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2019年7月19日 (金)

新聞、世論調査で信頼度最下位に転落する

参院選の投開票日を前に、「日本の課題を考える特定非営利活動法人言論NPO」が世論調査結果を発表しています。
民主主義に関する世論調査結果

今回の調査テーマについて言論NPOはこのように述べています。

「日本の将来を悲観視している日本国民は半数近くになっており、政党に日本が直面する課題の解決を期待できないと考えている人は55.2%と半数を超えている。 こうした政治不信の傾向は20代、30代の若い現役世代に特に目立っており、参議院選選挙の投開票にも影響を与えそうだ。
この世論調査は言論NPOが今年5月から6月にかけて全国の18歳以上を対象に訪問留置回収法で行ったもので、有効な標本は1000人である。
この調査は、言論NPOが、現状の民主主義の傾向を把握するために世界のシンクタンクとも連携して行ったもので、今年で3回目となる。世界の多くの国で民主主義が試練に直面する中で、それに対する国民の意識を把握する、ことに目的がある。」

有効な調査標本は1000人ですから、テレビでよくお目にかかる30人ていどに街頭で聞きましたという屁のようなものに較べれば本格的調査と言えます。
方式は訪問・留置・回収だそうです。これもまぁ妥当かな。
またよく新聞がしている設置電話方式は、昼間から若い人は家にいませんから、必然的に回答する階層は定年退職後の高齢層か、専業主婦に限られてしまいます。
これでは若年層の意識動向はつかめません。
ですから、アンケート用紙を置いて回収するというのは、よい調査方法だと考えられます。

さて、言論NPOは「政治不信が若年層で高くなっている」という仮設を立てて調査していますが、衝撃的な回答が出ました。
それは「日本のどの機関を信用しているのか」という設問に対してです。

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出典 言論NPO https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20190717-00134578/

グラフがややわかりにくいので、結果を抽出しておきます。

●「信頼できる機関」上位
・天皇・皇室・・・87%
・自衛隊    ・・・77%、
・警察       ・・・72%、

●「信頼できない機関」上位
・政党     ・・・・22%
・国会      ・・・29%
・メディア   ・・・32%

特に言論NPOは、若年層においてこの傾向が明瞭になっているとしています。

「こうした傾向を年代別で見ると特に20代に顕著であり、20代で「政党」を信頼できると回答したのは10.9%、国会は13.4%、政府は21%と2割程度以下しかない」(言論NPO前掲)

今回改めて驚かされたのが、メディアに対しての強烈な不信感の存在です

●「とても信頼している機関」下位
・宗教団体・組織・・・0.9%
・メディア          ・・・0.8%

なんとまぁお気の毒にも、メディアは信頼出来る機関の最下位、信頼できない機関でトップを取ってしまいました。(苦笑)
私は常々最低最悪のメイドインジャパンの日本メディアと言ってきたので、調査で裏付けられたかっこうです。

これは朝日などの新聞媒体の急激な没落にも現れています。

「新聞の衰退はかねてから指摘されてきたが、「読売:1000万部、朝日:800万部」の時代は幕を閉じ、なおも没落の一途をたどっている。その背景には、インターネットの普及や新聞に対する信頼感の喪失などがあるようだ。
長期的なスパンで見ても、新聞没落の傾向は変わらない。ここ4年間における新聞部数の推移を示したのが次の表である。坂道を転げ落ちるような深刻な部数減がある」(Business Journal2016年10月25日)

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Business Journal

上図の赤線が朝日ですが、2016年までの4年間で105万部、率にして13.8%急落させ、特に2014年8月の慰安婦報道の謝罪を受けて2015年の急降下しています。
東京新聞は約47万部なので、4年間で東京2社分が吹っ飛んだことになります。

目を覆わんばかりの没落ぶりですが、それはかつての慰安婦謝罪の時に第三者委員会が指摘したような「角度をつけた記事が多すぎる」悪癖が、事件以降もいっかな修正されるどころか、むしろいっそうひどくなっているからです。

たとえば、一例として昨日の朝日の論説を見てみましょう。例によって例の調子で首相をくさしていますが、批判は自由ですが、違法行為まで推奨してしまっています。
朝日は首相が演説場所を公表していなことについて狭量だといいたいようです。公表しないのではなく、できないのです。
ひとつは内外の事態に日常的に対処しているためで、自民党の他の幹部とは忙しさが桁違いなためだくらい、あんたの所の番者にきいて見なさいって。
また不特定多数が多く集まる選挙会場がテロを仕掛けるにはうってつけだから、警備上の都合で伏せているのです。
「政権党の度量」とは無関係です。

「(社説)参院選 首相の遊説 政権党の度量はどこに

(略) 念頭にあるのは、2017年夏の東京都議選最終日、秋葉原での街頭演説だろう。聴衆の一部から「辞めろ」コールを浴びた首相が、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言い返し、自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された。
 自民党はこの年秋の衆院選で、首相日程の一部を非公表とした。昨年の党総裁選最後の秋葉原での演説では、公共のスペースであるにもかかわらず、党関係者が一部を区切って、支援者以外を遠ざけようとした。「ステルス遊説」とも皮肉られる今回の参院選対応は、その延長線上にある。
 誰でも耳を傾けることができる街頭での演説は、広く有権者に政見を訴えることに意義がある。支援者しか眼中にないような首相の内向きな姿勢は、現に政権を預かる政治指導者の振るまいとして、著しく度量を欠くものだ」(朝日7月17日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14099247.html

なに言ってんだか。
朝日は北海道などで、首相演説を計画的に妨害しようとした者を警察が排除したことが気にくわないようですが、朝日さん選挙演説を組織的に妨害するのは完全な違法行為なのですよ。
たぶんアベを叩くためならなんでもやってもかまわないと思っているらしい朝日はこの公職選挙法をご存じないようです。

選挙の自由妨害罪
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。
選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

大阪高裁の判例もでています。

●大阪高等裁判所 公職選挙法違反 昭和29年11月29日
「一般聴衆がその演説内容を聴き取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或は質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如きは公職選挙法第二百二十五条第二号に該当する」 

また最高裁判例は、選挙演説を聞き取れなくするような野次は「選挙妨害」であって違法行為に相当するとしています。

●最高裁判例昭和23(れ)1324
一 假りに所論のように演説自體が繼續せられたとしても、舉示の証據によつて明らかなように、聽衆がこれを聽き取ることを不可能又は困難ならしめるような所爲があつた以上、これはやはり演説の妨害である。

しかもこの2017年秋葉原選挙妨害事件における野次なるものは、ついはずみで「馬鹿いってんじゃないよ」なんて叫んでしまったものではなく、事前に計画され動員をかけられた者たちが、意図的に首相演説を潰す目的でなされたものです。
この日の秋葉原では、テレビを意識して巨大な横断幕が用意され、一斉に「アベカエレー」など言ったコールをすることで、聴衆を威圧し、演説を聞かせないように企みました。
事前にこの妨害を計画した集団はマスコミに情報を流していたようで、あの詐欺容疑者の籠池夫婦までもがTBSに連れられて声をはりあげていましたっけね。ああ、見苦しい。

ちなみにこれを実行したのは、しばき隊と称する反ヘイトを標榜するやさぐれ集団です。

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出典不明

そしてこれに対して朝日などのメディアは、安倍氏が「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対しない。相手を誹謗中傷したって何も生まれない。こんな人達に私達は敗ける訳にはいかない」と言ったことを「厳しい世論に耳を貸さない」とすり替えます。
首相が「負けるわけにはいかない」と言ったのは、あくまでもこのような違法行為を組織的にするような輩に対して言ったのは誰にでもわかりそうなものですが、燃料を欲しがったメディアはあさましく飛びつきました。

いまでも朝日はこれを「(一般国民の)厳しい批判に向き合わない」(朝日社説)と批判しますが、公職選挙法違反を公然と繰り返す連中を容認してしまっているのですから、朝日は憎いアベを叩けりゃなんでもいいようです。
ひょっとして今回の参院選でも、第2の秋葉原事件が起きることを心待ちにしているのかもしれません。

選挙終盤は中間層で決まると言われています。
政党支持が定まらない無党派層がこんな「アベヤメロー」のような下卑た野次軍団を快く見るかどうか、少し冷静になればわかりそうなものです。
朝日は老舗の言論機関として、まずはこんな野次を飛ばす連中をたしなめてから、安倍批判をしたらいいのです。
それを彼らに対しては「報道してい自由」しておきながら、むしろ被害者側である安倍氏を「世論には向き合わない」と切って捨てる、これでは「角度」がつきすぎるというものです。

私は新聞という業態自体が終焉に近づいていると思っています。
紙媒体で育った私のような世代としては寂しさも一抹ありますが、デジタル化の流れはとめどようもない勢いです。
多くの新聞は、米国においてすら廃刊か、デジタル化で凌いでいるありさまです。

知識を仕入れるには、百科事典の代替にウィキペディアが一般化したように、いまや紙媒体の新聞自体を若年層が読むことはまずないでしょう。
そのうえに一部の過激勢力をけしかけているようなバイアス報道ばかりでは見向きもされなくて当たり前です。

、※改題しました。

 

2019年7月18日 (木)

GSOMIAを弄ぶな

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8月18日に迫っているGSOMIA(ジーソミア・日韓軍事情報包括保護協定)について、日本政府は自動延長の方針を固めたようです。

「河野太郎外相は17日までに、8月に更新期限を迎える日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「両国関係は非常に難しい状況に置かれているが、北朝鮮問題をはじめ協力すべき課題は引き続き韓国と協力する」と述べ、更新すべきだとの考えを示した」(産経7月17日)

な~んだと言わないこと。安全保障上の条約は交渉カードにしてはいけないのです。
なぜなら安全保障は国の最も深い部分にある基層で、いわば最重要の公共インフラのようなものだからです。
ここが揺らぐと経済は一気に不安定化し、それに連れて社会も大揺れしていきます。

たとえばそうですね、かつてわが国の政府中枢が異星人に乗っ取られていた時期がありましたが、その時になにが起きたでしょうか。
国のコクピットに座ったエイリアンたちがやったことは、米軍基地に関する日米合意を廃棄することでした。

米国も移転なんかしたくないのに、申し出た日本側がそれを勝手に変更するなんて、あってはならない背信行為です。
いくら「トラスト・ミー」なんて寝言を言っても、米国の日本への不信感はマックスになりました。

ですから、この時期米国は尖閣がらみで中国において大規模な反日デモが起きようと、へーなるほどと言うかんじでで冷やかにながめていたものです。
背信行為をするような奴には、こちらの情報も手渡さないし、ましてやいざという時に手助けしてやるのも止めよう、ということです。
ですから、この異星人支配の期間、防衛省は米国からの重要な軍師情報を干されていたそうです。

また、日米関係だけではなく、副産物として沖縄の政治状況は一気に流動化し、本土政府と県の間に深い溝を作ってしまいました。
この溝はいまだ修復されず、固定化される気配すらあります。

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日韓GSOMIA締結式  出典不明

それが分かっていない約1国います。
たとえばこんな風に韓国は考えているそうで、毎度のことながら呆れます。

「青瓦台(チョンワデ、大統領府)の雰囲気はGSOMIAを今すぐではないにしろ「検討可能な」対日カードとして見ている。一応のところ、GSOMIAが韓国の安保必要性というよりは日米の必要のために締結されたという認識が根底にある。
与党高位関係者は「対日交渉カードかどうかというのは、現時点で敏感な問題なので簡単に話はできないが、締結過程で我々の必要よりは日米の必要のほうが大きかった点は念頭に置いておくに値する」と話した。
匿名を求めた青瓦台関係者も「『GSOMIAを揺さぶらないでほしい』という米国の反応は通常のものであり、特別な意味が置いたものではない」とし「ただし、交渉戦略は見えないところにある時こそ価値が大きい。目前の交渉カードではない」と話した。GSOMIAを米国を動かすテコとして見る向きもある。与党のある要人は「GSOMIAの核心は韓米日の三角情報共有だ。GSOMIAへの言及が多くなるほど米国が神経を尖らせることになる」と話した」(中央日報7月16日)
ttps://japanese.joins.com/article/554/255554.html

 これは韓国政府が米国政府要人と会談した時に、こう言われたからのようです。

「米国政府が、経済葛藤によって韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が揺らいではいけないと、事実上、韓日両国に警告した。
15日、韓国外交部高位当局者によると、日本の経済報復措置対応のために先週米国を訪問した外交部代表団に、米政府関係者は「GSOMIAが揺らぐようなことがないようにしてほしい」と明らかにした。関係者は「経済分野の葛藤によって、いかなる場合にも安保分野が交差汚染(クロスコンタミネーション、cross contamination)になってはいけない」と話したと、この当局者は伝えた」(中央日報前掲)

ホント分かりやすい国だなぁ(苦笑)。
ご承知のように、米韓国は日本が余りにプリンシパルな対応を開始したので、困った時の米国頼みとばかりに泣きついたのですが、要人からはことごとく仲介に入る意志はないと断られました。
そりゃそうで、米国は同盟国間の紛争には中立を取りますし、更に腹の中では米国の国益を棄損するサムスンなんか潰してしまって欲しい部門だけインテルが吸収してしまえばいいのだ、くらいに考えているからです。

その中で米国が韓国政府に釘を刺したのが、この「GSOMIA を弄ぶな」という一言だったようです。

少し説明しておきます。
日韓は、米国をかすがいにしてかろうじて協力し合う格好になっています。
今、まがいなりとも犬猿の仲の日韓が協力しあえるのは、共通の脅威である北朝鮮が、驚くほど急な核武装化をなしとげたからです。

その最大の理由は、弾道ミサイルという日米韓国共通の脅威が誕生したからです。
北の主力の中距離弾道ミサイルであるノドン・ムスダンの射程範囲には、韓国はもちろん日本全域、グアムまでが射程に入っています。

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韓国は「GSOMIAが韓国の安保必要性というよりは日米の必要のために締結された」という被害妄想があるようですが、とんでもないひがみです。
韓国が北に侵攻されようと日本はお気の毒様ていどのことは言うでしょうが、それ以上は在日米軍に協力するていどのことしかできません。(ほんとうにキレたら、在日米軍基地を朝鮮有事に使用させないことも可能ですが)
一方韓国にとっても、日本に工作船が侵入しようテロを実行しようと、ぶっちゃけどうでもいいことです。
しかしこと弾道ミサイルに関しては、どちらの頭の上にも等しく降ってくるさとが、決定的に今までと違ったのです。
だから、日韓は共通の脅威として認識し、それについては情報を共有しようとしたわけです。これがGSOMIAです。

具体的に見てみましょう。
下図(出典・オブィエクト)は
2012年12月12日の日米韓のイージス艦の配置図です。
http://obiekt.seesaa.net/article/354712832.html

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北との海上の境界線ぎりぎりにまで韓国海軍イージス艦がへばりついています。
この位置には、米海軍ですら侵入することは戦争の口実を与えることになりかねないという政治的理由でできませんし、日本の海自はもっとダメです。
したがって、米海軍や海自のイージスより、いち早く弾道ミサイルを補足できるといいます。
実際に、2012年4月に北朝鮮西岸から弾道ミサイルが発射され、打ち上げ後に空中分解した事件がありましたが、この時、韓国のイージス艦は黄海に展開しており、発射された弾道ミサイルの発射を探知しました。
しかし海自イージス艦は日本海と沖縄周辺海域に待機していたため探知できず、弾道ミサイル発射情報に関して日本政府の発表が数時間遅れることになったのです。
この時点で、海自イージスと韓国イージスがデーターリンクで結ばれ、リアルタイムで情報を共有できていれば、そのようなことにはならなかったでしょう。

もちろん、その時その時で日米韓三国のイージス艦野配置は違いますが、韓国がもっとも朝鮮半島に近辺の位置にポジションをとっていることは同じである以上、韓国イージスの探知情報は、日本にとっても重要な情報ソースなのです。

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http://japanese.joins.com/article/477/219477.html 

では、韓国にとってどうかといえば、韓国海軍のイージス艦にはそもそも弾道ミサイル迎撃能力がありません。
いわば「見る」ことはできても「落とす」ことができないのです。
また、イージス艦のリソースに欠けます。
保有するイージスの数が少ない上に、能力的にも日米のイージスよりそうとうに格落ちだと言われています。
ですから、韓国は仮に北からの弾道ミサイル攻撃を受けた場合、米国のMD(ミサイルディフェンス)に頼むしかないわけです。
そこで、この参加国で共通の情報をやりとりしようということで出来たのが、このGSOMIAでした。

いままで北朝鮮の核・ミサイルについては、互いに米国経由で共有していた軍事情報を日韓両国が直接やりとりすることを可能にしようとする協定です。
北の弾道ミサイルについて、日米韓の間の情報パイプの通りをよくしたわけです。

しかし、このパイプから秘密情報がだだ漏れしては大変です。
そこでGSOMIA協定は、国家間の軍事機密の共有のために守るべき原則を定めています。
それがわが国で成立を急いだあの特定秘密法でした。

特定秘密法は、成立当時ヒダリの人たちが言い散らしていたような「憲兵政治がやってくるぅ」「市民生活を監視するためのものだぁ」「モノ言えぬ時代が来るぅ」なんてものではゼンゼンありません。(あたりまえだつうの)
政府が交換した映像、文書、技術などの「秘密軍事情報」を、第三国や個人に提供したり、目的外使用したりすることを禁止し、双方に守秘義務を貸そうとするものでした。日本はこの法律の施行で、やっと米国、インド、オーストラリア、NATO、そして韓国など33カ国とGSOMIAを結ぶことが可能となりました。

米国にとっては、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルの実験を成功させたことを受けて、これ以上朝鮮半島付近の海域で北の潜水艦をのさばらしておけないという事情もありました。
ところが、このブロックを期待されている韓国海軍の対潜水艦能力は、2010年3月に哨戒艇「天安」が北朝鮮の潜水艦が発射した魚雷(機雷説あり)によってあえなく撃沈されてしまうといった世界有数の低レベルでした。
なにせ有名な逸話ですが、韓国海軍の駆逐艦の装備する対潜ソナーは、漁船の魚群探知器と変わらないといった笑い話があるほどです。

乗員の練度も、レーダー照射事件で明らかにされたように悲惨なもののようで、米国はなんとかして底上げせねばと考えてはいたようです。
そこで米国としては、海自の世界有数の優れた対潜水艦情報や技術を、ひとつコリアに教えてやってくれや、というおっせっかいな意図もあったようです。

ですから、日本側の持ち出しのほうが韓国のひがみとは違って圧倒的に多く、供与した技術や情報を北や中国に流出させるのではないかというリスクもはらんでいました。
特にムン政権の極端な対北融和は、このリスクが現実化する危険を持っていました。
ただし、こちらからそれを理由に切るのは馬鹿げています。
日本にとって、北朝鮮の脅威が変わらないかぎりGSOMIAを結んでおかねばなりません。
ただし運用にあたっては、注意深くする必要があるということです。

また米国の立場はさらにシンプルで、韓国がしっかりと軍事同盟を守って余計なことをしなければ、現状維持でいいというだけのことです。
仮に在韓米軍撤退などという大変動が起きるなら、その前段で打ち切られることでしょう。
米国はそのていどにプラグマチックな国なのです。
だから、あたりまえですが、韓国が「交渉カードになる」なんて言っているのは、ちょっとそのアレ入っていせんか、という類のことにすぎません。

 

 

 

 

2019年7月17日 (水)

フェークの「徴用工」判決で壊された日韓関係

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昨日の記事で明日18日に迫った第3国 プロセス を韓国がスルーした場合、「これで日本側は話し合いを極力求めたが、黙殺された」という名分が立つと書きましたが、どうもやっちゃったみたいですね。

「【ソウル時事】徴用工問題をめぐり、日本政府が日韓請求権協定に基づき、仲裁委員を任命する第三国の選定を韓国に求めていることについて、韓国大統領府高官は16日、仲裁委員会設置を受け入れない立場を明らかにした。
 この高官は「仲裁委に関し、受け入れ不可能という立場か」との記者団の質問に対し、「そうだ」と断言。第三国の選定期限が18日に迫っている中、「(日本側への)特別な回答は恐らくないと理解している」と述べた。韓国政府が仲裁委設置案を拒否する立場を明確にしたことで、日本政府は一層反発を強めそうだ」(時事7月16日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019071600768&g=int

毎年恒例のGSOMIA(ジーソミア・日韓軍事情報包括保護協定)の更新を控えて、8月24日までに両国共に異議がなければ自動延長ですが、いかなることになりますか。
そういえば8月中旬にはホワイト国からの除外が実施されます。
他の規制も始まる可能性も高い中で、さまざまなカウンターが一斉に絡み合ってでてきます。

特にその本隊となるのは、河野外相が何度となく いってきた「日本企業に実害が及んだ時に発動される必要な措置」 でしょう。

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https://www.businessinsider.jp/post-194143

訴訟団はこう言っています。

「日本企業に賠償を命じた、いわゆる徴用工訴訟で、原告側は、三菱重工が賠償協議に応じなかったとして、差し押さえていた資産の現金化手続きに着手すると明らかにした」(FNN7月16日)
https://www.fnn.jp/posts/00420855CX/201907161152_CX_CX

今年の初めくらいまでは、日本企業が逆提訴したらどうかとか、首脳会談をしたら打開するだろう、なんて無責任なことをコメンテーター連中はのたもうておられましたっけね(遠い目)。
実際、いまや「日本にも血ィ見せてやるでぇ」と狂乱しているムン閣下も、当時は大統領記者会見でこんなのどかなことを言っていました。

日本が不満を表示するかもしれないが、韓国の司法府を尊重しなければいけない。不満があってもその部分はやむを得ないという認識を持たなければいけない。韓日両国がこれを政治的な攻防の素材として未来志向的な関係まで毀損するのは望ましくない」(中央日報1月10日)

何も考えていないのでとりあえず言ってみました、未来思考。
今日の続きに明日があるさ、だから未来思考。
オレに聞くなよ、未来思考。

危機感ゼロ。やる気ゼロ。まことにムン閣下らしいお言葉ですが、 今思うとこの時期の前後から日本政府は水面下で省庁横断で「実効性のある圧力」シナリオを検討していたわけです。

仲介委員会のスルーが必要条件なら、充分条件に相当するのはこの「徴用工」訴訟団が現金化に着手し実害が生じたことです。
この両者には「犯罪を計画した」と、「実行に移した」ほどの差があります。
日本政府は話あい路線が無効に終わったことを確認し、韓国が「実行に移した」段階で対抗措置をとらざるをえないことになります。
参院選で対韓方針が国民の支持が得られれば、政府はこれに踏み切ることになります。
まぁ実際に、2000万円年金不足も、消費増税も参院選の争点から飛んじゃいましたからね。

では現実には1944年の「徴用」政策によって日本に来た(といっても当時朝鮮も日本でしたが)朝鮮人労働者はどのような処遇だったのでしょうか。
改めて押えておきます。 
この「徴用工」が多く働いていた軍艦島を、韓国は奴隷労働のシンボルに祭り上げてご苦労さまにも『軍艦島』 という映画まで作っています。

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韓国国内ポスター 

韓国側は軍艦島の朝鮮人「徴用工」についてこう主張しています。 

①大戦中日本人労働者は安全な場所に移され、中国と韓国の強制労働者に代わった
②強制労働者の1000人以上が死亡した
③死体は海か廃坑に投げ捨てられた
(2017年5月南ドイツ新聞に送付された端島島民の会の抗議文より引用)
 

根も葉もないウソです。
①の危険な作業現場に日本人の代わりに朝鮮人労働者を送ったということですが、ありえません。 
当時の朝鮮人労働者は、戦前から働き続けている日本人坑夫とは比べものにならない未熟練工でした。
作業ミスで落盤したら全員死ぬのに、なにも一番デリケートな場所に新人の未熟練工を送ってどうするんですか。  

元軍艦島(端島・はしま)の炭鉱夫の証言です。

「とんでもありません。馴れない者は危険な作業はさせられません。事故でも起きれば落盤やガス爆発に繋がります。危険な仕事は熟練した日本人がやっていました。
事故が起きれば全員の命が危ない。坑内は日本人も朝鮮人も運命共同体でした」
(松本国俊『軍艦島 韓国に傷つけられた世界遺産』)

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韓国側は、朝鮮人労働者が一日12時間から16時間は働かされたことが、奴隷労働だったように主張していますが、当時は労働基準法は存在しませんでした し、労働者が兵隊に取られて急減している戦増産体制が敷かれている時期のことです。
軍艦島に限らず、当時12時間ていどの労働はままあることで、戦時中にはそれが15時間に及ぶこともありました。 
ただしそれは日本人も朝鮮人もチームを組んでいたために同一労働でした。
朝鮮人労働者のみに押しつけたわけではありません。
その代わり軍艦島の労働者は、国内賃金よりずっと高い賃金と住宅環境を保証されていました。

このへんの構造は、日本人婦女子も従っていた戦時勤労体制による「女子挺身隊」を、戦時売春婦である強制連行による慰安婦にすり替えるロジックと同じです。
朝鮮人労働者もまた高給に惹かれてこの島に来たのであって、慰安婦もそうですが、高給をもらっている「奴隷」など世界にはありません。

②の朝鮮人労働者だけが大量に死んだと言っていますが、同一労働環境で働いて朝鮮人だけを死に神が器用に選別することはできません。
記録が残っています。
『炭鉱誌長崎県石炭史年表』という資料に、事故死亡数の記録があります。 
一回落盤事故があると日本人も朝鮮人も一緒に事故死していることに注意してください。
炭鉱の事故において人種の分け隔てはないのです。

・昭和10年3月 ガス爆発事故 日本人18名・朝鮮人9名死亡
・同11年10月 落盤事故  日本人1名死亡
・同11年5月事故死 日本人1名
・同11年落盤 日本人1名死亡
 

死亡率に関しては、九州大三輪宗弘教授の石炭統制会資料の研究がありますが、日本人労働者と朝鮮人のそれとはほとんど差がないと記されています。 

③の朝鮮人労働者の死体を海に投棄したうんぬんは、精神症すら疑われますので適切なカウンセリングを受けることをお勧めします。
当時の坑夫の証言があります。

「(警官による朝鮮人労働者の暴行が常態化していたことに対して)それがでたらめというのはね、警察官は坑内のことはしないんですよ、絶対。坑内のことは保安監督署がするのだから、坑内のことは警察がするもんじゃない」(『軍艦島に耳を澄ませば』) 

軍艦島には警官は2名、兵隊もゼロ。これでどうして韓国が言うような「アウシュビッツとしての軍艦島」なんてマネができるのか、ぜひお教え頂きたいものです。
あ、もちろん、映画『軍艦島』みたいな朝鮮人暴動なんて一件もありませんでしたからね。
韓国さん、夢に夢を重ねてファンタジーしないで下さいね。

慰安婦映画『鬼郷』を作った趙廷来監督は「証拠がないので、証拠を作ろうと思って映画を作った」と言っていましたが、止めていただきたいものです。
じぶんの国の大昔の歴史なら朝鮮王朝が中国の中原までひろがっていようとかまいませんが(中国は怒ったようですが)、つい最近の現代史まで捏造されたらたまったもんじゃありません。
証拠がなけりゃ証拠を作る、フィクションだろうと言った者勝ちでケンカを売れば、そりゃ国を滅ぼしますって。

ところで、この「徴用工」なるものの正体は、最新の韓国人研究者の研究発表でも明らかにされています。
日本のメディアはまったく無視しましたが、7月2日、ジュネーブ国連欧州本部で朝鮮半島出身労働者の賃金体系を研究している韓国・落星台(ナクソンデ)経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究員が徴用工」についての研究成果を発表していました。

動画と要約がアップされています。日本側の証言とほぼ一緒です。
・動画https://www.youtube.com/watch?v=eb58ys2pr4U
・要約http://toychan.blog.jp/archives/55561080.html

「【国連人権理事会】韓国の学者李宇衍氏が「徴用工問題」で韓国政府に進言

戦時中のいわゆる「徴用工」ら朝鮮半島出身労働者の賃金体系を研究している韓国・落星台(ナクソンデ)経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究員が、ジュネーブの国連欧州本部で2日、研究の結果を踏まえて発言した。 賃金格差や差別がなかったこと、徴用は国際法に則った手続きで行われ、更に終戦時の未払い賃金は平均で1ヶ月分もなかった。
賃金格差は、あくまでも採掘のスキル、採掘量に応じて支払われており、勤務期間が短い朝鮮人は確かに賃金が安かったが、それは、日本の労働者も同じであり、炭鉱によっては、日本人より、朝鮮人の賃金が高い場所もいくつもあった。
第二次世界大戦末期は、日本人が徴兵されたために朝鮮人が炭鉱に多く働いていた。 朝鮮人の炭鉱事故での死亡が多い時期は、この徴兵で日本人の青壮年がとられた結果、その時期の朝鮮人の事故が多かっただけであり、奴隷労働などとは完全にかけ離れたものであった」

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これらのことは先ほど上げた史料で明らかのように、日本ではかなり前から知られたことでしたが、韓国人自の手で真実が暴かれたことは慶祝の至りです。
イ・ウヨンさん、真実を言えば土下座させられ、時には殴打を受けて公職から追放されるお国ですから、亡命を強くお勧めします。

このイ氏の研究にもあるように「徴用工」は奴隷労働でも、ましてや強制連行によるものでもなく、同一労働同一賃金でした。
部署により日本人より高給をもらったケースすらありました。
そして訴訟団が言っている不払いもたかだか1カ月ていどのことです。
ワーワー泣き叫んで国家間紛争の火種にするようなことじゃまったくありません。

とまれこのフェークそのものの「徴用工」問題で、日韓基本条約は破壊され、日本はやむなく「実効性のある圧力」をかけざるをえなくなる所にまできました。

GSOMIA延長については長くなりましたので、明日にします。

 

 

 

2019年7月16日 (火)

仲介委員会「第3国プロセス」の回答期限迫る

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あの7月18日が目の前となりました。
7月18日の韓国政府の公式回答次第で、日本はいままでとは違う対応のフェーズに入って行くことになります。

「日本政府は5月20日に仲裁委の設置を韓国側に要請し、日本側委員を任命した。だが、韓国政府が協定上の期限(今月18日)までに韓国側委員を任命しなかったため、委員任命を白紙に戻し、「第三国プロセス」への移行を決めた。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は19日、韓国の駐日公使を外務省に呼び、「韓国政府が期限までに仲裁委員を任命しなかったのは遺憾だ。協定上の義務に従い、第三国を選定して、仲裁に応じるよう強く求める」と伝えた」((産経6月19日)
https://mainichi.jp/articles/20190619/k00/00m/010/095000c

第3国プロセスとはこのようなものです。

「仲裁委員会は3人で構成し、日韓両国は決定に従う義務がある。「第三国プロセス」では、日本指名のA国、韓国指名のB国、A・B両国が選定するC国が、それぞれ委員を1人ずつ選ぶ。請求権協定に基づいて仲裁委が設置された例はなく、審理の進め方や期間などは委員らが独自に決める」(産経前掲)

元の条文に当たっておきましょう。
財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力 ... - ウィキペディア

「●財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定
両国はこの協定の解釈及び実施に関する紛争は外交で解決し、解決しない場合は仲裁委員会の決定に服する

第三条
この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。
1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。
ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。

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出典不明

日本政府は一貫して条約の文言どおりに事態を進めてきました。
再三再四に渡って「外交上の経路を辿って解決」を求めましたが、韓国は国際法を無視して司法判断を行政府の上位に置くと言い続けて回答を拒否しました。

この不調を受けて日韓請求権協定第3条に基づいて仲裁委員会の開催を求めましたが、韓国政府は回答をしないまま放置しました。

そこで、日本は条約第3条に定められた最終解決手段である第3国の仲介委員会を招いた仲裁委員会を求めましたが、今に至るも回答はないままでこれも放置されています。

このように日本は韓国に対して、条約第3条に基づき正当な話し合いを幾度も求めましたが、いずれも回答がありません。
この事態は回答拒否ですらなく、要求そのものがなかったかのようにふるまう「黙殺」です。
間違っていようといまいと一定の「回答」をするならば、両国間で話し合いの余地は残されていますが、それすらしないという不誠実な態度は日本と正常な外交関係を持ちたくないということだと解釈されます。

したがって、あさって18日までに第3国プロセスの回答すら黙殺するなら、わが国は相応の対応措置をとることになるでしょう。
これは今なされている経済産業省による大量破壊兵器の違法輸出を理由とする非ホワイト国格下げ措置とは、まったく別次元のものとなります。

今回こそ、メディアが先走ってミスリードした「徴用工裁判への報復」となるのです。
それにしても日本メディアがよく調べもしないで、「報復だ、報復だ」と騒ぐもんだから、韓国も口まねしたじゃないか、馬鹿め。

それはさておき、以後、、日本政府は協定上の解決が難しいと見て、国際司法裁判所(ICJ)への付託を検討していますが、韓国政府はこのICJが当該政府への「強制管轄権」を持っているために受け入れないだろうとみられています。
このICJの「強制管轄権」こそ、国際法が定めた二国間紛争を平和的に解決する最期の手段なのですが、これすら応じないとなると、韓国は外交手段での問いかけにも答えず、さらには条約上の義務である仲介委員会も黙殺し、第3国プロセスも黙殺し、おまけにICJまで拒否するという4重の話し合い拒否を働いたことになります。

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少しICJの「強制管轄権」(compulsory jurisdiction) について説明しておきます。
ICJが行う国際裁判は、実は「仲介」です。
利害が錯綜する国際社会では、紛争を未然に防ぐ目的でするのであって、裁くこと自体が目的ではないからです。
すると問題がでます。紛争を起こしやすい国はそもそもこの国際法廷に出てこないことが往々にしてあるからです。

それを防ぐために一方的な提訴で国際裁判が可能な「義務的管轄権」という条項が存在します。
これはこの国際裁判所の下した裁定に義務的に従うということで「強制管轄権」と呼ばれています。
ただし、これにも抜け穴がたくさんあって、強制管轄権を受諾するかどうかを選択を受託する「選択条項」があるうえに、仮に受託宣言をしても有効期限を設けて、特定の紛争は除外したりといった留保条件の設定が認められています。

強制管轄権を受託した国は国連加盟書く126カ国中67カ国で、かんじんな国連常任理事国では英国のみといった状況です。
いかに国際紛争の火元が、世界平和の守り手であることを期待され、核武装が許されている国連常任理事国だということが分かりますね。
日本は1958年に受託していますが、我が国と強い関係持つ米中露、そして今回の韓国は受託宣言をしていません。

いままで竹島問題で日本は韓国に3回ICJにでてくれるように要請しましたが、いずれも拒否されています。
ちなみに、拒否する場合は韓国の好きなスルーは効かず、その理由を説明する義務が生じます。

「日本政府は竹島(島根県隠岐の島町)の帰属をめぐり昭和29年、37年、平成24年にそれぞれICJへの共同付託を提案したことがあるが、いずれも韓国が同意せず裁判に至らなかった。 これまでに日本がICJに提訴して実際に裁判が開かれた例はない。北方領土をめぐり昭和47(1972)年、当時のソ連に付託を提案したが、拒否された。今回の元徴用工をめぐる韓国最高裁判決を受けて日本がICJへの共同付託などを提案しても、韓国は応じないとみられる」(産経2018年11月23日)

よく日韓でよく話し合ってということを安易に口にする人が絶えませんが、どうぞそれは韓国におっしゃって下さい。
ここまで会話を拒否され、さらにはICJすら拒否された場合、どこでどうやって日本は韓国と話し合えばよいのでしょうか。
韓国けしからんといった懲罰心理ではなく、韓国をICJの国際法廷に引っぱりだすためにも、もはや一定の実効性のある圧力が必要な時期に達したのです。

18日、韓国が第3国プロセスに委員を送ればよし、これも黙殺するなら日本には取るべき手段はひとつしかなくなります。
それは経済産業省、金融庁、農水省まで含んだ、全官庁横断規模の段階的に厳しくなる対応措置となるでしょう。

さぁ、やっと外務省の出番になりましたよ。

 

 

2019年7月15日 (月)

米国が傍観している本音とは

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韓国の保守系紙朝鮮日報(7月12日)が、やっと事態の本質の端っこにたどり着いたようです。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/12/2019071280138_3.html

「輸出優遇除外:識者が朝鮮日報に提言「韓日基本条約に対する政府の立場を問いただせ
輸出優遇除外:韓国政府、韓日関係改善に向け首脳会談を推進」、「日本は安保友邦、ワシントンを利用して政治的解決を」(7月8日付A4面、日本語版未掲載)は日本による経済報復問題を解決するため、「韓日首脳会談」と「米国の仲裁」を提案した。
どちらも説得力がありそうだが、実際はそうではない。主要20カ国・地域(G20)首脳会議でできなかった首脳会談を改めて行うには、韓国側が何らかの解決策を新たに提示しなければならない。
韓国が問題解決に向けた肯定的かつ善の循環的な動きをまず示すべきだが、それがなければ日本と話は通じない。
米国は両国でまず協議を行うことを望んでいる。しかし韓国は日本が主張する「第三国仲裁委員会」や国際司法裁判所(ICJ)での問題解決には応じない。このような状況でワシントンを利用するのは難しい」

はい、そのとおりです。朝鮮日報は現状ではいくら日韓首脳会談をしようと、米国に仲介を要請しても無駄だと言い切っています。
韓国が「何らかの解決策を新たに提示せねばならない」のです。やっと気がつきましたか。
そのためには、なにを置いても信頼関係の再構築をせねばならないのです。
信頼回復といっても、日本の主張を丸飲みしろなんて言っていません。
日本が言ってきているのは、それ以前のことです。

朝鮮日報は慰安婦財団を解体したことについてムン政権を批判した後に、識者の言葉を借りてですが「徴用工」判決についてこう述べています。

「尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院院長の言葉だ。尹氏は「国家間で締結された条約を覆す判決に果たして何の意味があるのか。国際法上の司法自制原則が守られなかったことは遺憾」と指摘した。
司法自制原則とは、外交を巡る裁判においては行政府の判断を尊重するという国際法における原則だ。韓国政府が国際法を無視したという側面を明確にすれば、問題解決のきっかけをつかむことができる」
(朝鮮日報前掲)

仰せのとおりです。こういう意見ばかりなら、今回のようなことは起きなかったのですよ。
日本がムン政権を信用できないのは、国際法を逸脱して平然としていることです。
ムン政権は司法判断に従うと言っていますが、それは「外交を巡る裁判においては行政府の判断を尊重するという国際法における原則を無視」(朝鮮日報)したことです。

そもそもこのような条約を否定するような訴訟は、「条約についての司法判断は統治行為になじまない」として門前払いされるべき性格でした。
ただの司法判断にすぎない一判例が一国の条約廃棄の根拠となって、二国間の条約関係をブチ壊してしまう、近代国家としてあってはならないことです。

これは判決が正しい、間違っているという以前の問題なのです。
ムンは一見、三権分立などと聞いたようなことを言っていますが、韓国社会に色濃く残る朱子学的名分論そのものです。
大義名分の道徳的スローガンの前では、条約や外交関係係などのすべての現実的関係が捨象されてしまい、「日帝残滓払拭」が絶対善とされてしまいます。
国と国との約束ごとまでもが「正義」の前では超越できてしまうのですら、まるで中世以前の国家です。、

とまれ韓国内から、やっとこのような反省が生まれたことはいいことです。
こういう意見ばかりだと、日韓で立場は違ってもまともな議論のテーブルができるんですがね。
といってもこんな朝鮮日報のような意見は、極小意見なのが悲しいですが。

 

ところで現実のわが韓国政府はうろたえたあげく、無内容な3通りの反応しかできないでいます。

①日本への報復措置
②WTO提訴
③米国の仲介

②が日本の思う壺だということは既に何回か書きました。

①の日本への報復措置ですが、韓国の半導体企業が潰れたら国際市場価格が暴騰するぞ、そうすれば日本企業も困るだろう、という理屈です。
では、この間国際市場価格は上がったのでしょうか。
実は上がっていないのです。その理由の一つは、サムスンがDRAMの在庫を積み上げているからです。

「今、半導体は不況の真っ最中。一年前と比べ、メモリーの価格は半値になっていました。市場にあふれているので、日本が輸出管理を強化しようが、ユーザーは焦って手当てしようとはしません。だから市況が安定しているのです。
サムスン電子のバランス・シートを見ると、2019年3月末時点の在庫資産は31兆4560億ウォン。1年前と比べ8・8%増です。相当部分が売れ残ったDRAMと見られています。」
(7月12日 デイリー新潮 鈴置高史『北朝鮮への「横流し疑惑」で、韓国半導体産業の終わりの始まり』)http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/12/2019071280138_3.html

半導体市場は飽和状態です。仮にサムスンが日本の輸出規制強化で減産に追い込まれたとしても、そもそも供給過剰によるダブつきが問題となっているために半導体価格はいささかも上がらないのです。

2番目の原因は、サムスンが潰れても代替品が多数あることです。

「DRAMを作るのは韓国企業だけではありません。確かにサムスン電子が46%、SKハイニックスが26%と高い世界シェアを誇っています。
ただ、3位の米マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)も21%のシェアを持っています。主力の広島工場(広島県東広島市)の生産能力の増強に動いています。
6月11日に新工場棟の完成式典を開いて「サムスンを追い掛ける」と宣言しました。日経の「マイクロン、広島工場を1割拡張 次世代DRAM量産」(6月11日)が詳しく報じています。
もう1種類のメモリー、NAND型に関しても東芝メモリ・ホールディングスが2020年の稼働を目指し、岩手県北上市に新工場を建設中です」
(鈴置前掲)

米国マイクロンやインテルは設備投資して規模拡大を狙っています。日本の東芝メモリも規模拡大に入るようです。
サムスンが売らなければ、マイクロンやインテルの営業マンが吹っ飛んで来ます。
いや、もう既に来て、「御社はこんなリスキーなサムスンにDRANを使っていてだいじょうぶですか。代替品ならぜひわが社をご検討下さい。性能は同等以上、それに今ならお安くしまっせ」と揺さぶりをかけていることでしょう。
そんな時に韓国が対日輸出を停止なんぞしたら、まさに自爆です。

③の米国の仲介ですが、まったく無反応です。これだけの時間がたっていても米国政府当局者はなにひとつ態度を鮮明にしていません。
ハリス駐韓大使は介入する気はない、と明言したそうです。

「ところが野党「自由韓国党」所属の尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)国会外交統一委員長は12日、「ハリー・ハリス駐韓米大使が『今は米国が出る時ではない』と言及した」と伝えた。この日、ソウル市内でハリス大使と非公開会談を行った場で出た内容だと説明しながらだ。次は尹委員長が伝えたハリス大使の発言。」(中央日報7月13日)
https://japanese.joins.com/article/496/255496.html

これは、昨日も述べた米国外交原則の同盟国間の紛争には介入せず、ということもありますが、もうひとつの思惑もあります。
米国はくちばしをつっこまないから、日本よとんどんやれ、という意味です。

というのは米国にとって輸出規制措置を、米国企業が主導権をサムスンから奪い返す絶好の機会だとみているからです。
サムスンなどは一回潰して解体してしまい、欲しい分野だけインテルなどが傘下に収めればいいとトランプは考えているのかもしれません。

それは米国がこの重要な戦略産業分野におけるリーダーシップを韓国からもぎ取るということであり、そしていま一つは米国の 安全保障上の理由です。
半導体がなければ、小は装甲車や対空ミサイルから、大は戦闘機、ICBM、イージスシステムにいたるまで動きません。
まさに現代戦にとって必要不可欠な戦略部品が半導体なのです。
これを作る韓国企業が、中国の属国となったらと考えただけで、米国は慄然としたことでしょう。

「DRAMの約72%、NAND型の約44%を韓国の2社で作っています。これを米国が許してきたのも、韓国が忠実な同盟国だったからです。
ところが今、米韓関係の雲行きが相当に怪しくなっている。文在寅(ムン・ジェイン)政権は国際社会がこぞって経済制裁を科している北朝鮮に堂々と援助を始めました。
妙な自信を持った韓国は日本にはもちろんのこと、米国に対しても「何するモノぞ」とばかりに高飛車に出ているのです」(鈴置く前掲)

ムン政権が米国の制止に耳を貸さずに、北朝鮮への支援を始めた時、米国は韓国がもはや既に忠実な同盟国ではないと判断しました。
既にムン政権は同盟の裏切りを働いています。それがTHAAD配備でした。
THAADミサイル - Wikipedia

韓国に配備されたTHAADのXバンドレーダーレーダーの覆域は、主に朝鮮半島と中国東北地区の一部だといわれています。

Thaad20range     http://www.businessinsider.com/thaad-missile-defen...

するとこのTHAADは、北朝鮮の弾道ミサイル防衛であると同時に、中国の弾道ミサイルに対する抑止のためのものなのです。 
THAADはその名の通り高高度迎撃ミサイルです。 
THAADは韓国や日本に向けた北朝鮮のミサイルを迎撃するのではなく、日本列島を飛び越して米国領に向かうものを迎撃する性格のものです。 
つまり、韓国に配備したTHAADによって米国は、自国に向けたICBMを含めた弾道ミサイルを無効化することが可能になったのです。 

ムンは中国の要求を丸呑みして中韓合意を結びます。その内容は「3不」と呼ばれています。

①米国の弾道ミサイル防衛システムに参加しない。
②日米韓の安全保障協力を軍事同盟に発展させない。
③THAADの追加配備はしない。

つまりムンは、米国のミサイル防衛なんぞ知ったことかいわんばかりに、中国にシッポを振って見せたわけです。
この内容をもう一歩進めると、有事統制権の韓国軍への移譲、在韓米軍の撤去という中国の大目標に到達します。

そして冬季五輪を舞台とした北朝鮮への目を覆うばかりの入れ込みぶりを見て、米国は韓国が、いつ中国・北朝鮮圏内に吸い込まれてもおかしくはない、と決めたようです。

ムン閣下がこの五輪で発信したかったメッセージのひとつは、「米国さえ邪魔しなければ、南北は統一できる」ということです。

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南北は同じ民族、それを阻むのは悪い米国。かつての朝鮮戦争だって、米国というこの悪の帝国が南北を戦わせたんだ、冷戦の谷間に咲く白百合の花一輪、いまもなお続く悲哀の民族・・・、そうムンは言いたいようです。

「文大統領は、2つのコリアを1つにし、北朝鮮のミサイル・核プログラムを巡る緊張の高まりを緩和させるのに役立つとして、平昌冬季五輪を「平和五輪」と称している」(ロイター2月22日
http://toyokeizai.net/articles/-/209673

一方トランプは、北とシンガポール会談で「朝鮮半島の非核化」を合意しました。
これが「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」だということの意味は明瞭で、米国は韓国に核を持ち込まないし、そのための施設も持たないということです。
これが「在韓
米軍の撤収、あるいは米韓同盟の廃棄までも取引材料とする」と鈴置氏は解釈します。
この部分に関しては私は異論がありますが、交渉材料としてはありえるが、そこまで踏み切るとは到底思えないと言っておくにとどめます。

ただし、前国防長官のマティスが「同盟」の役割を重視した伝統的米国外交を守ったのに対して、「頭が堅い」と彼を解任同然で閣外に放り出したのがトランプだということは頭に置いておいたほうがいいでしょう。
かれならやりかねないのです。

在韓米軍が撤収しようとすまいと、いずれにせよ結論は一緒です。 

「同盟は維持しても在韓米軍が撤収する、あるいは削減するだけで、朝鮮半島は不安定化します。そんな国の企業に、米国が戦略物資の半分を作らせるでしょうか。
麗澤大学の西岡力・客員教授は米国の安全保障の専門家から「我々がこの半島から撤収する時は、焦土化して引き上げる」と聞かされたそうです。
焦土化とは物理的に燃やしてしまう、ということではなく経済的な資産を破壊する、との意味です。同盟を廃棄した後、つまり中立化した韓国は中国の衛星国となる可能性が極めて高い」(鈴置前掲)

このように経済的思惑と安全保障上の理が絡んで、米国は日本の輸出規制に対して沈黙を守っていることに、韓国は思いをいたすべきです。
こんな米国に、今まで裏切りの限りを尽くしてきたことも忘れて、猫なで声でイガンジルする韓国、哀れ。

 

 

 

2019年7月14日 (日)

日曜写真館 蓮の花が咲き始めました

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蓮の花の向こうに筑波山のツインピークスが見えます

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ポツンポツンと蓮の花が顔を出し始めました

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恥じらうように花を咲かせます

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おいしそうと思ってしまいます

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自然に仏教徒になってしまいます

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月13日 (土)

韓国さん、冷静になりなさい

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どうして韓国は頭をクールダウンできないのですかね。悪いことは言わないから、落ち着きなさい。
怒り狂って韓国の経済資源省の役人が押しかけてきましたが、かみ合うはずもありません。

「日本が半導体材料の韓国向け輸出管理を強化したことを受け、日韓両政府による事務レベル会合が12日、経済産業省内で開かれた。会合は日本が4日に輸出管理を見直してから初めて。
日本は今回の措置が韓国側に「輸出管理上の不適切な事案があった」ため、「安全保障を目的に日本国内の運用を見直した」と説明。これに対し韓国側は自国の輸出管理は適正であると訴えたもようだが、日本側は「韓国の輸出管理には脆弱(ぜいじゃく)性がある」と指摘し、主張はかみ合わなかった。
 日本は「不適切な事案」については「第三国への横流しを意味するものではない」と説明した。韓国産業通商資源省は会合後、「北朝鮮をはじめとした第三国への戦略物資の輸出を意味するものではない」(産経7月12日)
https://www.sankei.com/economy/news/190712/ecn1907120034-n1.html

この記事の見出しは「「韓国の輸出管理脆弱」日韓事務会合 次回の予定ない」 ですから、 いいかげん韓国も気がついたらよさそうなものです。

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時事 韓国向け輸出管理について、韓国の担当者(右側)への事務的説明に臨む経済産業省の岩松潤貿易管理課長

上の時事の写真をみただけで、日本のスタンスがわかります。
韓国は局長級対応の「協議」を望んだのに対して、日本はにべもなくワイシャツ姿の課長が対応に出て「説明ならしてもいいが」、という態度でした。
写真をみると、わざわざホワイトボードに「事務的説明会」と大書して、お茶もでていませんね(笑)。
いかんなぁ、無礼だなァ。遠来の客人なんですから、いっそ食堂でやったら、出がらし茶くらい出せたのに。
結局、日本は1時間でさっさと終わりにしたかったのですが、粘られて6時間も「協議」する羽目になったようです。

もちろんわが国には、この段階で「協議」なんぞする気はこれっぽっちもありません。
だってこれはただの優遇措置(特恵)を止めて、一般国にした省令変更に伴う事務措置でしかないからです。
メディアがワーワー言っているような「徴用工」判決に対しての「報復」ではなく、ましてや「禁輸」でもありませんしね。
経済産業相が言っているように、韓国はEUからも「ホワイト国」認定を受けていませんから、別に国際標準に戻しただけのことです。

まただからといって敵対国にしたということでもないのは、非ホワイト国に親日国のインドや台湾も入っているのを見れば少しはわかりそうなものです。
日本はこの時期、韓国に対して淡々と「大量破壊兵器関連物資輸出に関してお聞きしたいことができました」と言っているにすぎないのです。
いわばよくある、お役所が業者にする「お訊ね」みたいなものです。

日本は事を荒立てる気はありません。
日本の一部メディアが騒ぐような「徴用工」裁判への報復で禁輸しろぉ、と叫んでいるわけでもなんでもないのです。
ところが、この日本メディアのバイアスがかかった報道によって韓国も騒ぎだしたわけです。

困りますね。だから落ち着けというのです。
「信頼関係が破壊されている」というのは動かしがたい事実であることは、韓国も異論はありませんね。
では、今回の非「ホワイト国」へのカテゴリー変更は、対処しようがないかといえばそうではありません。

十分に対処可能だと、私は思います。
というのは、これは国に対して与えられるものですが、かといって韓国籍の企業すべてがノーと宣告されたわけではないからです。
経済産業省の担当官から「お訊ね」された大量破壊兵器関連物資の輸入量、その使用目的、在庫状況、転売があったかなかったかなどについて帳票類をつけて正直に答えればいいだけです。
輸出業者なら、相手国の名称、その使用目的、在庫状況を開示すればいいのです。
ただそれだけのことです。いままでそれが3年間に渡って、何もなかったことのほうがおかしかったのです。

後は、細々と聞き返してくるでしょうが、もうこうなったら審査結果を待つしかないですね。
「90日」がひとり歩きしていますが、それ以内に答えが来る場合もあるでしょうし、逆に延長審査になる場合もありえます。
結局、お役所の都合ですから。

また一件の契約についての審査ですから、ひとつダメでも全部だめではないことにご注意下さい。
どうもオーバーにとられていて、韓国だけで全部ダメ、特定の企業だと全部ダメ、というわけじゃないんですよ。

だから、サムスンみたいな世界的企業が転売なんかしていないと思いますから、フッ化水素を買いつけた理由を堂々と説明すればいいだけです。
ここで焦ってワーワー騒げば騒ぐほど、担当官庁の心証を悪くし、審査が不利になってしまいますからね。

つまりは、国をあげて非常事態だとか騒ぎ立てるほうがおかしいのであって、淡々と事務的に対応するしかないのです。

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さてあのムンジェイン閣下の姉妹のような顔をしたカン・ギョンファ外相は、ポンペオに、困ったときの米国頼みとばかりに泣きつきました。

「康長官は10日夜11時45分から15分間行われたポンペオ長官との電話会談で、「日本の貿易制限措置は韓国企業に被害をもたらすだけでなく、グローバル供給体系を混乱させることにより、米国企業はもちろん世界貿易秩序にも否定的な影響を及ぼしかねない」としながら「これは韓日両国間の友好協力関係および韓米日3国協力の側面からも望ましくない」と懸念を表明した。
続いて韓国政府は日本の今回の措置撤回とあわせて、これ以上状況が悪化しないことを希望しつつ日本と対話を通した外交的解決のために努力を傾けていきたいと強調した。これに対し、ポンペオ長官は理解を表明したと外交部は伝えた」(中央日報7月11日)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190711-00000025-cnippou-kr

「外交部によると、ポンペオ氏はこれに理解を示した。両長官は韓米、韓米日間の各クラスの外交チャンネルを通じ意思疎通を強化できるよう、引き続き協力することで一致した」(韓国聯合7月11日)
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190711000200882?section=politics/index

この報道も日本のメディアは、韓国の発表をそのままコピーしてポンペオが「理解を示した」と報じてしまっていますが、わけないでしょう。
米国外交の原則のひとつは、同盟国間の紛争には中立を守るということです。
米国は韓国とも日本とも安保条約を結んでいますから、両者から仲介を望まれればやぶさかではないでしょうが、一方の肩をもつことはありえません。
請求権協定の仲裁委員会に第3国に米国さんひとつよろしくというならともかく、それも蹴るつもりなのになに言ってんだか。

内心どう思っていようと、この時期において米国が言えるのはただひとこと、「あなたの言っていることはわかった」ということにすぎません。
これは韓国政府が言うような、米国が韓国の立場を「支持した」ではまったくなく、ただ言ったことを「聞きおいた」ということにすぎません。

外交的にはよく使われる表現で、米国は中国の台湾領有を認めていませんが、中国の言い分は「聞き置いた」としていることなども同様の表現です。
だから、中国と国交を結びながら、台湾の防衛を約束した台湾関係法を同時に結んでいます。
相手の主張には必ずしも同意しないが、立場だけは「理解した」という場合「メモを取った」ということで"take note "という場合もあります。
今回ポンペオが「理解した」という意味はまさにこれで、あたりまえですが、米国が韓国を支持したわけでもなんでもありません。

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マイケル・グリーン

米国の伝統的な見方はこのようなものです。

マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長は、「ワシントンでは最近、『韓日関係悪化は北朝鮮にとって有利に作用する可能性があり、中国がアジアの米同盟国同士を引き離すチャンスだとして利用するかもしれない』と深く憂慮している」と語った。また、「ワシントンの専門家たちは、韓日関係に関して原罪は日本にあると考えているが、最近の(日本の経済報復につながった)対立状況は韓国が始めたとの見方が多い」とも言った」
(朝鮮日報7月12日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190712-00080027-chosun-kr

マイケル・グリーンはアミテージと並ぶジャパン・ハンドラーで、(日本語がペラペラですが)いまのトランプからは無視されています。
しかし、グリーンが言うことは米国の原則だと思って下さい。
米国としては日韓がもめてほしくはないのですよ。それは中国と北を利することになるからです。
しかしこの日韓の争いがひどくなって、二者択一となれば米国はどうするのでしょうか。

「韓日関係が悪くなれば、(韓日それぞれの)米国との同盟関係も悪化するだろう。米国は(もし、そうしなければならなくなったら)日本より韓国から撤退するだろう。今まで日本は在韓米軍の韓半島(朝鮮半島)駐屯の必要性を強く擁護してきた。韓日関係の悪化で日本がそうした役割をやめれば、日本の安全保障にも有害だろうが、最終的に韓国も立場が弱くなる」(朝鮮日報前掲)

ね、日本を選ぶと明快に言い切っています。
それは国際戦略上の重みが日本と韓国ではまるで違うからです。
ただし、今のトランプはこの伝統的考えからそれているよ、ともグリーンは言ってますが。

「グリーン副所長は「こうした懸念は、ワシントンの外交政策専門家たちの間で出ている話で、肝心のトランプ大統領は韓日関係に関心を示していない。トランプ大統領は同盟に意味付けをしないので、同盟国の仲が悪くなれば、むしろ自分の『てこ』(手段)が増えると考えるかもしれない」と語った」(朝鮮日報前掲)

このようなことを頭に置いて米韓電話会談をながめると、ポンペオが「理解をしめした」はずがないのです。

またこの電話会談で、カンはこんなことをまだ言っています。

「同氏は、韓国政府は過去の歴史問題とそれ以外とを分けて日本に対応する「ツートラック」方針に基づき、未来志向的に対日関係を発展させる意思を堅持してきたと説明。日本が措置を撤回し、これ以上状況が悪化しないことを望むとしながら、対話を通じた外交的な解決に向け努力していくと強調した」(聯合前掲)

なにが今さら「ツートラック」ですか。今、それ言うのってかんじです。
これは一般的外交で使われている「バックチャンネル」という意味ではゼンゼンありません。
バックチャンネルとは、公式な外務担当者間で話が進まない場合、相互に民間人外交経験者や学者を入れて、中立国で話し合いをすることを指します。

韓国が言っている「ツートラック外交」とは、「歴史問題と現実の問題は分けて取り扱う」という、韓国は今までどおりに反日やりたい放題だが、日本は国防に協力しろというご都合主義的な外交方針のことです。
具体的には、たとえば日韓韓秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA・ジーソミア)などを指します。

この日韓GSOMIAは、いわば日韓両国の信頼の象徴として構想されました。
日韓が、互いに知り得た秘密情報、たとえば「共通の脅威」である北の弾道ミサイルや核開発について共有しようじゃないか、というものでした。

韓国の1時間前ドタキャンといった外交的珍事を超えて(野田民主党政権でしたが。なめられたもんです)、安倍氏が2016年11月にGSOMIAを締結した理由は、バククネ政権になってやっと日韓慰安婦合意が結ばれて、両国間の懸案が解決したと考えたからです。
ちなみに慰安婦合意を仲介したのは米国ですからお忘れなく。

この時期安倍氏はこれで日韓関係が好転して通常の燐国関係になるだろうという期待を込めて、「基本的価値観を共有する最も重要な燐国」(2013年2月の施政方針演説)と呼びかけていました。
今となっては痛々しい限りですが、この友好的姿勢は2014年1月の施政方針演説2014年9月の所信表明演説でも引き継がれています。

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https://ironna.jp/article/5074

ところが、パククネ政権末期から、韓国は今までどおり反日路線に戻ってしまったのです。
後はご承知のように、韓国政府が慰安婦合意に反して、日本大使館前の慰安婦像は放置したまま、釜山の日本総領事館前に新たな慰安婦像を建てても知らん顔、果ては勝手に癒し財団を廃棄してしまうありさまです。

そのうえムン政権になって、日韓関係の基本をなす日韓請求権協定を廃棄する「徴用工」判決を出されるに至りました。
そしてムン政権は、「共通の脅威」だったはずの北朝鮮への極端な肩入れに驀進します。 

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韓国の反論ビデオ。 日本機が合成されて貼り付けられている。

北となにやらやっていたことを発見されて、逆ギレしたあげく日本機を狙ってレーダー照射までするのですから、日韓防衛協力もへったくれもありません。
ここに至って、GSOMIAに象徴される協力関係を維持できる信頼関係そのものがもはや両国間には存在しない、と日本側が考えたわけです。

今回の「ホワイト国」からの格下げも、韓国はパククネ前政権時代からムン政権全般に渡って北朝鮮、あるいは第3国を経由してイランへの大量破壊兵器関連物資である日本製品を密輸出していた証拠が浮上したからです。

というわけで、二国間関係はこれ以上ないほど最悪になったことは事実です。
しかし、だからといって今回の非「ホワイト国」への変更もまた最悪の事態そのものではないのです。

今回はいわばオードブルにすぎません。
日本は「徴用工」判決への報復はまだ見合わせているのです。
日本が本気で報復を決意したら、韓国の5銀行に対しての信用状の停止をします。
このていどことでうろたえて韓国が反日ファビョに走れば、次は本格的コース料理のご用意もございます、ということなのです。
前菜は少々辛口だったかもしれませんが、本格コースはこんなもんじゃありませんからね。

 

 

 

2019年7月12日 (金)

韓国、大量破壊兵器関連物資違法輸出リストが出る

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昨日の産経1面に韓国政府が作った「戦略物資無許可輸出摘発現況」がでてきました。
これは産経記事でも情報ソースとして出てくるように、常識的には経済産業省からリークされたと思われます。
これはよくやられる方法で、政府が公式にいえないことを、懇意にしている記者に漏らして、そちらで火を着けて世論形成をします。

疑い深い私は、欲しい時に欲しいモノが出てくると、眉に唾をつけたくなる損な性分なもんで、昨日の記事にするのを見送りました。
あんまり都合よすぎるので、ひょっとしたカウンター・インテリジェンス(偽情報)を仕掛けられたのか、と勘ぐっちゃったもんで。
しかし、どうやらホンモノのようです。

まずはスクープした産経記事から見てみましょう。少し長いので、すでにお読みのかたは飛ばして下さい。

「生物・化学兵器を含む大量破壊兵器製造に転用可能な物資をシリアやイランなど北朝鮮の友好国に不正輸出したとして、韓国政府が複数の韓国企業を行政処分していたことが10日、日本政府関係者への取材で分かった。
日本側は韓国向けの輸出規制強化の背景として、「輸出管理上の不適切な事案」を指摘。韓国側は世界貿易機関(WTO)の物品貿易理事会で「貿易をゆがめる措置だ」などと撤回を求めているが、多数の企業が不正輸出を企図し、摘発されている事実は、韓国における戦略物資の不正な国際流通に対する甘い認識を浮き彫りにした格好だ。
 政府関係者によると不正輸出企業への行政処分の状況は、韓国で貿易管理を担当する産業通商資源省が作成した「戦略物資無許可輸出摘発現況」で判明した。
 文書には2016年1月から今年3月までの間に142件が処分対象となった事実が記載されている。
 またそれぞれの不正輸出について、「処分日時」「違反業者」「輸出物資」「輸出先」「金額」のほか、行政処分の種類と抵触する国際取り決めが記されている。
 北朝鮮との友好関係にある国々への主な不正輸出では、化学兵器原料に転用できる「ジイソプロピルアミン」がパキスタンに、サリン原料の「フッ化ナトリウム」がイランに、生物兵器製造に転用可能な「生物安全キャビネット」がシリアに、致死性ガス原料の「シアン化ナトリウム」が赤道ギニアに-といった事例が明記されている。
パキスタンやイラン、シリアに生物化学兵器関連物資を不正に輸出する行為は国際的な貿易管理の枠組みである「オーストラリア・グループ」に触れ、加盟各国が不正流通を強く警戒している。 また、日本政府による規制の対象となった「フッ化水素(酸)」もアラブ首長国連邦に密輸されていた。
 韓国政府は不正輸出について刑事事件の対象となったかどうかや個別の企業名を公表しない姿勢を取っている。不正輸出が後を絶たない背景には、韓国の罰則や処分の運用が甘く、抑止効果を発揮できないことがあるとの指摘も出ている。(産経7月9日)
https://www.sankei.com/world/news/190711/wor1907110002-n1.html

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FNN
FNNのほうは、北朝鮮の制裁破りを取り締まっていた国連パネル委員の古川勝久氏が登場してこのようなことを述べています。
「国連安保理北朝鮮制裁委員会のパネル委員だった古川勝久氏は「大量破壊兵器関連の規制品をめぐる輸出規制違反事件がこれほど摘発されていたのに、韓国政府がこれまで公表していなかったことに驚いている」、「この情報を見るかぎり、韓国をホワイト国として扱うのは難しいのではないか」とコメントしている」(FNN7月10日) 
https://www.fnn.jp/posts/00420563CX
この情報自体は特に目新しいものではなく、「韓国国会議員の調査結果」としてすでに朝鮮日報(2019年5月17日)で報じています。
「保守系野党「大韓愛国党」の趙源震(チョ・ウォンジン)議員が産業通商資源部(省に相当)から提出を受けた「戦略物資無許可輸出摘発現況」によると、2015年から今年3月までに政府の承認なく韓国の国内業者が生産・違法輸出した戦略物資は156件に上った。
2015年は14件だった摘発件数は、昨年は41件と3倍近くに増えた。さらに今年は、3月までの摘発件数だけでも31件に上り、急増する様子を見せている」(朝鮮日報前掲)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/05/17/2019051780021.html
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産経前掲

朝鮮日報が言っている「戦略物資無許可輸出摘発現況」とは、今回現物がでてきた産経記事にあるものと同一です。

ちなみに「戦略物資」という表現は日本でも使う場合がありますが、わが国では「大量破壊兵器関連物資」と呼んでいます。
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/sobi-gijutsuiten/sonota/pdf/05/001.pdf

韓国が違法輸出した大量破壊兵器関連物資の内訳はこのようになっています。整理しておきましょう。

韓国から違法輸出された内訳
・BC兵器系列関連・・・70件
・通常兵器関連    ・・・53件
・核兵器関連      ・・・29件
・弾道ミサイル関連・・・2件
・化学兵器関連    ・・・1件
・計                    155件

またこの韓国が違法に輸出したとみられる大量破壊兵器関連物資中で特に目立つのが、核兵器関連です。

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韓国から違法輸出された物資
・15年9月・昨年3月・・・BC兵器関連物資を北朝鮮と武器取引をしているシリア・アサド政権へ
・2017年10月、原子炉の炉心に使われるジルコニウムを中国へ、
・2018年5月、ウラン濃縮のための遠心分離器をロシア、インドネシアなどへ
・日時不明・・・生物・化学兵器(BC兵器)の原料となる「ジイソプロピルアミン」がマレーシア、パキスタンへ
・日時不明・・・ウラン濃縮材料のフッ化水素をUAEに
・日時不明・・・BC兵器製造のためのバルブをイランに
・日時不明・・・BC兵器(サリン)製造のためのフッ化ナトリウムをイランに

毎年摘発件数は右肩上りです。

違法輸出摘発件数
・2015年・・・14件
・2016年・・・22件
・2017年・・・48件
・2018年・・・41件

このリストにあるシリア・アサド政権は化学兵器を使用した実績がありますし、マレーシアに渡ったジイソプロピルアミンは、北朝鮮がマレーシア・クアラルンプール国際空港で金正男を暗殺する際に使った神経作用剤VXの材料物質となったとみられています。 

このリストか本物なら、現実にテロで使用された兵器製造に韓国が関与していたということになります。
これは重大なことで、もしそうなら韓国はG20から追放されるだけでは止まらず、テロ支援国家指定を受けることになります。

この記事で、韓国政府が言いたいことは簡単で、要は「これだけ韓国政府はやっている、日本の言っていることなどとっくに分かって取り締まっている。行政処分も出した」、と言いたいようです。
いうまでもなく日本政府がこのタイミングでリークしたのは、韓国がWTO会議で日本が主張する安全保障上の理由を示せと言ったタイミングを狙ったのでしょう。
あのレーダー照射事件の時のように知らぬ存ぜぬ、オレこそ被害者だ、と白ばっくれた鼻先に、軽くジャブを入れたということです。
なかなか経済産業省のお役人もやりますな。 

通常、不法輸出はどの国にもつきものですが、大量破壊兵器関連物資の場合、外為法によって輸出管理はおろか貯蔵管理まで明らかにせねばなりません。
それが韓国では、「摘発を受けた」だけのことで、同じ業者が再犯を繰り返し、摘発件数は年間二桁から上昇し続けてます。
おそらくは政府の監視が極度に杜撰であったか、摘発しても微罪で済むという政府の事実上の黙認があったのかもしれません。
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FNN
日本の場合、違法輸出だと知ろうと知るまいと、経済産業大臣の許可がない「無許可の貨物輸出」として外為法69条、70条で罰金か禁固を言い渡されます。
特に大量破壊兵器関連物資は最も罪が重くなっています。
また行政罰と社会罰も同時に科せられ、摘発を受ければ最大3年間、貨物技術提供が不可能になりますから、輸出ビジネス業を営むことができなくなります。
この日本の大量破壊兵器関連物資規制の前身であるココム(COCOM/対共産圏輸出統制委員会)では、1987年、東芝機械がソ連の原潜のスクリューを加工する工作機械を売ったという容疑で摘発されて、処罰を受けただけにではなく日米外交問題にまで発展しました。

「1988年(昭和63年)3月22日東京地方裁判所において判決が下され、東芝機械が罰金200万円、幹部社員2人は懲役10月(執行猶予3年)及び懲役1年(執行猶予3年)の量刑が下された。親会社である東芝は佐波正一会長および渡里杉一郎社長が辞職をした」(ウィキ)

今回のような大量破壊兵器関連物資を大量に輸出することなど、日本では考えられもしません。
だから北朝鮮はダミーの会社を作ったり、第3国を経由したりとあの手この手で北に資材を密輸出せざるを得なかったのです。
これがこと韓国になると、なんと「摘発」とやらの数カ月後に輸出業者の資格を喪失するどころか、平然と再犯ができてしまうというお気楽ぶりです。
韓国政府がいう「行政処分」が、いかに杜撰極まるデタラメなもので通り一遍のものだったのかがわかります。

※参考資料  https://hunade.com/yushutukanri-bassoku

また摘発リストを見て不思議に思うのは、この摘発が事前だったか事後だったかわからないことです。
事前ならば、違法輸出品は司直が押収したでしょうが、事後ならばすでに現物は渡ってはならない国に手渡された後ということになります。
推測の域をでませんが、マレーシアの正男暗殺事件など実際に起きた事件から見ても、事後の帳票類の「摘発」である可能性が高いと思われます。
だとするならば、なんのことはない大量破壊兵器関連物資は、北朝鮮やイランの手に渡ってしまってからアリバイ的に「摘発してみました」、ということになりかねません。
というのは韓国政府は「行政処分した」と言っているものの、押収して処分されねばならない物資についての行き先についてなんの表記もないことです。
廃棄処分にしたとも、韓国から製造国(大部分は日本ですが)に返還したとは書いてありませんから、ただの書類チェックを一覧表にしただけのことのようです。
そうでなくては前述したように、同じ業者が何度となく「行政処分」を受けるはずがありません。
このように韓国がいう「適正な摘発の実態」とは、形だけのもの、いや形にすらなっていないアリバイ作りにすぎないようです。
だから、韓国はムン政権になってから再三再四の日本側の問い合わせに対して、返答ひとつ寄越さずにシカとし続けたのです。
おそらくこのような「摘発」は巨大な氷山の一角にすぎず、違法輸出は恒常化していたものと思われます。

2019年7月11日 (木)

NPT体制崩壊の危機

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韓国の動きもありますが、あまりにも予想どおりなので、先にこちらからやってしまいます。イラン核合意についてです。
わが国は直接にイランの核の脅威下にないので、とかくペルシャ湾を通過するわが国のタンカーだけが論議の対象となっています。
ちょっと待って下さいね。それって近視眼かもしれませんよ。

脅威の方程式というのは、[脅威=意志+能力+距離]で現されますから、わがことのように思えなくて当然ではあります。
いくらイスラエルやサウジがピリピリしていようと、ヨーロッパがハラハラしていようと、米国がイライラしていようと、わが国は他人任せという部分が抜けれまん。
では他人任せにせずに、首相が外交に乗り出したとたんタンカーが攻撃を受けると、むしろメディアは「仲介外交の失敗」なんてニタニタしていました。

なるほど日本は圧倒的に遠いし、しかもイランの世界主要国で唯一の友好国ですので日本がイランから攻撃される心配はない、イランの革命防衛隊が極東まで出張してくるなんてねぇ、といったところです。

せいぜいがところ、米国が日本に対してペルシャ湾を通過するタンカー護衛を言いだすのではないか、くらいが心配の種です。
米国高官は「有志連合艦隊」構想を既に口にしていますから、遠からず日本にも参加を要請されるはずです。
あのトランプの「ニッポン安保ただ乗り論」はこの布石でしたからね。

では、もう少し視野を拡げて見ます。
今、イランがやろうとしている核武装国家への道は、実は北朝鮮の核武装と一体のものです。
世界は東と西から核問題で揺さぶられているということになります。
この両国はそれを別々に追求してきたのではなく、核開発や弾道ミサイル開発でさまざまな連携を繰り返してきました。

たとえば正恩がトランプを直接首脳会談に引っ張りだした(と思っている)長距離弾道ミサイル火星14の2段目エンジンにはイランのロケットエンジンが搭載されていたと、米国は分析しています。

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「イランは北朝鮮と協力している」。トランプ米大統領は23日、ツイッターにこう投稿した。イランが同日発表した新型弾道ミサイルの発射実験に強い危機感を示した。イランと北朝鮮は核・ミサイル分野の協力を公表していないが、米欧の情報機関は両国の連携は「疑いがない事実」(西側外交筋)とみる。
米国の核不拡散問題専門家ジェフリー・ルイス氏は7月、北朝鮮メディアの記録映像の分析から、同国が同月に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の2段目にイランの衛星打ち上げロケットと同じエンジンが使われていると結論づけた。
イランと北朝鮮は1980年代から長年にわたってミサイルなどの軍事技術協力を続けた経緯がある。イランの中距離弾道ミサイル「シャハブ3」は北朝鮮製の「ノドン」を基に開発されたとされる。イランが23日、発射実験に成功したと発表したミサイルも北朝鮮製「ムスダン」と多くの類似点が指摘されている」
(日経2017年9月26日)
https://www.nikkei.com/article/DGXKASGM25H7R_V20C17A9FF1000/

また弾道ミサイルだけにとどまらず、核開発そのものにも北朝鮮は深く関与してきました。
下の写真は、2017年にイランを訪問した金永南常任委員長とロウハニ大統領を労働新聞が報じた時のものです。

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「イランの核問題は2002年、反体制派が開発している疑いがあると公表したことに端を発する。以来、北朝鮮と協力している可能性がしばしば指摘されてきた。 米議会調査局が16年に公表した報告書は、当局者の情報として、両国が00年代に「核の父」として注目されたパキスタンのカーン博士のネットワークから、ウラン濃縮に関連する設計や材料を獲得したとしている。
 両国は核兵器製造や爆発実験のデータなどに関する情報を交換してきた恐れがあり、「イランは北朝鮮の核兵器開発の支援に対し、現金や石油を支払ってきた可能性がある」と指摘した。未確認ながら、イランの要人が北朝鮮の核実験を視察したとの情報にも言及している」
(産経2018年5月9日)
https://www.sankei.com/world/news/180509/wor1805090049-n1.html

この両国は今まで反米の絆で強く結ばれてきましたが、トランプとの直接対話に乗り出した正恩と、対話を拒否するイランとどこまで外交方針の一致があるのか、現時点ではわかりません。
今や問題はむしろ、この両国の核武装化によってNPT(核兵器の不拡散に関する条約・Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons )体制 が崩壊の危機に瀕していることです。
核拡散防止条約 - Wikipedia

NPT体制とは、煎じ詰めれば、国連安保理の常任理事国(P5・米露中英仏)のみが核保有する権利を独占する体制のことです。
ですから裏返せば、このP5が責任を持って核き使わないから、ほかの国は持つなということになります。

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朝日2015年5月18日  https://www.asahi.com/articles/photo/AS20150511000251.html

もちろん不平等条約に決まっています。
全世界は圧倒的な核の力を持つ核保有国と非保有国に色分けされるわけですから、核を持たない国は核保有国の「核の傘」の下に入るか、丸腰のすっぽんぽんになるかの2択だけしか選べないからです。
つまりは、実質米国の陣営に属するか、中露の従属下に入るかしか選びようががありません。

ただし、大国同士がこのブログでも何回かお話してきた相互確証破壊(MAD)という千日手みたいな力関係に入ってしまったために、通常兵器を用いた戦争は起こらなくなってしまいました。
仮に戦後社会が反核運動家の言うとおり「核なき世界」だったら、第3次大戦は通常戦争として必然的に勃発したことでしょうから、核にも多少の功徳はあるのです。

冷戦が盛んだった時にはこのP5が核を独占するNPT体制でうまくいっていたのですが、冷戦が終結し中国が台頭するに至っておかしくなりました。
核保有国はいわば「警官」として世界の安全保障の守護者でなければならないはずです。
だからP5は警官の拳銃よろしく核を持つ権利が与えられていたのです。
警官は自分以外が拳銃を持とうとすると、家宅捜索をして摘発しますね。
それと一緒で、警察の銃刀法にあたるのがNPT条約であり、監視機関がIAEA(国際原子力機関)です。

この警官が責任をもって拳銃、つまり核兵器を持てるNPT体制が冷戦の終結と共におかしくなりました。
ロシア親分をやっつけた気になっていた米国親分は対テロ戦争で消耗し、それに代わって現れたのがやる気ムンムンの中国だったからです。

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出典不明

なんせチャイナが目指すのは、米国に匹敵する中華帝国建設ですから、警官の義務は無視し、特権的に許された拳銃をカサに着て自国のエゴを押しつけ始めました。
たとえば南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地を作り、今やミサイルや航空基地や軍港を建設するまでになっています。
そしてあろうことか、国際司法仲裁裁判所がそれを認めないと、判決を紙屑呼ばわりして従わないのですから傲慢も極まれりです。

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ウクライナに侵攻したロシア軍 出典不明

原油で潤って帝国の復活を目指すロシアまでがこれを見て、ウクライナに侵攻するありさまで、これでは警官が率先して犯罪を犯しているようなもんです。
この中露がいくらNPTを守れと言っても、それはオレは無法を働いてもいいがお前はダメだ、オレの属国になれ、と言っているに等しいことになります。

中国が北朝鮮にハンドリングが効かないのは当然で、正恩に言わせれば、「習同志、あなたを模範にしているのに何でオレだけダメなんすか」といったところでしょう。
イランにしても同じで、なぜオレだけがという不条理な気分はいつも持っているはずで、国連安保理で中露が味方になってくれているので反感が米国のみに向けられているのです。

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http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=87353

またもうひとつの問題は、すっかり北とイランの影で忘れられていますが、インド、パキスタン、イスラエルも核保有国なことです。
この3カ国はNPT条約を批准しなかったために、番外地となっています。

このうちインドが核武装したのは、隣国の中国が原爆をちらつかせる恫喝外交をしたことに対しての核抑止でした。
核を持たない限り、中国の意のままになるしかありませんからね。
するとインドの宿敵である隣国のパキスタンも核保有に走りました。
おそらくインドの核保有を喜ばない中国が核技術を提供したものだと思われます。
さらに、このパキスタンから核技術がズルズルと流出し、世界に流れ出していったのです。

「6月15日、米国のワシントン・ポスト紙のが、パキスタンのカーン博士の「核の闇市場」関係者がミサイルに搭載可能な核兵器の設計図を持っていたと報じました。この記事は、米国のNGO「科学・国際安全保障研究所(ISIS)」のデイビッド・オルブライト所長の報告書のドラフトに基づくものです。同報告書が翌16日、ISISのサイトに載りました」
(核情報http://kakujoho.net/susp/sws_khn.html)

北朝鮮やイランが狙っているのは、この印パのような地位になることです。
一方、二度とNPT番外地を作るつもりはないというのが、米国の意志なのです。

 

 

 

 

2019年7月10日 (水)

イラン 核濃縮を再開

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イランが核濃縮を再開しました。

「イランは7日、2015年の核合意の上限を超えて、ウラン濃縮度を引き上げると発表した。
核合意は、イランの核開発を制限する目的で、同国と欧米、中国、ロシアの間で結ばれた。しかし、アメリカは昨年5月、一方的に離脱し、イランへの経済制裁を再開。同国の経済は打撃を受けている。
離脱からちょうど1年後の今年5月、イランは残る中国、フランス、ドイツ、ロシア、イギリスの各国に、アメリカへの制裁解除の働きかけを要求。60日後をリミットとしていた。
その60日目に当たるこの日、イラン外務省のアッバス・アラグチ次官は記者会見で、数時間以内にウラン濃縮度を核合意で定められた3.67%を超すレベルまで引き上げると発表した。
また、今後も同国の要求が満たされなければ、再び60日後に、核合意のさらなる履行停止に踏み切る考えを明らかにした」(BBC7月8日)
https://www.bbc.com/japanese/48904345

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BBC前掲

私はこれをただの政治的チキンゲームとは見ません。
残念ですが、イランは核兵器を持つつもりのようです。

まず7月1日に、イランは核合意で定められた低濃縮ウランの貯蔵上限300キロを超えたことを公表しました。
これでルビコン河を渡ると宣言したことになります。
さらに続いて7日には3.67%以下と合意で決めらた濃縮濃度を超過させると発表しました。

少し説明しておきます。
よく日本も核武装がすぐにできるという人が右にもヒダリにもいますが間違いです。
核分裂物質のウラン235(U235) は自然界ではわずか0・7%しか含まれていません。
天然ウランは核分裂を起こすウラン235が0.7%、核分裂を起こさない役立たずのウラン238が99.3%で成り立っています。
だから天然ウランのままでは、核分裂を起こすのにまったく不足しているために、ウラン235の比率を遠心分離機にかけて長い時間かけて濃縮します。
その濃縮度が90%になって、やっと核兵器となるわけです。

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NHK7月8日

「天然ウランを、20%の濃縮度まで高めるには長時間を要する一方、20%のウランを90%まで高めるには比較的短時間で済むとされています」(NHK7月8日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190708/amp/k10011986401000.html

ウランは、商用原子炉用としてはたった濃縮度5%で済みます。
強いてこれを超過する平和目的の濃縮度は、医療用アイソトープの濃縮度20%くらいですが、医療用ウランをそんなに沢山持ってどうするのということにになります。
ですから5%を超えて濃縮を続けるなら、専門家は原爆一個を作るのに低濃縮ウラン1200キロが必要で、1日1キロほどを濃縮していくと数年先には出来るということです。

イランは、核兵器製造に必要な施設やウラン鉱山までワンセット保有しています。

Map

ロイター7月5日 https://jp.reuters.com/article/iran-uran-graphics-idJPKCN1U403P

上図から確認できるだけで、ギャチーン、アルダカーン、ヤズド、他一カ所にウラン鉱山を持ています。
ナタンズとフォルドには核濃縮施設もあります。
この二つのプラントは、イラン核合意によって査察対象となって制限がかかっていましたが、今はフリーです。

「10年間、「IR-1」と呼ばれる第1世代の遠心分離機しか使えず、数少ない高度な遠心分離機は濃縮ウランを貯蔵しない研究にのみ使用が許可されている。
イランは2015年時点で1万5000基の遠心分離機を保有していた。核合意を受け、ナタンズ核施設では5060基、フォルドでは1044基を使用することで合意した。いずれも効率性の低い旧式の遠心分離機だ」(ロイター前掲)

この核施設で濃縮ウランを製造しますが、これは複数の遠心分離機を連結して濃度を高めていきます。
ひとつのシリンダーが高速で回転することで、より重いウラン238(U238)がU235と分離し、このプロセスを数百回繰り返します。
大変な電力喰いだそうです。

ちなみに北朝鮮もまたこのウラン濃縮型に転換しており、分散して相当数の濃縮プラントを地下深く建設していると言われています。
このような代替施設があるから寧辺(ヨンビョン)のような古い核施設は交渉の対象にしていい、と正恩は考えているわけです。
もちろん米国はそんな見え透いた手には乗りませんでしたが。 

06

https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_...

日本にはこの濃縮プラントが存在しません。
そりゃ北朝鮮が持っているくらいですから、作る気になればそう難しくはありませんが、既存の原発さえ再稼働できない国が、兵器級ウラン濃縮フラントを建設するなんてただの夢想にすきません。
ま、統一朝鮮が核武装して、東京を火の海にしてやるなんて言い出すと、話は別ですがね。

この遠心分離機は昨日書いたワッセナーアレンジメント協定の規制品目ですが、イランは国内生産できませんのでどこの国が売ったのかですが、状況的には東アジアのあの国とこの国が怪しいとされています(あえて名を秘す)。
もし発覚すれば、米国からテロ支援国家の称号を頂戴し、エライ目にあうことになります。

イランの低濃縮ウランの保有量ですが、2019年5月時点で174トンと十分な量が積み上がっています。
あとは、出来た核兵器を弾頭に詰めて発射する投射手段ですが、これはイラン核合意の対象外でしたので、各種保有していることは知られています。
Category:イランの弾道ミサイル - Wikipedia

たとえば、射程射程は2000km~2500kmで、 イランの主敵であるイスラエルを射程に収める中距離弾道ミサイル・アーシューラー、なんと欧州・米国まで射程に入れた長距離弾道ミサイル・シャハブ6まで既に保有しているとされています。

これらは北朝鮮との密約によって共同で開発したものです。

「中東での北朝鮮の武器売却に詳しい米テキサス州立アンジェロ大学のブルース・E・ベクトル教授(政治学)によると、北朝鮮は、遅くとも1980年代初め以降、イランに通常兵器および弾道ミサイルを輸出してきたという。 また、ワシントンに拠点を置くケイトー研究所の国防アナリスト、エリック・ゴメス氏は、イランの中距離弾道ミサイル「シャハブ3」と多弾頭弾道ミサイル「ホラムシャハル」(それぞれ北朝鮮のノドンとムスダンに似ている)は、数十年間に及ぶ武器開発協力の証拠だと指摘している」
(ウォールストリートジャーナル2018年7月9日)
https://jp.wsj.com/articles/SB11756459905445293977504584335630594152484

このまま推移すれば、イラン核合意が想定した時間内である1年以内に、イランは欧米と中東全域を射程に入れた核兵器保有国になることがあり得ることになりました。

この結果は、ただ単にイランに核開発再開の道を開くだけではなく、イランの宿敵であるサウジラビアの核開発に飛び火し、いわゆる「核の連鎖」を引き起こします。

また、米国や直接脅威にさらされるイスラエルもまた手をこまねいているはずがなく、何らかのアクションを起こすことでしょう。
そのことによってペルシャ湾のタンカー航行が阻害されるという事態もでてきました。



 

 

 

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