北朝鮮 日本を標的とした弾道ミサイルを実戦配備すると宣言

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「週刊北ミサイル」になりそうで怖いのですが、北のミサイルの詳報が北朝鮮の発表でわかりました。

「韓国軍などによると、北朝鮮は21日午後、内陸部の北倉から東方向に弾道ミサイル1発を発射。約500キロ飛行し、最高高度約560キロに達した後、日本海に落下しており、「成功」の報道はこれを指すとみられる。「北極星2型」は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」の射程を延長した地対地弾道ミサイル。固体燃料エンジンを利用、無限軌道式車両から発射する。米軍のコードネームはKN15で、射程は約2000キロとみられている。
 北朝鮮は2月13日にも「北極星2型」の発射実験に成功したと発表しており、朝鮮中央通信によれば、今回は「実戦配備のための最終試験発射」。無限軌道式車両からの発射、ミサイルの飛行誘導、高出力固体燃料エンジンの始動、信頼性などが「完全に検証された」と主張している。
 金委員長は「百点満点、完璧だ」と満足の意を示した。また「今や早期に大量生産し軍に配備しなければならない」と指示。「わが国の核戦力の多様化、高度化をさらに進めるべきだ」と強調した」(時事5月22日)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052200212&g=prk

今回の弾道ミサイルの標的は明確に日本です。 

特徴を列記しておきます。 

前回と同じKN15(北極星2号)で、潜水艦発射型弾道ミサイルだと称しています。 

とりあえず言っているだけで、実際に海中の潜水艦から発射するのは高度な技術が必要なので、実用化したかどうかは不明です。Photo_3労働新聞 

射程は約2000キロで、準中距離弾道ミサイル(MRBM)です。日本列島がスッポリと射程範囲に収まります。 

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 聯合ニュース

Photo_7防衛白書

今までノドンを持っていましたが、これより性能的に向上し、核弾頭を搭載可能な「北極星2号」を実用化したことになったわけです。 

そしてこれがやっかいなことですが、注入に時間がかかる液体燃料ではなく、即時発射可能な固体燃料エンジンです。 

上の北朝鮮の公式写真には白い噴射ガスが見られ、コールドローンチといって発射機にセットした状態のまま、弾体のロケットエンジンを起動せず、代わりに圧搾ガスでミサイルを発射する方法です。 

いままで、北朝鮮のミサイルは液体燃料といっていわば直火で飛ばしていましたが、これにより移動式発射装置から打ち上げ可能になりました。 

下の写真で腹をデッ張らせた正恩「将軍様」の後ろにあるのが、その移動式発射装置(TEL)です。 

車輪ではなく、無限軌道(キャタピラ)で移動でき、不整地に潜むことができる発射機です。Photo_5

 労働新聞 

これによって、この写真の背景にある大同江と思われる山地からも発射ができることが分かりました。 

これはあらかじめ分かっているミサイル基地から発射するのとは違って、事前に予防的に潰すことが事実上不可能に近いことを現しています。 

現時点では、米軍はほぼすべてのミサイル発射基地の位置をピンポイントで押さえていると言われていますが、この移動式発射装置と北極星2号のセットが大量に配備されると、大変に潰すのが難しくなります。 

おそらく湾岸戦争のように、特殊部隊を大量に北朝鮮国内にバラ撒いて場所を特定し、空爆を要請するという気の遠くなるようなことをするしか方法はなくなるからです。

しかし中東の砂漠と違って、朝鮮系の住民の中で白人は目立つ上に、隅々まで秘密警察網が張りめぐらされた北朝鮮で、それが可能かどうか、はなはだ疑問です。 

そして、正恩「将軍様」はありがたいことに、この発射実験の結果にいたくご満悦の様子だそうで、さっそく実戦配備をするように命じました。

日本人の多くも薄々気がつき始めていますが、相互確証破壊の下に作られた非核三原則や専守防衛などといった「きれいごと」の枠組みだけでは対応できなくなっています。

平和に安住して戦争反対を唱えるだけでは、現実にミサイルが降ってくることは防げません。

もちろん私は戦争を肯定するわけではありませんが、どうやったら自分たちの家族の安全を守れるのか、自分の生きる国の平和はどうすれば守れるか、ひとりひとり真剣に考えてもよい時期に来ています。

こういう岐路に立つ今、脅威などど吹く風とばかりに「加計疑惑」とやらに興じていられる野党やメディアは幸せ者です。 

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Photo_8前川喜平元文科省事務次官

蛇足ですが、「加計内部文書」をリークした役人の実名がわかりました。 情報源は「あの」リテラですから話半分で。http://lite-ra.com/2017/05/post-3179.html

元文科省事務次官の前川喜平氏のようです。

天下り問題引責と出会い系風俗に入り浸っていたことで、文科省を辞めさせられたことを逆恨みしていたようです。言ったら悪いが、そうとうなクズですな。

もっとも、リテラにかかるとこの風俗通いも、官邸の前川潰しだそうですが。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170521-OYT1T50148.html

自民党さん、前川氏を証人喚問したらどうですか?

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「加計疑惑」、なにが問題なの?

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北朝鮮がミサイルを発射しました。今度は朝鮮半島から真西に撃って、わが国のEEZの手前に着弾しました。 

わが国が標的だということです。弾種その他の詳細情報は現時点ではわかりません。分かりましたらアップ致します。 

さて、自分の国が標的にされているのにどこ吹く風と、森友問題のニューバージョンで朝日と民進党がお祭騒ぎをしています。 

なんともかとも、懲りない人たちだね。朝日は第三者委員会の答申を聞き置いただけで、真摯な社内的総括をしていないようです。 でなければ、こんなことをまたするはずがありせん。

朝日さん、「社運を賭して」だそうですが、このままだと第2の吉田調書事件になりますよ。

吉田調書は福島第1原発事故に際して、吉田所長の命令に反して所員が逃げ出したという捏造記事でした。 

これで朝日は秋山社長が辞任に追い込まれます。
関連記事「朝日「吉田証言」の虚妄」全4回
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-f908.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-4637.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-ab8a.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-aaf8.html
「朝日新聞の構造的腐敗」http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-b7c3.html 

今回もそうなりそうです。朝日は報道のイロハのイである、社論はあっていいが、記事は客観的に記述するのが新聞の責任であるという大原則がわからないのです。 

この新聞社はかつてのように、「世論はメディアが作る」という古き迷妄から醒めていないようです。 

吉田調書事件の第三者委員会が批判した、「記事に角度をつける」ことで世論を煽り、野党に政局を作らせるというのが、朝日のやり方でした。 

愚民は自分で考える能力もないだろうから、学歴エリートの自分たちが世の中のことを教えてやるよという選民意識です。

それは吉田証言・吉田調書のダブル吉田事件で完全に破綻したと思ったのですが、ホント懲りない人たちだねぇ。

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とりあえず、今回の「加計疑惑」とやらを3ツに切り分けてみます。

①文書は偽造かどうか。あるいは存在する文書だとして、正式文書か部局内メモか?誰が執筆したのか?
②加計学園の獣医学部設立許可はなぜ遅れ、現時点で認可されたのか?
③違法性があるのか?

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まさに「森友疑惑」の「付託」の新バージョンにすぎませんが、とどのつまり③の違法性の有無が最も重要なのです。 

違法性があったのか、なかったのか、さぁ朝日さん、どちらなんです。 

仮にこの文書が実物で、作った人間も明示され、かつ首相の「付託」があったとしても、そのどこが問題なのでしょうか。 

行政府の長たる首相が、行政機関に自分の政策を実施するように指示することが「違法行為」ならば、行政府はなにも政策を実行できません。

逆に官僚が、いわば会社社長である首相の政策の意図を「付託」して、それを実施段階に移すことのなにが「違法」なのでしょう。

トップが事細かく指示をださないのは政府も民間も一緒です。だからその政策意図を知り、実現するのが官僚の仕事なのです。

それを朝日や民進党は、「忖度するは悪行だ」なんて言いますが、冗談ではありません。

そういえば民主党政権は政治主導とか称して官僚に「余計なことはするな。言われたことだけやれ」と言ったために、官僚が仕事をしなくなりました。

震災の時すら「余計なことをしない。すると出世できない」と思っていた官僚は、政府の指示待ちだったいいます。その政府が脳死していたんですからシャレにもなりませんがね。

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それはさておき、福島事故収拾に失敗した民主党・菅直人首相は、電力会社に停止して検査をすることを「お願い」しました。結果、いまなお9割の原発は停止したままです。 

これはいうまでもなく法的根拠ゼロで、菅首相の「ご意向」を経産省官僚が「付託」し、中部電力に指示したのです。 たぶん電力会社にも「お願い」だったはずです。

このような「付託」は悪い付託です。理由は簡単。違法だからです。

したがって、当然ですが、官僚はいくら首相の「ご意向」だからといって、違法な付託に従う必要はないのです。

では翻って、今回朝日が言いたいことのキモはこうです。

「安部首相が国家戦略特区推進がらみで、留学中から友人だった加計孝太郎学園長の頼みを聞いて、今治市に設置するように動いた。官僚は首相の意志を忖度し加計の有利になるように動いた」

ここで安部氏が加計氏から直接に「学園の申請を頼む」と依頼されたとしても(そのような事実はありませんが)、問題にはなりません。 

なぜなら違法性を問われるのは、その付託が行政法上違法行為になるか、あるいは加計氏が首相の選挙区民であって、しかも安部氏に贈賄した場合に限られるからです。

友人だった?なんの関係もありません。どこの新聞でもいいから、首相動静コーナーを見て下さい。

毎日何十人もの人と会っています。公的にも私的にも首相職は無数の人脈の交点にあるからです。

その人脈上に「いた」というだけで事件性を問われたら、首相職は務まりません。

政治家は知ってのとおり、国民から「付託」されるのが商売です。付託されることで、行政の抜け落ちを政治がフォローできるからで、なんらやましいことではありません。 

もしこれがダメなら、たとえば地元で廃棄物の違法投棄が行われていて環境汚染がひどいという案件があって、地元選出議員の事務所に陳情にいっても、「それは付託ですから受け取れません」となっちゃいます。 

ならば議員なんか、国会で党議に従って手を上げているだけですから、こんなものいりませんよね。 

加計学園の獣医学部設置は、国家戦略特区に入っていたから「スピード感をもって」処理されたのです。 

戦略特区はアベノミクスの重要な柱だから、安部氏は推進したのでしょう。 

その証拠に、第1次安部政権では戦略特区自体が存在しなかったために認可が下りていません。 

あくまでも、加計のために認可を急いだのではなく、逆に特区の中に今治市と加計が存在したから認可がスピードアップしたのです。 

え、特区を今治市にかけたのは、安部氏の「付託」があったからだろうって。 

ちがいます。これは加計学園獣医学部新設の経緯をちょっと調べれば分かることです。

・第1次安倍政権・・・認可せず
・麻生内閣    ・・・認可せず
・鳩山内閣    ・・・今治市に教育特区を許可
・菅内閣      ・・・文部科学省・農水省、加速計画獣医学部のヒアリング実施
・野田内閣    ・・・規制改革推進で検討
・第2次安倍政権・・・民主党政権から引き継いで国家戦略特区とする

そこで切り分けの②です。

今治市を教育特区に指定したのはどこの政権だったでしょうか。はい鳩山政権でしたね(苦笑)。 

教育特区にしたのは、いうまでもなく加計学園獣医学部を誘致するためです。

これは一貫して加計獣医学部を今治市に誘致するのが、他ならぬ民進党が推進してきたことだからです。

今回の加計学園の案件を「付託」したのは、安部氏ではなく民進党の江田五月氏や高井崇志氏です。

高井氏は国会で石破地方創生大臣に、下のような質問をしています。

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上の写真の高井氏の質問の書き起こしです。

「愛媛県今治市に獣医学部が特区のメニューに入った。実はこれは10年来の悲願だ。実は私は民主党政権の時からずっとこの問題に取り組んできた。
実は獣医学部は半世紀新設されていない。偏在がある。獣医の数が(足りない)、(獣医学部が)四国にはない」

高井氏はかつて秘書として仕えていた江田五月氏と共に、今年3月には加計学園長と面接しています。

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やれやれ、さぞかし高井氏にとって、今回「加計疑惑」を朝日が取り上げ、こともあろうにそれを蓮舫代表が鬼の首でも取ったかのように、「究極の忖度があったと聞いている。内閣総辞職に値する」と叫んだことは、不本意であったことでありましょう。お察しします。

だって、今治に加計獣医学部を引っ張った工作をした手柄は、他ならぬ高井氏なんですからね。

しかも自分の親分である江田氏をわざわざ岡山まで連れていき、他ならぬ加計氏と面談をセットしたのが今年3月。

首相が「もし私が働き掛けて決めたならば責任を取る」と否定をしたのが3月。ドンピシャというのも、失礼ですが笑えてきます。

つまり、加計学園獣医学部設置を「忖度」してきたのは一貫して民進党で、それ自体は良いことなのです。

今治市は10年間15回も政府に要請しやっと叶ったばかりで、いかに悲願だっのか分かろうというものです。
今治市HP http://www.city.imabari.ehime.jp/kikaku/kouzoukaikaku_tokku/

民進党疑惑追及PTが、今治市を訪問した際には面会はおろか塩を撒かれんばかりだったのは当たり前です。

民進党などは胸を張って「安倍よりがんばったのはこのオレだ」と言っていればよかったのに、なにをトチ狂ったのか「安部が究極の付託をしたんだぁ」とキレるなんて・・、なんて究極のお馬鹿さんたち。

ちなみ、獣医師を増やしたくない獣医師会から100万円の献金を貰って、新設阻止を計ったのが 獣医師会会長の伜である玉木雄一郎・民主党議員というのですから腹の皮がよじれます。
http://www.sankei.com/affairs/news/170521/afr1705210002-n1.html

右手で推進、左手で反対。そして実現してみれば、「安倍が究極の付託をした。総辞職しろ 」ですから、頭は大丈夫ですか、民進党さん。

蓮舫さん、「加計疑惑」を総辞職要求として叩きつけるなら、まずご自分の党内で聞き取りしてからにされたらよかったのにと思います。

そこで①の文書ですが、たぶんホンモノでしょう。ただし、公文書に必須の日付、担当部局名、担当者名、印がありませんから、ただのメモです。

書いた人物の名も特定されて、聴取されていると思います。

で、ホンモノだったら、だからナニ。

いまの文科省は天下り問題でボロボロの屁たれ状態です。この特区も本来の管轄である自分たちの手から離れて、内閣府にイニシャチブを持っていかれていると聞きます。

文科省の官僚たちは、10年も獣医学部の新設に反対してきた獣医業界の利害を「忖度」して、加計獣医学部新設要請を握りつぶしてきました。

これが第2次安部政権で戦略特区に指定されるやいなや、すらすらと新設認可がされたことが憎い、腹が立つ、オレが天下りできなかったのも安部のせいだ、オレの退職後の人生を返せ、と思う小役人が朝日にリークしたのでしょうね。

やれやれ、くだらん。

こんなつまんないことで、いつまでもグダグダやってんじゃありませよ。しかしまぁ、昭恵さんというノイズが入らないだけましか。

 

 

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日曜写真館 砂と汗

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「朝鮮のない地球など破壊してしまえばいいのだ」と思う国

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デイリーNK顧問の朴斗鎮氏は、1941年大阪生れの在日朝鮮人研究者として金王朝三代を見てきました。 

朴氏の近著である『揺れる北朝鮮』で、北朝鮮は「崩壊の第2段階」に入ったとみています。

「旧ソ連をはじめとした社会主義陣営の崩壊と1990年代半ばから始まった北朝鮮の大飢饉によって、崩壊への第1段階を迎えた北朝鮮の金氏政権は、その延命を先軍政治に求めたが、金正日の急死による金正恩政権の登場で、過激な恐怖政治が付加されることになり崩壊への他い2段階を迎えている。それは正恩時代に入って急増した北朝鮮高官の亡命者数をみても明らかだ」((同)

そしてこのまま正恩が軌道修正をかけねば、これが最後の局面になるだろうとみています。

「正恩が開放経済に舵を切らず、このまま恐怖政治と核兵器による脅迫外交を続ければ、彼は間違いなく金王朝のラストエンペラーとなるだろう」

朴氏が指摘するとおり、北朝鮮は米中露の大国が干渉し合う地勢学的位置にあるためにそれがいつになるのかは明確には言えませんが、核を放棄しない限りおそらく滅亡することでしょう。

ただし、ひとりで自滅するのではなく、その災厄の渦に周辺国を巻き込みながら。

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米国は先だっての秘密交渉の席上で北朝鮮と以下のことを提案したと言われています。 

①北朝鮮と話しあう用意がある。
②正恩政権を倒すつもりはない。統一は急がない。
③38度線を越えて侵攻するつもりはない。
 

と、ここまでは実にトランプの表面だってのコワモテと違って宥和的ですが、最後にひとつだけその条件がつきます。 

④核兵器を廃棄する。 

北朝鮮代表(いちおう正式ではありませんが、あの国に「民間」などありません)がどのように答えたかはわかりませんが、たぶん米国の要求の①から③までは一致し、④の核兵器保有だけが違ったものと思われます。 

裏返して言えば、「核兵器放棄をしない限り話し合いはしない」ということになります。

それも米国だけそう思っているのではなく、米朝が一致して、同じように考えているようです。 

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これを裏付けたのが、話し合い解決を主張して大統領に当選したムン・ジェイン就任を祝賀するが如く発射された弾道ミサイルでした。 

これは6カ国協議を希望する習-プーチン会談当日にも当たり、あまりにも明確な意志表示です。 

北朝鮮はいかなる各国協議にも、あるいはサシの話し合いにも乗らないということです。 

よく安易に話し合い外交という人がいますが、残念ですがそれが通じる相手ではないし、仮に経済制裁や軍事的圧力、はたまた「田植え戦闘」をさせない干乾し戦略もすべてこの国には通じないのかもしれません。 

なぜなら、民が死ぬこと、民が餓死することなど意に介さない独裁国家だからです。

「金日成はかつて息子の金日正に「米国と戦って勝てるのか」と尋ねたことがあるという。その際、金正日の答えは、「朝鮮のない地球など破壊してしまえばいいのだ」だった」
(朝日新聞ソウル支局長・牧野愛博『金正恩の核が北朝鮮を滅ぼす日)

黒井文太郎氏は、『北朝鮮に備える軍事学』の中でこう述べています。

「たとえば、戦争が起きて平壌が火の海となり、金正日がもはやこれまでと観念したとする。この際、生きてサダム・フセインのような醜態を晒すよりも、憎きアメリカになんとか一矢報いて栄光ある最後を遂げたい・・・、と考えるかもしれない。
すると、平壌でこんなやりとりが交わされる可能性が出てくる。
『いまわが共和国の軍にはどのような手段が残っている?』
『はい、将軍様。山中の極秘基地に隠した核搭載ノドンが1基だけ生き残っております。アメリカには届きませんが、在日米軍基地には届きます!』
『よし、それを発射せよ!』

黒井氏の著作時は正日時代でしたが、このシーンの正日を正恩に読み替えてみて下さい。 

状況はむしろある種の戦略家だった正日の手にはなく、堪え性がなく衝動的であり、父より子供じみた残忍性を持つ正恩の手にあります。

このまま状況が停滞して行き詰まった場合、韓国は米国に核武装化を強く働きかけるでしょう。

朝日ソウル支局長の牧野氏は既に韓国が、何回か核武装化を求めていると述べています。(前掲書)

それが現時点では、ニュークリア・シェアリングであることがまだ救いですが、本格的核武装も視野に入れているはずです。

そうなった場合、わが国は周辺国すべてが核保有国になるわけですから、自ずと選択肢は限られてきます。

好と好まざるとに関わらず、我が国も非核3原則の「持ち込ませず」を廃棄しニュークリアシェアリングに向かい、さらには独自核武装の現実的検討に入らねばならなくなるでしょう。

おそらくすべて技術的にクリアして、保有自体は1年以内に完了できるいわゆる「一歩前核武装」も議論の俎上に乗ることになります。

正恩だけで終わることはなく、周辺国すべてに核兵器の暗い影が覆うことになります。

このように核武装は連鎖する性格を持っていることを忘れてはいけません。

■結語を加筆しました。

 

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北朝鮮農業 自作農をつくるしか処方箋はないが

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北朝鮮農業を再生するもっとも近道は、協同農場・国営農場などといった反農業的な組織を段階的にでもいいから解体して、自作農を作ることです。 

これしか手はありません。 

農業を協同化すれば大規模化できるので効率化できるというのは、大きな国土を持つロシアなどではやってやれなくもありませんが、元祖・ソ連すらあのていたらくです。 

あ、その前に日本のJAは個人農の集まった協同組合ですから、一緒にしないで下さいね。 

Stalin_kolkhoz2http://www.tearsdeestrella.com/antistalin/02_jp.ht... ソ連のコルホーズ

私は若い頃恥ずかしいくらい頭デッカチだったので、「農業は協同でやるべし」と思っていたのですな。そのため2つも協同農場を渡り歩いてしまいました。 

効率的に見えて非効率なのです。建前は合議制ですから、細かいことまで議論して取り決め、それに反して自分で考えた工夫を出すと、なぜ決まったことを守らないんだと批判されます。 

夜は連日会議、また会議。農業をしているのか、会議をしているのか分かりません。

後に共同農場をやめて、自分で土地を買い(膨大な借金を作りましたが)自営農家になった時の清々しさは忘れられません。 

自分の眼を信じ、自分が手をいれることでいくらでも工夫改良の余地があるということに新鮮な驚きを感じたものです。 

こういう体験をしてやっと身に染みてわかってのですが、農業は個としての農業者とその家族が、土を愛し、土を育て、家畜と共に時間をかけて作り上げるものなのです。 

大規模化したいなら集団化する必要はありません。私の友人のように個人会社でどんどんと自分の責任で金を都合し、自分の才覚で売るために水田を借りて増やしていけばいいのです。 

協同農場は何カ所も見たことがありますが、往々にして農業道具が汚い場合があります。手入れをしない、放たらかしにしてサビさせて平気です。

 なぜでしょうか。「自分のモノではない」からです。笑っちゃうでしょうが、「誰のものでもない」という共同所有は相互無責任を容易に生み出します。 

収穫物に対してすらそうです。たとえば収穫したばかりのタマネギのコンテナに芯腐りが出たとしますね。 

個人農なら家族をフル動員して、コンテナからシートの上に全部出して一個一個腐敗チェックをします。 

放置すると腐敗は伝播し、気がつかないで出荷すれば、店に着くあたりで腐りが出てクレーム対象になって信用を落すからです。 

もっとも農家と農家が集まって集団化するやり方をするグループもないわけではありませんが、つきものなのはお定まりの主導権争いと金の問題です。 

分裂する時に、これはオレが拠出した、これはオレの金で買った、などというみっともない分捕り合戦になるケースも見たことがあります。 

ヒト・モノ・カネという事業の三大要素は、自分が責任を持つ、成功しても失敗しようと農業者が背負う、これが農業の大原則です。 

古今東西これは不変ではないでしょうか。 現代史上、唯一この大原則に背いたのが共産主義国家でした。

元来、共産主義とはコミュニズム、コミューン主義、直訳すれば「共同体主義」ですからね。

農民に土地を放棄させて集団農場に追い込み、上からノルマを与えて働かせるのですから、ハナからうまくいく道理がありません。 

脳内に赤いモヤがかかっている頭デッカチの思いつきにすぎませんから、必ず失敗します。
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ただ失敗するなら可愛いのですが、共産主義特有の一党独裁・ひとり独裁という政治構造の中の一部ですから始末が悪い。

修正が効かないのです。異議を唱えるのは独裁に対する抵抗とみなされるからです。

おかしいんじゃないか、と言おうものなら、「反党分子」・「人民の敵」として流刑。悪くすれば家族もろとも死刑です。

その上、北朝鮮の独裁者など意図的に飢餓を作り出している節があります。

腹が減っては抵抗できないからです。なまじ食料増産なと許せば、その方法は農民に自分個人の土地(自留地)を認めなければなりません。

ということは、自由を与えて独裁政権を批判する温床を作りかねないわけです。

実際に中国において自作を認めた結果、農民反乱は日常的行事になってしまいました。

いま、中国の民主化運動の火薬庫は、かつてのような学生ではなく、農民階層なのです。

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北朝鮮の「主体思想」は、金一族「白頭山の血脈」に奴隷的服従をすることを、2歳の幼児の時から叩き込みます。

北朝鮮には私たちが考える「自由」という概念自体存在しません。あくまでも国家という有機体の手足の一部となって生きる「自由」があるだけです。

「主体」を持つのは唯一国家であって、それは「無謬の指導者同志」と同一なのです。

Photo_6http://www.sankei.com/photo/story/news/160510/sty1...

ですから、北朝鮮のいう「主体農業」というのは、農業の一から十までいっさいを国家が管理することです。

アレを作れ、ここに作れ、これだけ作れ、こうして作れと農民に命じます。

本来連作すれば障害がでることが分かりきっているトウモロコシを、土留めもしない段々畑に何十年も連作させたりします。

結果、大雨になれは土砂が斜面を下って、川に流れ込み、川底を浅くして水害を頻発させました。いまや河口から、湾や沿岸部にまで拡がって、遠浅になってしまいました。

すると林業や漁業もダメになります。

Photo_4http://footage.framepool.com/ja/bin/2644055,%E5%8C...

120万人、兵役適齢は17歳から49歳。なんと人口の5%も徴兵するために農村は恒常的若者不足となって、都市の学生や労働者、兵まで田植え稲刈りに一定時期に一斉動員することにてりました。いわゆる「田植え戦闘」です。

2b221f68shttp://yurukuyaru.com/archives/6719821.html

本来、地域ごとに稲の生育状況は微妙にちがいますし、苗の生育状況や植えつける時期も違います。

ましてや稲刈りなど出来かたに1月ていどの幅があることなどザラです。それを一斉に刈ったものだから、未熟米が多く混ざることになりました。

本来そんな判断は、個々の農家が稲と相談して決めればいいことなのです。

繰り返します。北朝鮮農業を再生させ、食料を増産したければ協同農場を解体し、自作農を育てることです。

それしか方法はありませんが、ただしそれを実行すれば金王朝は倒れることになります

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北朝鮮農業 1991年ナイアガラ瀑布現象とは

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沖縄からちょっと離れて北朝鮮農業に戻ります。 

北朝鮮はいわば多臓器疾患の重病患者のようなもので、内臓諸器官がなにからなにまで全部ダメになったうえ上に、それが絡み合って手もつけられない状況になっています。 

その原因のひとつが農業です。農業は大きくふたつの顔を持っています。ひとつは食料生産部門としての顔で、いまひとつが国土の姿です。 

まずは北朝鮮の農業生産の推移を見てみます。 

先にお断りしますが、北朝鮮の出す統計数字は眉唾モノで、国連に救済をも申し出た自然災害年(1996年、97年、2000年、2007年)の数字だけが意図的に落ち込むように作られています。 

Photo北朝鮮の食糧生産量(単位千トン)出典「レポート」 2011http://www.sukuukai.jp/report/20120418/1-1.html

このグラフが正しいならば、コメの生産量300万トン(2008年~09年度)のコメの生産量300万トンもあり、これを北朝鮮の人口2275万人で割ると、1人あたり年132㎏にも達します。
 

これは日本の2倍で、10アール(1反)あたり10俵以上ていどできたことになってしまいます。

おいおい、基盤整備と機械化が進み品種改良が世界で最も高度化した日本ですら8俵ていどですよ(苦笑)。 

李佑泓『どん底の共和国』によれば、統計を取るに当たって協同農場などでは一袋の量をごまかしてノルマを達成したと報告することが常態化しているということなので、まぁそう思って5掛か6掛ていどで見てください。 

なおこの数字はなまじ国連の機関(FAO/WFP)が出している数字なので、北朝鮮関連の分析資料には必ずでてきますが、しょせん北朝鮮の自己申告の数字にすぎません。

社会主義計画経済にありがちな、初めに目標値があって、あとから統計数字をおっつけたのでしょうが、統計数字がデタラメでなにが「計画経済」だつうの。まぁいいか。

というわけで到底ありえない数字ですが、生産量推移の傾向はわかります。 

むしろこれでわかるのは、1991年という節目です。 

なにが起きた年でしょうか。歴史的といっていい年ですが、ソ連が崩壊したのです。 

Photo UNDP(国連開発計画)による『朝鮮民主主義人民共和国の農業復興・環境保護に関する円卓会議(Thematic Roundtable Meeting)-農業の基本的発展』(1998年5月)と、FAO (国連食糧農業機構)およびWFP(国連世界食糧計画)による『朝鮮民主主義人民共和国の作物収穫と食糧供給に関する特別報告書』による。  

数字は怪しいですが、ソ連が崩壊するまでとりあえず800万トンを超えた生産高が、もっとも落ちた96年には200万トンと4分の1にまで下落しています。 

これは食料の輸出量にも現れています。 Photo_2

 グ゙ラフ中央でナイアガラ瀑布状態になっている年が、1991年・ソ連崩壊の年です。 

この91年ナイアガラ瀑布現象は、ソ連の衛星国で共通して起きたことです。 

ちなみにキューバもこんなかんじです。ソ連崩壊と同時にドッカーンと吹き飛んでしまい、そのまま停滞してしまったのは北朝鮮と似ています。

Photo_3http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3692

キューバの場合、国際サトウキビ価格より高めの価格でソ連に売り、見返りに石油や穀物を輸入していました。 この差額が支援となります。

国際的物々交換というわけで、バーター貿易と呼びます。 

国際市場価格より高めな差額が支援なわけです。これとまったく同じ構造は北朝鮮も持っており、石油や機械製品、穀物などを安価に提供されていました。 

キューバはソ連崩壊まで、ガチガチのソ連型社会主義統制経済を敷いていたのは、北朝鮮と一緒です。

それが一切なくなったわけです。たちまち、農業機械を動かす石油や化学肥料、資材などが、いやそれを作る工場まで半死半生状態になってしまったわけです。 

実際に東欧圏の共産主義国家は、親亀こけたら皆こけたとばかりにドミノ倒しのようにバタバタと崩壊していきます。

ならば北朝鮮も、それまでに国が自立できる農業の仕組みを作っていればよかったのですが、あいにく「主体農法」という独裁者の思いつきで農業をいじくったために、目もあてられないことになってしまいました。 

この「主体農法」については後述しますが、よくもまぁコンナ馬鹿げたものを考えだしたもんだ、と妙に感心してしまうようなシロモノで、「農法」の名に値いしません。 

そもそも、社会主義農業は、大規模化・集団化がミソであって、それによる効率化がなされるのが前提です。 

つまり大規模化に必須の機械化こそキモなのですが、輸入は途絶するわ、国内の工場は動かないわではどうにもなりません。 

しかしキューバは発想の転換を果たして、有機農業へとシフトします。 

というか石油を使わない農法は有機農業しかなかったからで、特にカストロがエコロジストだったわけではありません。 

しかしこのキューバ農業政策の転換は、国のサイズから言ってもまったく正解でした。有機農業は本来、大規模農法には向いていないのです。

化学肥料が輸入できないなら、その代替に天敵利用やハーブ防虫を利用して害虫を寄せつけない工夫をするには、小規模な畑のサイズのほうが向いているのです。

というわけで、キューバは従来の単作プランテーション栽培を縮小し、小規模に適した有機農法を広めていきます。

キューバについては現地に旅してきましたので、そのうち記事にします。 

なおひとこと付け加えれは、キューバ農業が「100%有機農業で自給自足できている」という人がよくいますが、環境農業研究家の西尾道徳氏が指摘するように「誤った宣伝」にすぎません。http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3692

現実には窒素系化学肥料を国内製造しており、広範に使用しています。

それはさておき北朝鮮は、キューバのような柔軟な転換ができませんでした。

もちろんカストロと金日成という指導者の人間としての資質の差もありますが、北朝鮮にはキューバにはない妄執があったからです。 

それがながなんでも「パンツを履かないでも核兵器保有国なるんだ」という妄執です。 

このパンツ談義は、中国の毛沢東の言った台詞ですが、毛は数千万人の餓死者を出しながらほんとうに原爆を作ってしまいます。 

それをまねしたのが金日成でした。彼は中国の核武装路線をそのまま模倣し、国のリソースのすべてを核兵器につぎ込んでしまったというわけです。 

その結果がいま私たちの眼前に悪夢としてあります。  

 

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伊勢佐木ローズ氏の返信コメント その2

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本日は伊勢佐木氏のリプライの2回目を掲載いたします。
 

頂戴したいくつかのコメントに答えていきます。 

「池田ノビーのワナビーへ」氏へ。 

「伊勢佐木ローズってまた唐突な…。多少コメント欄で他の連中と絡ませてから論考掲載にしないと「自作自演」疑われても仕方ないくらいに不自然でっせ」 

不自然だろうがどうだろうが、いままでコメント欄に来ようと来まいと、内容的掲載に値すれば載せます。ただそれだけです。 

仮にあなたから、私がうなるようなもの頂戴できれば、喜んで載せます。 

私は「自作自演」などをする趣味はありませんし、そもそも今回も伊勢佐木氏に負けないくらい書いてしまっているので、それじゃあ別名にする意味がないじゃないですか。(苦笑) 

再度言っておきますが、伊勢佐木氏は私の別名ではありません。 

桜井氏を「スター」にした媒体側のキャスターだったからといって、それを理由に我那覇氏を批判するのは筋違いです。 

これでは「ニュース女子」で司会をしたが故に、東京新聞において「降格」された長谷川幸洋氏に対する攻撃と一緒ではありませんか。 

金城氏については私は詳しく知りませんが、「その筋」というようなあいまいに匂わせる言い方で批判するあなたの思考様式のほうが問題です。 

「その筋」だろうとなんだろうと、私はその人ときっちり向かい合ってやりとりしたいと思います。 

私は共産党員だろうと在特会だろうと、個人でくるならお受けします。 

我那覇・金城=「その筋」=カルト。Q. E. D(証明終了)というのでは知的頽廃ではありませんか。

先日のコメント欄に多く見られたように、島で政治的意見を表明すること自体憚られる空気があります。

Photohttp://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/1c79feac4f62dc248f85f7619f6ec215

政治的意見を公言できるのは、背後にしっかりした守ってもらえる組織がある場合に限られます。

左翼陣営は強力な組織力を持ちます。県内各地に張りめぐらされた労組や反基地団体、左翼政党などです。

労組は本土では必ずしも左翼イコールではありませんが、島では完全にイコールです。

一方保守の側は唯一、某新興宗教があるのみで、保守的意見は「幸福か統一原理」と、まるでカルトのように言われます。

非常に不幸なことですが、彼らしか保守的意見を言う組織がないためにそうなってしまっています。

それを知ってか知らずか、意見を自由に言える本土の人間が、「その筋」で批判した気になるのはいかがなものでしょうか。

初見さんについてお答えします。 

「日本」の安全保障問題以上に沖縄県民が肉まん頬張るために基地に依存しているとばかり私は思っていました」

この誤解は本土によくある誤解なので、解いておきます。 

「沖縄が肉まんを食べる」というのは振興予算のことでしょうが、「肉まん」を食べるために基地があるのではありません。

そんな簡単な構造ではありません。

日本は安全保障上、沖縄を必要としていますし、米国は世界戦略上、利害を共有しています。

双方の国益で沖縄に基地が長期に固定化されるという事態が生じました。 

米国が沖縄にいる理由は、東アジア有事の備えです。

逆に言えば朝鮮半島と南シナ海、東シナ海で中国が海洋膨張政策を放棄し、かつ朝鮮半島の非核化が進めば、在沖米軍は駐留する意味が希薄になります。 

一方、日本は東アジア有事もさることながら、独力で沖縄本島・宮古・石垣を守る力がありません。

ですから、米軍に今はいてもらわねば困るのです。 

Cimg1590

在沖米軍は、大戦で沖縄を武力支配したままの延長したまま居すわったために、疑似占領軍的性格をもった「島の異物」でした。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-ae80.html

凶悪な米軍犯罪には、彼らの中に占領軍意識が残っていると批判されても仕方がないものもあったことは事実です。
関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-8595.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-9e07.html

私は、沖縄から米軍基地を縮小を促進していくべきだと考えていますし、いまの辺野古、高江などは「新基地」ではなく逆にその負担軽減策の一環だと思っています。 

振興予算が自立を蝕ばむ依存体質を持ち始めているのは、残念な事実です。

しかしそれも「拒否せよ」というのは簡単ですが、その代替案を具体化しつつ切っていかねば、いまの北部振興予算を「拒否」して、名護経済を干上がらせた稲嶺名護市長と一緒になります。

来年の知事選にむけて振興予算も焦点のひとつになるでしょうが、具体的に経済ビジョンをもって自立化に進まねば「翁長なき翁長体制」になるかもしれないと危惧しています。 

次にこうも書いておられます。

「(「ニュース女子」が)おおよそ沖縄県外の人間が基地反対運動に参加している実態を糾弾したいという趣旨でしょう。しかし、それを主張すると基地問題は”沖縄県民”が決めるべき事、という逆説が成立してしまうが、基地賛成派の皆さんはそれでいいのかな?」 

原則は沖縄県民の意見がもっとも尊重されるべきだと思っています。さらに限定していえば受け入れる当該地域・集落の意見がもっとも尊重されるべきです。

その意味では、辺野古住民の多くは容認ですし、高江も「いた仕方かない」という立場で反対派はひと握りでした。

Photo_5

しかし大量の県外者、はては外国人までが現地を我が物顔で占拠し、デモ・座り込み、自動車による県道封鎖、果てはしばき隊などの暴力分子の導入といった事態まで発展してしまいました。
関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-c44c.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-c27b.html

いくらなんでもそれはいきすぎだろう、というのが私の意見です。

「ニュース女子」が問題視したのは、在日外国人が資金提供してまで高江に組織動員をかけたことに対しての異議申し立てであって、まったく正当な批判だと思っています。

ただし、ひとことお断りしますが、保守陣営の一部にある「北朝鮮・中国による赤化拠点の沖縄」という言い方は大げさに過ぎます。

現時点では彼らの姿は見え隠れしていますし、北朝鮮を崇拝する(!)主体研究会も活動していますが、その実態は未だ解明されていません。 

それと言葉尻を捉えるようですが、沖縄で「基地賛成派」、あるいは移転推進派などほとんどいません。

その理由がわかるから、あるいはあきらめて「容認」しているにすぎません。私ですらそうです。

賛成-反対で分けられるほど単純ではないのです。

前置きのはずの私の記事が長くなりました。 

今回は中断してしまった伊勢佐木ローズ氏のリプライの2回目です。 

                        ~~~~~~~~~ 

伊勢佐木ローズ氏の返信コメント その2 

2.自由民主主義について
私は今回の投稿で、「自由民主主義」を尊重する立場だと申し上げました。その上で、
真子さんが傾いている「復古的な右翼思想」に疑問を呈しました。

率直に申し上げて、自由民主主義を「保守」と呼ぶのが適切かどうかわかりません。
 

自由民主主義はかつて「リベラル」と呼ばれていたからです。

現在のリベラルは「左翼嫌いの左翼」または「人権や環境を過剰に強調する被害者原理主義」のことを指し
ていますが、かつては自由な言論を保障しつつ、民主主義によって最大多数の最大幸
福を追求する自由民主主義はリベラルに含まれていたと思います。

主要メディアや識者は、現代を「右傾化社会」と批判しますが、私はそれは間違いだと思っています。

どちらかといえば「左傾化社会」になっているために、自由民主主義は、保守どころ
か「右翼」に括られているのだと思います。

自由民主主義的な考え方は戦前にもありましたが、やはり敗戦と日本国憲法によって
定着したものだと思っています。

そして、それが戦後の大切な出発点だとも考えています。

「戦後レジームの見直し」の趣旨には基本的に賛成ですが、この自由民主主義という出発点は否定してほしくないと思います。

このようなかたちで戦後を出発した日本という国家の主な仕事は、国民の命と健康と財産を守り、個人の自由を最大限保障することだと考えています。

しかし、個人や集団の利害は往往にして対立します。

そうした対立を調停するシステムが民主主義であり、民主的に制度化された司法制度
だと思います。

民主主義は、特定の個人や集団の自由を制約することもありますが、それは国民全体の自由を守るためのやむをえざる「対価」です。

その対価を最小限に食い止めるために何が必要か考えつづけるのが私たちの宿命です。

私は、国旗も国歌も尊重すべきだと思いますし、自衛隊も憲法で認められるべき存在
だと思います。

けれども、自国民や自民族の絶対的優位を主張する選民思想的なナショナリズムや「進め一億火の玉だ」といった全体主義は、自由主義も民主主義も壊すことになると思いますから、反対したいと思います。

真子さんに私のこの考え方を押しつけたいとまで思っていませんが、私の考え方は、
日本国民の大多数が共有している考え方に近いと思っています。

真子さんにとって「肉まん」はたんなる比喩以上のものではないのかもしれませんが、「肉まんを頬ばる自由」を守るために国家があり、国防があり、外交があり、安全保障があると私は考えています。

「肉まんを頬ばる自由」を奪い取る国家であってはならない、ということです。このポイントについて、これ以上詳しく語るつもりはありませんが、私の意図はぜひご理解頂きたいと存じます。


他にも論点はあると思いますが、コメントを下さった方々の大半が、私以上に事態を
正しく理解されていると感じました。

このブログでは、非常にバランスのとれた議論が展開されていて、とても安心しました。

「リベラル」や「左翼」を自称して、自分たちの考え方が唯一絶対であるかのように主張する方々にはない「自由」と「知性」を感じました。重ねて御礼申し上げます。 

異論はあっても理解する。そうした姿勢の積み重ねが私たちの国や社会をより豊かにしていくと思います。

真子さんにも、私たちのこうした思いが届くことを心から願っています。

                                               (了)

 

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北朝鮮弾道ミサイル発射成功 ICBMの前段階実験か?

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本日は伊勢佐木氏のリプライの予定でしたが、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したという緊急事態のためにそちらを優先します。伊勢佐木氏論考は明日に掲載いたしますのでご了承下さい。

技術的解説が煩雑な方は、記事中断の「技術的まとめ」から先にご覧ください。

今回は爆発せずに、ウラジオストック近くの日本海に着弾しています。


(CNN) 米政府当局者は14日、北朝鮮が同日未明に発射した弾道ミサイル1発は北朝鮮の北方に位置するロシアのウラジオストク地域から南へ60マイル(約97キロ)離れた海域に着弾した可能性があることを明らかにした。
CNNの取材に述べた。ウラジオストクにはロシア軍の太平洋艦隊の司令部がある。
北朝鮮が今回のミサイルに設定していた弾道の詳細は不明。米当局は、関連データを詳しく分析し、ミサイルの種類などの特定に努めている」(CNN5月15日)

Photohttps://www.cnn.co.jp/world/35101118.html

北朝鮮はこのように発表しました。

「ソウル 15日 ロイター 北朝鮮は15日、金正恩朝鮮労働党委員長による監督の下、14日に中長距離ミサイルの試験発射を実施し、成功したと発表した。ミサイル発射は「大型核弾頭」搭載能力を確認することが目的だったとした。
国営の朝鮮中央通信社(KCNA)によると、金委員長は米国に対し、本土が
北朝鮮の「攻撃の射程内」にあることを忘れてはならないと警告した。
KCNAによれば、周辺国の安全保障に影響しないよう、発射は最も高い角度で行われ、飛行距離は787キロメートル、高度は2111.5キロメートルに達した」(ロイター5月15日)
http://jp.reuters.com/article/idJPT9N1FZ005 

今回は新型の「火星12」と称しているようです。 

これはスカッド系「ノドン」準中距離ミサイル(MRBM)の改良型のようです。このミサイルは移動式発射台(TEL)に乗せて、どこからでも発射可能です。 

またその公表された赤い噴煙から、固体燃料ではなく液体燃料のようです。
ノドン - Wikipedia

Photo_5北朝鮮の労働新聞が15日掲載した、新型の中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験の写真(共同)産経5月15日より引用

Photo北朝鮮の労働新聞が15日掲載した、新型の中長距離弾道ミサイル「火星12」と、金正恩朝鮮労働党委員長(中央)の写真(共同)産経5月15日より引用

下図の左端が「火星」です。技術自体は旧ソ連の開発した1990年代の「枯れた技術」を、北朝鮮流にいじりまわしたもののようです。

Missiles北朝鮮が保有するミサイルの飛距離(キロ)。左から「火星」、「北極星」、ノドン、ムスダン(以上、開発済み)。さらに開発中のKN14、KN08(資料・米ジェイムズ・マーティン不拡散研究センター) http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39703046

西泰之・静岡県立大学グローバル地域センター特任助教はこのミサイルが太陽節軍事パレードに登場したものと同一なことから、2段め切り離し実験である可能性を指摘します。

5月14日の弾道ミサイル発射のもう一つの可能性は、ICBMの第1段の試射である。2段以上のロケットを開発中、第2段に推進剤を入れないで打ち上げ、第1段の推進機能、第2段の分離機能、計測・通信機能だけをテストすることは、過去の外国の例でも少なくない。(略)
北朝鮮が5月14日に発射したミサイルがIRBMだったのか、それともICBMの第1段だったのかは、上昇中に物体の切り離しが観測されたかどうかの情報を待つほかないが、北朝鮮は着実にICBM保有への歩みを進めている」
(「NEWSを疑え」第584号 5月15日特別号より引用 下写真2枚も同じ)

Photo_2中距離弾道ミサイル・ムスダン延長型

Photo_4中距離弾道ミサイル・ムスダン延長型の前部

西氏の指摘どおりならば、これはICBMの前段階実験であることになります。

さて今回問題となるのは、その対空時間の長さで、30分と発表されています。 

97㎞飛んで30分というのはロフテッド軌道といって、高い高度に打ち上げて着弾させる技術を用いたものだと推測されています。ロフテッドとは「高く上げる」ていどの意味です。
https://twitter.com/Kosmograd_Info?lang=ja

「14日に新型の中・長距離弾道ミサイル「火星12」の発射試験に成功したと発表した。最大到達高度は2111.5km、飛距離は787kmで、新開発のエンジンや再突入システムの試験を行った」(北朝鮮・朝鮮中央通信)

ロシアの早期警戒衛星Cosmos-2510がオホーツク上空にいて、補足に成功したようです。

Photo_3ロシア早期警戒衛星Cosmos-2510

「政府は北朝鮮が14日に発射した弾道ミサイルを新型とみて分析を進めている。焦点は最大射程だ。今回は通常より高い角度で打ち上げ、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」での発射とみられ、最も距離の出る角度で撃てば米国の一部が射程に入る可能性がある。北朝鮮のミサイル技術は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「一歩手前まで来た」(自衛隊幹部)との見方が強まっている。
北朝鮮の弾道ミサイル発射。推定射程が4000㎞とされ、グアムが射程に入る。分析が進むが、大気圏再突入時の弾頭部の耐熱性が担保され実用化したと見れば、アメリカは次の対応を考えると予想される。北朝鮮によるさらなるミサイル発射にも警戒が必要だ。夕方上京し、専門家と意見交換を行う予定だ」(産経5月15日)
 

Photo_2North Korea’s Missile in New Test Would Have 4,500 km
http://allthingsnuclear.org/dwright/north-koreas-missile-in-new-test-would-have-4500-km-range#.WRezhYCzFmM.twitter

ロフテッド軌道で発射されると上図のように、極めて高い高度からほぼ垂直に着弾するために迎撃が困難になります。

また通常の軌道で発射した場合射距離が伸びて、グアムに充分到達すると考えられます。 

今回はサイバー攻撃は失敗しました。弾種などの条件により当たりハズレがあるようで、均等に破壊できるわけではなさそうです。

■技術的まとめ
①発射されたのは準中距離弾道ミサイル「火星12」である。
②移動式発射台から発射された。
③液体燃料方式である。
④ロフテッド軌道で高度2000㎞、通常発射の場合約5000㎞で、中国大陸全土、グアムを射程範囲とする。
⑤ICBM技術のための2段目切り離し実験の可能性がある。
⑥ロシア早期警戒衛星が捕捉した。
⑦サイバー攻撃は今回は失敗した。

さてこの北朝鮮の弾道ミサイル発射の政治的意味を考えていきましょう。

正恩にとって大変にすっきりと政治=軍事です。大きな意味では世界各国同じですか、これほどシンプルに軍事行動が政治的デモンストレーションである国は稀です。

習とプーチン会談があった、「一帯一路」会議翌日にわざわざぶつけてきました。これはもちろんその日を狙ったのです。

北朝鮮は去る5月4日に肩書なし論文で中国の圧力に対して名指しで批判しました。

「北朝鮮が中国を名指しで批判した。国営メディアの朝鮮中央通信が伝えた。肩書のない個人名の論評を3日付で発表する形をとった。北朝鮮が中国を直接批判することは極めて異例。論評は、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、中国が米国と歩調を合わせることに強い不快感を示した」(朝日5月4日)

共産国家のコメントにはグレードがあるそうで、最上級は完全な無署名・無肩書で、これは国家の公式意志です。

それに準じるのが今回の肩書なし論文です。

つまり、北朝鮮は公式に中国を名指しで威嚇したことになります。今回はそれを具体的に軍事力の形で表現したわけです。

習は、今年最大の外交イベントと位置づけた「一帯一路」会議の主催者として、正面から顔にパイを投げつけられた形になりました。

また14日には習-プーチン会談がされており、それを狙ったものだとされています。

今回の着弾地点は、前回の在日米軍基地を狙ったものとは方角がズレて、ロシア太平洋艦隊の母港の眼前に落としています。おそらく意識的にその場所に落したのです。

これはロシアに対しても、米中と協力して制裁に乗り出せば許さないぞ、という政治的表現と考えられますが、それに対するプーチンの反応です。

「プーチン氏は「核クラブの拡大に断固反対する」と語り、北朝鮮の核ミサイル開発を認めない立場を示した。一方で北朝鮮に圧力をかけることは軍拡競争につながると指摘。
「北朝鮮との対話に戻る必要がある。北朝鮮を脅すことをやめ、平和的解決を探らなければならない」と語り、圧力を強める米国などをけん制した」
(時事5月15日)

ロシアは事実上北朝鮮唯一の延命パイプと成りかかっていますが、どのような判断に出るのかわかりません。 

常識的には、欧州正面戦線であるウクライナ、中東で唯一の足掛かりであるシリアの上に、さらに極東でも緊張を高めるのはそうとうに困難です。

その上に、原油価格が50ドルを切って外資が払底しつつある現状では、介入は難しいように思えますが、なにぶん経済合理性を無視することの多いプーチン氏のことですからわかりません。 

一方でトランプ大統領にとっては、「神風」と考えそうです。 

これを転機と判断して、コミーFBI長官解任疑惑事件を吹き飛ばせると政局的に判断する可能性もあります。 

トランプにとってロシアが安保理で反対に回ればむしろ嬉しいはずで、「これがロシアとはなにもなかった証拠だ」と胸を張れる上に、北朝鮮を一気に追い詰めるきっかけに成り得るからです。 

あ、忘れちゃいけない。韓国の新大統領となったムン・ジェインは、さっそく正恩からテストされたことになります。

ムンが政権ナンバー2の秘書室長として仕えたノ・ムヒョン政権は、防衛情報が北にダダ漏れだったのは有名です。

たぶん、正恩は韓国軍のみならず在韓米軍の情報が、どのていどの速度でピョンヤンに伝わるか試したことでしょう。

いきなり抜き打ちテストされたムンは、さぞびびったことでしょうね。

ロナルド・レーガンの定期整備と公試が終了しました。昨日4時、横須賀を出港し、北朝鮮作戦海域に向かただろうと見られています。

正恩が田植え戦闘の開始の代わりに打ち上げたミサイルのために、いったん消えかかった軍事オプションの警告灯が:再び灯りました。

                       ~~~~

訂正をひとつ。

弾道ミサイルにVXやサリンのような化学兵器を積めないという韓国情報を報じましたが、どうやら間違いのようです。
※謝辞 JSF「よく分かる軍事情報解説」https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt 

ミサイル用クラスター化学弾頭M190という化学兵器用弾頭が実在しているようで、弾頭内部にはサリンが詰まったM139子弾が入っています。 

2クラスター化学弾頭M190 

下図は子弾がはじけてサリン弾を広範囲に着弾させている想像図です。 

Photo_4
仮に北朝鮮が核兵器の小型化に成功していなくても、化学兵器を保有しているのは金正男暗殺事件であきらかですので、大変にイヤなことになりました。 

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伊勢佐木ローズ氏の返信コメント その1

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北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。これで一気に状況が混沌としてきました。それについては別途記事にします。 

伊勢佐木ローズ氏から、皆さまの投稿に対する返信コメントを頂戴しました。 

長文ですので、2回分載の記事枠で掲載させていただきます。 

コメントを寄せられた皆さま、そして伊勢佐木氏に感謝いたします。 

                  ~~~~~~~~

                                        伊勢佐木ローズ 

今回の私の拙い投稿で、ブログ主様もコメントを寄せられる方々も、つねに質の高い
議論を心がけておられることが、あらためてよくわかりました。
 

皆様のご意見、ご指摘に深謝致します。

お一人お一人に返信を差し上げるべきところですが、話が散漫になってしまう恐れがありますので、論点を「我那覇真子さんの活動」と「自由民主主義」に整理した上でまとめて返信させていただきます。失礼をお許し下さい。

1.我那覇真子さんの活動について
真子さんの活動には、私も共感を抱いてきました。だからこそ、最近の「脱線」が大
いに気になっているのです。

真子さんがおじいさま、お父上の影響下に活動を始められ、現在もお父上のお考えを
何よりも尊重しながら発言されていることは承知しています。
 

だからといって、彼女がたんなる「操り人形」だとは思いません。真子さんという個性的な演者がいなければ、お父上のお考えも埋もれるだけだったでしょう。

逆にいえば、真子さんにも、運動の先頭に立つリーダーとしての強い自覚がもっと必
要だということになります。
 

政治的な理念や思想への真子さんの理解、政治・社会・経済の現状に対する真子さんの認識などは、まだ発展途上だとお察ししますので、不足する点は補って頂きながら、今後も活動を続けて頂きたいと願っています。

私がいちばん懸念するのは、真子さんが初心を忘れることだと思います。
 

真子さんは沖縄県民の声なき声を体現する方だと思います。 

私たちは、沖縄という足元をしっかり見つめながら、日本全国や世界に向けて発信していく彼女の姿に感銘を受けたのです。 

在日問題や慰安婦問題を取り組みの主題にしてしまうと、沖縄の抱える問題が霞んでしまいます。 

真子さんには在日や慰安婦を語る資格がない、といっているのではありませんが、こうした問題を主題とするには、直感力だけでなく、問題の背景や現状を知る努力と想像力が必要です。 

真子さんの発言は、あくまで「直感」に留まっているように見えます。在日にも慰安婦にも、沖縄の基地問題とはまた異なる根の深さと広がりがあります。そのことをまず認識して頂きたいと願っているのです。

横須賀ヨーコさんは厳しいご意見を書きこまれましたが、かなり本質的なところを突いていると思います。
 

小林よしのりさんによって「全体主義の島」と批判された沖縄の同調圧力は、真子さんなどの活動でかなり知られるようになってきました。 

真子さんは「自分たちの活動を次の段階に進めなければならない」とお考えの上で、在日や慰安婦を持ちだしたのかもしれませんが、あくまで同調圧力の現状が知らるようになっ
ただけであって、同調圧力が弱まったわけではありません。
 

今、知事選があっても翁長さんがまた当選する可能性は高いと思います。一人でも多くの県民が「同調圧力」を跳ね返す行動に出なければいけないのに、それぞれの地域や職場で声を挙げる人は稀です。 

「真子さんさえいれば闘える」「真子さんを先頭に立てていれば安心」というものではありません。

来たるべき選挙はもちろん大事ですが、日常の暮らしのなかに、個人個人が政治的な
意思を表明する場を地道につくっていかなければ、自由と民主主義はなかなか守れま
せん。

そこで思い起こすのは金城テルさんの活動です。
 

テルさんは、市長時代の翁長さんの
施策に疑問を持ち、義憤に駆られて龍柱建造問題と孔子廟移設問題に取り組み、孔子
廟移設問題では那覇市を相手に裁判で闘っています。
 

6月15日に福岡高裁那覇支部(多見谷裁判長)の判決が予定されていますが、公有地を無償で久米崇聖会(孔子廟の運営団体)に貸与した那覇市の行政行為を不当として訴えたこの裁判は、「政治と宗教の分離」を争う憲法裁判(日本国憲法第20条および第89条違反)の性格を帯びつつあります。

真子さんもテルさんの活動にはエールを送っていますが、事実上、テルさんと大阪の徳永信一弁護士が原告として孤軍奮闘しています。
 

テルさんのような活動を皆で支えることこそ、基地問題をめぐる偏った言論を是正する力となり、沖縄の政治と社会経済の改善につながると思いますが、「正す会」としての応援は限られているようで、そのことがとても残念です。 

沖縄にも、組織的な言論封殺や社会的不正と闘おうという志を持った方は何人もいらっしゃると思います。そうした方々に勇気と刺激をもたらし、背中を押すような活動が真子さんに求められていると思います。

コメント欄にはまた、真子さんとSEALDs(シールズ)を比較しながら語る方々もいらっしゃいました。
 

SEALDsは、「自由と民主主義を守るための運動」を自称していた団体です。私は、若者たちがSEALDsのような活動をすること自体に違和感を抱いたことはありません。

むしろこうした団体が出てくるのは、少し遅すぎたぐらいだと思いました。

正直にいいますと、彼らにはまったく期待しませんでした。が、若者たちが政治や社会のことを考えるきっかけになれば、それでいいと思っていました。
 

ただ、その活動方針を読むと、(古くさい言い方ですが)「進歩的知識人」の敷いたレールの上を走っているだけ、という印象でした。 

最初の一歩から、新鮮さはまるでありませんでした。

ところが、朝日、毎日、東京などの「おやじメディア」と「おやじメディアで活躍する識者」は、SEALDsを熱心に応援しました。
 

その現象を見て、「溺れる者は藁をもつかむ」という喩えを想いだしましたが、結局はたんなるパフォーマンスで終わりました。SEALDsは何の遺産も遺さなかったと思います。

私は、真子さんの活動のほうが、SEALDsより意義深いと思っていますが、真子さんという「ジャンヌ・ダルク」に依存しすぎる現状には懸念を抱いています。
 

守備範囲を広げようとする真子さんの最近の言動にも不安を感じます。もう一度初心に戻って、
沖縄の問題に専心して頂きたいと切に願うばかりです。
 

                                                (続く)

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日曜写真館 クレマチスの重なり

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