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2023年2月 4日 (土)

始まった沖縄の有事避難演習

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沖縄の離島住民の退避訓練が行われるようです。
すでに図上演習は、鹿児島県では実施済みです。

「武力攻撃を想定した訓練は、鹿児島県内では初めてです。
外国からの武力攻撃の可能性があるとして、離島の住民が島外に避難する事態を想定した図上訓練が、18日鹿児島県庁で行われました。
鹿児島県庁で行われた訓練。モニターには「屋久島、口永良部島が武力攻撃の可能性」とあります。
武力攻撃を想定した訓練は県内では初めてで、内閣官房や県などが開催しました。
訓練では県や屋久島町が実際に住民を避難させる案を説明しました。
このなかで、屋久島町の住民全員が島外に避難するには定期便だけでは最低6日かかるため臨時便で対応することや、島内の医療機関に入院している患者の対応などが検討されました」
(鹿児島テレビ2023年1月18日)
離島への武力攻撃に備え避難手段確認 鹿児島(鹿児島ニュースKTS) - Yahoo!ニュース

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鹿児島テレビ

鹿児島では「武力攻撃」を想定しており、今年度中には実際に住民も参加しての訓練をするようです。
これにならって沖縄県でも、避難計画の図上訓練がこの3月におこなわれるようでず。

もっとも危険な宮古、石垣のほうが鹿児島より3カ月も遅れています。
まだ図上演習の段階ですが、政府と自治体、警察、自衛隊、消防などの公的機関の連携と受け渡しを確認するために必須です。
やっとか、という感じですが、一歩前進には間違いありません。

「中国の南西諸島侵攻を想定し、沖縄の離島住民の避難方法を検証する初の図上訓練の計画の全容が28日、明らかになった。3月中旬に政府と沖縄県に加え、与那国島など離島の5市町村が参加して連絡態勢や民間の航空機、船舶を活用した迅速な避難を試す。台湾有事からの波及を含む南西諸島侵攻が懸念される中、政府は実際に住民を避難させる実動訓練につなげたい考えだ」
(産経 2023年1月28日)
〈独自〉沖縄初の有事避難検証へ 政府、県など図上訓練 - 産経ニュース (sankei.com)

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産経

現在、沖縄、鹿児島に限らず、大災害が頻発する中で、各県は先を争うようにして大規模避難訓練を実施しています。
参加数は昨年度に比べ1・7倍で、「武力侵略」が空論ではなく、北朝鮮や中国の弾道ミサイル発射やウクライナ戦争など、日本の安全保障環境で「戦争」が現実味を帯び始めたことが影響しているのでしょう。


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〈特報〉テロから武力侵攻想定へ 「住民不在」で実効性に疑問も、国民保護訓練 - 産経ニュース (sankei.com)

ただし上図でわかるように、大半の訓練に住民自身は不参加で、訓練の想定も現実味に欠けるという声は専門家から常々上がっていました。
たとえば、国は2020年5月、都道府県向けの通知で、国主導の訓練は「広域での高度な訓練」を行うと明記しました。
これはいままでのように大水、地震、噴火などの自然災害だけではなく、武力侵略を想定する県をまたいだ事態を想定しています。

また図上演習だけではなく、去年1月には国主導で、高知県民を山口、愛媛両県に実際に少数を移動する大規模訓練もなされました。
これは沖縄で予定されている大規模避難計画のひな型だと思えばよいでしょう。

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武力攻撃想定し「全高知県民避難訓練」全国初の実施、33機関参加 | 高知新聞 (kochinews.co.jp)

「(高知県の)訓練の想定は、「某国から日本への武力攻撃の可能性の示唆」があり、検討の結果、「2カ月後に高知県が攻撃目標となり得る」と判断された。国は国民保護法の「武力攻撃予測事態」に認定し、全県民を山口、愛媛両県に飛行機と船、バスで1カ月かけて避難させる―との内容。
14日は関連省庁や自衛隊、海上保安庁、高知、山口、愛媛の3県、高知市と南国市など33機関・計240人が参加。高知港、高知龍馬空港を使った移送の手順を確認する図上シミュレーションを行う。さらに、高知市と南国市のスポーツ施設から、住民役のエキストラをバスで港、空港に運ぶ実動訓練も実施する。
武力攻撃の想定について、内閣府は「広域避難という訓練の目的からシチュエーションを考えており、蓋然(がいぜん)性は考慮していない。愛媛、山口を避難先としたのも、南海トラフ地震に備えて高知県と連携していることを踏まえた」と説明。県危機管理部は「地震時の備えにもつながる」とするが、県庁内には「現実味を欠く」と戸惑う声もある」
(高知新聞2022年1月13日)
高知県に武力攻撃、全県民脱出せよー 国と県など1/14訓練 「現実味欠く」疑問の声も | 高知新聞 (kochinews.co.jp)

高知の場合、33機関約240人 程度で演習を行っていますが、実際に人と機関を動かすという演習はいかに実効性に欠けると言われようと、やらねばならないのです。
ここですり合わせができていないと、実際に演習で人と機関を動かす場合に必ず混乱します。
沖縄ではこのような訓練が想定されています。

「図上訓練は政府では内閣官房と消防庁、国土交通省が主体となる。沖縄の離島では①台湾との距離が110キロの与那国町②尖閣諸島のある石垣市③宮古島市④多良間(たらま)村⑤竹富(たけとみ)町-の5市町村が参加する。
訓練は武力攻撃事態などへの政府や自治体の対処を規定している国民保護法に基づいて行う。想定は武力攻撃が予測される事態を政府が認定を検討している早期の段階で住民避難に着手する。より早く、多くの住民を避難させる輸送手段を確保できるか検証する。
住民避難には通常から離島に運航している民間の航空機と船舶を使う。
5つの離島で観光客を含めて約12万人の避難のために可能な限り早く、多くの航空機と船舶を離島に送り込む。そのような事態になれば沖縄本島も住民は屋内避難の対象になるため、離島住民の避難先は九州とする」
(産経前掲)

避難の流れはこうなります。
石垣、宮古、多良間、竹富の5市町村は、住民に危機が迫っていることを認識してもらい、集落などの単位ごとに空港と港に集まってもらう輸送手段の確保と要領を説明します。
宮古・八重山からの脱出を想定している人数は、沖縄県の試算で1日2万5千人です。
鹿児島と違って、至近距離に本土がないので困難な避難となるでしょう。

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沖縄タイムス

「有事における住民避難に関し、沖縄県は16日、民間の航空機や船舶の輸送力を全て確保した場合、宮古、八重山の先島地方から県外へ移動できる1日当たりの人数は最大約2万500人、平時の約9300人の倍以上になるとの試算を初めて示した。避難先は鹿児島県や福岡県など九州7県を想定している」
(沖縄タイムス2022年12月17日)
有事の住民避難、1日最大2万500人 宮古・八重山から九州へ 沖縄県が初の試算 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス (okinawatimes.co.jp)

2020年の国勢調査では宮古の人口が5万4020人、八重山が5万3297人ですから、宮古の避難想定数が1万500人、石垣で1万、いずれも5分の1ていどということになります。
島に残されたひとたちにはシェルターなどを準備せねばなりません。

宮古・八重山のシェルター建設は進んでいないようです。
沖タイの阿部岳記者はこんなツイートをしています。

「きょうは政府が先島諸島に建設を検討しているシェルターについて。不穏です。例えば中国がシェルターを造り始めたら、身構えますよね。
シェルターは一見あった方がよさそうで、反対しにくそうに見える。でも、ミサイル発射から着弾までのわずかな時間に人々が逃げ込める距離に造ろうとしたら、いくつ造っても足りない。
命を守る効果は限定的。緊張を高め、戦争を呼び寄せるリスクが大きい」
阿部岳 / ABE Takashi(@ABETakashiOki)さん / Twitter

こういう人たちと議論しても始まりませんが、記者ならともかく県知事までがこの調子ですからなんともかともです。
命ど宝だとか、先島切り捨てを許さない、とか言いながら、島民が身を守る最低限の施設まで「戦争準備」となってしまうのですから話になりません。
しかし、こういう空気に押されてシェルター建設はまだ青写真もできていないようです。

阿部記者は巨大な核シェルターのようなものを考えているようですが、不勉強ですね。
ヨーロッパの例を見ると、いろいろの大きさがあるのです。
むしろ大きい施設をひとつ作るのではなく、公民館や市役所、大きいビルの地下に作ってあります。

シェルターを設置すると不動産税が軽減されたり、建設費に補助金がでる例もあるようです。
もっとも進んだシェルター保有国はスイスです。

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「スイス国内にはおよそ30万の核シェルターが個人の家屋、施設、病院といった場所にあり、5100の公共の防衛施設がる。通算すると860万人もの人々が避難できる。これは、当時のスイスの人口比で考えると、114%もカバーできる計算になる。
なぜなら、1962年の米ソ冷戦下でのキューバ危機を受けて、1963年に全戸に核シェルターの設置を義務付ける連邦法が成立している。
民間防衛に関する連邦法の第45条と第46条では「全ての住民のために住居から避難可能な近隣に避難場所を用意する」そして「 家屋所有者は、家屋、宿泊施設等を建築する際には、避難の部屋を建設し、必要な設備を設置、管理する」という連邦法の元に1963年以降に建設されたほぼすべての家屋で避難場所が設置されている」
世界の核シェルター事情 (takayakoumuten.co.jp)

スイスで阿部記者のような発言をしたら、鼻先で笑われるでしょうね。
鹿児島県の場合、避難に要する期間は6日間と試算されていますから、その準備を含めて台湾有事を想定した場合、最低でも一カ月以上前には準備に取りかからねばなりません。
同時並行でシェルターも建設する必要があります。

とまれ、いまでも遅すぎるくらいです。
デニー知事なら「戦争を前提としている。避難計画をすれば中国を刺激する」などといいそうですが。

ありとあらゆる手段で先島の人々を守らねばなりません。

2023年2月 3日 (金)

一度「尖閣」を政治から切り離して環境問題で考えてみたらいかがですか

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石垣市が、同市の施政地域である尖閣諸島を東海大学と共に現地調査しました。
今回はドローンを使った空撮と、付近海面の水質調査、漂着ゴミなどを調べました。
画期的なことです。

「沖縄県石垣市は29、30の両日、同市の尖閣諸島周辺で環境調査を行い、ドローンを使った上空からの調査を初めて実施した。尖閣諸島の魚釣島ではヤギの食害などによる自然破壊が懸念されており、市は今後、上空からの映像をもとに実態解明を急ぐ。調査船には東海大の海洋研究チームのほか中山義隆市長や市議らも乗船し、産経新聞記者も初めて同行取材した。
同市による調査は約1年ぶり2回目。平成24年には東京都も現地調査を実施したが、上陸はせず、船上から島の様子を視認するにとどまっていた。今回は尖閣諸島の魚釣島に調査船が接近し、ドローンを飛ばして上空約150メートルから計4回、あわせて30分以上にわたり同島を撮影することに成功した」
(産経1月31日)
尖閣諸島で初のドローン調査 中国公船が領海侵入し、接近 - 産経ニュース (sankei.com)

ドローンを使った尖閣の上空調査によれば、尖閣の生態系の破壊は急速に進行しているようです。

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(16) 尖閣調査 迫る中国公船 - YouTube

「中山義隆市長が会見し、魚釣島の山肌が崩落するなど自然環境が急激に悪化している現状を説明。「早急な対応が必要」と話した。調査チームの山田吉彦・東海大教授(海洋政策)も映像をもとに「生態系を維持できない島になりつつある」と述べ、危機感をあらわにした」
(産経1月31日)
尖閣の上空映像初公開 急激に環境悪化か 石垣市長「早急な対応必要」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

尖閣は、かつて某政治団体が放した山羊が繁殖してしまい、草を食い荒らしてハゲ山化させてしまいました。
いったん表土がはがされると、無数のひび割れが生じて、やがて雨水によって地盤の崩落が始まります。
また過剰な山羊の糞によって、リン酸過多とになり、やがて不毛な島と化します。

実際に沢小笠原群島の媒島(なこうどじま)では、野生化した山羊が生態系を攪乱した例があります。

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野生化したヤギ | NHK for School

山羊の食欲は旺盛で植物を選びません。特に棘がない植物が多いこの島では、短期間で喰い荒らされていきました。
かつては美しい緑の島だった媒島では見る見るうちに裸のハゲ山の島に変わってしまいました。

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同上

ハゲ山と化した島の土壌は土を食い止める力を失い、島周辺の海に赤土が流出し珊瑚礁を殺します。
こうなった場合、しっかりと土留めをして、山羊を捕獲するしかありません。

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同上

こうして媒島一帯は見る影もない生態系になっていったのです。

今、小笠原では環境省による再生計画が進行しています。
Microsoft Word - 070613基本計画【決定稿】.doc (ogasawara-info.jp)
尖閣諸島に対しても同様の計画が必要です。

人が長期間立ち入らない無人島と接触する場合、慎重な事前調査が必要で、それ相応の自然環境を保全する知見も必要なはずですが、いきなり外部の生態系から孤島に山羊を放つとは無責任にもほどがあります。
山羊の繁殖力の強さを、なにも考慮していなかったようです。

結果として、この団体は尖閣を防衛するといいながら、その自然を棄損してしまいました。
今回の中山市長のように、専門家のアドバイスを受けてやるべきでした。

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同上

「魚釣島では昭和53年に政治団体が持ち込んだヤギが繁殖し、草木を食べ尽くすなどの被害が指摘されている。調査チームの山田教授は「草木が減ったため山が水をためる能力を失い、崩落が急速に進んでいる。漂流ゴミも多く、危機的な状況といえる」と話した」
(産経前掲)

生態系が危機に貧しているとわかった以上、早急に尖閣の自然を再生せねばならないはずですが、難しいようです。
土地規正法がネックになっているのです。

「安全保障上重要な土地の利用を規制する土地利用規制法の全面施行に伴い、政府が昨年末に指定した第1弾の対象区域58カ所への効力が2月から発生する。政府は土地の利用状況調査に乗り出し、場合によっては利用規制を講じる。ただ、今回の指定対象には中国が領海侵入を繰り返す尖閣諸島(沖縄県石垣市)は入らなかった」
(産経1月27日)
【岸田政権考】土地規制法 尖閣の指定を見送った理由は - 産経ニュース (sankei.com)

この土地規正法は、原発や自衛隊基地周辺の土地や離島が外国人に取得されたりすることに対する法律でしたが、これは原則として私有地を対象としています。

「同法の対象となる国境に近い離島は、国が現在、保全・管理を行っている島のうち、原則として国と地方公共団体以外が所有する土地を含む島となっている。
魚釣島や北小島、久場島など複数の島々で構成される尖閣諸島は、すでに大半の島が国有化されており、同法の対象は個人所有の久場島に限られる見通し。その久場島も国が借り上げている。第三者が土地を買ったり借りたりするなど、具体的な動きができない状態にあるのだ」
(産経前掲)

まったく馬鹿げた話で、これでは安全保障の為に作られた法律によって、尖閣が守られないということになってしまいます。
尖閣の自然保全が急務なことはわかりきったことで、法の運用などは政府の判断でどうにでもなる問題ではないですか。
要は、中国を刺激したくない、当たらず騒がず、臭いものには蓋、決断は後の政権に先送り、といういかにも岸田政権らしい及び腰が原因です。

しかし中国は待ってくれません。
今回も、中国海警察が調査水域で待ち構えていました。
しかし今回画期的なことには、日本の調査船を海保が「艦隊」で全力ガードしたことです。

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同上

「レーダーの中央に位置する調査船の左右と後方に、船影が3つ浮かんでいる。海保巡視船だ。少し離れた左側にも船影が2つある。これは中国公船だ。しかし別の船影2つがぴったりと張りついている。海保巡視船がスクラムを組み、中国公船を調査船に寄せ付けないでいるのだ」
(産経前掲)

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同上

この日、海保は管区外からも警備船を集結させて、押し寄せる中国海警との間に防壁を作って徹底的にガードに努めました。
日頃の日本漁船の保護といい、海保には頭が下がります。
まさに守護神です。

しかし実にこの間11時間もの間、中国海警は領海侵犯を続け、このような「警告」を海保に発していたそうです。

「海上保安庁「こちらは日本国海上保安庁巡視船。尖閣諸島は日本の領土である」
中国海警局「こちらは海警船。貴船の主張は受け入れられない。釣魚島およびその付属の島々は、古来から中国の固有領土である。その周辺12海里は中国の領海である。貴船はわが国の領海に侵入した、直ちに退去してください」
(産経前掲)

ちなみに中国中央電子台はこのような妄想ニュースを流したそうです。

[北京 30日 ロイター] - 中国海警局が30日、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の海域から日本の船舶5隻を追い払ったと、中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。
報道によると、海警局の報道官は5隻が「釣魚島周辺の領海に違法に侵入」し、海警局の船によって追い払われたと指摘。「日本側に対し、この海域でのあらゆる違法行為を直ちに停止し、このような事態が二度と起こらないようにすることを求める」とした」
(ロイター1月31日)
中国海警局、日本の船舶追い払ったと主張 尖閣周辺で=国営TV | ロイター (reuters.com)

なにを言っているのやら。

そもそも政府が国有化に伴う責任を果たそうとせずに、事実上放置してきたことがこの尖閣問題をいっそうこじらせてきました。
日本の立場は一貫して「領土問題は存在しない」です。
なにもない以上、おかしな中国への忖度は無用のはずです。
尖閣の調査と山羊の捕獲、植林、サンゴなどの自然再生、同時に灯台の設置、付近海域の調査などは、国土保全、海上交通の安全確保としてとうぜんの国としての義務です。

それらの作業をするために一定数の公務員の常駐も必要でしょう。
なぜしないのか、そのほうが不思議です。
今のように、国有地であることがやらない理由になるようでは困ります。
一度政治から切り離して、尖閣の生態系保全を考える時なのです。
切り離して淡々と環境保護をすることが、中国へのもっともよい態度表明となるはずです。

いいかげんにしゃっきりしたらいかがですか、岸田さん。

 

2023年2月 2日 (木)

バイデンの失敗・そして中東諸国は米国に離反した

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世界はバイデン政権になってから、いっそう不安定化してしまいました。
それはウクライナ戦争で固まるどころか、いっそう揺れはひどくなり、米国の伝統的同盟国だったはずのサウジはロシアへの経済制裁に協力しなかったばかりか、ドル決済から離脱してもかまわないとまで言い始めています。

「米ドルやユーロであろうと、サウジ・リヤルであろうと、貿易決済の方法について協議することに何ら問題はない。我々は世界の貿易改善に寄与する議論を拒んだり、除外したりしているとは考えていない」
サウジアラビア、米ドル以外の通貨での貿易に関する協議にオープン - ブルームバーグ (bloomberg.com)

この動揺を抑えるべく、ブリンケン国務長官は中東を訪問している最中です。
先日、東エルサレムでイスラエル人を襲うテロが起き、それに対してイスラエル軍は報復にでています。

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ブリンケン米国務長官、パレスチナを訪問 追加支援の拠出を表明:朝日新聞デジタル (asahi.com)

「27日に東エルサレムの入植者地区にあるシナゴーグの外でパレスチナ人の銃を持った男が7人を殺害し、28日にも別の襲撃があった。
26日には、ヨルダン川西岸のジェニン難民キャンプでイスラエル軍の襲撃があり、ここ数年で最も死者が多い軍事作戦の一つで、9人が死亡している。イスラエルは、イスラム聖戦の過激派を標的とし、ロケット砲撃への報復としてハマスが支配するガザ地区を攻撃したと発表した」
(アラブニュース2023年1月30日)
ブリンケン氏、カイロに到着し中東訪問を開始|ARAB NEWS

もう見飽きたパターンです。いったいどれだけ繰り返したら気が済むのでしょうか。
イランから武器をもらったハマスなどのテロ組織が無差別テロを行い、それに対してイスラエル軍が報復するというパターンです。
そしてメディアはイスラエル軍の空爆のみ非難し、テロリスト側は「民衆の抵抗」と描く、いつもどおりです。
ただしいくらイスラエルを非難してみても、原因の根が断ち切れていないのですから、どこまでも続きます。

ブリンケンはパレスチナ自治政府のアッバスに「イスラエルと独立したパレスチナ国家が平和的に共存する「2国家解決」の支持を表明」(朝日 2月1日)したそうですが、ブリンケンは、パレスチナとイスラエルの二国間だけでこの問題を解決できると本気で思っているのでしょうか。
パレスチナ自治政府が掲げてきたのが「アラブの大義」である以上、共存関係はアラブ世界全体とイスラエルとの間に成立しなければならないはずです。
しかも共存の最大の障害物であるイランと戦うという意志で統一されねば、ほんとうの「共存」は生まれないのです。

実は2年前すでに抜本的解決策は出来ていました。それがアブラハム合意です。
しかもトランプは、プランを出すだけではなく、慎重に数年かけて段階を踏んでそれを実現してしまったのです。

これを壊したのが、ブリンケンのボスのバイデン御大です。
彼が、米国外交の金字塔ともいうべきこのアブラハム合意を壊してしまい、またテロと報復の無限ループが始まってしまったのです。

仮にトランプに2期目があったなら、イスラエルとサウジやUEAなどの湾岸諸国との経済や社会交流はを通した友好関係はじっくりと進み、一方イランは厳しい包囲下に置かれてしまい、中東制覇の夢も頓挫していたはずでした。

ところが、核合意が再建されてしまい、いまやイランは後述するようにロシアのウクライナ侵略を軍事的に支える最大の支援国と化しています。

アブラハム合意は中東和平の合意であると同時に、イラン包囲網の形成でした。
イスラエルとアラブ首長国連邦が国交正常化に合意し、9月にはバーレーンも加わり、これをエジプトも歓迎し、ヨルダンも平和交渉の前進につながると発表しました。

トランプは、この画期的中東和平案を段階を踏んで実現しています。
まず2017年12月、トランプはエルサレムをイスラエルの首都として認めると発表し、さらに19年11月には、イスラエルの占領地区の入植地を国際法違反とは認めない、と方針転換しました。
そして2020年1月29日、満を持して中東和平案を発表しましたが、その骨子としてパレスチナを独立国家として承認する一方、ヨルダン川西岸のイスラエル入植地でイスラエルの主権を認め、エルサレムをイスラエルの首都として認める、というものでした。

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ネタニエフ首相とトランプ
トランプ氏、中東和平案を発表 パレスチナは反発 - BBCニュース

トランプは当時こう述べていました。

「今日、イスラエルは平和に向けて大きく一歩前進した。私のビジョンは、両者にとってウィンウィンとなるものだ。パレスチナ国家が成立してもイスラエルの安全を脅かさないようにする、現実的な二国家共存策だ」
(BBC 2020年1月29日)

後にバイデンがこの合意を反故にすることでわかるのですが、実に巧妙に考えられた合意案でした。
これをパレスチナ自治政府のアッバスが呑めば、パレスチナ紛争は終わり、自動的にイランからサウジまでを支配してきた「パレスチナの大義」の旗印は消滅するのです。
ちなみに「パレステナの大義」とは、イスラエルの完全否認であり、ユダヤ人を海に追い落とすまで永遠に戦い続けるという意味です。
この非現実的にして、過激なこの「パレスチナの大義」幻想は、イランによって温存され、その手先のハマスはロケット弾テロを飽きずに繰り返しています。

中東諸国から多大な物的支援をもらい「民族解放貴族」の地位に安住していたパレスチナ暫定政府は、これを「謀略」だとして反発し、暴動に訴えました。
ばかな話です。パレスチナには現実的判断ができる指導者はいないのでしょうか。

トランプの中東和平案はこれで終わりではなく、その1年半後の2020年8月の「アブラハム合意」として結実します。
アブラハム合意 - Wikipedia

アブラハム合意の意味はこのように要約されます。

①パレスチナ問題が他のあらゆる問題の拒否に繋がらないよう分離したこと。
②スンニ派のアラブ諸国を、それを脅かすシーア派の国(イラン)に対抗できるよう束ねたこと

この政策の要点は、たんなる目先の中東和平の合意ではなく、むしろイランをパレスチナ問題から切り離して孤立化させることにありました。ですから、アブラハム合意は18年5月のトランプによる合意からの離脱とワンセットで見るべきです。

Opkhalafhabtoor

「平和の輪」は、我々の紛争地域を救うことができる|ARAB NEWS

トランプは離脱の理由として、核計画の制限が期限付きなうえ、弾道ミサイル開発も制限していないことなどを挙げ、制裁の再開しました。
完全な包囲網を作られてしまったとわかったイランは猛反発、オバマがかけた梯子で二階にあがったていた欧州首脳も激怒し、「深刻な懸念」を表明しました。

ところが、この画期的なトランプの中東政策を覆す者が現れたのです。
それも米国内から、しかも大統領として。
それがバイデンです。

世界は均一に歴史が進んでいるわけではありません。
リベラルが好きな進歩史観によれば、歴史は一直線に進化するように描かれていますが、そうではありません。
いまだ戦国時代の地域もあれば、古代中世を延々とやっている国もあります。
さしずめ中東はいまだに戦国時代であって、ロシアや中国など中世世界の発想から出られないでいます。

バイデンは、いかにもアメリカン・リベラルらしい直線的進歩史観で中東と対応しようとしました。
トランプが利と利を巧みに組み合わせて、複雑な中東和平案を練り上げたのに対して、バイデンは人権オンリーですからなんともかとも。

サウジのような皇太子が殺人をするような非民主的な国家よりも、イランと対話することを選んでしまったのです。
バイデンはトランプが廃棄したイラン核合意に回帰し、融和的政策を打ち出そうとしました。
それを見ていたサウジなどの湾岸諸国は、一斉に米国からの離反を開始します。

このことによる影響は、ウクライナ戦争に対して米国が呼びかけた経済制裁に、中東諸国が従わなかったことで明らかになりました。
中東は経済制裁には加わらず、ロシア非難にも消極的でした。

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中東アフリカ、対ロ制裁に冷ややか 食糧や兵器で依存: 日本経済新聞 (nikkei.com)

「ウクライナに侵攻したロシアへの米欧主導の制裁に、中東アフリカ諸国が冷ややかだ。食糧や兵器をロシアに頼る国が多く、産油国の連帯もある。人権を理由にした対ロ圧力にはいっそう消極的だ。ロシアが孤立を深めるばかりと言い切れない一因になっている。
国連総会で7日採択されたロシアの人権理事会の理事国資格を停止する決議は、過去の決議より態度を後退させる国が急増した。人道状況の改善を求めた3月24日の決議で棄権したが今回は反対に回った18カ国のうち、中東アフリカからは8カ国だった。賛成から棄権に転じた39カ国をみると過半を占めた」
(日経2022年4月14日)

これは、人権をなにかといえば口にする米国を疎ましく思っていたこともある上に、サウジやUAEは原油生産を巡って、世界第2位のロシアと利害を共有していたからです。
ウクライナ侵攻直後の去年3月上旬、プーチンはサウジとUAEの指導者と相次いで電話協議し、原油生産を巡り「協調を続ける」ことで一致した。

これは欧米各国のエネルギー危機を救済するために増産を呼びかけた、バイデンに対するあてつけでした。

一方、トランプのアブラハム合意によって外堀を埋められていた状態のイランは一気に力を取り戻し、ロシアと同盟を組んで軍事支援を強化しました。
いまやロシアのドローンの過半はイラン製であり、その操作や訓練にも協力しているといわれています。

弾道ミサイルの供与も約束したようです。
また今後、ドローンの生産ラインもロシア国内に作るようです。

ロシアはお返しに最新鋭の戦闘機を大量に供与しました。
これで中東の空軍のバランスは、大きくイランに傾くことでしょう。

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イラーンのドローンシャヘド136
ロシアとイランが接近、今なぜ?自爆ドローンとは?深まる懸念 | NHK

「ウクライナに侵攻したロシアと、ロシアにドローン無人機)を供給するイランがさらに軍事協力を深めているとして、米英両国が9日、懸念を表明した。ロシアで攻撃用ドローンを共同生産したり、イランが弾道ミサイルを供与したりする検討が進んでいるとみて、警戒を強めている。
 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は、9日の電話会見で「ロシアがイランに前例のないレベルの軍事・技術支援をしている」と指摘。全面的な防衛協力へと移行しつつあるとの認識を示し、「ウクライナだけでなくイランの近隣国にも脅威だ」と危機感を示した」
(朝日2022年12月10日)
イランとロシアを米英が警戒 ドローン共同生産やミサイル供与検討か:朝日新聞デジタル (asahi.com)

プーチンは2022年7月、軍事侵攻後、旧ソビエト諸国以外では初めての外国訪問としてイランを選びました。
最高指導者ハメネイやライシ大統領と相次いで会談して、経済や安全保障などの分野で協力を深めることで一致し、ハメネイから直接、侵攻に踏み切ったロシアの立場への理解を取り付けました。
現在は、貿易全体に占めるロシアとの取り引きは去年実績で輸入が3%、輸出が1%ですが、イランはもまた厳しい制裁によって包囲されており、ロシアはドル決済を伴わない貴重な抜け道となっていくようです。
いまやこの両国は陸上ルートで結ばれ、緊密な物資の往来をするまでになっています。

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2022年7月19日テヘランを訪問したプーチン大統領、ハメネイ師(中央)、ライシ大統領
NHK

いまやこの両国は、陸上ルートで結ばれ、緊密な物資の往来をするまでになっています。

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「スエズ運河に対抗する新たなルートが誕生するかもしれない。インドからイランを経由して中央アジアを抜けてロシアから北ヨーロッパに繋がるというルートである。このプロジェクトの実現に向けて主導しているのがロシア、アゼルバイジャン、イランの3か国である」
(白石和幸 

また、イランはかねてから核兵器製造と弾道ミサイル技術を与えてきた中国との関係もいっそう密にしており、北朝鮮を組み込んだ関係はいっそう強化されています。
このならず者連合のルートを使って、ロシアは榴弾砲の弾薬やドローンを大量にもらい受けています。
バイデンが愚かな中東政策をとらなければ、ウクライナはもっと楽に侵略を食い止められたはずです。

一方、もう一方の当事者であるイスラエルは、アブラハム合意を廃棄されてしてしまったために、再び敵によって周囲を固められる結果となりました。
とうぜんのこととして、そこから生まれてくるのは右派政権でした。

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ネタニヤフ
イスラエルで右派政権誕生へ 総選挙で野党が第1党に、与党勢力伸び悩み:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

「イスラエル国会(定数120)は29日、ネタニヤフ元首相主導の連立政権を賛成多数で承認、ネタニヤフ新政権が正式に発足した。1年半ぶりに政権復帰するネタニヤフ氏の新連立政権には宗教政党や極右政党が参加し、イスラエル史上最も右寄りの政権となる」
(産経2022年12月30日)
ネタニヤフ新政権発足 イスラエル史上「最右派」 - 産経ニュース (sankei.com)

戦国時代が終わろうとしていた中東を、再び戦国の世に戻してしまったのがバイデンです。
これは中東に限られず、ウクライナに飛び火し、世界に影響を与えています。


2023年2月 1日 (水)

産経「ホワイト国」解除記事の行間を読む

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先日、産経がスクープで「ホワイト国に復帰」を抜きました。

「政府は、韓国を輸出管理で優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」に再指定し、対韓輸出管理を緩和する方向で検討していることが分かった。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が関係改善を模索していることを踏まえた。いわゆる徴用工訴訟問題を巡る韓国の解決策も見極めた上で、再指定の可否を慎重に判断する。複数の政府関係者が27日、明らかにした」
(産経2023年1月23日)
<独自>韓国の「ホワイト国」復帰検討、徴用工見極め判断 - 産経ニュース (sankei.com) 

これは官邸情報に一番精通している産経が報じたので、驚きが走りました。
朝日あたりだったら、ふふん、またコリアに忖度しやがったな、ていどだったでしょうがね。
当初、私も産経の飛ばしだと思って、スルーしていました。

しかしこの記事、よく読むと、産経とも思えないおかしな解説を加えているのです。

「対韓輸出管理を巡っては、当時の安倍晋三政権が令和元年8月、徴用工問題をめぐり文在寅(ムン・ジェイン)政権が具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置として韓国をホワイト国から除外。半導体材料3品目の輸出管理も厳格化した。韓国は輸出管理措置の解除を求めてきたが、日本は韓国の輸出管理体制の不備などを理由に応じてこなかった」
(産経前掲)

おいおい、何を言ってるんだい、産経さん。
日本政府は安全保障上の懸念から大量破壊兵器の材料となる物品を輸出管理規制したのであって、「徴用工への対抗措置」ではありませんよ。たまたま時期が重なっただけです。
自称「徴用工」はコリアが勝手に作り上げた捏造歴史問題であり、一方、輸出管理規制強化問題は安全保障上の問題なのです。
ただしあたりまえですが、この時期になったというのはまったく無関係だったのではなく、ムン政権になってからの慰安婦財団解体による日韓合意の一方的廃棄、自称「徴用工」判決を含めた韓国の非友好的・非合理な行為の数々が、日本政府の腹をくくらせてしまったことはありえるでしょう。
しかし、あくまでもコレはコレ、アレはアレであって、混同してはなりません。

と、ここまではイロハのイで、こんな初歩的なことを、たぶんこの記事を書いている官邸番の記者が知らないはずがありません。
そこで裏目読みすると、ひょっとして今の岸田官邸は自称「徴用工」問題を輸出管理規制強化の解除とワンセットで考えているとも受け取れます。

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外務省の船越健裕アジア大洋州局長(写真左、EPA時事)と韓国外務省の徐旻廷アジア太平洋局長
「徴用」めぐる問題 日韓外務省局長 韓国側解決案について協議 | NHK | 徴用問題

というのは内容こそ公表されていませんが、現在、日韓局長会議が頻繁に開かれて、しきりとナニかをすり合わせているのは事実なのです。
まず12月30日、そしてわずか2週間後の1月16日に立て続けに日韓局長級会談をしているのです。
いままで疎遠だった日韓局長会議をこれだけ詰めてやっている以上、おそらくはなんらかの合意を目指して急ピッチで協議を重ねていることだけ間違いありません。

松野官房長官は会見で、自称「徴用工」問題について協議していることだけは明らかにしています。

「松野官房長官
1月16日に船越外務省アジア大洋州局長は訪日中の徐旻廷韓国外交部アジア太平洋局長との間で、日韓局長協議を実施しました。
先般の日韓首脳会談において、両首脳が日韓間の懸案の早期解決を図ることで改めて一致したことを受け、昨年 12 月の協議に続き、双方は旧朝鮮半島出身労働者問題を含め、日韓関係全般について率直な意見交換を行いました。
その上で、双方は懸案を解決して日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させるべく外交当局間の意思疎通を継続していくことで改めて一致しました。
これ以上の詳細については、外交上のやり取りであり、差し控えたいと思います」
(日テレ2023年1月16日)
【全文】日韓局長協議「懸案を解決して健全な関係に」官房長官会見(1/16午後)(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース 


また林外相もパク・チン外相が、電話会談でこの自称「徴用工」問題の「最終盤の解決」を話しあったとされています。
林氏はいうまでもなく、早期解決論者です。

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林外相 韓国外相候補のパク氏と会談 懸案解決に向け協議で一致 | NHK | 日韓関係

「韓国側が、先週、この案を明らかにして以降、林外務大臣と韓国のパク・チン外相が電話で会談したほか、外務省の担当局長どうしが意見を交わすなど、日韓両政府間のやり取りが活発になっていて、日本の外務省幹部の1人は「最終盤にあることは間違いない」としています。
この案について、日本政府内では「徴用」をめぐる問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだとする日本の立場と矛盾せず、これをもとに解決策が取りまとめられれば受け入れも可能だという意見が出ています」
(NHK2023年1月18日)
「徴用」日本企業に弁済を求めない担保が不可欠 日本政府 | NHK | 徴用問題

おいおい、なにが「日韓請求権協定で解決済みだとする日本の立場と矛盾せず、これをもとに解決策が取りまとめられれば受け入れも可能だ」ですか。
そもそも韓国政府が行っている「財団肩代わり」案は第三者弁済案であって、たんに支払いを日本企業に請求しないというだけにすぎません。

この考え方自体、いまだ個人保障は残っているという立場ですから、既に1965年の日韓請求権協定において完全に終わっている、という日本政府の原則と対立するものです。
それをムン政権とその傀儡司法が日本企業にぶつけるというトンデモをしたために国際問題化したにすぎません。
わが国は筋違いな攻撃を受けただけで、知ったこっちゃないのです。

今回の第三者弁済案は、韓国が内政上の問題として従来怠ったきた個人保障を自らするというだけのことで、どうぞご勝手に、やっとこれで韓国政府が個人補償をするという原点に戻りましたね、というだけのことです。
それをして日本への妥協だとか、解決案だとか、日韓のトゲが抜けたなんて思わないでいただきたい。
本来、とっくにやるべきだった韓国政府がやるというだけのことですから。

日本にはありもしない歴史問題で、ムンがご迷惑をおかけしました、と謝罪する類のことです。
日本はコリアと違って、なにかと謝罪を求める体質がないので黙っていますが、あらぬ二国間紛争を吹きかけられたことについて一札あってしかるべきでしょう。

そして「ホワイト国」、つまり現在の用語でいう「グループA」に「再指定」するという案件はまったく別次元です。
なぜこれが一緒になって、まるで韓国案の引き出物のようにしてここで登場せねばならないのか、さっぱりわかりません。
なにを考えているのやら。

どうやら岸田氏は、手土産で「ホワイト国」再認定しただけではなく、「痛切な反省とお詫び」もしてしまうようです。

「政府は元徴用工訴訟問題で韓国の原告らが求める日本側の謝罪を巡り、日本企業の賠償を韓国財団に肩代わりさせる解決案を韓国政府が正式決定すれば、過去の政府談話を継承する立場を改めて説明して「痛切な反省」と「おわびの気持ち」を示す方向で検討に入った。日本との関係改善に意欲的な尹錫悦政権を後押しする狙い。政府関係者が28日、明らかにした」
(共同1月28日)
政府「おわび」継承説明へ 韓国肩代わり案後押し(共同通信) - Yahoo!ニュース

ここまでやる気だから、官邸は今ナニを韓国と協議しているのか、自民党内にも知らせていなかったのです。
宏池会外交丸出しです。


 

2023年1月31日 (火)

戦争の長期化は新国際秩序「新冷戦」を生み出す

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こころが痛むことではありますが、ウクライナ戦争は長引くでしょう。
一日伸びれば伸びただけウクライナ国民が死ぬことになるので、1日も早い終結を望みたいのですが、相手は痩せても枯れても「世界第2の軍事大国」です。
プーチンが死ぬか、政権から叩き出されない限り、彼らはウクライナの占領地にしがみつくでしょう。
おそらく最短でもこの夏、長期化すればもう分かりません。

そう考えるとやりきれない思いですが、ひとつだけボジティブなことがあります。
それは長期化すればしただけ、国際秩序の再編が完了し、新たな枠組みがしっかりとでき上がってくることです。
ロシアもそれはわかっているとみえて、このところ頻繁にこのウクライナ戦争は欧米勢力との戦いであると強調し始めています。

「[モスクワ 10日 ロイター] - プーチン・ロシア大統領の最側近の1人であるパトルシェフ安全保障会議書記は10日、ウクライナ戦争について、ロシアを世界の政治地図から消そうとする北大西洋条約機構(NATO)との戦いとの認識を示した。
ロシア紙「論拠と事実」に「ウクライナで起きていることはロシアとウクライナの衝突ではない。ロシアとNATO、特に米英との軍事的対立だ」と述べた。
「西側諸国の計画はロシアをばらばらにし、最終的には世界の政治地図から消し去ることだ」と主張した」
(ロイター2023年1月10日)
ウクライナ戦争、NATOとの戦い=プーチン氏側近 | Reuters

このロシアの見方は、たぶんに被害妄想的ではありますが、逆説的には正解です。
この戦争は、ウクライナとロシアとの次元を超えて、民主主義と専制主義との価値観をめぐる戦いなのです。
ウクライナ戦争が、当初のプーチンの目論見どおり4日間で終わってしまっていたら、西側はなにひとつできないまま現状を追認するしかなかったでしょう。
口ではロシアの蛮行を最大限非難しても、実効支配ほど強いものはないからです。

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ウクライナ戦争はもはや制御不能か―― レッドラインとエスカレーション | FOREIGN AFFAIRS JAPAN

しかしプーチンが意図した短期戦争という思惑がはずれて、西側は本腰を入れた支援を開始し始めました。
そしてとうとうもっとも親露的だったドイツでさえ、主力戦車を送ることを認めました。
これが分水嶺でした。

戦車はただの兵器であるのではなく、西側の結束して戦う意志を示すアイコンだったからです。

米独仏伊英は戦車を送ることをめぐって緊密な電話会談を行い、ウクライナとの密接な関係を確認しました。
有体に言えば、これは「新冷戦」の構図が出来上がったということであり、世界各国にいずれの陣営につくのかを問う触れ太鼓だったと言ってよいでしょう。

ただし鶴岡路人氏はそう単純ではない、と述べています。

「国際社会が一致してロシアに対峙しているような報道もあるが、対露経済制裁を行っているのは40カ国程度でしかなく、数のうえではロシアは国際社会から孤立していない。
対露制裁の拡大と深化はトレードオフの関係にある。米欧日が結束すれば、民主主義や人権等の価値観が強調されてしまうが、そうした価値観に反発する国々はロシア制裁に参加しにくくなる。
米欧日にとっては「西側対ロシア」の構図でとらえられないようにすることが重要である」
ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序に与える影響 (2022年6月9日 No.3547) | 週刊 経団連タイムス (keidanren.or.jp)

たしかに鶴岡氏が指摘することは一面の事実です。
事実、G20でも参加国の大半は日和見で、決議文から価値観を持つ用語を慎重に取り除いて非難決議をだしたほどです。
しかしこういうぬかるんだ国際秩序の中で新たな国際秩序を作り出さねば、第2第3のウクライナが生まれてしまうのです。

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ウクライナ:ロシア支配地域での明白な戦争犯罪 | Human Rights Watch (hrw.org)

では、なぜウクライナが侵略されてしまったのでしょうか。
ウクライナ人のグレンコ・アンドリー氏が常々言っているように、その理由はウクライナが「弱い国」だったからです。
元来ソ連の一国だったウクライナは、独立してもそれは棚ぼたであって、独立意識が薄く安全保障に無関心でした。

「ウクライナでは、安全保障に対する国民の関心が低く、軍の内部は汚職で腐敗し、軍の戦闘能力はどんどん低下していました。さらに2010年に始まった親露派政権の間には、ロシア国籍を持つ人物が防衛大臣に任命されるという前代未聞の事態も起きました」
(グレンコ・アンドリー2022年02月28日 )
ウクライナ人から見たロシアの本質、プーチン大統領の正体——グレンコ・アンドリー|

アンドリー氏はかつてのウクライナの脆弱な安全保障意識は、日本と似ていると語っています。

「それはいまの日本にも言えることです。日本では、自衛隊が人道支援のため海外に派遣されるだけで大騒ぎをし、自衛隊が軍隊であると言うことすらできない状況にあります。また、法律があるわけでもないのに武器の開発を制限したり、「防衛費はGDP比の1%以内に収める」という暗黙のルールをいまだに守っています。
自国の安全は自分たちで守るという意識がない、まともな安全保障の議論ができないという点で、日本とウクライナは共通しています」
(グレンコ・アンドリー前掲)

耳が痛い。まさにそのとおりです。
ただひとつだけ日本がウクライナと大きく違ったのは、アンドリー氏がウクライナの弱点の二番目の理由に上げている「同盟国不在」ということがなかったことです。
日本は日米同盟の形で、米国が代表している民主主義陣営の国際秩序の下支えを得ることができました。
このことは、強調しすぎてしすぎることはないでしょう。

ウクライナはNATO加盟も拒否され、1994年に米英ロの3国がウクライナの安全の保証をうたったブダペスト覚書も反故にされてしまいました。
ブタペスト覚書には、具体的な措置が規定されておらず、抽象的な文言にすぎなかったからです。
その結果、ウクライナは国際秩序の空白地帯となってしまい、あまりにも脆弱な国となってしまっていたのです。

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ウクライナ奪還のヘルソン、歓喜と傷心 広場に8ヵ月ぶり国旗、残る地雷…インフラ復興遠く|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

ところで、今回のロシアの侵略を許したのは、国際秩序の側にも大きな欠陥があったからです。
本来国際秩序を維持する責任がある国連常任理事会が余りに無力であるばかりか、世界の二大ならず者国家である中露が常任理事国であることによって国際秩序のルールがないも同然となっていました。

ですから、ロシアがウクライナの占領地で国際人道法に反する非人道的な民間人虐殺を続けようと、それを裁かねばならないはずの国際法廷が不在でした。
したがって、ロシアはなにをしようとお咎めなし、掣肘する者もいなければ、裁く者もいなかったのです。

「秩序を維持するためにはルール違反を未然に阻止したり、違反国を罰したりできる力(パワー)の下支えが必要です。そう考えると、今回の戦争がなぜ起きたのかという問いは、侵略行為に対して強いペナルティーを与える制度やパワーが存在したのか、という問いに読み替えることができると考えています」
(神保謙 2022年6月27日)
「世界秩序」ロシア・ウクライナ戦争で揺らぐ根幹 | ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明 |

したがって、いまロシアの野望を挫くことができれば、世界秩序は法の支配を維持し、さらにそれを確立していく契機になるかもしれません。
そのために平和のための新たな国際秩序構築が必要なのです。

ところが、米国の腰が引けています。
ロシアが国連安保理事会の常任理事国でありながら核保有国の一方の雄であるために、本来自由主義同盟の指導者でなければならない米国がシャキっとしませんでした。
当初から軍事的オプションを捨ててしまい、支援も逐次投入を続け、戦車供与には尻込みを続け、初めは歩兵戦闘車でお茶を濁そうとしたのです。
なんとドイツのシュルツから尻を蹴飛ばされるようにして、やっとエイブラムスの供与を決めたというていたらくでした。
これでは難題に真正面から向きあっていない、と非難されても致し方がないでしょう。

しかし自由主義陣営は、ドイツが分水嶺を超えたことで結束を固め、すでに新しい「新冷戦」構造の原型を作ろうとしています。
西のNATO、東のファイブアイズやQUADが基礎石となるでしょう。
しかし現実は、この「新冷戦」構造の構築にまったく追いついていません。

ハイマースは弾切れになり、わずか31両のエイブラムスさえすぐに送れず、無理をすると対中抑止に穴があくと言われる始末です。
先日発表されたセス・G・ジョーンズ(CSISの上級副所長) は、台湾海峡での米中戦争を想定したCSISの戦争ゲームで、米国には3週間の戦闘でJASSM(統合空対地スタンドオフミサイル)4000発、LRASM(長距離対艦ミサイル)450発、ハープーン400発、トマホーク陸攻400発が必要だが、紛争開始1週間以内にそれらの在庫を使い果たすとしています。
また台湾へ約束した108両のエイブラムスの供与も、いつになるのかめどもたっていません。
つまり、米国は台湾侵攻において継戦能力がないのです。

これは平時における米国の兵器製造ラインが細々としか稼働しておらず、戦車、ミサイルのラインの多くが閉じてしまっているからです。
たとえばエイブラムスのラインはとうに閉まっており、エジプトとの合同生産ラインだけが動いています。
トマホークもとうにラインは閉鎖されており、日本が新規に千発必要だといってもどこから湧いてくるのか、という状況です。
つまり米国はあいかわらず、この世界の危機の前に眠りこけているのです。

こうした米国の危うい防衛事情を見て、プーチンは西側を侮ったのであり、習近平がそれにならう可能性もあります。
早急に米国は「自由主義陣営」の武器工場の機能を取り戻さねばならないし、それが大幅に遅れているここ数年がいちばん危険な時期なのです。

いずにせよこの戦争が終わる頃には、新たな世界の枠組みができあがって来ると思います。
そのときには、国連の新たな枠組みもまた出来上がってくるはずです。

 

 

 

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 国連機関「ウクライナで子供含む市民406人死亡」 ロイター報道 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

ウクライナに平和と独立を

 

 

2023年1月30日 (月)

とうとう「大祖国戦争」だそうです

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ロシアのゲラシモフ参謀総長は、今のウクライナ戦争はかつての「大祖国戦争」だと言い出しました。

「ロシアの参謀総長ヴァレリー・ゲラシモフは、彼自身と伝統的なロシアの軍事指揮構造をロシアの真の擁護者として描写するための努力を続けた。ゲラシモフは23月8日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がロシアの「軍事安全保障に対する新たな脅威」に対応するロシア軍の能力を開発するというセルゲイ・ショイグ国防相の計画を承認したことを繰り返し、ゲラシモフはウクライナとNATO諸国がロシアを脅かすことを目的としていると非難した。
ゲラシモフは、大祖国戦争(第二次世界大戦)を含むいくつかの軍事危機を通じてロシアを導き保護する上でのロシアの参謀の歴史的役割を呼び起こした。ゲラシモフは、「現代ロシアはそのようなレベルと激しさの敵対行為を知らなかった」と主張し、ウクライナでの現在の戦争は大祖国戦争以来ロシアにとって最大の脅威であり、したがってゲラシモフのリーダーシップの下でのロシア参謀のリーダーシップと保護が必要であることを強く示唆した」
(戦争研究所2023年1月26日)
ウクライナ紛争の最新情報 |戦争研究所 (understandingwar.org)

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記憶研究所、終戦記念日に合わせ、ソ連の大戦プロパガンダ解説動画を公開 (ukrinform.jp)

倒錯していますね。
「大祖国戦争」なる呼称は、独ソ戦のロシア風言い回しですが、イデオロギッシュなので他国は使いません。
スターリンとヒトラーとの戦争の時に使った「大祖国戦争」という大時代的な表現まで使って、国民に防衛に対する愛国心を求めているようですが、はて、今回はヒトラー役はプーチンじゃなかったのですかね。

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ロシアの侵攻、痛烈批判 風刺画展 大阪で始まる - 産経ニュース (sankei.com)

いうまでもなく、祖国防衛戦争を叫ぶ立場なのは、侵略を受けたウクライナ側であって、ウクライナはいまだ一歩もロシア領土に踏み込んでいないと言うのに。
それとも勝手に領土化してどの国も承認していない、ドネツク、ルガンスク、南部のヘルソン、ザポロジエ各州をして「神聖な領土」というなら別ですが。

また新たな民兵軍団を作りましたが、その名も「スターリングラード」で、すでにウクライナに投入されているようです。
部隊が編成されたのは、ロシア西部ヴォルゴグラードで、この都市の旧名称は名高きスターリングラードでした。
第二次大戦時、ドイツの包囲を受けて、これに勝利したことで、同都市はソ連時代英雄都市と呼ばれていました。
今回の民兵組織もその末裔という触れ込みですが、たった百数十名なので戦況には影響しません。
ロシア軍のエライさんらは、ただ「スターリングラード」という名前が欲しかったのでしょう。

ちなみにこの「スターリングラード」部隊は、悪名高き民間軍事会社「ワグネル」の資金援助と指導で作られたもののようで、民兵というより傭兵と考えたほうがよいでしょう。

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ロシアのPMCワグネルはウクライナで8000人の戦闘員の内3000人を失った│ミリレポ|ミリタリー関係の総合メディア (sabatech.jp)

ワグネルは、GRUのスペツナズ隊員だったドミトリー・ウトキン元中佐が、2014年に創設した民間軍事会社です。
欧米の民間軍事会社は実際の戦闘には参加しませんが、ワグネルは軍隊とまったく変わらないことを請け負っている傭兵集団です。

しかも正規軍がやりたがらない汚れ仕事をもっぱらとしています。

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エフゲーニ・ブリコジン

資金提供したのは、プーチンに重用されていたオリガルヒのエフゲニー・プリゴジンという人物です。
のしあがったのはプーチンの料理人だったからで、本業はレストランとケータリングです。
彼の企業は、政府請け負い仕事を手にすることで巨大化しました。
エフゲニー・プリゴジン - Wikipedia

ワグネルは、ウクライナ戦争前から、表向きはロシアが関わっていないとしたいロシアの利益や対外政策のために活動していました。
しかし訓練はロシア軍施設で行われ、ロシアの軍事諜報機関GRU(参謀本部情報総局)とFSB(連邦保安庁)の下請け部隊として知られています。
メンバーは、ロシア軍出身者に限らずチェチェンや外国の親露派民兵などが集められていて、ネオナチや囚人まで含まれています。
要するに、ならず者国家が汚れ仕事のために作ったならず者軍団です。
ワグネル・グループ - Wikipedia

ウクライナ戦争以前に、ワグネルの行動が確認されているだけでこれだけあります。
その全部が独裁政権への支援だというのも、ロシアの対外政策の性格がわかります。

・ウクライナ西部地域紛争(ドンバス戦争)における親ロシア派設立と支援
・シリア内戦におけるアサド政権への支援
・スーダンにおけるオマル・アル=バシール政権への支援
・2014年リビア内戦におけるハリファ・ハフタル率いるリビア国民軍(LNA)への支援
・中央アフリカ共和国の内戦における政府支援
・ベネズエラにおけるマドゥロ政権への支援
・2020年ベラルーシ大統領選挙への介入

たぶんワグネルは、ウクライナ国内の多数の民間人虐殺に関わっているはずです。
ウトキンは、ナチス信奉者と言われ、名称の「ワグネル」もヒットラーが愛した作曲家リヒャルト・ワグネルに由来したものだとされています。

あれ、ウクライナはネオナチだから、ボク「特別軍事作戦」でやっつけに行くんだ、って言ってたのはどこの誰だったっけかな。

このワグネルのなかでもっとも凶暴な部隊は「ルシッチ」と呼ばれ、破壊工作専門部隊です。
彼らは、2014年から始まったウクライナ東部紛争では、ルガンスクとドネツクの人民共和国の分離主義を煽動し、親露派を軍事組織化する働きをしました。
この時期、ルシッチは、殺害したウクライナ兵の遺体から耳を切り落としたり、遺体に火をつける様子を自撮りしてSNSに投稿したために、世界に悪逆非道の部隊として名を馳せました。

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東京

ワルネルは当初8千人の部隊と呼号していましたが、いまやその半数が戦死してしまい、いまや囚人や感染症患者まで「徴兵」しているようです。

「ロシア政府と関係が深い同国の民間軍事会社ワグネル・グループはこれまでも、恩赦や一時金と引き換えに、受刑者を兵士として採用していると報道されてきたが、ウクライナ国防省情報総局の報道機関は10月25日、ワグネル・グループが、HIVやC型肝炎などの感染症を患う囚人も大量に採用し始めていると伝えた。
「このやり方は広く行われている。例えばある流刑地では、HIVやC型肝炎の診断が確定している100人以上の囚人が、ワグネル・グループに『動員』されている」と情報総局は述べている。
ワグネルは患者をほかの兵士と区別するため、HIVに感染している囚人は赤い腕輪、肝炎の囚人は白い腕輪を着けられ、負傷しても医者は治療を拒否することがある、と情報総局は伝える」
(ニューズウィーク2022年10月27日)
HIV患者や精神病者まで動員、ロシア兵員不足の窮状(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

スゴイね、「人民よ、大祖国戦争に立て!」と叫んでいるだけでも正気の沙汰ではないのに、傭兵、囚人と感染症患者とテンコ盛りです。
まさに「総動員体制」。
詰みましたね。

 

 

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NHK

ウクライナに平和と独立を

2023年1月29日 (日)

日曜写真館 天高し角力の大鼓鳴り渡る

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これきりと思ふ日もあらん角力取 秋色

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憎からぬたかぶり貌の相撲かな 飯田蛇笏

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いかに世をひとり角力のくるはしき 五明

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蒼天に髻とけし相撲かな 石鼎

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秋場所の力相撲となりにけり 高澤良一

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好調は躰に任せとる相撲 高澤良一

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母親に孝の名もあり角力取 正岡子規 

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りゝしさは四つに組んだる角力哉 正岡子規

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負る人勝つ人ともに相撲かな 支考

2023年1月28日 (土)

西側各国、一斉に戦車の供与を表明

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山路さん、おかえりなさい!
もうお体はよろしいのでしょうか。お待ちしていました。

さて、ウクライナはいま耐えている状況です。
このウクライナの戦況悪化を受けて、西側各国は最新鋭の戦車の供与を決めました。
単に戦車という装備の供与にとどまらず、核の恫喝にもめげず、西側が結束した意味は大きいでしょう。
おそらくウクライナ戦後についての復興や、ロシア処分、新たな国際的枠組みについて構想が練られる時期に入っているはずです。

ところで森元首相が「こんなにウクライナに力を入れてしまって良いのか。ロシアが負けることは、まず考えられない 」などと放言していたようですが、この男がどう思おうと、プーチンが勝利する可能性は限りなくゼロです。

そもそも「ロシアが勝つ」とは、どういう意味なのでしょうか。
よもやウクライナ全土を征服する、なんて言うンじゃないでしょうね。
再度のキーウ攻撃さえ不可能なのに、広大な西部をどう落とすというのか、森氏にお聞きしたいものです。
百歩譲って、キーウが陥落してゼレンスキーが俘虜になったとしても、西部地域のパルチザンは戦いつづけるはずです。
元々西部のほうがナショナリズムが強いのですから、ロシアは先の見えない泥沼にズッポリと首まで漬かることになります。
いまでも通常戦力の大部分を注ぎ込んでこの体たらくなのに、全土制圧など夢のまた夢です。

それよりもプーチン自身の首を心配したほうがよい。
どこをもって「勝つ」というのか、メドも考えずに戦争を始めたプーチンが愚かなのです。
全体のイメージがないから、今になって終わるに終われない。
こんなことをやっていると、自分が内部の反対派に倒されますよ。

一方ウクライナのほうの「勝つ」イメージは明確です。
2022年2月24日、つまり侵攻前の線までロシア軍を追い込むことです。
あるいは余力があれば、2014年2月23日の時点の本来の国境線を回復することです。
(今気がつきましたが、2022年と2014年は同じ日ですね。ゲン担ぎでもしたのでしょうか)

もはやロシアが勝つ勝たないなどと議論する時期ではなく、どこまでこの地獄をウクライナ国民に味合わせておくのか、いかに早く終結させるか、という時間の問題です。
だから1日も早く終結させるために、西側は戦車という切り札を出したわけです。

「CNN) ドイツは自国の在庫からウクライナに戦車を供与すると発表し、他国からウクライナへの再輸出も承認する方針を明らかにした。ウクライナのクレバ外相はドイツ製の戦車「レオパルト2」を保有する国に対し、「可能な限り多く」の供与を求めている。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は先週、CNNの取材に「こうした戦車300~400両」が必要だと説明。これだけの数があれば「戦争のテンポを急加速させ、終盤戦を開始」できると述べていた。
CNNは供与されるレオパルト2戦車の総数を確認できていないが、少なくとも5カ国が供与を約束していることから、ウクライナ軍は数十両を受け取る可能性が高い」
(CNN2023年1月26日)
ウクライナ、レオパルト2を数十両受領へ 各国の約束まとめ - CNN.co.jp

米国も遅ればせながら、M1エイブラムス戦車を31両供与するようです。

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ウクライナフォーラム

「バイデン氏は、「今日、私は、米国がウクライナの1個大隊に相当する31両の戦車エイブラムスを同国に送ることを発表する」と発言した。
同氏はまた、本件はオースティン国防長官の勧告に従って決めたことだと伝えた。
さらに同氏は、「戦車エイブラムスは、世界で最も強力な戦車であり、使用し、サービスを施すのが極めて複雑なものだ。そのため、私たちは、ウクライナに対して、その戦車を戦場で効果的にサポートする上で不可欠な部品と機材も提供する」と発言した。
同氏はまた、米国はウクライナ軍人のエイブラムス運用訓練を開始すると発言した」
(ウクライナフォーラム1月25日)
バイデン米大統領、ウクライナへの31両の主力戦車エイブラムス提供を発表 (ukrinform.jp) 

31両ですか。整備部品と乗員訓練までセットでやるのはさすがですが、一説によれば、米軍部隊からの抽出ではなく、アプグレイド改造中を回すということで、となると夏以降になってしまいます。
遅い、今いるのです。

そもそも、ここでウクライナが構えようとしている春季のガチンコ勝負にたった31両では屁の突っ張りのようなものです。
一桁少ない、バイデン300両くらい供与せんかい。

さて、現時点での各国の戦車の支援は、CNNなどによれば以下です。

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レオパルト戦車

ドイツ      ・・・レオパルト2を14両提供。なお増やす予定。
・ポーランド・・・1個中隊規模の戦車を送る。なお1個戦車中隊は通常10~14両のレオパルト2で構成される。
オランダ  ・・・ドイツからリースしている18両のレオパルト2を購入し、ウクライナに送る予定。レオパルト2A6×18輌。
ノルウェー・・・レオパルト2を4~8両を供与する可能性。
・スペイン  ・・・自国の保有するレオパルト2A4を供与。数量未定。決定できないとしている。
ポルトガル・・・用意があるが数量不明。
・フィンランド・・レオパルト2A4NO×8輌。 
・ノルウェー・・・同上
・フランス・・・フランスの主力戦車ルクレールの供与を「排除しない」。
・英国     ・・・ 主力戦車のチャレンジャーを12両提供。
・イタリア・・・不明。
・米国・・・M1エイブラムスを31両。時期不明。エイブラムス牽引用戦術車輌8両と120mm砲弾の弾薬、訓練、メンテナンス、これを維持するための資金。

とまれ、ドイツが各国のレオパルド供与を事実上阻んでいたことが、やっと撤回されたわけです。
かくしてドイツの重い腰が上がったために、やっとレオパルト戦車の供与が開始されたわけです。
しかしかんじんの製造元のドイツは、メルケル軍縮でボロボロになっており、供与するのは新しいものから出すと言っていても、整備に3カ月はかかるとのことです。
累計生産台数は3500両余り、その大部分を輸出商品としてきたドイツ自身の足元はグニャグニャだったようです。

この調子では、たぶん春の終わり頃でしょうか。

ここまで他国に輸出したレオパルトについてさえ供与を許可しなかったのは、彼らはこのウクライナ戦争にかつての独ソ戦の悪夢を思い出してしまったからのようです。
ドイツが作った戦車を供与してしまえば、ロシアは永久にドイツを恨むだろう、ひょっとして核の報復もするかもしれない、おーブルブル、というわけです。
だから、シュルツは執拗に米国も共に戦車を供与することを、レオパルトの供与許可の条件にしたのです。
赤信号みんなで渡ればこわくない。

とまれ、これで、「欧州の同盟国はレオパルト2をウクライナに提供して40輌で構成された戦車大隊を2つ編成する予定だ」(シュピーゲル)とと述べているように、ウクライナ軍はレオパルト2だけで2個大隊80輌以上になると思われます。

ウクライナは、当初からレオパルト2を名指しで供与の要請をしていました。
それはレオパルト2はなんといっても、西側陣営で最も優れた戦車の1つというだけではなく、もっとも広く使用されている戦車の1つだからです。

現在、カナダ、デンマーク、フィンランド、オランダ、ノルウェー、オーストリア、ポーランド、スペイン、スウェーデン、トルコなど20カ国ほどで運用されているために、部隊からの抽出が可能であり、保有在庫の一部をウクライナ支援に回すことが可能だからです。

また、単一のモデルを大量に運用すれば、ウクライナにとっては乗員の訓練や整備部品、弾薬などの保守管理が容易になります。 

その他、エイブラムスとチャレンジャーで43両。
合わせて、123両ていどの戦力になるかもしれません。

この春からと予想されているウクライナとロシアの雌雄を決する戦いは、第2次大戦型になるかもしれません。
この戦争は、サイパー攻撃、ドローン、ジャンベリン、ハイマースという最新技術の戦争となる一方、いったん膠着状態に入れば塹壕を巡っての戦いというまるで第1次大戦の西部戦線のような様相も見せていました。

しかし最終的には占領地を奪還し、歩兵が制圧する必要があり、ここにおいて再び第2次大戦型の戦闘が起きようとしています。
そのために必要な装備は、まずは戦車であり、大砲です。

日本も他人ごとのよう見ていないで、90式をヨーロッパ各国並に提供したらどうですか。
といっても、現実には日建が作っている地雷除去機になるでしょう。
1月24日、ウクライナ非常事態庁の職員が、山梨県を訪れ、日建が製造している地雷除去機を視察しました。
視察をした職員は「ウクライナでは多くの場所に地雷が仕掛けられているので、60機ほど必要だと考えている」と語り、除去機に乗って実際に操作をするなどの技術体験を行ったそうです。
日建は、1995年から地雷除去のプロジェクトに取り組んできており、製造した地雷除去機は、これまでにカンボジアなど世界11ヵ国で活躍しているといいます。

岸田さん、どうせあなたに戦車の供与など言う度胸はないだろうから、せめてこの地雷除去機の緊急、かつ大量供与を、すぐにキーウに行って表明していらっしゃい。
そもそもヨーロッパのときになぜウクライナに行かなかったんでしょうか。
息子遊ばせるために行ってるんじゃないゾ。

いちばんためらっていたドイツでさえ腹を括りました。
日本は森氏のような、「ウクライナに肩入れしすぎれば日ロ関係が崩壊しかねない」などという古い認識を改めることです。
この戦争がいかなる形にになろうとも、元の関係には戻りません。
いままでのような北方領土交渉は二度とないのです。
そこをわからずに、連綿と過去の自分とプーチンの仲を回顧しているとは見上げた馬鹿者です。
その意味で、とっくに森氏が描く日露関係もまた破綻しているのです。

 

 

 

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マリウポリ市民数千人、ロシアに「連行された」 ウクライナが非難 - BBCニュース

ウクライナに平和と独立を

 

2023年1月27日 (金)

ユンさん、レーダー照射事件は終わっていませんよ

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ユン・ソクヨル大統領は失念されているかもしれないようなので、老婆心ながらひとこと。
自称「徴用工」訴訟だけが日韓の間に刺さったトゲではありませんので、お忘れなきように。
現在、現在日韓は防衛当局間のテーブルが存在しない状況です。

なぜでしょうか。
それは韓国海軍が海自に準同盟国とは思えない狼藉を働いたからです。
海自は、この韓国海軍のレーダー照射事件を、明白な軍事威嚇行為とみなしており、その原因究明と再発防止が徹底されないかぎり、同じテーブルに座るつもりがないのです。
海自は、この問題で韓国が一札を入れない限り防衛当局者間の関係回復はありえないと言っています。

「海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は15日の記者会見で、平成30年12月に起きた韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機へのレーダー照射問題に関し「ボールは韓国側にあると認識している。今後、韓国側から整理された回答があると認識している」と述べた。
酒井氏は、レーダー照射問題と韓国による自衛艦旗(旭日旗)の不当な排斥を日韓の防衛当局間の問題として挙げた上で「2つの問題が明確にされない限りは防衛交流を推進する状況ではない」と強調した」
(産経2022年11月15日)
海上幕僚長「ボールは韓国側に」 レーダー照射問題 - 産経ニュース (sankei.com)

韓国側はとぼけきる気のようですが、レーダー照射事件の原因究明が絶対に必要だということは、ユンが大統領就任前に訪日した政策協議団に対して岸信夫防衛相が直接に伝達しています。
また、6月にシンガポールで行われた「シャングリラ会合」の日米韓防衛相会議の席上、岸防衛相はイ・ジョンソプ国防長官(当時)と目も合わせなかったと伝えられています。

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シャングリラ対話で韓国と距離置いた日本、自国でも懸念の声 : 日本•国際 : hankyoreh japan (hani.co.kr)

日本人がここまでするというのは珍しいことです。
要は、日韓関係には自称「徴用工」訴訟だの旭日旗騒動だのと小骨がたくさん残っていますが、このレーダー照射事件も日本側は決してうやむやにする気はないということです。
つまり岸田氏が日韓修復に前のめりになろうと、防衛省は同意できないということです。

「防衛省としては、韓国駆逐艦による海自P-1哨戒機への火器管制レーダー照射について、改めて強く抗議するとともに、韓国側に対し、この事実を認め、再発防止を徹底することを強く求めます。更に、これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に至らないと考えられることから、本件事案に関する協議を韓国側と続けていくことはもはや困難であると判断いたします。
 本公表が、同種事案の再発防止につながることを期待するとともに、引き続き、日韓・日米韓の防衛協力の継続へ向けて真摯に努力していく考えです」
(防衛省 『韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案』)
海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを向けた韓国海軍艦艇の事件に関|防衛省 (mod.go.jp)
防衛省・自衛隊:韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案(最終見解) (mod.go.jp)

韓国相手の場合、原理主義的対応を取るべきです。
慰安婦、自称「徴用工」問題すべてにわたってそうですが、あいまいにさせない、うやむやにはおわらせない、韓国がら再発防できない限り原状回復はしないという強い意志が必要です。
いままであいまいな「大人の対応」をして何度煮え湯をのまされてきたことか。

ユン・ソクヨル大統領も「関係正常化に意欲」を持っているといいながら、あいかわらず「日本側のスタンス」が問題だそうです。
やれやれ、今さら日本になにをしろというんでしょうか。日本側はその主張を理路整然と証拠資料つきで事件直後から開示しているのですが。

「【ソウル聯合ニュース】韓国の国防部関係者は25日、2018年以降事実上中断している日本との局長級による政策実務会議を再開させる方針を明らかにした。「障害があればそれも改めて検討する協議を本格的に推進する」という。
韓国政府は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、日本との外交関係改善に意欲を示しており、国防当局の関係正常化にも乗り出す考えとみられる」
(聯合022年7月25日)
韓国国防部 日本との高官級協議再開推進 | 聯合ニュース (yna.co.kr)

韓国はそうとうに追い詰められてきており、ムン政権末期にはこのようなことを言っていたと小川和久氏が伝えています。

①火器管制レーダーは照射していない。海上自衛隊の哨戒機がキャッチしたのはほかのレーダーの電波だ。この点は海軍参謀本部の高官に確認している。
②日本側は民間航空機の基準を適用して高度150メートル以上を飛んだとしているが、軍用機には飛行高度の制限はないので、逆に不思議に思っている。
③(反論動画の公開など)韓国側の対応はまずかったと思っている。
④両国の実務レベル協議の開催地をソウルにするか東京にするかで揉めており、これもバカげたことだ。
⑤なぜ駆逐艦があの海域にいたのか、われわれも不思議に思っている。北朝鮮漁船の救助には海洋警察の新鋭巡視船が派遣されており、駆逐艦は必要なかった。
⑥安倍晋三首相は事件を支持率回復の道具に利用しようとしている。
(小川和久2019年1月14日)
軍事アナリストが断言。レーダー照射事件は「韓国の全面降伏」 - まぐまぐニュース! (mag2.com)

韓国は、あのような馬鹿げた世界への発信は失敗だったと思ってはいるようです。
しかし、根本的にぜんぜん歩み寄る気はないようです。
そもそも、まず①でアレは別のレーダー波だということ自体が話になりません。

あのね、航海用レーダーとはまったく波長が違うのですよ。
サーチライトのように強力な電波を対象にぶつけるのです。
下写真の赤線の波動で、いきなり「強い電波を継続して探知」という部分が火器官制レーダーが海自機を照射していた時間です。

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防衛省

ここを認めない限り、それ以下のことを議論すること自体無駄です。

あの事件で、韓国艦艇は火器管制レーダーを海自哨戒機に指向しているのは画像で明らかです。
下写真の赤丸で示したのが火器管制レーダーですが、日本機を指向しているのがわかります。

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防衛省
韓国海軍レーダー照射事件について日本側が最終見解を発表(JSF) - 個人 - Yahoo!ニュース

防衛省は補足説明資料で「レーダーの種類と特徴」を解説しており、事件当時の韓国レーダー波を公開して、航海用レーダーとは別種の火器官制レーダーが発射されたことを明らかにしています。

当時P-1は、火器管制レーダーを発射した意図を韓国側にただしましたが、応答はありませんでした。
韓国側は、日本側の無線による問い合わせにも後日、無線が微弱で聞こえなかったとのお粗末な言い訳をしていましたが、日本がキャッチできなかった北朝鮮の漁船の救助信号をとらえているくらいに優れた無線機をお持ちなのに、おかしいですね。
低空で威嚇を受けたと主張しておきながら、頭上で送信されたような日本機の問い合わせ通信を受信できなかったとは(苦笑)。

韓国はいまだ火器管制レーダーのアンテナについている光学観測装置を指向しただけだと言っていますが、これだけ証拠を積み上げられてもこう言っていられる神経を疑います。
返答はしたと言い張っていますが、韓国軍内部ではしていないことがわかっています。

「沈勝燮(シム・スンソプ)韓国海軍参謀総長は7日、韓国の駆逐艦『広開土大王(クァンゲト・デワン)』が所属する海軍1艦隊司令部を訪れ、『外国の航空機との遭遇などの偶発的状況にも国際法にのっとって対応しなければならない』と述べました。
自衛隊機に対して、韓国側から交信を行わなかったことなどを念頭に、現場部隊の不十分な対応を『叱責』したとも取れる発言ですが、韓国海軍はあくまで激励のための訪問だとしています」
(テレ朝2019年1月8日)

では、だれが命じたのでしょうか。
当時CIC(戦闘情報センター)に詰めていた係員のミスという説もありましたが、これは明確な敵対的戦闘行為ですので、よほど韓国海軍の規律が緩んでいないかぎりありえません。
もちろん砲雷長クラスでもダメで、艦長でさえ司令部に命じられてどうにかという高いレベルの判断を要求される事案です。

おそらく艦隊司令部が出しているはずです。
実はムンが指令したものだという文書がでてきてしまいました。
なんと日本にだけは特別な「日哨戒機対応指針」という交戦規定があったようです。おいおい。

「8月17日、与党「国民の力」の申源湜(シン・ウォンシク)議員によると、2019年2月軍当局は「日哨戒機対応指針」を海軍に通達した。これはその年1月に作成した「第三国航空機対応指針」とは別途の指針だ。
「第三国航空機対応指針」は公海で第三国の航空機が味方艦艇に近づいた場合、段階的に対応するよう指示する内容を含んでいる。第三国航空機が1500フィート(約457メートル)以下に降りてきて近くまで接近すれば、味方艦艇は相互を識別した後、通信で警告するなどの4段階の手続きに従って行動するよう定めている。1次警告が通じなければさらに強硬な内容のメッセージを2次として発信しなければならない。
ところで「日航空機対応指針」は「第三国航空機対応指針」と比べると、1段階さらに追加された5段階となっている。日本軍用機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するように規定した。追跡レーダーは艦艇で艦砲やミサイルを狙うために標的の方向や距離、高度を測定するレーダーだ。射撃統制レーダーと称したり、日本では火気管制レーダーとしても使う」
(中央日報日本語版2922年8月18日)
文政府「日本哨戒機に追跡レーダー照射しろ」…事実上の交戦指針(1) | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)

なんと「日機」にだけは、他の国への対処とは違ってレーダー照射してよいという方針です。
軍事的に緊張関係にあるはずのロシア、中国には第三国と同じで警告通信はをするところまでですが、日本にだけはその先の戦闘行為をしてもよい、というお達しです。
ロシアは、早期警戒機A-50が2019年7月23日に、彼らが領土だと言っている竹島上空を2回侵犯し、韓国空軍がスクランブルをかけています。このときは警告射撃までしています。
しかも当時、韓国の防空識別圏を、ロシア戦略爆撃機Tu-95と中国戦略爆撃機H-6が編隊を組んで侵入していました。
にもかかわらず、その中露には警告だけでよい、日本は丸腰の哨戒機にレーダー照射だというのですから、どっちを向いて仕事をしているのか、この軍隊は。

戦争をしたくてたまらない韓国軍の実態がわかります。
軍の判断ミスではなく、ムン大統領府からの指示な以上、根が深いのです。

ちなみに韓国が「救助活動」をしていたという海面は、初めは大荒れといいながら、実は下の写真でもわかるようにベタ凪でした。
救助対象の北朝鮮の漁船らしきものには、日本近海に出没した不審船によくみられるアンテナが林立しているといった具合に、いったいなにしていたのやら。
まぁ、常識的に考えれば、他人さまに見られたくない密事をしていたと考えるのが妥当でしょう。
おそらくは、北となんらかの瀬取りをしていたのだと憶測できます。
それが物資なのかヒトなのかはわかりませんが、日本に見られたくはなかったことだけは確かです。

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海自の哨戒機が能登半島沖を監視飛行していたのは、この海域で韓国艦艇がなんどとなく不審な動きをしており、それが北の瀬取りと関連があると推測していたからです。 
この当該の駆逐艦クァンゲト・デワンは4回も監視活動に引っかかっていて、この船が出す電波情報は哨戒機によって、何回となく正確にモニターされていたと考えられます。 
おそらく、既に火器管制レーダーすら複数回照射されていたかもしれません。 
あえてレーダー照射事件の公開に日本が踏み切ったのは、かねてから不審な動きがあった韓国艦艇が、北の不審な「漁船」とドッキングしていた現場を押さえたからです。

ユン氏はいま精力的に親北のスパイを狩りだしています。
けっこうなことですから、ぜひ軍部にも司直のメスを入れて下さい。
たぶんウジャウジャと北朝鮮のスパイが芋づる式に出てきますよ。
日本と防衛当局間の回復をするのは、それからです。

 

2023年1月26日 (木)

ユン政権の「財団方式」のゆくえ

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昨日の記事は、スクラップばかりで読みにくくて、すいません。
まだ公開情報集めな段階なものでして。
さて私は韓国のことを考えると頭痛がします。
憂慮するとか、怒るのではなく、どうぞご勝手にしたらいかがでしょうか、という気分になるからです。
例のムン・ジェイン時代の、輸出規制強化がらみでGSOMIAを廃棄するからどうこうのと言い始めた時には、もうサジを投げました。
こりゃなにを言ってもどうにもならない、理性的対話が不可能な国であるというのが、当時のかの国への偽らざる見方でした。
行くところまで行って、「高麗連邦」でもなんでも作ってくれ、こちらは備えるだけだからってかんじです。

この国の落下スピードにややブレーキがかかったのは、ユン・ソギョル(尹錫悦)が大統領になってからです。
彼は氷河期の日韓関係を、どうにか改善したいと思っているようでした。

正直言って、迷惑な気分でした。
どうせかの国においては、世論に忖度してまともな解決案を出してくるはずがないのです。
なぜなら自称「徴用工」訴訟は、日本政府が同意しないかぎり完全な袋小路ですから。

そんな状況で、韓国政府からいいかげんな「解決案」を持って来られても、日本が拒否しようものならまたまたチュドーンと再噴火に決まっていますから、ガン無視するしかありません。

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徴用工問題「肩代わり」案公表 日本企業の関与明言せず 韓国政府(時事通信) - Yahoo!ニュース

と思って見るともなく見ていると、韓国政府が出してきた「財団方式による並存的債務引受方式」なる案はそれなりによくできたものでした。

「日本企業に代わって原告に損害賠償金を支払うとされているのは韓国の「日帝強制動員被害者支援財団」だ。この財団は日本による植民地支配時代、軍人や労働者、慰安婦として動員された人たちの福祉支援、追悼、さらに強制動員被害に関する文化・学術研究、調査などを目的に2014年に設立された。
韓国政府案ではこの財団に韓国企業が寄付し、それを財源として財団が元徴用工に賠償金などを払う。既に韓国最大の製鉄会社ポスコが100億ウォン(約10億円)の拠出を約束し、すでに60億ウォンを寄付している」
(薬師寺克行 2023年1月23日)
元徴用工問題のボールは韓国から日本に移った | 外交・国際政治 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net) 

 このユン案が一歩前進しているのは、「対日戦争被害者」に対する慰労金を当初のパク・チョンヒ時代のやり方に戻したことです。
今さらそもそも論を言っても始まりませんが、元来1965年の日韓請求権協定で個人賠償まで含めて一切合切解決済みなのです。
日本はこの線から一歩も出ることはできません。
条約は国内法を超越するのです。

ムンが仕込んだ大法院判決がなんと言おうと、それはあくまでも韓国の内政のお話です。
二国間条約をそうそう簡単に変えたりしたら、二度と金輪際こんな国と条約を締結するわけはありませんものね。

それに個人賠償部分を払うという日本に、韓国側がいやそれはウチの国がなんとかするからまとめて支払ってくれと言ったのが、1965年頃当時の経緯でした。
日本は個人補償まで含めて払うといったのに、韓国が拒否して一括支払い方式にしたのです。

当時の韓国は経済を建て直すために、喉から手が出るほどまとまったカネが必要だったからです。
しかしそれはかの国の事情ですから、今になって個人補償を怠ったなんて難クセをつけられても日本は知らん。

韓国政府もそのいきさつがわかっている交渉当事者のパク・チョンヒ時代までは「対日被害者」に慰労金を支給していました。
韓国政府が誠実にズっとこの慰労金名目の個人補償制度を続けていれば、慰安婦問題も自称「徴用工」訴訟も起こりようがなかったのです。
しかし韓国政府はいとも簡単にこの慰労金をフェードさせ、その事情すら説明しようとはしなかったのです。
いまさら実はもらっていました、と正直に国民に言うのが怖かったのでしょうな。

これを一気に二国間紛争の域に持ち上げた愚か者が、韓国の鳩山ことムン・ジェインでした。
彼は大法院院長に北朝鮮の息がかかったキム・ミョンスを抜擢し、三権分立を楯にして自称「徴用工」訴訟をやらしたのです。
政府自身がそれをするのではなく、司法判断だと逃げて迂回攻撃をしかけたのですから、タチが悪い。

特に司法が認めた現金化に踏み切れば、完全に日韓関係は終了となります。
そうなったら実質的に断交でしょうから、リカバリーは効きません。
ですからこれを引き継いだユン政権としては、日本をとの関係をこれ以上こじらせることなく、かつ、ムンが焚きつけた反日感情にも配慮しつつ軟着陸させること以外になかったのでしょう。
お察ししますが、そうとうに解けない知恵の輪のようなものです。

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<特報>徴用工 割れる韓国 国内調整は破綻…「慰安婦」二の舞いも - 産経ニュース (sankei.com)

そこで出てきた苦肉の策が、この「財団方式による並存的債務引受方式」です。

「徴用工問題の解決に動き出した韓国政府は、1月12日、外交部と超党派の韓日議員連盟の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)会長が出席して公開討論会を開催した。
この公開討論会で、外交部の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア大洋局長が説明した解決案では「債権債務履行の観点から、判決金(賠償金)は法定債権として被告である日本企業の代わりに第三者が弁済可能ということが(これまでの官民協議会で)検討された」と説明した。要するに、徴用工への賠償は行うが、その賠償金の出し手は、裁判の被告になっている日本政府ではない第三者であってもかまわない、ということだ。「徴用工問題はすでに解決済み」とする日本政府の立場に歩み寄った内容といっていい。
さらに同局長は、第三者による弁済を行う場合、政府として原告の被害者と遺族に直接説明し、受け取りの意思を尋ね、同意を求める過程を必ず経ると強調したという。」
(武藤正敏 2023年1月21日)
 JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp) 

要するに、日本政府や企業がカネを出さなくてもよい、韓国企業と政府がこの財団に拠出するからということのようです。
まぁ、あたりまえのことなので、はぁそうですか、勝手におやりなさいとしかいいようがありません。
日韓請求権協定によって、新日鉄からプラント建設と技術供与まで受けて大企業に発展した鉄鋼大手「ポスコ」などがこの財団に出資するのはとうぜんのことです。
今まで懐手して、三菱重工などが叩かれる様を横目で見ていたほうが図々しい。

ところで今後ですが、この財団が訴訟団に「賠償金」名目でカネを支払っても、彼らは受け取らないでしょう。
訴訟団の弁護士や中心的原告がやりたいのはあくまでも反日運動であって、自分の要求がパーフェクトに満たされない限り歩みよらないでしょう。
しかし、慰安婦問題の時もそうでしたが、被告人は一枚岩ではなく、先がまったく見えない法定闘争をいくらしてもラチがあかない、いま政府が財団を作って慰労金をくれるのだから手仕舞しようと考える者のほうが圧倒的に多いのです。
ユン政権としてはこういうサイレントマジョリティに期待してのことだったでしょうが、うまくいくかどうか。お手並み拝見です。

慰安婦財団の時も、日本政府からのお詫びのカネと手紙を受け取った元慰安婦に対して、ユン・ミヒャンなどの支援団体はしらみ潰しのようにして彼女たちの自宅を襲い、カネと手紙を返却させました。
この挺対協がなんのために元慰安婦支援をしているのかよくわかります。

今回も弁護団は左翼丸出しの人たちですから、ここで解決されてしまっては闘争ができなくなるとばかりに、政府や財団が原告らに面接するのさえ阻止しようとするでしょう。

中央日報の予測はこうです。


まぁ、そうなるでしょうな。
武藤氏は、財団が供託する。すると「供託無効」の訴訟が出る、再度供託する、また供託無効を訴える・・・以下この繰り返しで国内をなだめられない、と予測しています。

そして司法判断は、北にしっかりと浸透されていますから原告有利な判決を出すでしょう。
まぁ考えないことにしましょう。
いずれにせよ、日本とは関係のない韓国の内政問題ですから。

 


«自称「徴用工」問題は北朝鮮のスパイたちが作ったようだ