく、「日本が降伏したから」千島列島をソ連が軍事占領下においたのです。 

日本人としては腹が煮えくり返りますが、そういうことです。 

むしろ問題はその先です。 

ソ連はそのまま軍事占領を領土併合に切り換えて、居すわってしまいました。 

これは明らかな、連合軍最高司令部訓令第677号違反です。
連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号

訓令第677号はこう述べています。 

「この指令中の条項はいずれも、ポツダム宣言第8条にある小島嶼の最終決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない」

この訓令第677号を市民語に超訳します。

「連合国の諸君、諸君らが日本軍を打ち破り、武装解除し、一定期間の占領は認めるが、だからといってそれはお前の領土と認めたわけじゃないからな。それは別の話だかんな。勘違いして領土にすんなよ」

これは1942年1月の連合国共同宣言において取り決めた、「領土不拡大」宣言に基づいている指令です。

戦争による軍事占領は「領土」ではなく、あくまでも「行政区域」でしかないのです。

ところが、ソ連は、連合国による日本領土の国境画定を待たずに1946年2月2日に、一方的に南樺太と北方4島を含む千島列島全体を領土として宣言します。

こういう行為を火事場泥棒といいます。

この訓令第677号は竹島領有問題でもたびたび登場しますので、覚えておいて下さい。

したがって不法占拠ではなく、不法併合です。占拠したことは合法ですが、併合は非合法なのです。

日本が国内だけでしか通用しないロジックで、ソ連・ロシアに挑んで来たから負け続けたのです。

とまれ、ロシアはこういう戦争による国境線の書き換えを平気でやる国なのだ、ということは認識しておきましょう。

Bg01http://www.cas.go.jp/jp/ryodo/ryodo/hoppou.html

ではどうするのかですが、放っておくしかありません。

えんえんとわが国の原則を主張しながら、「その時」を待つしかないでしょう。

え、「その時」ってなんだって。決まっているじゃありませんか。かつてのソ連が崩壊したような、アチラの足元に火が回ったような状況です。

あの時以外、北方領土は返って来ませんでした。そのタイミングを逃したのは痛恨の極みです。バカ外務省め。仕事しろ。

今、たしかにロシアは疲弊しており、国際的にも孤立しています。

だからロシアは、本来は犬猿の仲の中国との準軍事同盟に乗り出したのです。

しかしまだ余力があります。

「その時」を逃した以上、ここはエドワード・ルトワックの言う事に耳を傾けるべきです。

「日本政府が戦略的に必要な事態を本気で受け入れるつもりがあるならば、北方領土問題を脇に置き、無益な抗議を行わず、ロシア極東地域での日本の活動をこれ以上制限するのをやめるべきだ
 このこと自体が、同地域での中国人の活動を防ぐことになるし、ロシアが反中同盟に参加するための強力なインセンティブにもなるからだ。」
(『自滅する中国』)

私はこのルトワックの意見に同意します。

ルトワックが言っていることは、今は北方領土交渉を推進する条件が整っていないということです。

今すべきなのは、中露準軍事同盟に斧を叩き込み分断させることです。 

<経済支援>はその武器として行うべきで、それは中国のシベリアに対する経済進出を妨げる事にもつながるとルトワックは言っています。

間近に迫った首脳会談でどのような結果がでるかわかりませんが、2島返還が出れば御の字。99.99%無理です。

しかし、この<経済支援>を中露準軍事同盟の分断の武器として再度捉え直して、それは別途に進めていくべきでしょう。

首相の<真珠湾>訪問は、この流れの中ででてきたことだと思って下さい。

長くなりました。この稿続けます。

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首相の真珠湾訪問について

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荒らしとの不毛の対応で、真珠湾訪問を書くのが遅れました。

荒らしは不愉快というだけでなく、正常な記事の更新を妨害します。まったくうんざりです。

そんなに気に障るなら、自分の家の便所で吠えていろといいたくなります。

さて、気を取り直して今回の真珠湾訪問についてです。皆さまのご意見は、塩辛いものが多いですね(笑)。 

オバマの広島訪問とペアになっていることは間違いないですが、いろいろな含みがあると思います。

全体的に見渡せば、現時点において<真珠湾>に行くという意味は、日米露中という国際関係の中で、日本の立ち位置をはっきりさせる必要があったということです。 

まず、接受国である米国との関係においては、日米にとって互いに同盟の喉に突き刺さったままになっていた、先の大戦による<棘>を抜くという作業です。

日本にとってそれは、いうまでもなく原爆による大量虐殺に対する憤怒の念であり、米国においては真珠湾作戦によって米国本土を攻撃されたという怒りの念です。
※広島に対する核攻撃についての関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-d206.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-f4cc.html

私たち日本人からみれば、コメントにもありましたが、戦時国際法違反である非戦闘員虐殺と、軍事目標に対する攻撃が等価なはずはありませんが、それはこの時点では飲み込まねばなりません。

外交交渉において10割自らの要求を通すことは不可能、というよりやってはならないことだからです。

米国人の多くがいまだそう思っている、という現実から出発せねばこの<棘>は永久に抜けないからです。

では、なぜ「今」なのでしょうか?

理由は簡単です。あまり裏読みをする必要はありません。

なぜなら外交はバーターだからです。バーターとは「物々交換」、スマートにいえば相互性のことです。

外交とは煎じ詰めてしまえば、この貸しと借りなのです。

なんだといわないでください。

例えば国家間の情報交換は、バーターです。こちらがなにも渡す情報がなければ、相手国から何も得られないのは国際社会の常識です。

まともなインテリジェンス機関を持たないわが国は、日米間においても圧倒的に情報貧国を強いられてきました。

米国は自分にとって都合がいい情報しか出さないからです。

それはさておき、首脳間外交においてもこの相互性は同じです。

オバマの広島訪問に対して答礼で返さねば、自分の要求のみを言い立てる礼儀知らずの非文明国家といわれるでしょう。

一方的に要求ばかりがなる中韓を見ればわかりますよね。

Photo_2出典不明

日米外交史の中でもこのような答礼はなされています。

1974年のフォード大統領の訪日に際して、訪米を要請された天皇陛下はその場で快諾されています。

そしてかつて日本を踏みつぶした敵国に赴かれました。

おそらく陛下は、民衆から投げつけられる石つぶてを覚悟されていたはずです。

マッカーサーに護衛もつけずに訪問された陛下の姿と重なります。

比類なき勇気をもたれたお方でした。

しかし米国民は、わずか30年前まで戦った敵国元首を温かく迎えました。

陛下はホワイトハウスでのお言葉で、訪米の目的をこう述べられています。

「私は多年、貴国訪問を念願にしておりましたが、もしそのことがかなえられた時には、次のことをぜひ貴国民にお伝えしたいと思っておりました。
と申しますのは、私が深く悲しみとする(deeply regret)、あの不幸な戦争の直後、貴国がわが国の再建のために、温かい好意と援助の手をさしのべられたことに対し、貴国民に直接感謝の言葉を申し述べることでありました。
当時を知らない新しい世代が、今日、日米それぞれの社会において過半数を占めようとしております。
しかし、たとえ今後、時代は移り変わろうとも、この貴国民の寛容と善意とは、日本国民の間に、永く語り継がれていくものと信じます。」

素晴らしいスピーチです。記念碑的だと言っていいでしょう。

ホワイトハウスの晩餐会は大きな感動に包まれ、翌日それを読んだ米国民もまたそうであったといいます。

これは外務省が作った通り一遍の外交辞令ではなく、率直な陛下のお気持ちだったはずです。

だからこそ米国民の心を打ったのです。

日米戦争にもっとも強く反対された陛下の慙愧の念と、戦後復興における米国の貢献について感謝の気持ちを強く持つ陛下でしか語れないお言葉でした。

陛下はアーリントン墓地で献花されています。

帰途にハワイに寄られましたがご静養だけで、真珠湾を訪問されてはいません。

つまり米国にとって残された最後の壁は<真珠湾>であり、日本にとってそれは<広島>だったのです。

日米は、相互にこの最後の<棘>を抜き合う必要がありました。 映像は雄弁です。

オバマ広島訪問の意味は、この被爆者に対するやさしい笑みと抱擁がすべてを語っています。

この瞬間、多くの日本人は米国を許しました。

ボールは投げ返されました。残されたのは<真珠湾>でした。

問題は、いつどのように、誰が、です。

Photo_3BBCより引用

では、なぜ「今」なのかという冒頭の問いに戻りましょう。 

これもさほど難しい問いではありません。トランプの登場です。

日本は激変するであろう外国関係において、早急に新たな舵を切らねばならなかったからこそ、朝貢外交だのなんだのとそしられても、イの一番にトランプ会談を実現したわけです。

米国政府からは「ふたりの大統領はいない」という強い警告がなされていた中でのトランプ会談でした。

聞くところでは、オバマは「手のひら返しをするのか」と激怒したそうです。

まぁ、そりゃそうでしょう。

オバマからすれば米国内に根強い反対を押し切って広島訪問をした返礼がこれか、という気分になったのでしょう。

真珠湾訪問自体はかなり前から慎重に根回しされていたようですが、安倍氏としては、今ここでオバマをこのような気分に追いやることはよくない、と考えたのだろうと思います。

Photo_4韓国 連合ニュース

そこでリマにおけるAPECでの短い会談で、真珠湾訪問をオファーして、去りゆくオバマの面子を立てたのです。

オバマは、「あなたにとって強いられるようなものであってはならない」と、安倍の国内的な立場をケアする言葉を使いながら、満足げな表情だったそうです。

トランプはどのような大統領となっていくのかは未知数ですが、互いの<棘>を抜き、日米同盟はかくも強固であるという証を立てておくには、「今」この時点しかなかったのです。

最後に、コメントに「靖国参拝をして英霊に報告」という話がでましたが、ありえないでしょう。

そんなことをすれば、なんのために「真珠湾和解」をしたのか分からなくなります。

「小ぶり」であるとかないとかという首相の器量の問題ではなく、彼は第1次政権時のような理念型保守政治家ではなく、むしろ日本には珍しいプラグマティックなリアリストなのです。

この稿続けます。

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HN「バタアシ金魚」氏に答えて トリインフルと航空騒音について

Photo_2

HN「バタアシ金魚」氏 からコメントをもらっています。

「いつから「航空機騒音のプロ」になったんだい?
少なくとも高江の人たちと同じような状況でオスプレイの音を聞いてタワゴトぬかせ。そんなことより、鳥インフルの闇ワクチン問題についてはどう思うね(笑)」

だそうです。「どう思うね」とせせら笑われてしまいました。

あいにくですが、「どう思うね」も何も、いまから11年前の2005年にその闇ワクチン問題において先頭に立って戦ったのは、他ならぬこの私です。

私の住む地域で起きたのですよ、あの闇ワクチン事件は。

農水省消費・安全局に質問状を叩きつけ、議員のツテを当たって国会で取り上げてもらえないかと模索し、雑誌に掲載してもらおうとして挫折し、なおも戦いました。
関連記事
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http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-1b5e.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-3e00.html

最終的に私に止めを刺したのは、世界最大を誇る某超巨大養鶏会社からの内容証明書つき郵便での「法的措置を取る」との通告でした。

スゴイですよ。社判つき通告書だもんね。あんなもの初めて貰いました。

残念ですが、矢折れ刀尽きてどぶの中に頭から突っ込んだようなぶざまな終わり方でした。

自慢にはなりませんよ。負けたのですから。蟷螂の斧でした。

闇ワクチン問題については数多く書いています。

そもそもこのブログは、メルマガを130号出して、なお私の中にあったくすぶった思いから始まっています。

私が今、ワクチン解禁論者になっているのは、当時のトリインフルの蔓延状況において、闇ワクチンに手を出したのが、皮肉にも防疫意識が高い養鶏グループ、あるいは個人だったからです。

起訴されたA鶏園、地元の獣医師免許を持つ養鶏家、そして世界一の防疫体制を誇る私を訴えるぞと恫喝したあの某超大手企業、彼らに共通するのは防疫意識の高さです。

彼らの恐れていたことには理由があります。

いったん発症したら、全飼養群を殺処分にせねばならないような伝染病に、なんの防衛手段も与えられていないのが養鶏業界だからです。

畜産が自らの家畜をガードするには、ふたつしか方法はありません。

投薬かワクチンです。

しかし、この両方を禁じられているのがこのトリインフルなのです。

これでどうやって家畜を守れるのでしょうか、教えていただきたい。

防鳥ネット?踏み込み消毒槽?石灰散布?

そんなものがいかに穴だらけか、現場に近い家保はよく知っています。

そう、祈るしかないのです。頼む、来ないでくれ、と。

そのリスクを負えない大手から、闇ワクチンに手を出したというわけです。

ならば、正式に解禁しろ、正式に解禁して国がしっかりとコントロールしろ、というのが私の今の立ち位置です。

Atsugi

神奈川県大和市・綾瀬市の米海軍厚木基地。 普天間といい勝負でしょう。

次に、「航空騒音のプロ」についてです。 

私が洟垂れのガキから、30近くまで育ったのは厚木基地の真横でした。

ほぼ20年間の航空騒音と米軍基地体験ですが、修行期間として短すぎるでしょうか?

だから比喩的意味で、「航空騒音のプロ」と自虐的に自称しています。

それについてはかなり書いてきています。

書くたびに荒らされますがね。本土にも米軍基地があることが、よほど気に食わない人がいるみたいですね。
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http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-a04b.html

Photo70年代に厚木基地に着陸しようとするF4ファントム。双発で世界一うるさい軍用機のひとつ。

このHN「バタアシ金魚」氏は、頭上を通過するジェット音って知っていますか?

それは「音」というより「地響き」です。

学校の授業など寸断されますが、けっこう馴れッこになっていて、平然たるものです。

子供の適応力を馬鹿にしてはいけません。

小学校の窓は一応二重ですが、当時はクーラーなどないので、夏など開けっ放しでブワーっと騒音がきました。

「バタアシ金魚」氏、指で耳に栓をして上空を通過するジェット機にウワーっと叫んだことがありますか?

男の子は、けっこうそのブワーッ、ゴォーッという轟音を「楽しんで」いるんですよ。

ある時、私の小学校に朝日の支局記者が取材に来ていて、たまたまこの指で耳栓して空見て喚いている私たちガキをみたのですな。

そしてその写真の一枚が朝日に、「米軍機騒音と戦う小学生」みたいなキャプションで載っていましたっけね。

まぁ、このクソガキ共は、「カッコイイ」と喚いていたんですが、聞こえなかったんでしょうね(笑)。

しかしまったく楽しめないのは夜のドリフの時間に、基地でジェットエンジンのテストや夜間離発着訓練をする時です。

夜闇をつんざく、甲高いグワーッ、ギャーッというような音で、ドリフは中断です。

隣町の民家には、ジェット機が落ちました。

物見高い少年たちはチャリンコで駆けつけましたが、黒煙を上げる墜落現場にはお巡りさんに子供が来る所じゃないと追い返されました。

成人してからですが、米軍機が横浜で母子のいる家に墜落した跡に献花で訪れたことがあります。

多くの花が献花されていました。胸が潰れるような気分でした。 

よく沖縄の人は勘違いして「本土はなにも負担していない」と言う人がいますが、米軍基地問題は沖縄だけにある特殊な現象ではないのです。 

本土にもあって、共に騒音や米兵犯罪や墜落事故で苦しんでいます。

神奈川県でも米兵犯罪も沖縄についで多く、1989年から2010年にかけての米軍人の刑法犯検挙数は県別で、神奈川県は444件でした。

また、神奈川県での米軍機墜落事件は何件もあり、これまで11人の民間人が亡くなっています。

もちろん神奈川県の死者数は沖縄で米軍機墜落事故で亡くなった方の人数には及びませんし、較べてみろとも思いません。

しかし沖縄と同じような米軍基地の負担を背負っている本土の地域もあるのだということを、多少なりとも沖縄の人たちにも知って頂きたいと思います。

ですから、高江とオスプレイの記事は、すべて自分の体験を通じて実感で書いています。

観念の上で書いていません。

高江に来てみろですか。行きたいですね。

諸君らが暴れるを止めた時には、ゆっくりと行きたいと思っています。

近くに住んでいたので、土地勘はあります。依田さんの所にも行きたいですね。

しかし、今のようにいまだ罵声と怒号の地のうちは行きたくはありません。

落ち着いて考えて下さい。

毎日、これだけ長い期間に渡って、ムラへの県道を塞がれ、私的検問まで敷かれ、共同売店や学校の運営にも障害となったのです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-1f27.html

地元農家は、「高江生産組合」というプレートまで作って、通してくれと頼みました。

しかし通れませんでした。それについては沖縄タイムスが報じていますね。

さすがの沖タイも見かねたのです。

やりすぎでした。

現地に敵対する運動はあり得ません。

現地に根ざし、現地のためを思って、現地の人の指示に従って戦うのが本当の住民運動なのです。

まぁ、今さらこういう忠告を聞いてくれるような君らではないようですが。

■追記  ヘリパッド工事差し止め訴訟が敗訴しました。

日本テレビ系(NNN) 12/6
「沖縄のアメリカ軍北部訓練場内で国が進めるヘリパッドの移設について、住民らが工事差し止めを求めた仮処分の申し立てを、裁判所が却下した。
 ヘリパッドの移設先に隣接する東村高江地区の住民ら約30人は、ヘリパッドが完成し、アメリカ軍の輸送機オスプレイが使用すれば、住民の生活や健康に深刻な被害が予想されるとして、工事を中止するよう提訴するとともに、工事差し止めの仮処分を求めていた。しかし那覇地裁は6日、仮処分を却下すると決定した。

 北部訓練場では、面積の約半分を返還する条件として日米が合意したヘリパッドの移設工事が進められているが、騒音被害などを懸念する市民らが座り込みの抗議を続け、全国から派遣された機動隊との間で衝突が続いている。」

 

※写真差し替えました。うちのタローの小犬時代です。

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ありえない仮定はリスク・コミュニケーションを阻害する

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名無し氏からオスプレイ記事についてコメントをもらっています。名無しには答える義理はないのですが、お答えしておきます。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-f3ea.html

「オスプレイの欠陥としては「音」ですね。
欠点というかどうしようもないというか、飛行音が問題でしょう。
飛行時間も飛行経路も決まっていると言いますが、あってないようなものです。
必要と認めればいつでもどこでも飛び回れるわけですから。
オスプレイの飛行音を24時間イヤホンで一週間聞き続けてから賛成してもらいたいものです。
一日もてば尊敬します。
そうなると自動車の音はどうなるのか?人の生活音は?
なるほど、地球上に人は住めなくなりますね。」

困ったことを言う人だなぁ。これは詭弁、ないしは詐術です。 

この人は「24時間イヤホーンで1週間聴く」というありえない仮定から出発して、「生活音まで気にしていたら地球には住めなくなる」とまで書いています。 

よくあるエコ系詭弁です。

こういう極端な例示をするタイプの人は、正しいリスク・コミュニケーションを妨害します。 

たとえば最近の例でいえば、豊洲の「猛毒ヒ素、基準値の4割見つかる」デマです。 

出所は共産党都議団です。安全と安心はイコールではありません。 

<安全>という概念は数値に置き換えて定量化できます。 

一方<安心>という概念は、心理的な恐怖感が裏にありますからつかみどころのない気分のようなものてす。 

共産党という職業的プロパガンダ団体は、この安全と安心の隙間をつくのが巧妙です。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-3.html

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 この「猛毒ヒ素が基準値の4割」というデータは、<安全>だという以外、何も意味しません。 

これを例によってノータリンのメディアが煽りまくったために、<安心>したい人たちは、「うわー、豊洲は危険だぁぁ!」と短絡しました。 

というのは、そもそもこの豊洲地下水は排水基準ではなく、飲用水基準です。 

本来、飲用や生鮮食品にかけるために使わずに、そのまま排水系にまわしますから、排水基準値でよかったものを、土壌汚染対策法が求める飲用基準値で設計したために、そうなったわけです。 

はい、ここで質問です。 

土壌汚染対策法が求める飲用水基準は、どれだけの水を、どれだけの期間飲んだことを想定しているんでしょうか?

5年?10年? 

いえいえ。なんと70年です。おぎゃーと生れた子がほぼ一生に渡って、毎日2ℓの大型ペットボトルで飲んで大丈夫健康だというのが飲用水基準値なのです。 

その4割です。論外なのがわかるでしょう。 

プロパガンダは、常にこういう極端に非合理的な設定をして、一般国民の<安心>意識を煽ります。

メディアに煽られた人たちが行政の無策をなじり、行政は大規模な見直しをせまられかねません。

豊洲の場合、新たに知事にしなった小池氏もスタンドプレー大好き政治家でしたので、時間と税金を浪費しました。

私は小池氏にそれなりに期待していただけに、そうとうに就任後の彼女には呆れています。それについてはそのうち記事にするかもしれません。

で、大山鳴動してネズミ一匹。豊洲改修なしですから、なんだったのこの間の「豊洲祭り」は? 

東京都豊洲市場江東区)の主要な建物の下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、都は2日、建物の大規模な改修工事は今後、必要がないとの認識を示した。同日の都議会豊洲市場移転問題特別委員会で答弁した。」(朝日12月3日)

このようにプロパガンダは、本来あるべきリスク・コミュニケーションを阻害し、社会的に損害を与えかねないものなのです。

原発・放射能問題でも大量にこんな人たちが発生し、「元々ゼロベクレルだったのだから0.01ベクレルでも低線量被曝してガンになる」と叫びました。 

元々自然放射線量があって人は普通に暮らしてきていますからゼロではありませんし、低線量被曝による健康被害が科学的に立証されたことはありません。 

こういう放射能パニックが、民主党政権の「1msv/年の放射線も危険」とする除染基準となり、除染費用をはね上げました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-0b52.html 

これで焼け太りになるのは業者だけで、住民の帰還は大幅に遅れてしまいました。 

厳しすぎる安全基準値は、時として社会的弊害を招きかねないのです。 

ですから、ひとつのことを判断する時に、極端なことを言うのは一見最悪シナリオを考えているようでいて、まともなリスクがどこにあるのか、どうしたらそれを最小限に押さえ込めるか、という肝心な点をわからなくしてしまいます。 

さて、話をオスプレイに戻します。 

この人は「オスプレイの騒音を24時間イヤホーンで聴け」といいますが、ならばこの人も使っている旅客機の直下騒音を24時間イヤホーンで聴いたらどうよ、地下鉄はどうよ、なんてしゃもない議論になります。

マジな話、こんなレベルの低い突っ込みには、レベルが低い受け答えでいいのかなとも思いましたが、まともに答えると。

オスプレイの巡航速度は443㎞/hですから、通常の双発プロペラ機と同等です。

この人は私のような航空機騒音の「プロ」ではないでしょう。

私、厚木基地のジェット音で産湯を使い、沖縄を経て、いまは百里基地のジェット戦闘機の旋回直下で暮らしております。

家は防衛局のおかげで、なんどか防音対策工事をしてもらっています。

その「航空騒音のプロ」からみれば、オスプレイの「音」とやらは問題外的に静かです。

4発のP-3哨戒機やC-130輸送機すら静かに感じます。

ましておや2発なら。

低周波だとかいいたいのなら、ヘリのあの遠くから聞こえ続けるバタバタという空気をローターで叩くラップ音はどうなのでしょうか。

ヘリはオスフレイよりはるかにドン速なので、そりゃあ長くバタバタいっていますよ。

いちおう前にもアップしたオスプレイの環境ビューの資料を貼っておきます。 

Img_4556

 ※図はフィート表示。1フィート≒0.3m 

巡航中のオスプレイは高度1500mで77デシベル、低空の75mで93デシベルです。

ジェット機はだいたい100デシベル以上です。 

それも高速なので頭上を航過するのは数分間で、このコメント氏のいうように「24時間オスプレイが頭上にいる」ようなことは、世界中のオスプレイを集めても実現しません。

オスプレイはしょせん機械です。機械である以上、定量化可能です。

気分で極端なケースを想定して「安心」を煽るのは、結局、オスプレイを客観的に評価する上でマイナスになりこそすれ、決してプラスにはならないのです。

どうもこの人たちの住む世界では、オスプレイは危険機ではないとか、オスプレイは大型ヘリより静かだといっただけてポリコレに抵触してしまうみたいですね。

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「日本死ね」を流行らせたい人たち

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追記で土曜日に書いて、あまりのくだらなさにゲンナリして削除してしまったニュースです。 

まったくどうにもならない人たちです。 

はい、「今年の流行語大賞」のひとつに「保育園落ちた、日本死ね」が選ばれたそうです。 

パチパチと拍手。ただし手の甲を当てる裏拍手でお願いします。 

表彰を受けたのは、民進党前政調会長の山尾志桜里議員です。 

「日本死ね」で賞を貰ってにこやかに笑う山尾氏です。 

Photo流行語大賞公式サイトより引用 

山尾氏は東大法学部卒、検事のご出身だそうで、いかに日本のエリート教育に難があるのかがよく分かります。 

こういう言辞が党や政治家としての自分の宣伝になると思うセンスが不気味ですが、山尾氏は「日本死ね」の確信犯です。 

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国会で安倍首相に「保育園落ちた、日本死ね」という言葉を使って追及しましたが、首相にはあっさりと「匿名のブログの発言には答えられない」とかわされてしまいました。

ま、当たり前だわな。 

誰がどのような状況で、なんのために吐いたのか不明な呪詛の言葉を、国会で取り上げるほうがどうかしています。 

保育所問題を取り上げたいのなら、まっとうに資料を揃えてまっとうな表現で追及すべきで、こんな汚らしい言葉を使ってすべきではありません。 

山尾さん、東大や司法研修所で「汚い言葉を使ってはいけません」って習わなかったの?

民進党の幹部が「日本死ね」なんて発言すれば、それは他ならぬ民進党が日本を殺したいと思っているという事になっちゃいますよ。そのくらい分かんなかったの。

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むしろ問題はこの「日本死ね」を使って、「首相は保育所不足に無関心」だと囃し立てたメディアです。 

こういう過激な言葉をぶつけるほどこのブログの母親は切羽詰まっていたのだと言いたいのでしょうが、ならば様々な状況で「切羽詰まった」人は大勢いるわけです。 

このパロディは無限にできてしまいます。

たとえば、「高校落ちた、日本死ね」「育児つらい、日本死ね」「就職落ちた、日本死ね」(←全部比喩的表現です。念のため)。

なぜいくらでもできてしまうかといえば、それは単なる「主観」だからです。

保育所が足なくて大変なのは同情しますが、足りる足りないは地域によって相当に事情が違いますですから、この人の過激発言はただの主観にすぎません。

主観的意見を、自分ひとりが住んでいるわけでもない日本国に対する呪詛に転化してしまうのがおかしいのです。

あんたひとりが日本国民なのか、つうの。

「国民ひとり」ならなんとでも言うがいいのですが、残り1億2千万も一緒に住んでいるのですよ。

日本が死なれたら困るほうが多いんじゃありませんか(苦笑)。

ああ、書いていて馬鹿馬鹿しくなってきました。

「なぜ他人に死ねと言っちゃいけないの」と聞く子供には、「うるさい、それが人間の常識だ」のひとことで済ませるべきです。

説明は不要。他者への呪いなど自分の家の風呂場でやれ。

この馬鹿なガキに相当するのが民進党政調会長でおられた山尾議員とメディア、そして今回の「流行語大賞」選考委員の皆さんのようです。

特にこの選考委員の皆さんは、どうやら「日本死ね」を流行語にしたかったようです。

ちなみにちっとも流行していないのは、各種報道で明らかですので、ムリムリに大賞に突っ込んだようです。

NHK「ニュースウォッチニュース9」が街頭で調査したところ、「日本死ね」は一票もなかったようですから、選考委員がネジ込んだといわれても仕方がないのではないでしょうか。

実際、私はこんな不潔な言葉が流行ったという話は聞いたことがありません。

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この選考委員は、姜尚中、俵万智、室井滋、やくみつる、箭内道彦の各氏といかにもの人が並びますが、ひとり聞き慣れないのが、清水均氏です。

この清水氏は『現代用語の基礎知識』編集長をされています。

この『現代用語・・・』は、下のような本で、この本は会社や大学の入試の一般常識や小論文を書くために発行されています。 

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まぁ、このような本を「基礎知識」にして会社や大学を受けようという人は、大変に気の毒ですとだけ言っておきましょう。 

ちなみに去年はあの鳥越俊太郎氏が審査委員長で、ノミネートされた「流行語」は、「アベ政治を許さない」「戦争法案」「シールズ(SEALDs)」「I am not Abe」「自民党、感じ悪いよね」だそうです(ガ、ハハ)。 

ならば今年はチューンアップして、「日本死ね」に定向進化したということのようです。

おそろしいまでに言葉が軽い人たちが選ぶ、「今年の流行語」のお粗末の一席でした。

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日曜雑感 鹿島優勝!

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え~、今日は趣味の話でございます。

私の大の贔屓の鹿島アントラーズがまさかの優勝をしてしまいました。
先制点を食らった時にはふて寝してしまおうかと思ったのですが、見続けてよかったです。
献身的な鹿島の守備は涙ものでした。

こういう土壇場での底力が、気の毒ですが浦和にはないようです。

ホームではコオロキ(興梠)という元鹿島の名FWがPKをもらい(※)、アウエーでは金崎ムー(夢生と書きます。冗談のような名)があろうことか2得点でございます。
※家本主審の疑惑の笛でしたが。

思えば浦和とは因縁の仲で、2009年の優勝がかかった浦和との一番は、場所も浦和で内田篤人のクロスに、コオロキが決死的ダイビングヘッドを決めて優勝させていただきました。
そのコオロギは今は浦和でバリバリ戦っています。
第1戦、第2戦と2点も、しなくてもいい恩返しまでしていただきました(いらねぇよ)。

ムーは石井監督への暴言事件で、チーム力を極度に低下させただけに、うれしかったのではないでしょうか。
いい顔をしていました。

下の優勝写真で、中央後列で顔が写っていない(爆)40番が、われらが不動のキャプテンの小笠原でございます。

Photohttp://www.jleague.jp/special/meijiyasudaj1_1st_wi...

まことに埼玉、特に浦和方面の皆さまには申し訳ありません。
一度ならず二度までも。
浦和はお世辞ではなく、日本最強のチームです。

相手がうちではなく川崎ならば、栄光はあなた方のものでした。
また昌子(しょうじと読んでね)が言うように2シーズン制は酷です。
1シーズン制なら、優勝は浦和、わが鹿島は中位ではなかったかと思います。
1シーズン制にもどしましょう。
それがフェアです。
ま、勝ったから余裕でいえるのですが。

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また、私が地元後援会にも入っております大関稀勢里も、優勝こそ逃がしましたが3横綱をぶち倒すという快挙を成し遂げ、その翌日に下位に取りこぼして千秋楽を台無しにいたしました。

全国の大相撲ファンの皆様。もうしわけございません。

間違いなく日本人力士最強というのは、ファンのひいき目ではございません。もうちょっと長い眼で見ていて下さいませ。

かならず、横綱になります(たぶん)。

強いのか弱いのかわからない、「もっとも横綱に近い男」のファンでいると、ややマゾヒティックな気分になるのが不思議です。

高安ともどもお引き立てくださいませ。

とまぁこのように、まさにサッカー、大相撲と両手に花が、わが県です。

ぬほほ。お国自慢はええのう。

それにしても「ケンミンショー」、さんざんわが県を小馬鹿にして笑い物にした特集を組んでくださいましたが、罪滅ぼしにスポーツ大国の特集をして頂きたいものでございます。

今日は気分がいいので、馬鹿丁寧な口調でお送りしました(笑)。

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日曜写真館 夕陽を浴びる水門

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優勝談義は長いので日曜雑感へ移動しました。

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