フランスの「民度」ってこんなもんだったのか?

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せんだっての土曜日にも、フランスで大規模な反マクロンデモがありました。

「パリ(CNN) パリなどフランス各地で8日、マクロン政権に抗議する大規模なデモが実施され、警官隊と衝突した。
デモは先月から4週末連続で繰り返されてきた。参加者が路上作業用の安全ベストを着用していることから、「黄色いベスト」運動と呼ばれている。
デモ隊の一部は車両やタイヤに放火するなど暴徒化し、警官隊がゴム弾や放水銃、催涙ガスで鎮圧を図った。
カスタネール内相によると、8日のデモにはパリ市内だけで約1万人、全国で計12万5000人ほどが参加。各地の衝突で警官17人を含む計135人が負傷した。1385人が取り調べを受け、974人が拘束されている」(CNN12月9日)

https://www.cnn.co.jp/world/35129842.html 

私も昨日はユーチューブで淡々と送られてくる、パリの「市街戦」の様を観ていました。
https://www.youtube.com/watch?v=Q6UpuouOomU 

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デモといっても、指揮者がいませんから、警官への暴行は野放し、商店や車の襲撃すら止める者がいません。 

隊列ひとつないままに、勝手にバリケードを作っては壊され、アナーキーに石を投げては捕まり、車を燃やしたては消防車に駆けつけられるといったありさまです。 

ああ、なんと民度が低いデモ、いや、これではデモではなく単なる暴動です。 

たぶん極左から極右までが「黄巾の乱」に相乗りしているので、統一集会ひとつ開けないのでしょう。

一方警官隊も警官隊で、こちらもろくに隊形を組まずに小部隊で催涙弾を打ち込んだり、小規模な突撃をくりかえして警棒で市民の頭を無差別にかち割っていました。 

日本の専門守備防衛の機動隊と違って、訓練が行き届いているとはいえず、楯の数も絶対的不足で、なにかというとすぐに警棒で叩いたり、ゴム弾で狙撃するのですから、負傷者が増えて当然です。 

ああ、「革命の本場」フランスの民度って、こんなもんだったのって感じです。 

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12万5千人が全国でデモに参加し、デモに行かずとも国民の8割が支持を与え、警察力だけで抑えている状態が、今のマクロン政権です。 

警察力一本で状況を抑えようとする状況になれば、先は見えています。 

仮に力で制圧すれば、国民には力で押さえ込まれた恨みが残り、制圧できなければ、首都のど真ん中を暴徒の「解放区」にしてしまいます。 

どちらも政権としては悪夢の選択のはずですが、マクロンは前者を選んで、かつ、存分に暴徒は暴れさせてしまうという失態を犯しました。 

もはやマクロンは、「国民の敵」という偶像の地位にまで登り詰めたようです。 

こうなってしまってはいまさら石油税を凍結しようと、話合いを求めようと無意味です。もはやどこにも逃げ場はありません。 

話しあいをしたいのならば、先週中に、テレビで全国民に対して、理性的行動が民主主義を守るのだという演説をすべきでしたが、もう遅い。 

こうなってはマクロンは辞任し、大統領選挙のやり直しとなるでしょう。国民戦線が前回大統領選のように世界規模でディスられねば、どのように転ぶかわかりません。

EU諸国ははらはらしながら展開を注視していることでしょう。

いずれにせよ、EUの中軸国の出来事ですから、遠心力が強くなるのは避けられません。

メルケル政権の衰退と並んで、EUは弱り目に祟り目です。

政治力を振るう政治家がいませんから、ブリュッセルの官僚たちは、恐る恐る遠巻きにしてこのフランスの狂態をながめるしかないようです。

Photohttps://www.businessinsider.jp/post-180686 

さて、フランス国民は忘れているようですが、マクロンは選挙前から、法人税を引き下げ、社会保障費の企業負担分を引き下げる、解雇時の罰金には上限を設ける、といった政策を主張して当選したわけです。 

マクロンの「改革」は、よく「富者のための政府」という批判がありますが、それは「国営フランス株式会社」を改革しようとしたからです。

確かに社会主義国もどきの国家主導型経済が、経済発展を妨げてきたのは事実です。 

下はフランス経済の実態です。

実にGDPの56%が政府支出ですから、少なすぎる日本などは少し分けて欲しいくらいですし、国際競争力は22位とEUの下位集団です。

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https://www.sankei.com/world/news/180501/wor180501...

また失業率も10%とひどい上に、特に若年労働者の失業率は25%と韓国なみの悲惨な状況です。

今回、大学などでバリケード封鎖が行われたのはこのへんにも原因があります。

1203mutuji2ニューズウィーク2018年12月03日)
https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2018/12/post-50_2.php

フランスは鉄道も国有、電信電話も国有ですから、日本でいえばJRとNTTがなくて、国鉄と電電公社が今も超巨大な国営企業として残存しているということなります。

ついでにフラッグシップだったエールフランスも国営でした。

また電力会社はいまでこそ民営化されていますが、十数年前まではフランス電力公社、フランスガスが一元支配していました。 

基幹産業においても、ルノーのような大手自動車会社までもが政府出資比率が高く、事実上の国営企業です。

フランス銀行、4大商業銀行、34の保険会社も国有。

つまり、交通通信、エネルギー、金融、基幹産業のことごとくが国営、もしくは国有企業で占められていたわけですから、他国から「ヨーロッパの中国」と揶揄されていたのも当然といえば当然ですね。

だから、中国と親和性があるのかもしれませんね。

とうぜんのこととして、公務員が労働者に占める割合かEU域内で最も多いのはいうまでもありません。

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このフランスの国家主導型社会は、少数の超エリート階層によって指導されています。

マクロンやゴーンが出た国立行政学院が典型ですが、そこの卒業生らは経済界、官界、そして革新保守の別なく政界の指導層を支配しています。
フランス国立行政学院 - Wikipedia

ここにも一握りの共産党エリート層が社会を支配する中国との似た体質がありそうです。

このようにフランスは「民主主義の母国」を標榜しながら、国家統制経済とはまでは言いませんが、先進資本主義国としてはありえない国家主導型経済であり、かつ、それが作った社会であるようです。

これで経済がよくなるはずがありません。

この国営資本主義を維持し続けたいミッテランのような社会党政権と、民営化しようとするシラクなどの保守政権とが綱引きをしてきました。

結局、民営化は一部でされたものの ルノーのように政府出資が多く残っていて、政府が筆頭株主だったりしている半官半民状態が続いています。

たとえば、フランスの自動車産業が半官半民なのは、今回のゴーン事件でわかったと思いますが、プジョーやシトロイエンとて一緒なのです。

ですから、経営危機となると必ず政府が資金を注入して救済してしまいます。巨大原子力企業のアレバも政府から資金注入をもらっています。

東芝の経営危機を突き放した日本と比較してみて下さい。

このような「フランス社会主義人民共和国」といった体質があるために、これを「改革」しようとしたマクロンは「改革される側」の公務員、国営企業の労働者、農業保護政策を受け続けてきた農民、そして失業率が高く、簡単に解雇されてしまう青年層から強い反発を食ったのです。

今のマクロンの窮状は、国営フランス株式会社そのものです。

進めばマクロン、退けばルペンです。

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日曜写真館 ビーバーかぁさんの台北夜店喰い歩き

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HN「ビーバーかぁさん」から、楽しい台北の夜店の写真を頂戴しました。ありがとうございました。

ああ、どれもこれもうまそう。

ああ、行きたい。

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マクロン絶体絶命

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マクロンが燃料税を1年延期したそうです。最悪の時期に、最悪なことをする人です。 

それを淡々と報じるBBCです。「仏政府が発表した燃料税増税に対する全国的な抗議行動を受けて、エドゥアール・フィリップ仏首相は4日、来年1月1日から予定されていた増税の実施を6カ月延期すると発表した。
フィリップ首相はテレビ演説で、政府は国民の怒りを見ているし、耳にもしていると述べた。
3週間前から続く抗議行動によって、仏各地の主要都市で損害や破壊が続いている」
(BBC2018年12月5日
https://www.bbc.com/japanese/46450110)

なぜ最悪かといえば、もっと前に燃料税増税を撤廃するという判断が必要だったからです。

このように暴動が全国化して、パリでは暴動に発展している極期に、こんな鎮痛剤を処方しても効かないからです。 

_104612043_macron_protest_afpBBC 同上

政府がこのような譲歩をひとつすれば、私がデモ指導者だったなら、マクロン辞任まで追い込めと号令を出すはずです。

実際この左右相乗りのデモは、マクロン辞任と大統領選のやり直しを求めています。このまま推移すれば、その方向になるかもしれません。

すると、政権は暴力デモに屈した結果になってしまいますから、次に誕生する政権は「革命政権」ということになってしまいます。

その場合、レジティマシィ(正統性)が疑われる政権交代となりますが、「民主主義の祖国」としてそれでいいのですか。

レジティマシイが危ない政変が「革命」です。

18世紀のフランス革命の再来を待望するのは、SEALDsに涙して「これが民主主義だ」と叫んだ日本のインテリ文化人くらいなもんでしょうに。

1968年の5月革命の再来といわれているそうですが、かつてはドゴールとマルローのカリスマ性たっぷりのふたりが腕を組んで行進して終息しましたが、今、軽量系大統領のマクロンが街頭行進したら石を投げられます。

さて、マクロンは公約として、就任前からガソリンとともにディーゼル燃料に対する増税を実施するとしていました。その大枠はこうです。
https://sustainablejapan.jp/2017/05/12/macrons-energy-policy/26778
 

①石油税を増税して、石油燃料の消費を抑制する
②2040年までに化石燃料自動車を廃止する
③電気自動車向けの充電スタンド設置を政府支援する
 

世界最大の原発大国フランスのエネルギーを、エコ方向に転換するという政策で、実は前のオランド大統領社会党政権時代に「エネルギー転換法」として2015年7月22日に制定されていました。 

この法律によって、フランスの重要な輸出品のひとつだった電力を、原発から再エネシフトに替えていこうという政策です。 

こんな脱原発政策は、メルケルの轍を踏むようなもので、確実に失敗します。ドイツの脱原発政策の失敗についてはかなりの分量の記事を書いていますので、お読み下さい。

マクロンの場合、理念的なメルケルと違って電気自動車に政策誘導するためのものでした。

だからマクロンは電気自動車の優れた技術を持つ日産を、なんとしてでもルノーと合併させたかったし、そのキイマンだったゴーンを重用してきたのです。

また、脱原発政策の一環として、マクロンは化石燃料消費量の廃止、石油由来廃棄物の大幅削減、企業及び金融機関に対する気候変動関連情報開示制度などを作ろうとしました。 

さらに、このオランド社会党路線を継承した上で、公的年金制度、住宅費補助といった生活支援政策にまで大なたをふるおうとしました。 

まとめるとこんなところです。

①石油税増税・電気自動車推進
②財政赤字をGDP3% 以内に抑えるための緊縮財政
 

ここまではお隣のメルケル路線に似ていますが、そうとうに違うのはマクロンがグローバル企業優先シフトを敷いたことです。

「マクロン氏は就任以来、アメリカ流の規制緩和や「小さな政府」路線に基づく改革を行ってきた。
そこには雇用契約や農産物貿易の規制緩和や、公共サービス削減、主に富裕層向けの減税などがあげられる」(ニューズウィーク2018年12月03日)

https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2018/12/post-50_2.php

すると、グローバル企業の投資をフランスに呼び込むために、その障壁となるフランス国内の規制を撤廃していくことになります。 

となると必然的に、マクロンが非効率的と見なした規制や労働条件の改悪、国民サービス、農業への支援の削減がやり玉に上がりました。 

「フランスではもともと公的機関が経済にかかわる傾向が強く、GDPの50パーセント以上を公共セクターが占める(いま話題のルノーの最大の株主もフランス政府だ)。
労働者の権利なども手厚く保護されてきたため、簡単にレイオフされない反面、これが経営者に新規採用を躊躇させ、失業率は慢性的に高い状況が続いてきた。
また、安全保障上の観点から食糧とエネルギーの自給を重視してきたため、伝統的に農家への補助も手厚いが、これは財政赤字の一因にもなってきた」
(ニューズウィーク前掲)
 

Img_3e4be49ac305ed2e911fee62dec2281https://toyokeizai.net/articles/-/186201

国民生活に直結する、マクロンの「改革」政策はこんなところです。

①規制緩和
②解雇契約の緩和のための労働法改正
③公共サービスの削減
④住宅費補助の削減による生活支援のカット
⑤農家支援の削減
⑥石油税増税
⑦富裕層向け減税
 

①の規制緩和は個々をみないと評価は下せませんが、②以降の施策はこれを全部一気にやったら国民から総スッカンを食って当然なものばりです。

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ニューズウィーク 前掲 

上のフランスの失業率グラフを見ると、フランスの失業率は極めて高くこの数年22~25%で推移しています。 実に4人にひとりが失業者です。

たしかにこのマクロンの外資導入路線によって、大都市は経済活況が生まれましたが同時に襲ったのが、物価が高騰する中での失業率の高止まりです。 

しかも、労働法改正による雇用契約の緩和、生活サービスの削減の結果、簡単にクビにされる若年層に皺寄が来ました。 

そしてもうひとつ大きな影響を受けたのが、地方です。

農業と地場産業が基盤の地方経済は、マクロンのグローバル企業優先政策によって大打撃を受けました。 つまり、フランスは貧富の格差が開いて、地方を痛めつけたわけです。

マクロンはゴーンを助けるべく安倍氏にまでかけあったわけですが、デモの市民からは「ゴーンみたいな億万長者なんか日本の刑務所に入っていろ」となどと言われしまっています。

日本の失業率2.88%と比較すると、その悲惨さがわかるでしょう。 

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日本は既に理論的最低値となっていますし、若年層の就業率(大学就職率98%)も過去最良です。これが安倍政権を若年層が支持する最大の理由です。
完全失業率 - 総務省統計局
平成29年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在):文部科学省

安倍氏も規制緩和をしていますが、そのような「改革」はこういう失業率の極小化が完成して初めてできるのです。

マクロンの場合、いわば富者優遇、貧者死ね、といわんばかりの政策をしてきて、冬入り前に燃料代を上げようとしたのですから、国民が怒って当然です。

このような貧者のセーフティネットをはずしてしまうところが、マクロン自らが「右でもなければ左でもない」と言っているゆえんでしょう。

反原発を掲げて再エネ推進などは保守政権ではとれなかったしょうし、一方、労働者の既得権を破壊し農家支援をカットすることなどオランド社会党政権にはできなかっでしょう。

ではマクロンとは右でも左でもない何者なのかといえば、外国企業優遇、つまりはグローバリストだったというわけです。

その上に緊縮財政主義者ですから国防費を削減し、それに抗議した軍のリーダーに高圧的に対応したために、軍からも総スッカンを食っています。

フランスのマクロン大統領と国防予算の削減を巡って対立していた軍の制服組トップ、ドビリエ統合参謀総長が19日、辞任した。
ドビリエ氏は声明で、予算の制約が厳しい中で効果的な防衛力の維持に努めてきたが、これ以上は維持できないとし、「現在の環境下では、フランスやフランス国民の保護に必要な防衛力をもはや保証できない」と表明した」(ニューズウィーク2017年7月20日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8015.php

とうぜん支持率はいまや危険ゾーンに突入し、いつ辞職に追い込まれても不思議ではない水準にまで落ちています。 

Photo日経 

その上に、まだあるんですから、お立ち会い。

マクロンという男は、パリ政治学院、そしてフランス国立行政学院という二大超エリート大学出で、ロスチャイルド系の投資銀行で200万ユーロ(約2億5千万円)の年収を稼いでいた人物ですから、娑婆の切なさを知らないのです。
エマニュエル・マクロン - Wikipedia

「例えば、「駅は面白いところだ」といい、その理由として「成功した者と何でもない者に会えるから」(前者は彼自身のようなビジネスエリートを指し、後者はほとんどの一般の人を指すとみてよいだろう)。
また、就職活動に苦労している若者に対しては、「どこでも働き口はあるはずだ」と言ったうえで、私なら、あの通りを渡るだけで、きっと君に仕事を見つけてやれる」(ニーズウィーク前掲)

私なら見つけられる」って、そりゃベスト&ブライテストの国立行政学院でてりゃ、通りを渡るだけで見つかるわな。
フランス国立行政学院 - Wikipedia

それを4人にひとりが失業している「なんでもない者」たちに言ってどーするの。イバりたいの、怒らせたいの、それとも単なるエリート馬鹿なの?

またほんとうにこう言ったのかどうか知りませんが、石油税増税に反対した者に対して言った台詞がまことしやかに流れています。 

「ガソリンを買えなかったら、電気自動車を買え」

 いくらなんでもこれはマリー・アントワネットの有名な言葉(ウソですが)のもじりでしょうが、そう言いそうな奴だと、国民から見られているのはほんとうのようです。

そういえば、抗議した軍トップに言ったセリフも残されてています。

「私が上司だ」

憤然としてドビリエ統合参謀総長は、辞表を叩きつけてしまいました。

やれやれ、この人が今までどういう生き方をしてきたのか、わかってしまいますね(ため息)。

政治家やっちゃいけない人なんですよ。

Img_ec3458acc3485593b9b2d8a11104011AFPhttp://www.afpbb.com/articles/-/3157919

ちなみに、マクロンはチャイナマネーに大きな期待を寄せています。

「マクロン氏は8日、西安から北京に移動して習近平国家主席と会見。国営新華社通信によると、双方は「重大な国際問題」について密接に協力することで一致した。北朝鮮の核問題などが念頭にあるとみられる。またマクロン氏は中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」について「重要な提案であり積極的に参加したい」と述べた。両氏は9日に正式な首脳会談を開く」(産経2018年1月8日)
https://www.sankei.com/world/news/180108/wor1801080027-n1.html

わざわざ訪中時には、習への手土産としてフランス軍自慢の軍馬を持っていって、習を喜ばせたそうです。

なおトランプ とは、メルケルと「独仏合同軍を作ろう」とブチあげて、激怒されています。

かくてマクロンは、「右でも左でもない」から「右からも左からもまんべんなく嫌われる」政治家になってしまったようです。

 

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日本社会に民族ごとの壁を作るのか、移民法

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入管難民法が可決寸前のようです。

「外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を創設する出入国管理法改正案をめぐり、参院法務委員会の横山信一委員長(公明)は6日の質疑終了後の理事会で採決を提案した。
これに反発した立憲民主、国民民主、共産の各党などが委員長の解任決議案を提出し、6日の採決を阻止した。
与党は7日の参院本会議で解任決議案を否決する構え。同日中に参院法務委で改正案を採決し、参院本会議で成立させる方針だ」(産経12月6日)

https://www.sankei.com/politics/news/181206/plt1812060033-n1.html

どうせ明日のメディアのトップには、「自民強行採決」と出るんでしょうね。 

くだらない時間をかけてグダグダやっていれば、ただでさえ総理の外遊と会期末が重なって時間切れになるのに決まっています。 

われわれ国民は、このような極めて問題がある法案が通ってしまう、非力で無能な野党しか持てない悲哀をしっかりと味わいましょう。 

野党は二重の誤りを犯しています。 

まずひとつは、毎度のことですが、本質的議論から眼を逸らそうとする政府を近視眼的な政局がらみでしか追及できずに、結果的に手助けしてしまったことです。 

今回の入管法の主題はひとつしかありません。それはこの法案が紛れもなく移民政策の開始を宣言する法律であることです。

30年後を見据えた議論がいるのに・・・、まったくもう。 

本来、野党にとってこの入管法は、彼等が歓迎出来る法案なのです。

だって、多民族共生社会が持論の野党にとって、押し寄せる移民労働者の大群なんて、待ってましたの状況到来じゃないですか。 

野党の支持層の理想はこうです。

街を歩けば、この街の工場で働く中国人もいる、焼き肉屋で働くコリアンもいる、コンビニのベトナム人もいる、自動車工場の南米の人もいる、みんな仲良く暮らしているね。

学校も多言語授業が始まって、日の丸掲揚もやめたってさ、やっと日本社会も開かれた多元的価値観を認める国になったんだね、よかった、よかった、とまぁこういったところです。

だから実は、野党は本心では多民族社会をもたらす入管法には賛成ですから、明後日の方向の既存の技能研修生制度の追及に終始しました。

これも与党とは別の意味で、目くらましです。 

本心では総論賛成各論反対ていどですから、テレビカメラの前で存在感を演出するためには、委員長のマイクを奪うくらいのパーフォーマンスのひとつも演じないと絵になりません。

で、結局、多くの対決法案と同じような予定調和の委員長席の揉み合いに終わってしまったわけです。

日本の国柄を大きく変える法案だというのに、移民法だと言い切らない与党政府、明後日の方向を突つき回してもみ合うしか能がない野党。まったく不毛です。

Post_25715_1https://biz-journal.jp/2018/11/post_25715.html

第2に、野党はこの法案が移民法ではないという政府説明の欺瞞を暴露すべきでした。 

今回の審議において、世論もメディアも左右を問わず慎重論が主流の中で、唯一政府のみが世論の反対に耳を塞いで、審議を急いでいます。 

「拙速反対」と叫ぶのなら、なぜ野党はもうひとつ議論を進めて「なぜ政府は移民問題から眼を逸らそうとするのか」と、,追及すべきでした。 

そういう追及をしてくれれば、国民の多くはこの法案に懐疑的だったのですから、野党を支持できたのです。

入管法は明確に移民法であることを、政府に認めさせることから始めねばなりませんでした。 

入管法を支持する人の中には、「大丈夫だ。ヨーロッパのようにはならない。あらかじめさまざまな受け入れ態勢のケアをするから」と言いますが、そのケアこそが、いわゆる「社会統合政策」と呼ばれるものです。 

ここで、政府は珍妙な言い訳をいいだしています。それは移民の定義を「あらかじめ日本に定住することを目的で入国する人たち」と規定していることです。 

この政府の移民の概念規定自体が虚偽です。

●国際移民機関(IOM)の移民定義
当人の(1) 法的地位、(2) 移動が自発的か非自発的か、(3) 移動の理由、(4) 滞在期間に関わらず、本来の居住地を離れて、国境を越えるか、一国内で移動している、または移動したあらゆる人

「移民」の定義  IOM 国際移住機関 

移民とは異なる国家へ移り住む事象( immigration, emigration)、また基本的に出生国以外から12ヶ月以上当該国へ移住して居住している人々
移民 - Wikipedia

このように国際的には政府のような永住や妻帯を前提とした狭い概念規定を避けて、12カ月以上母国から国境を超えて入国した人たちを指します。 

これはヨーロッパにおいて国境管理が廃止されてしまい、短期間の単身での労働力移動がよくあるケースとなってしまった状況を反映しています。 

日本においても短期単身の労働者が増える可能性があり、家族帯同して永住資格の取得を目指す「特定技能2号」への移行規定は、速やかに空文化すると思われます。 

日本に流入する移民労働者の主流は、特に技能を持たない単純作業労働者のはすです。 

おそらくこの入管法を後押ししている最大の業界であるコンビニや建築労働には、このような単能工が多く向かうはずです。 

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彼らの多くは日本に定住する気がない出稼ぎ労働者ですから、よりよい労働条件を求めて渡り歩くはずです。 

これは既に農業が技能研修生という形で受け入れた外国人労働者たちの多くに、逃亡事件が頻発することでわかります。 

外国人労働者は、携帯などで常に連絡をとりあっていて、よりよい条件があれば逃げるからです。

ちなみに、野党は現行の技能研修生制度の矛盾点の追及に精を出しましたが、政府の答弁の「よく調査して、不都合があれば改善を命じる」以上の収穫はありませんでした。 

あたりまえです。 

昨今のニュースに登場する不法長時間労働、賃金未払いなどの事例は、現行制度でも違法であって、露顕したなら来年から研修生の割り当てがこなくなる悪質な性格のものだからです。 

技能実習生制度にはこういう実態が現実にあるから、入管法においては法の縛りをきつくしたのであって、これを叩いてもむしろ入管法を新たに作る理由づけになっても反対する理由にはなりません。 

ただし、技能研修生制度を廃止しないという理解不能なことを政府は言っていますから、農業や建築現場での実態がどれだけ変化するのか、私には読めません。 

おそらく新入管法に書かれた特定技能2号は、永住目的の少数の移民労働者たちだけが向かうことになるかもしれません。

なぜなら医療技術や工業関係の高いスキルが要求される職種には、そもそも言語の壁があり、必ずしも高賃金ではない日本に来なければならない特別な理由がありません。

高スキルの労働者は、中東でもヨーロッパにでも行けるからです。 

_103190780_mediaitem103190778ドイツの反移民デモhttps://www.bbc.com/japanese/45326837

次に、ヨーロッパのようにならないための社会統合政策に、現状のドイツなどの事例が反映されていないことです。

賛成論者はドイツやフランスの言語教育に妙な幻想を抱いているようですが、大量に受け入れた場合、外国人労働者は同じ民族でコロニーを形成します。

これは古今東西、世界共通の現象です。

今の池袋のチャイナタウンや、新大久保界隈のコリアンタウンや群馬県のブラジルタウンを見れば、おおよその想像がつくはずです。

彼等はこのエスニック・コロニーの中だけで、外の日本社会と無関係に生活するたとが可能です。

20111015201255池袋チャイナタウンは増殖中http://d.hatena.ne.jp/santosh/20111015/1318677522

その場合、日本語習得は必ずしも必須ではありません。

特定技能2号で永住資格を得ようとする外国人労働者自身は日本語を習得しようとしますが、家族となるともうその限りではありません。

家庭内では、母国語、ないしはチャンポンで会話するのは、今の在日外国人の経験からも明らかです。

すると子供たちも小学校に上がる前までは、母国語がメーンで日本語はあやふや、そして母親は家庭にいる限りずっと母国語のままだと思われます。

そのうえ野党の支持勢力である日教組は、移民労働者の急増と共に多元言語教育を推進するはずですから、いっそう社会統合は遅れることでしょう。

野党革新勢力は、今回の技能研修生制度のヒアリングでも、一方的に研修生側を被害者に見立てて、受け入れ側を批判しています。

私は農村でのいくつかの研修生トラブルを知っていますが、一概にそう単純なものではありません。

彼等にかかると、人権擁護は外国人の為だけにあるようです。

受け入れ側の私たち日本人社会の人権や権利がおろそかに扱われ、生活が脅かされる可能性をもっと徹底的に審議すべきでした。

おそらく、ドイツやフランスの多くの実例から、移民コロニーと日本社会との摩擦が社会問題に発展するのは不可避です。

その場合、この入管法は、日本社会に調和どころか、新たな人種による無数の壁を作ることににつながっていくと思われます。

 

 

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ムンジェイン政権影の支配者・韓国民主労総

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ムン政権を動かしているのは、どんな人たちなのでしょうか。 

おそらくそれは韓国の過激な労働組合です。 

小川和久氏は韓国の元閣僚との会話を、このように伝えています。

「韓国の元閣僚と昼食をともにする機会がありました。もともと情報機関の専門家で、しばしば意見交換してきた人です。この日も、貴重な助言がもたらされました。
「文在寅政権の姿は、労働組合に牛耳られてきた1970年代の日本と似ています。
過激な労働組合が文在寅政権を動かしており、労働組合が国民の支持を拡げようと反日的な動きを煽った結果が、今回の一連の動きなのです。心ある韓国の国民は憂慮しています。日本側は毅然たる姿勢で労働組合の策動を打ち砕く必要があります。
文在寅政権が北朝鮮に近いから注意すべきだということは、これまでにも指摘されてきました。しかし、北朝鮮との関係以前に労働組合の性格を把握しておく必要があるというのです。
 この労働組合とは、戦後日本の総評、連合に当たる全国民主労働組合総連盟(民労総)のことです。組合員約70万人。世界的にも戦闘的な労働組合として知られているのだそうです。」
(『NEWSを疑え!』第729号2018年11月26日特別号)

ここで名前が出てきた「全国民主労働組合総連盟」(民主労総)は、ちょくちょく日本にもきていますから、ご存じの方も多いでしょう。
全国民主労働組合総連盟 - Wikipedia 

日本で民主労総の姿かひんぱんに見られるのは沖縄の辺野古で、もはや支援団体の一角に名を連ねているといってよいくらいです。 

Okinawa05日韓ネットより引用 http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/5...

日本においては、よく某老舗過激派C派や、関西生コンと共同行動をしています。 

よくネットで辺野古にハングルがあったと言っていますが、それはこの民主労総です。 

日本の過激派が極少派であることに対して、韓国民主労総は組合員約70万人、加盟単産16を擁するナショナルセンターで、日本でいえば連合にあたります。 

ムンジェイン政権を誕生させた「ろうそく革命」も彼らが主役でした。

特に基幹産業である自動車大手のヒョンダイ(現代)労組のほか、全国教職員労組、全国公務員労組、交通関係労組などを支配しています。
 

このヒョンダイ労組の民主労総を取り上げてみます。なかなか壮絶ですよ。 

象徴的なのは、ヒョンダイ労組組合員は世襲で雇用される権利を持っていることです。 

さすが、労組幹部の経験者である私もたまげました。日本では考えられもしません。

「韓国の30大企業のうち現代・起亜自、大宇造船海洋、現代オイルバンク、LGユープラス、現代製鉄、韓国GM、大韓航空の8社は、労使の団体協約に「定年退職者や長期勤続者の子女を優先採用する」というような「雇用世襲」条項を設けている。この事実は、雇用労働部(省に相当。雇用部)の実態調査で確認された」(朝鮮日報2016年3月4日)

なんと労使間の団体協約に、「世襲条項」(!)があるそうで、その枠は労組幹部が握っているそうです。

しかも、作業工程のボルトの締めつけひとつまで、労組が管理していますから労組の意向を聞かないと、ネジ一本すら締められないことになっているそうです。

韓国GMでは、労組がバンパーを経営が勝手に改良しようとしたとして争議を起こされています。もはや笑うしかありません。

「現代自動車労使が締結した団体協約の規定は問題だらけだ。例えば労組が反対すれば下請業者に仕事を渡したり、海外に工場を新設したりすることも難しい。
「Aボルトを締める組合員にBボルトを締めるよう仕事を移すこともできない」とまでささやかれている。
長期勤続退職者の子どもを優先的に採用するなど、代々引き継いで仕事ができる「雇用世襲」条項に対して裁判所で無効判決が出たのが2013年のことだ。
それでも現代・起亜自動車をはじめとするかなりの数の大企業労使でこの条項が守られている。大多数の若年層求職者・失業者は血の涙を流していることだろう」
(朝鮮日報前掲)
 

労組幹部ともなると、専従として働きもせずに高給を食み、やることは唯一デモストだけ。 

その上に、子弟は世襲で入社できるというのですから、まさに超格差社会の韓国の勝ち組そのものです。

この世襲制には、さすがに同じエリート勝ち組であるはずの韓国メディアも怒っています。

「現在の韓国の青年失業率は、この16年で最も高い10%に迫りつつある。未就業の若者は、きちんとした大企業に就職したいという一念で、就職の願書を数十枚、数百枚書いてさまよっている。こうした若者にとって、「雇用世襲」ほど怒りを呼ぶニュースもないだろう」(朝鮮日報前掲)

このような報道は日本のネット界ではかねてから知られていたことで、なにをいまさらですが、とりあえず朝鮮日報が保守系新聞だからできたので、韓国も沖縄に負けず劣らずの同調圧力が支配しています。

それはさておき、韓国社会で既得権者の最大圧力団体が労組であり、その中核が民主労総で、ヒョンダイ自動車のような財閥系の組立工は正社員であれば年収が1000万円を超えると言われています。 

しかも子々孫々その地位を世襲できるのですから、まさに旧ソ連のノーメンクラトゥーラもびっくりの「赤い貴族」様です。 

20131012k001http://kankoku-keizai.jp/blog-entry-8995.html

民主労総は職場を文字どおり支配しています。争議のワンシーンです。

「きれいに塗装されてベルトコンベアに載せらた白い車が赤くさびた鎖で縛り付けられていた。鎖には大きな錠前まで付けられている。
50代の労働組合代議員が車の中に入り、別の鎖で手首を縛って車体とつなげた。決死抗戦の態勢だ。
もちろんベルトコンベアは停止し、工場の業務はマヒした。労使に分かれた従業員たちは歯でかみ切ろうとしたり、押し合いになったり、足げにしたりした。 24日、現代自動車蔚山工場の作業場で繰り広げられた光景だという」(朝鮮日報2017年12月3日)

完成車を出荷させないなどは手ぬるいほうで、いったん暴発すれば下の写真のような暴動まがいの「抗議行動」が見られます。 

「労働運動界の暴力ざたは今に始まったことではない。ソウル・光化門広場で全国民主労働組合総連盟(民労総)が「国全体をマヒさせる可能性がある」として鉄パイプで警察官を殴り、警察車両に放火まで試みたのは2年前のことだ。
その前には「希望のバス」というデモ隊が蔚山で竹やりを振り回して数十人が負傷した。これに比べれば、今回の現代自動車の暴力ざたはささいなことだ。しかし、その内幕にはウミが破れたような労働問題が見え隠れする」(朝鮮日報前掲)

Img_0聯合ニュース

おいおい、これが労組のやることかよと思いますが、日本でいえば全トヨタ労連に匹敵するヒョンダイ労組が大ぴらにやっているわけですから、どうにもなりません。

こんなことやっていて、激戦の自動車国際市場で生き残れるのかと思いますが、そのとおりで、ヒョンダイは経営危機に瀕しています。

「韓国の自動車生産がどんどん落ちているということ。
中国には一気に抜かれて5位に、その後も順位を少しずつ落として、インド、メキシコに抜かれ、現在は7位に転落した。
そして、もうすぐスペインにまで抜かれて8位となるようだ。自動車生産上位10カ国のうち2年連続で減少を記録したのは韓国だけという。
その原因というのは米中といった主力市場での現代自動車の苦戦である。しかも、これはまだ米中貿易戦争前の話である。仮に米中貿易戦争が長期化すれば、韓国自動車にとっては厳しい展開が待っている」(マネーボイス2018年7月22日)

https://www.mag2.com/p/money/496414

このような過激な労組が争議を頻発させるために、韓国経済もまた減速を続けています。 

2d77211a聯合ニュース

「現代自動車によると、同社は今年だけで22回のストが起き、その影響による経営損失が2兆7800億ウォン(約2574億円)に及んでいるという。
これまで年間で最多だった12年の12回、1兆7000億ウォンの損失を大幅に上回る。
 また、地下鉄・鉄道の労働者によるストでは、旅客部門の運休が1割程度と影響は軽微だったものの、貨物部門は運休が6割に及び物流に影響が出たもようだ。
このほかにも、金融・医療分野などでも労使の対立が続いているという」(産経2016年10月5日)

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/161005/mcb1610050500002-n1.htm

ヒョンダイだけで年間22回のスト、2574億円の経営損失とは、啞然とします。たぶん日本全国のストの年間回数よりも多いでしょう。

ヒョンダイが潰れないほうが不思議です。

いやむしろ、再建処理に入ろうものなら、労組が現物や債権を退職一時金として押さえるために工場占拠に走るでしょうから、やりたくてもできないのかもしれません。

民主労総にとって、このまま寄生して甘い汁を吸うのもよし、潰れたら潰れたで会社を叩き売れば巨額のカネが濡れ手に泡ですから、潰してもよし、なーんて考えているのかもしれません。

同じように経営が不振な上に、民主労総にいたぶりまくられている韓国GMは、撤退させたくなかったらカネを出せと韓国政府に迫っているようです。

すがられたムンは、1万5千人を雇用する外国資本に逃げて欲しくないために支援したいのはやまやまですが、支援すると支持層から反発を受けてしまうとハムレットを演じているようです。

そもそもそのムンは、憲法改正して、労働法にではなく憲法を改正して、「労働者は経営に参加する」「原則解雇は不可」と書き込むことを狙っているのですから、まぁどんな外国資本でも逃げますわな、これは。

今回、「徴用工」訴訟で差し押さえが決定すれば、これら外国企業は尻に帆をかけて韓国から逃げ出すことでしょう。

さて問題は民主労総が、ヒョンダイのみならずムンジェイン政権を支配下に置いていることです。さきほどの韓国元閣僚のはこのように述べています。 

「(民主労総は)かつての金大中政権を含む保守・中道路線に批判的で、文在寅政権誕生に当たってはほかに野党候補がいなかったことから「消極的支持」の立場を取りました。
それだけに、文在寅政権としては民労総から積極的支持を勝ち取り、政権基盤を固めるとともに、後継政権にも影響力を残したいと考えるのは自然の流れでしょう。韓国の元閣僚は吐き捨てるように言いました」(小川前掲)

元来、ムンは昔から労働争議が専門の弁護士でした。 

「文氏は司法修習を終えた1982年に地元の釜山で弁護士活動をしていた盧氏と出会い、共同事務所を運営することになった。文氏は、民主化を求める学生運動で検挙された前歴が問題視されて判事任用を拒否されていた。一方の盧氏は売れっ子の敏腕弁護士として活躍する一方、権威主義体制下の公安当局がでっちあげた事件の弁護引き受けを契機に人権問題への関心を強め始めていた時期だった。
2人はその後、人権弁護士として労働争議を積極的に受任するようになる。一時は釜山周辺地域の労働争議を一手に引き受けるほどだったという」
(澤田克己 毎日元ソウル支局長)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14687 

ムンは大統領の椅子に座った後も、過激労組を統治者として統制するどころか、むしろ彼らのご機嫌を伺うようになります。  

「民労総が国際的な労働運動の会議などに出るとき、出張旅費など多額の経費を韓国政府が様々な名目で負担しています。これを見ても、いかに労働組合主導の政権だということがわかるでしょう」(小川前掲) 

日本でいえば、関西生コンが政権をとってしまったようなもの、という比喩も当たらずとも遠からずなののかもしれません。

おっと、書き忘れましたが、とうぜんのことながら、民主労総は北朝鮮断固支持です。

「民主労総の中では現代自動車の現代労組が過激な闘争で知られるが、99年、労働組合のナショナルセンターとなったあと、民主労働党(民労党)という左派・親北政党の母体となった。
民労党は北朝鮮を信奉する主体思想派が主流で、民労党も民主労総も、富裕税の創設や財閥解体、在韓米軍撤退など北朝鮮の主張そのものの訴えを掲げた。
そして富裕税、財閥改革は文政権の看板政策でもあるのだ」(産経2017年9月25日久保田るり子)
https://www.sankei.com/premium/news/170925/prm1709250003-n1.html

とまれ、こんな悪霊に憑依された国が、私たちがお相手にしている国なのです。クワバラ、クワバラ。

ローマ法皇を呼ぶのならば、バチカン専属エクソシストにも一緒に来てもらったらいかがでしょうか。

 

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「徴用工」訴訟団 24日まで回答ない場合は差し押さえ手続きに

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さぁさぁ、ルビコン川が間近に迫ってきましたよ。ここを超えると、いよいよ日韓関係はポイント・オブ・ノーリターンを超えることなります。 

いわゆる「徴用工」裁判で、弁護団は今月24日午後5時までに新日鉄住金から回答がなければ、韓国内の資産を差し押さえるそうです。 
※ほんうとうは「募集工」、ないしは「朝鮮人戦時労働者」と表記すべきですが、世間で通用している表現なのでカッコをつけるか、「いわゆる」をつけて表記することにします。

「韓国人の元徴用工への損害賠償を命じる韓国大法院(最高裁)判決が確定したことを受け、原告代理人らが4日、東京・丸の内にある被告企業の新日鉄住金本社を再び訪れ、判決にもとづき賠償支払い義務を果たすための協議に応じるよう改めて求める要請書を提出した。24日までの回答を求め、応じない場合は同社の韓国内資産を差し押さえる手続きを進めるという」(朝日12月4日)
https://www.asahi.com/articles/ASLD44RNPLD4UTIL01M.html 

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 代理人の林宰成(イムジェソン)、金世恩(キムセウン)両弁護士 。韓流ドラマにでてきそうなさわやかキャラ 朝日新聞https://www.asahi.com/articles/ASLD44RNPLD4UTIL01M 

イムジェソン弁護士によれば、現金化のために具体的には新日鉄住金の韓国ポスコとの合弁会社の株と、韓国国内の知的財産も差し押さえるそうです。 

株式だけならまだしも、ポスコの特許権侵害事件で争点となった知的財産権まで差し押さえるというのですから、もうハンパじゃありません。 

「ただ、林氏は資産の差し押さえと資産現金化の手続きは異なるものだとも説明。「差し押さえの手続きに入ることは交渉の決裂を意味しない。手続きの過程でも(同社の)責任ある協議の意思を待ちたい」と強調し、あくまで新日鉄住金側との協議を最重要視している立場を示した。
 新日鉄住金は、韓国鉄鋼大手ポスコとの合弁で設立したリサイクル会社の株式を保有。林氏によると、新日鉄住金は多数の知的財産権を韓国内で持っており、こうした資産が差し押さえの対象になるとみられる。(時事12月4日)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018120400636&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

 実は2015年に、韓国財界第6位のポスコ製鉄は、新日鉄住金の方向性電磁鋼板に関する特許侵害で300億円の巨額賠償をしています。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/21930.html

この損害賠償額は、コーロンが合成繊維アラミドの営業秘密侵害で米化学企業デュポンに支払った2億7500万ドルより多く、世界最高額といわれています。

方向性電磁鋼板は自動車、新再生エネルギー素材などに幅広く使われ、未来高付加価値鉄鋼素材に選ばれる製品です。

新日鉄住金は韓国内でこの方向性電磁鋼板など多くの特許を登録していますが、これを差し押さえるということも、訴訟団は視野に入れているということになります。

すると韓国司法がこの差し押さえを認めた場合(とうぜん認めるでしょうが)、この300億で和解したはずの知的財産は、韓国の法によることになります。

日本の場合、差し押さえた場合、評価額との兼ね合いもありますが、一般的には強制執行を行い、競売に付されます。

そして入札を行った後に、特許権が移転します。

訴訟団弁護士は、原告が高齢なために現金化は一日を急ぐという言い方をしていますから、競売で安くバーゲンセールをして叩き売りをするかもしれません。

その場合、ポスコだけが相手ではありません。

訴訟団は、世界各国の新日鉄住金の資産を押えると公言している以上、いずれにせよ世界相手の新日鉄住金の知的財産の競売がありえます。

世界有数の先端製造技術を持ち、高付加価値製品づくりに特化している新日鉄住金にとって、長い期間辛苦の末に作り出した知的財産を奪われた上に、それをあろうことか大安売りで叩き売られるはめになります。

当然、新日鉄住金は対抗訴訟を起こすでしょうが、「徴用工」をナチスドイツの強制収容所労働と混同するプロパガンダが浸透している人権先進国の欧米では、韓国の主張が勝訴する可能性が高いと思われます。

もちろんこれは、日本政府が指をくわえて傍観した場合であって、最悪シナリオだとお断りしておきます。

ところでイム弁護士は、「新日鉄住金との協議を最重要視している」(時事前掲)そうですが、なにを寝ぼけたことを。 

Png2産経https://www.sankei.com/photo/story/news/181112/sty...

彼らが日本に来て真っ先に行ったのは新日鉄住金の本社でしたが、すげなく面会を断られています。 

二国間紛争の次元にとっくに発展しているのに、あえて気がつかないふりをして無知を装っているのか、はたまたただのパーフォーマンスなのか知りませんが、愚かです。 

彼らはお約束の怒りの抗議をしたようで、それを同情的に報じた日本メディアも多く出ました。

いきなりアポなしで玄関口に集団でおしかけて、面談出来るはずがありません。

「警備員から面会には応じられないことを伝えられたということで、弁護士の1人は記者団に対して、 「当事者と会わないということは、私たちと協議をする意思がないことを確信させた。財産の差し押さえに向けた手続きを始めざるをえない」 (NHK11月12日)

なにも考えないNHKは、なんだ会うくらいすればいいじゃないかと言いたいようですが、とんでもない、絶対に日本企業は会ってはいけません。

それがあの人たちのてなのです。

イム弁護士らが口を開けば交渉、交渉と言っているのは、個別交渉に持ち込みたいからです。

かつてそれに応じた日本企業があったために、柳の下のドジョウを狙っているのですが、ひとつ応じて一円でも払えばそれが前例となってしまいます。

下世話な話、彼等のような人権屋は、早く現金化したくてたまらないのです。

政府をからませずに、日本企業を別個に交渉テーブルに引き出して、そのつど解決金を取る、これがカネになる最短距離です。

一方、新日鉄住金は、仮に差し押さえに出てこられてもやりようはいくらでもあります。

そもそも韓国国内に新日鉄住金は資産がありませんし、先述したポスコによる特許侵害事件和解案では、新日鉄住金がポスコの生産の枠組みを決定することも可能です。

こじれれば、ポスコの生産をゼロに追い込むことすら可能なのです。

したがって、新日鉄住金が訴訟団と「面会を拒否した」こと自体が「回答」です。 

仮に、メディアが望むように面会したとしましょう。すると、新日鉄と訴訟団の間に直接交渉窓口が開いてしまうことになります。

集団交渉をしたことがある人ならお分かりでしょうが、「協議に応じる」ということ自体に意味があります。 

協議を始めれば、基本的にはゼロ回答はありえません。それをすると即座に決裂となって協議の場を持ったこと自体が無意味になるからです。 

ですから、なにかしらの落とし所を互いに探り合うものだからですが、今回のような「ありえない訴訟」を吹っ掛けられた場合、賠償額の多寡ではなく、「訴訟を起こされたこと」自体が受け入れられないのです。

ですから現時点で、意味ある協議が唯一あるとすれば、それは日韓両政府による国家間協議でする以外にありません。

いつになるかムンの腹ひとつですが、未来永劫「司法が決めたことだ」で引き延ばすわけにはいかない以上、やがて何らかの意志表示をして、日韓政府間協議は開かれるでしょう。

その場合、交渉が二つあることになります。

ひとつは民間レベルの「訴訟団協議vs新日鉄住金」交渉と、政府間の「日本政府vs韓国政府」交渉の二つが存在することになって、同じことを交渉しながら片方が折り合っても、片方は折り合わないということになりかねません。

とまれ、24日午後5時と勝手に期限を切っても、新日鉄住金に回答も協議もする意志がない以上、いまや歴史上もっとも冷えきった日韓関係は、絶対零度にまで直滑降するまであと一歩となりました。

政府間関係や国民感情にとどまらず、韓国側訴訟団がほんとうに韓国内の新日鉄住金の知的財産権まで含む資産に手を付けた場合、在韓日本企業の大部分は「コリア・リスク」の存在を肌身で知ることになります。

そしてその結果は目に見えています。全力でそんな人治と恣意の国、あるいは過激労組の支配する国からの資本逃避を始めることでしょう。

いったん新日鉄住金や三菱重工などの巨大企業が撤収を本格化させれば、雪崩をうって日本企業の総撤退が開始されるかもしれません。

同時並行して、政府の制裁も開始されるでしょう。

たとえば、韓国の銀行への信用状の取り消し、金融庁による韓国債権のリスク評価の下方修正、経済産業省による六フッ化水素酸やネオン、クリプトン、キセノンといったレアガスの輸出の制限、外務省による渡航警告の引き上げなどをかけることも可能です。

民間と政府が同時にこれらの制裁を課した場合、その破壊力は予想がつかない規模となるでしょう。

ついこの間まで通貨スワップをするのしないのと言っていたことが、遠い昔のようです。

 

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ロシア海軍によるウクライナ海軍艦艇のだ捕事件

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ロシア海軍がウクライナ海軍艦艇3隻をだ捕しました。 

こういうことをする国がロシアなのであり、我々日本人もこういう国際情勢の下で対ロシア交渉が進んでいることを、あらためて心したほうがいいでしょう。

メディアのように、北方領土だけに視野狭窄するとわからなくなりますよ。 

日本のメディアの扱いは小さいものでしたが、欧米のメディアは大きく取り上げました。11月26日のBBCです。
https://www.bbc.com/japanese/46340472 

「ウクライナ海軍の小型砲艦「ベルジャンスク」と「ニコポリ」、曳航艇「ヤナ・カパ」は25日朝、黒海のオデッサ港からアゾフ海のマリウポリに向かおうとした。
ウクライナ海軍は、ロシア側が曳航艇に体当たりし、艦艇の進行を阻止しようとしたと説明している。ウクライナ側はケルチ海峡まで航行したが、すでにロシアのタンカーが海峡を封鎖していた」
 

ケルチ海峡は下図中央やや右側で、ロシアと海峡一つで隔てられた位置にあります。

5636797ケルチ海峡付近地図 スプートニク https://jp.sputniknews.com/opinion/201811285639470/

ここはアゾフ海から黒海に抜ける重要なルートです

ここをロシアが通さないと言い出すと、ウクライナはアゾフ海北岸にあるベルジャンスク港とマウリポリ港から穀物、鉄鋼、石炭の輸出入ができなくなります。 

ここで問題となるのは、両岸の領土の主張です。 

ケルチ海峡西側はウクライナは2014年3月にロシア軍によって不法に軍事占領された地域と主張していますし、それは国際的に認められています。 

東岸はロシア領ですから、この場合は国際海峡ということになります。 

しかし西岸のクリミア半島部分も含めてロシアは領土だと宣言しているわけですから、ロシアの主張が正しいならば、ケルチ海峡はロシアが国家主権に属する水域管轄権を持ちます。 

つまり全部オレ様のものだとロシアは主張しているために、一定の制限をかけられます。 

領海内であれば、他国の艦船による無許可の海洋調査、示威的活動、特別な理由のない滞留は禁止されます。 

外国軍艦は通ることは通れますが、無害通行権を課せられて、海峡中央部を静々と通航するしかありません。
無害通航 - Wikipedia  

砲塔をグルグル旋回させて挑発したり、艦載機を飛ばしたり、海域調査をすることは御法度です。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/7-bf02.html 

実際には、ロシア政府とウクライナ政府は2003年に、ケルチ海峡とアゾフ海は「両国が共有する領海」という協定を結んでいます。

これはクリミア侵攻以前ですが、侵攻自体が不法であるうえに、その後、協定が廃棄されたことはないので、いまなお生きているはずです。

「ウクライナとロシアが2003年に結んだ協定は、両国の船団による自由航行を保証していた。しかしロシアは最近、ウクライナの港に出入りする船舶の臨検を始めた。EUは今月前半、問題に対処するため「的を絞った対策」を実施すると通告した」(BBC前掲) 

これはロシアも認めており、ロシア政府系スプートニク(11月28日)もこう述べています。

「二国間合意の第1条項にはアゾフ海およびケルチ海峡は歴史的にロシア連邦およびウクライナの内海であったことが指摘されており、第2条項にはロシア連邦またはウクライナの国旗を掲げる貿易船、軍艦また非商業的目的で用いられる国家の船は、アゾフ海およびケルチ海峡の自由な通航権を行使できると書かれている。
2007年、ロシアとウクライナはケルチ海峡の通航権についての合意を締結した。この文書によれば、ケルチ海峡を通航するいかなる船もケルチ海峡の通行の意図をあらかじめ通知せねばならないと明記されている」(スプートニク11月28日)

https://jp.sputniknews.com/opinion/201811285639470/

と、ここでは二国間協定で通航の自由は双方の国に認められており、通航の意志を通知することが義務づけられるとしています。 

そして、クリミア侵攻によって海峡両岸はロシア領だから無害通航権はないと言い出しています。

「2014年、クリミア半島はロシアの構成体に編入され、ロシアがケルチ海峡の両岸のコントロールを開始した。
ロシア外務省は、ケルチ海峡は過去も現在も国際的な水域であったことはなく、外国船舶に対するトランジットあるいは無害通航権の要求は行使されないとする声明を表していた」(スプートニク前掲)

国際社会は一致してこのウクライナ侵攻を認めていない以上、このロシアの言い分は通りません。 

もちろん、ウクライナは間違っても「両岸がロシアの構成体となった」などということは認めないでしょう。 

ただし、現実問題として無意味な衝突を避けるために、2007年の相互に通航を事前通知する協定を遵守してきたわけです。 

今回、ウクライナ海軍がロシア側にこの事前通知がなされたか否かですが、ウクライナはしたと言っています。

「ウクライナ海軍は通航についてはあらかじめロシア側に通知していたと語っている。
26日、ウクライナ海軍のイーゴリ・ヴォロンチェンコ司令官は、ウクライナの船舶はケルチ海峡を通過する際にロシア側に煽動は行わなかったと指摘した」(スプートニク前掲)

一方ロシア側の言い分です。 

「ロシア連邦保安庁国境警備課クリミア担当部署は、ウクライナの船舶は海峡通過の通知を行っておらず、通過予定の表にも含まれていなかったと主張している。
ロシア連邦保安庁はさらに、船舶は停止要請を無視し、危険なかじ取りを行ったために国境警備隊は発砲を迫られたと説明している」(スプートニク前掲)

スプートニクがこのだ捕事件の現場写真を2枚出しています。

5627676
5627650スプートニク11月26日https://jp.sputniknews.com/politics/201811265627707/

このだ捕した、ロシア海軍の艦長と副長の会話も傍受されています。 

「艦長 こいつの動きは、ロシアへの侮辱だ。あの船を締め付けてやれ。よし。右側にぶつけてやろう。心配することはない。ここで拿捕するぞ」
 ここで艦長は、左からウクライナ艦船を追うロシアの汽艇に告げる。
艦長 直進しろ。そうだ。
副艦長 停止
艦長 ウクライナ船の右側から乗り込むぞ。少しバックしろ。ウクライナ船員の身柄を拘束せよ」(中村逸郎筑波大学教授)

https://ironna.jp/article/11312

この艦長の発言を聞くと、たしかにウクライナ海軍艦艇がロシア側の停船命令に従わなかったのは事実だと思えますが、ウクライナ側からすればどうして停船せにゃならんのだ、これは海賊行為だということになります。

_104484525_ad27dbe7b6bf4c1491bc2300BBC前掲 

上のBBCの写真は、今回、ケルチ海峡を閉塞しているロシアタンカーです。 私はロシア海軍の発砲そのものもさることながら、この海峡閉塞に驚きました。

これは国際海峡の物理的封鎖ですから、国際海洋法上きわめて疑義がある上に、自分の国の民間船舶も困るでしょうに、信じられないことをやる国ですなぁ。 

ちなみに橋の上空にはスホーイ25と見られる攻撃機2機が飛行していて、ロシア軍が空海で厳重な監視体制を敷いているのがわかります。 

海峡の上に架かる橋は、クリミア半島部分が孤立しないように、2018年5月にロシアが自国領土東岸と結ぶ回廊として建設したもので、全長19キロもあるという長大なものです。 

この橋も、勝手に他国領土と結んでしまったわけで、よーやるよ、です。

いわば国家の威信をかけて作ったもので、ウクライナからすればオレの領土・領海の中で勝手なまねさらしやがって、ということです。 

このBBC記事でロシアが言っている「臨検の強化」とは、テロ対策で、最近になって強化され始めました。 

「ロシアによる臨検は、ウクライナ側が3月にクリミア半島で漁船を拿捕した後すぐに始まった。ロシア政府は、ケルチ海峡にかかる橋に対する、ウクライナ過激派による潜在的危機を指摘。安全保障上の理由で検査が必要だと述べている」(BBC前掲) 

Photoだ捕されたウクライナ海軍艦艇3隻  産経https://www.sankei.com/world/news/181127/wor181127

なおこのだ捕の際、ロシア海軍はウクライナ海軍艦艇を破壊しており、乗組員6名が負傷したと発表されています。 (ロシア側発表では3名)

これはロシア連邦保安局(FSB)も認めています。 

国際海峡において、無害通航をしている外国軍艦の船団に対して発砲することは、国際法上きわめて悪質な挑発で、戦争行為とみなされる場合があります。 

中村教授はこのように述べています。 

「今後は、欧米諸国によるロシアへの経済制裁がさらに強化される。ロシア経済は2014年以降の経済制裁で衰退しており、財政破綻寸前の状況だという説もある」(前掲)

トランプもこの事件で首脳会談を取り止め、P8哨戒機を当該水域に派遣しました。このようなことをすれば、親露的傾向があるトランフですら、距離を置くしかありません。

また、ヨーロッパ諸国はいっそう厳しい経済制裁の段階に入るでしょう。

つまり、ロシアにとっていいことはなにひとつないのです。

このような国際情勢の中で、このような体質を持った国と、今の日本は交渉を続けていることをお忘れなく。

■公平を期するために、ロシア側の言い分を大幅加筆しました。

 

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パリは燃えているか?

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パリ暴動で足元に火がついているマクロンがG20で、ゴーン問題をなんとかしちくれぇと言ってきたようですが、うちの国の首相は「政府が関与することではない」とすげない返事をしたようです。

とうぜんです。日本はフランスのように、産業界に国営企業などないのですから、「ヨーロッパの中国」とまで揶揄される国有企業がはびこっているフランスと足並み揃えろというほうが無理です。 

Gjwa30vdロイターhttps://jp.reuters.com/article/nissan-ghosn-macron-abe-idJPKCN1NZ2MV

マクロンはこのG20で、フランスと中国を念頭においたと見られる「国有企業の腐敗についての清廉確保」についての共同声明を出されてしまう始末です。
外務省https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000424876.pdf

「29 我々は,腐敗の防止及び腐敗との闘いに引き続きコミットしており模範を示す。
我々は,新たな行動計画 2019-2021 に合意し、国有企業における腐敗防止及び清廉性の確保に関する原則」及び「公的部門における利益相反の防止及び管理に関する原則」を支持する
これらの原則は公的部門及び民間部門における透明性及び清廉性を促進する。我々は、我々の G20 のコミットメントに沿ったものを含め、腐敗と闘いための実際的な協力を継続する。
我々は、腐敗とその他の経済的犯罪との結びつき、及び、そのような犯罪関係の捜査対象者の送還及び奪われた財産の返還に関する、国際的な義務及び国内法制度と整合的な形での協力を通じたものを含め、そのような結びつきに対処する方法について更に模索する」

名指しされたものではないですが、実質的にルノーとゴーンのケースはまさにこの「国有企業における腐敗」そのものであって、「経済犯罪とのむすびつき」が疑われる事例です。

この声明が出される前に、安倍総理とマクロン大統領が会談しました。

「日本政府によると、首相は「(3社連合は)日仏産業協力の象徴だ」との認識を示した。今後については「民間の当事者で決めるべきで、政府がコミットするものではない」と強調した。
ロイター通信は仏大統領府の話として、マクロン氏が「3社連合が安定した状態で維持されるように強く望む」との考えを示したと伝えた。日仏首脳は3社連合が安定的な関係を維持することが重要だという点では一致した」(日経12月1日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3842425001122018000000/

 だまた、「マクロン大統領は「連合を存続させ、連合の安定性を維持すべきという強い願いをあらためて表明した」(ロイター12月1日)そうですが、首相はこのように答えています。

「連合の将来は民間株主にかかっていると伝え、日本政府が連合の将来について予断を持つことはないと述べた。
政府高官によると、安倍首相はマクロン大統領に対し、法的手続きが進められるのを見届けるべきとの立場を示したという」(ロイター同上)

ゴーン容疑者の今回の事件の全貌はまだ解明途中ですし、なにもわからないうちからゴーンはカエサルだと持ち上げて、日本人のクーデターだ、やれブルータスだ、と批判一色のフランスメディアの論調のほうがおかしいのです。頭を冷やしなさい。

そもそもG20で出すこと自体、マクロンの見識を疑います。

いくら国営だからといって、はたまた自分が経済相だった時にルノーへの肩入れ政策を強力に押し進めたからといって、首脳会談のテーマにすることではありません。 

仮に日本政府が日産に、なぁ日産よ、お前らゴーンへのこれ以上の民事訴訟なんか止めろや、なんて言ったら、そのほうがおかしいじゃありませんか。

さて、日本では大きく報じられていませんが、マクロンは絶体絶命のピンチです。 

それはフランスで2週間に渡って、暴力デモが沸騰しているからです。 マクロンはG20から帰る早々、焼け跡を見るはめになったようです。

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「フランス全土で行われた燃料税引き上げに抗議する大規模デモから一夜明け、パリ中心部では多数の破壊行為が明らかになりました。
 マクロン大統領がアルゼンチンでのG20から帰国後、すぐに向かったのは、歴史的建造物・凱旋門です。しかし、そこにはデモ隊がペンキで書いたとみられる無数の落書きがありました。
 1日のデモには、フランス全土でおよそ13万6000人が参加、特にパリではシンボルの「黄色いベスト」を着たデモ隊の一部が暴徒化し、およそ400人が拘束されました。
一夜明けたパリ中心部では、民主的なデモとはかけ離れた暴動ともいえる破壊行為が明らかになり、至るところで車やオフィスなどが放火されたほか、一部の商店では略奪行為も起きていました」(TBS 12月 2日)
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12198-137539/

「フランスで続いている燃料税引き上げなどに抗議するデモが1日、国内各地で行われ、パリでは凱旋門周辺にデモのシンボルの「黄色いベスト」を着た数千人が集結した。前週に続き警官隊と衝突、広場は催涙ガスや発炎筒の煙に包まれた。同国のメディアによると180人以上が拘束され、警官を含む80人が負傷した。
 11月24日に大規模な衝突のあったシャンゼリゼ大通りは、当局が車両通行止めにし、入る際に身元や荷物を検査してデモを管理。
一方、規制のない凱旋門を中心としたエトワール広場にもデモ隊が集まり、警察が催涙ガスや放水で排除を図ったが、占拠を続けた」
(共同12月2日)

これが先進国のやることですかね。

いつもはデモに対しては節度を呼びかけるEUは、今回なぜか沈黙を続けているそうで、逆にいかにEU中枢の狂乱ぶりに驚いているのかがわかります。 

数十万人が参加したデモがなんと600回もあったそうで、そのつど暴動に発展しました。 

とまれハンパない荒れ方で、もはや市街戦の様相を呈してきました。 

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上の写真に見える黄色のベストは自動車の事故時の装備として常備を義務づけられているそうですが、これはとうに売り切れてデモ隊の制服と化してしまったそうです。 

いつもはデモになど行かないサラリーマンまでが、この黄色のベストを付けて覆面してペンキや石を投げているのだとか。 

もはや、デモの原因だった燃料税引き上げ、CAF(生活保護)の毎月5ユーロの削減といったマクロンの悪評さくさくの緊縮財政に対する抗議から離れて、暴動がもたらす快楽に酔っているように見えます。 

一方、警官側 もデモ規制などという生易しいものではなく、軍事制圧の段階にきています。 

警備主体も一般の警官に代わって、国家憲兵隊(ジャンダルムリ・国家警察軍)という準軍隊が大量投入されました。
国家憲兵隊 (フランス) - Wikipedia 

このジャンダルムリは傘下に、IS掃討で名を馳せたGIGN(治安介入部隊)というすぐ自動小銃をぶっ放すことで有名な特殊部隊を擁しています。 

たぶんこれも既に出動しているのではないでしょうか。 

というのはカッサーと呼ばれる全身黒づくめのテロリストが登場して、計画的に放火と強盗を繰り返しているからです。 

Img_251f0146bb79792684d4c8066f71f46AFP 

彼らはかねてから目撃されており、マクドナルドに火をつけたりするようなまねを繰り返す組織的テロリスト集団で、千数百人規模で黄色ベストのデモ隊に混ざって暴れまくっているそうです。 

沖縄復帰デモに紛れこんで、火炎瓶を投げていた過激派のようですね。たぶんこいつらのバックには正真正銘の武装テロリストがついているのでしょう。

警察軍が介入した後も止むことなく、警備側136人を含む756人が負傷、693人が身柄を拘束され、それになんとまぁデモ隊側には2人の死亡者が出たそうです。 

日本だったら内閣が飛びます。 

石油貯蔵所は警備のために閉鎖し、デモ隊が入れ口を封鎖したりしたために、全国的に麻痺状態でだそうで、それがまた石油製品の高騰を招き、いっそう国民の怒りを招いてデモが拡大する悪循環となっています。 

もうマクロンは、フランスマスコミの援護射撃の下に、せめてゴーンのことで日本の譲歩を勝ち取りたかったようですが、これもあえなく蹴飛ばされてしまいました。

というわけで、支持率は20%と最悪、人気も今やそのエリートヅラが嫌われて最低、国民生活を破壊する緊縮政策で経済もインフラもボロボロ。

そのうえデモで煮えくり返る国内を抱えて、盟友ゴーン逮捕、国営企業ルノーの金づるだった日産の反乱まで起きて大ピンチ。

やれやれ、マクロンさん、この四面楚歌をどうするつもりでしょうか。

■すいません。改題してしまいました。

 

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日曜雑感 紅葉と虫の音から見る日本人

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紅葉も終わりの時期となりました。

終わり行く秋に名残を惜しむかのように、夜ともなると、まさに満天の星の下に何種類とも知れない虫の声です。

今、「虫の声」と言って、ふとかつて読んだ和辻哲郎さんの「風土」(岩波文庫)という本を思い出しました。

和辻さんは欧州に行った時に、欧州の夜に「虫の声」が聞こえないことに気がつきました。

そして欧州人が、私たち日本人がこよなく愛する虫の音を、単にノイズとしてしかとらえていないことに驚かされたことを書いています。

紅葉も同じことで、欧米人には紅葉を愛でる感性が希薄です。

ましてや日本人のように、紅葉の季節ともなれば、大挙して紅葉の名所にもみじ狩りに行くなどという習慣は、彼らの想像を絶するのかもしれません。

私たち日本人は、この列島の褶曲の多い、霞たなびく山がちの島国の中で特異に発達した感性をもった民族なようです。

そう言えば面白いことに、日本人は外国に移民してしまうと、日本で生まれ育った1世の世代は頑として日本人そのままですが、2世、3世ともなると急速に現地化が進みます。

現地の人に溶け込んでいってしまうのです。これは同じ中国や韓国系の移民集団と比べると、明らかに違いがあるそうです。

一方、日本に移住した韓国系のひとたちなど3世ともなると、民族意識はあるもののどこから見ても日本人です。

どうやら日本人、あるいは日本に住む人達は、この日本という風土に居る時において「日本人らしさ」を持っているのかもしれません。

和辻さんは、日本の「風土」をこのように美しく説明しています。

「気候もまた単独に体験せられるのではない。
それはある土地の地味、地形、風景などとの連関においてのみ体験せられる。寒風は山おろしであり、からっ風である。
浜風は花を散らす風であり、あるいは波をなぜる風である。夏の暑さもまた旺盛な緑を萎えさせる暑さであり、子供を海に雀躍せしめる暑さである」
「我々は花を散らす風において歓び、あるいは痛むるところの自身を見いだすごとく、ひでりの頃に樹木を直射する日光において心を萎えさせる我々自身を了解する。すなわち我々は風土において我々自身を、間柄としての我々自身を見いだすのである」

私はこの列島で生まれ、育ったことを嬉しく思います。そして私は骨の髄まで「日本人」なんだなと苦笑します。

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日曜写真館 紅の奔流

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