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2019年9月17日 (火)

イラン、サウジ石油施設を攻撃する


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9月14日、サウジのブキャクとクーライスの油田地帯。アブカイク精油工場という世界最大の石油施設が攻撃を受けました。
今までも陸上からアルカイーダが自爆テロをしたことはありましたが、失敗に終わっています。
今回は、10発のドローン、ないしは巡航ミサイルによって、炎上させることに成功し、操業を途絶させています。

サウジアラムコ(石油公社)によると、ブキャクは、原油精製プラントとしては世界最大であり、打撃は当初予想されたより深刻なようです。

「イエメンのイスラム教シーア派武装組織フーシ派によってアブカイクの石油施設を攻撃されたサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは、早急な石油生産回復への楽観を後退させつつある。事情に詳しい関係者が述べた。
フーシ派の攻撃によって世界の石油供給の約5%が途絶され、原油価格は過去最大の値上がりとなった。アラムコは当初、数日以内に相当量の原油生産を再開できると見込んでいたが、現在では想定以上の時間を要する可能性があると、同関係者が述べた」(ブルームバーク9月16日)

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アルジャジーラ 9月14日、何者かの攻撃を受けて炎上するサウジアラビア東部アブカイクの石油施設

この原油施設では、1日に原油700万バレルを石油製品に変え、パイプラインでペルシャ湾と紅海にある積み出し港へ送出しています。
クーライス油田は日産100万バレルで、埋蔵量はサウジアラムコによれば200億バレルと世界最大級です。

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クーライス油田

位置関係は下の地図をご覧下さい。
サウジとイランという共に天を戴かざる宿敵同士が、ペルシャ湾ひとつ隔てて向かい合っているのがわかります。
皮肉にもこの憎悪を募らせている両国は、生命線を共通させています。
それが、ペルシャ湾付近に展開する原油基地とその石油積み出し港、及びペルシャ湾タンカールートです。
また今回ドローン(あるいは巡航ミサイル)が発射されたのはイラクではないかという情報もありますが、イラクからサウジの原油施設は指呼の距離にあります。

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攻撃を受けたサウジアラムコの施設ではサウジアラビア国内での生産量の半分、 世界全体の 5%を担っており、 当初、サウジからの原油輸出が半分になるとの情報も飛び交いましたが、IEAは直ちに鎮静化に走りました。

「国際エネルギー機関(IEA)は14日、サウジアラビア東部の国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所が無人機による攻撃を受けたことに関連し、当面の原油供給には問題がないとの見解を明らかにした。「十分な量の商業在庫がある」としている」(産経9月15日)

このIEA声明にもかかわらず、国際原油価格は高騰しました。
下図のように現在、ヨーロッパ原油価格のの指標となる北海ブレント、米国の指標WTIはいずれもハネ上がっていて、当面世界の原油高基調は避けられないと思われます。
下図は右端が切れていますが、クリックすると今週の高騰がわかります。

いままで原油市場が軟調だっただけに、意外とサウジはイランを罵倒しつつ、内心ほくほくしているかもしれませんがどんなものでしょう。
もっとも大喜びするのは、原油一本のモノカルチャーで国を支えているロシアです。

日本への影響も当然でるでしょうが、日本の場合、石油調達の大部分は契約調達であって、時の市場価格とかならずしも連動しません。
一方わが隣国の韓国は、スポット買い中心のために、国際市場価格上昇をモロに受ける事になります。
今、そうとうに経済を悪化させているかの国にとって、さらに悪い影響がでるのは避けられないと思われます。

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「サウジアラビアの石油施設への攻撃を受け、原油価格が急上昇した。国際的な指標原油の北海ブレント原油先物は16日、一時19%も上昇。原油急騰による物価上昇が景気を冷やすおそれもあり、各国で株価が下落した。トランプ米大統領は15日、原油の供給不安を和らげるため「必要に応じ、戦略石油備蓄を放出することを承認した」と表明した」
(日経9月16日 上グラフも同じ)

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ムハンマド皇太子

サウジはムハンマド皇太子が経済改革を進めている真っ最中なために、大きな痛手とはなるでしょう。
彼は皇太子ながら事実上のサウジのトップですが、ハンサムな男ですが(関係ないか)、よく言ってあげれば「リスクを恐れない大胆な性格」、悪く言えば強権的かつ独裁的な性格です。
彼は、野心的な改革を断行すると同時に、自らを批判するジャーナリストに対しては、トルコ国内まで追いかけて暗殺したりしています。
今後、ムハンマドはフーシ派とその後ろ楯であり、今回ドローン(ないしは巡航ミサイル)を提供したことが確実視されているイランに対して厳しい反撃に出ると思われています。

それにしてもサウジ軍はイラン国内で無差別爆撃で民間人を多く殺すことには有能ですが、最重要施設に向けてワラワラと飛んできたドローンにはまったくお手上げだったわけで、ムハンマドの怒りを買うことは避けられないことでしょう。

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イランは否定していますが、犯行声明を出したフーシ派はイランが作った反政府軍事組織であり、それにはイランの特殊工作部隊「コッズ部隊」が手を貸しているといれています。
今回の攻撃がドローン だった場合、民間用のホビー用ドローンではなく、爆薬が搭載可能な軍事用ドローンであり、ましてや巡航ミサイルならばイラン以外の国が提供するということはありえません。

今回が「コッズ部隊」といったハネ上がり分子だけの独走なのか、それとも政権中枢や国軍まで了承してのものか、現時点ではわかりません。

なお、米国は上の19箇所の着弾跡(フーシ派の主張するドローン個数とは違いますが)の衛星写真を公開しており、「臨戦体制をとる」と言っています。
こごし、トランプは軍事的手段には消極的なことは知れ渡っており、おそらく軍事攻撃はしないと思われます。
ボルトンなら限定攻撃を進言したでしょうがね。
その証拠に、トランプはイランのロウハニ大統領との直接会談の線も捨てていないようです。
ということは、トランプがロウハニなどの政権中枢は、今回のテロ攻撃と無関係であると考えて、イランを分断しようとしているとも受け取れます。

「【9月16日 AFP】サウジアラビアの石油施設へのドローン(無人機)による攻撃に関し米国はイラン関与との見解を示したが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は依然、イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領との会談を望んでいる。ホワイトハウス(White House)が15日、明らかにした」(AFP9月16日)

 なお、日本の原発もドローン攻撃受けたら炎上するぞなんて、ここぞとヨタを飛ばしている者もいるようですが、ご期待にそえませんが、原発にはそんな可燃施設はありませんし、格納容器と建屋で二重に防護されている原子炉にドローン攻撃しても無駄です。

 

2019年9月16日 (月)

千葉停電 倒木処理を簡単に言うな

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千葉県の広域停電の復旧が遅れています。
その理由は明らかで、今回の台風が予想を遥かに超えて樹木や電柱をなぎ倒していたからです。
そのために多くの箇所の架線が寸断されています。

私も自宅と農場につながる村道に樹木が多数倒れて、道を遮断してしまいました。
たまたま架線は別な場所を通っていたために電気は約2日間の停電で事なきを得ましたが、井戸が止まって水も出ず、かつての東日本大震災のミニ版となるところでした。
もちろん千葉は私の所の比ではありません。

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https://tr.twipple.jp/t/af/1172748705738264576.htm...

ノンフィクション作家の柳原三佳氏はこう述べています。

「13日の午後、私は久留里から鋸南町まで山越えをするつもりで走っていたのですが、とにかく無数の大木が、これでもかというほど根元からなぎ倒され、または途中から折れ、道路が寸断していました。 そして大木はいたるところで電線に引っ掛かっています。
すでに倒木の多くは、通行の邪魔にならないよう切断されていましたが、それでもまだ道路上にせり出している状態です。
また、途中、いたるところで道路が通行止めになっていました。その先にはさらなる危険があるからなのでしょう」

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「倒されていたのは大木だけではありません。肝心の電柱もいたるところで折れたまま、13日の時点でもさまざまな場所で行く手を阻んでいました」(柳原氏前掲 写真も同じ)
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20190914-00142591/

倒木の処理の難しさは、その多くが山間地で足場が悪い斜面であることです。
かしいでしまった倒木は、片方をロープで何人かで支えて、別な側からチェーンソーで慎重に切断せねばなりません。
さもないといきなり重い樹木が倒れてくるからです。
そして慎重に横たえてから、寸断してひとつひとつ運び出さねばなりません。

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https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/...

そしてもうひとつやっかいなことは、法的な問題です。
倒木といっても私有物である以上、所有者が存在します。
民有地の樹木の適正管理について(平成26年7月4日回答) | 千葉 ... によれば、台風などによる倒木の処理については、このような規定があります

「個人所有の敷地内に生えている樹木は、個人の所有財産であり、所有者に管理責任があります。市には個人の所有財産について適正管理を指導する権限がないため、所有者に対し指導を行うことができません。
よって今回のご相談内容については、直接所有者の方にご相談いただきますようお願いします」

法的建て付けでは、樹木の所有者が自力でやれ、ということです。
ここを案外多くの人は分かっていません。

まず第1に、今回の災害復旧において倒木が遮断した道路の管理責任は地方自治体にあります。
よくテレビなどで、「東電の見通しが悪かったために千葉県民は塗炭の苦しみにあえいでいる」などと言っている者がいますが、よく考えてみなさい。
いいですか、道路の管理・復旧は地方自治体にある以上、その復旧義務は一義的には地方自治体にあるのはとうぜんです。
東電は通行する車両と同格の一般使用者にすぎません。
一般利用者が、勝手に私有物の樹木が地方自治体管轄下の道路にかかったからといって処理するわけにはいかないのです。

ですから、東電をつかまえてこんなことを言われても、なに見当違いなこといってるのかです。

社説 停電の長期化 「想定外」ではすまない
(東電は)房総半島の山間部などで倒木の多さに手間取ったというが、見通しが甘かったと批判されても仕方がない。
 復旧後には、大規模停電の原因や、なぜ復旧作業に時間がかかったのかを、厳しく検証する必要がある」
(朝日社説9月13日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14175820.html

台風による大風によって敷地内の樹木が倒れるかどうかを想定するのは、一義的には土地所有者です。
道路にかかった樹木があればあらかじめ処理しておくていどはできるかもしれませんが、それすらそうとうに無理筋です。
今回の台風は前日までまったく平穏でいきなり風雨がひどくなって、見る見るうちに大災害となったのですから、なおさらです。

東電の私有地なら東電が処理すればいいのですが、東電私有地など倒壊した鉄塔周辺などの極わずかだったはずです。
よもや50メートルの鉄塔が倒壊するなんて、気象専門家のだれひとり予想しなかったわけです。
ですから朝日のように、倒木の一本も切らない奴に「想定外では済まない」と言われてもね。

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https://www.sankei.com/affairs/news/190912/afr1909...

さて復旧は二義的には、県及び市町村です。
「災害を予見すべきだった」と朝日が言うならば、その批判は千葉県が受けるべきです。
ただし、朝日が安直に言うほど簡単に予見できたとはまったく思えませんし、地方行政が乏しい予算でできることは限られています。
仮に百歩譲って大災害を予見できたとしても、地方自治体には、ましてや土地所有者には膨大な樹木や電柱を撤去できる物理力がありません。
今回も主力となったのは、いつも頼もしい陸上自衛隊と全国各地から集まった電気事業連の支援部隊1500人だったのです。

この処理部隊も勝手に動くわけにはいかず、地方自治体の要請という形を受けて活動しています。
倒木処理の権限も自治体経由で土地所有者から取ってやっと動けるわけです。

今回の千葉県停電報道でメディアがよく言っていたのが、平地の都市部での停電と比較してみせて、いかに千葉停電が遅れているかを強調することでした。
つまり、停電発生数と復旧時間を安直に比較して、千葉が遅い、東電はたるんでいる、なぜ予見できなかったのか、という流れです。

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上のテレビが使ったグラフでは、初日に千葉が98万軒、他の地域(大阪)が168万軒あったが、5日後には他の地域では解消されたか、千葉は同じ5日後でも19万軒残っているぞ、東電はたるんでいるというわけです。
あのね、平野部のしかも人口密度がまるで違う大都市の大阪と千葉を較べて、復旧戸数が違うとか、復旧時間が遅いなんて言ってもまったく無意味なの。

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KGNさんツイッートより引用 上も同じ

上の図を見て頂きたいのですが、左側が都市部、右側が郡部です。
修理するのはどちらもたいへんですが、平野部の人口密集地帯は道路が寸断されても復旧は容易で、修理部隊のアクセスも楽です。
それに対して郡部は、復旧ポイントに行くまでの道路が長いうえに、アクセス道が山間部を走るために各所で寸断されて修理にたどり着けないこともしばしば出ました。
しかも一軒一軒が離れているために、家屋と家屋の間も架線が切断されていたりしますから、復旧戸数がおのずと少しずつになります。

これらを一切無視して朝日さん、東電は予見できたはずだぁ、果てはこれまた筋違いの架線地中化などを提案するに至っては馬鹿丸出しです。
朝日はこんなことをもっともらしく吹いています。

「長期的には電線の地中化が有効な対策である。コストはかかるが大規模停電の影響と復旧費用を考えれば、国も電力会社も無電柱化に力を入れる時だ」(朝日前掲)

馬鹿をつかまえて馬鹿ですか、といってもしかたがないですが、朝日さん、地中化になんてなりませんよ。
無電柱化がヨーロッパや韓国で進んでいるのにわが国は遅れているから、今回の大停電になったんだぁ、なんて平気で言っている人がいますが、それは地震がない国のことです。
ひとたび地震が起きればそこら中が液状化するわが国で、地中化なんかしたら、電柱なら簡単に切れた箇所が眼でわかるものを、各ブッックごとに掘り起こして修理箇所を探し出さねばなりません。
千葉は地震のたびに液状化現象が発生するのを忘れましたか。
仮に無電柱化して地震が起きたら、地中はグニャグニャのゲル状ですから、送電網は各所で寸断されて復旧はいつになることやら。
まぁ朝日なんかはそうなったらなったで、「地震は予見できたはずだ。東電はぁ」ってやるんでしょうがね。
気楽な商売だこと。

とまれ、一生懸命復旧に励んでいる人たちの背中を撃たないで下さい。

 

2019年9月15日 (日)

日曜写真館 ひたむきな力士たち

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じっと土俵を見つめます


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ちょっと可愛いかも

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安定した余裕です

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この人は孤高です

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人柄がいいんです
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彼は仲間を作りません

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兄弟子なき後、日本人横綱に一番近かったのはあなたです

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さようなら、最後まで全力で走りきりました。小さな巨人でした


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 日本人になられたそうで

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あと一週間。勝ち越して下さい

2019年9月14日 (土)

小泉進次郎新大臣のポピュリズム政治家らしい船出

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小泉進次郎大臣があまりにもポピュリズム政治家丸出しの船出をしたので、ネット界が騒然となっています。

「進次郎氏は12日、東日本大震災で被災した福島県の漁業関係者と面会し、東京電力福島第1原発の汚染水浄化後の処理水をめぐり原田義昭前環境相が「海洋放出しかない」と述べたことについて、「率直に申し訳ない」と謝罪した。 こうした一連の言動をめぐり、容認派と反対派からネット上で批判・注文が殺到している。
 今月下旬には、米ニューヨークで開かれる国連総会の環境関連イベントにも出席し“国際デビュー”を果たす予定だが、政治家として真価が問われるポストのようだ」(ZAKZAK9月13日)

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https://www.fnn.jp/posts/00423940CX/201909121908_C

就任早々、これですか。まぁクソミソに言われてもしたかがないですね。
原田前環境相のこの発言を完全否定しています。

原田義昭環境相は10日の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所放射性物質トリチウムを含んだ処理水について「所管を外れるが、思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている」と述べた」(日経9月10日)

原田氏が「トリチウム水の海洋放出しかない」という常識的なことを、所管をはずれるがと予防線張っておそるおそる言ったわけですが、いわば置き土産です。
これを就任たった2日で、こんな置き土産はいらねぇとばかりに(かわいくないね)消火してしまっただけではなく、漁協にまで謝罪に行って完全鎮火すると言ったそうです。
おいおい、いきなりこれかい、といったところです。

問題は3点あります。
ひとつめは、大前提としてこの人には福島第1の「汚染水」(この表現どうかしてくれ。トリチウムはミネラルウォーターにも入ってるぞ)ことトリチウム水処理について発言する権限がないことです。
この権限を持つのは経済産業省であって、管轄外の大臣がこのような発言をすること自体、ただの失言では済まず、経産大臣の後の判断を縛ることになる越権行為です。

知っていてやったなら大臣がなに者かを知らない無知蒙昧、優しく言ってやってもずいぶんと迂闊な話です。
一方、同じ反原発派でも、河野太郎氏は防衛大臣として、管轄外のマスコミの誘導質問には一切答えません。
大臣が個人的人気取りで所轄外のことにいちいち口出しして調子のいいことを言っていたら、内閣なんてただの学校のホームルームです。

第2に、この発言はただ経済産業省への横紙破りをしだけに止まりません。
なるほど環境省は原子力規制庁を外局として持ち、更にその傘下に原子力行政の心臓部である原子力規制委員会を持っていますが、環境大臣には何の指導権限も与えられていません。
規制委員会は外形的には環境省傘下にありますが、「3条委員会」として独立性を担保されているからです。
「3条委員会」とは、中央省庁の機構などを定めた国家行政組織法の第三条二ある、庁と同格の独立した行政組織を言います。
たとえば有名なのは、国家公安委員会公正取引委員会など七つあります。

これらの委員会は強い独立性を与えないと、時の政治家に介入されてねじ曲げられてしまう可能性があるために、あえて強い独立した権限を付与されているわけです。
ですから進次郎さんが、いくらオレは規制委員会の上にある環境省トップだぞといきまいてみても、規制委員会委員長は淡々と、はいそうですか、あなたのお考えは承りましたが、関係なく仕事をやらしていただきます、と答えることでしょう。
つまり原子力行政について事実上なんの権限もないんですよ、進次郎さん、あなたには。

第3に、ただ残念ながら、世間はそう受けとめないということです。
「原発を止める」というのは父親と一緒で、パパも粗雑な反原発論を吹きまくって往年のファンまでがっかりさせてきましたが、小泉ジュニアはパパとは違って在野の暇人でもなければ、ただの政治家でもなく、あくまでも
大臣だということです。
とうぜんのこととして、大臣が謝罪にするということと、在野のパパが叫ぶのとはまったく次元が違うのです。

いかに所轄違いで権限ナッシングであっても世間はそう取りません。
なんとなく環境大臣なんだから、権限があって言っているように聞えちゃうんですよ。
その現役大臣が前大臣のトリチウム水放出発言を否定してしまったら、これは政府は金輪際二度とそれを考えないと述べたに等しいことになりますし、ましてや福島漁協に謝罪に行くとまで言ってしまったら、原子力行政の仕組みなんか知るはずのない大多数の国民は、そうかその方針で政府はやるんだと錯覚してしまいます。

進次郎さんはポピュリスト政治家らしく、無責任で感覚的にモノを言います。
ポピュリストは大向こう受けすることを言って人気をとることを、本能的にやっちゃう哀しいサガの人種なのです。
パパ小泉は、いみじくも国民は難しいことはわからないから、短いワンフレーズで言えということを信条としていました。
ジュニアはアノ顔で決意を眉根にこめて、父親譲りのメリハリの効いた演説に乗せて言うわけですから、インパクトあるんだよな。
しかし、内容はスカですから、言った以上は責任を取ってもらいます。

第4に、その「言った責任」とは、すなわち代替案を提示するということです。
じゃあ、どうすんのよ、シンジローさん。そこまで言わないと、環境大臣としては言ったことにならないんですよ。
トリチウム水を国際法(ロンドン条約)に従って適切に海に排水しないと、近々にタンクは満タンとなって行き場を失い、事故処理はその時点で頓挫します。
これは事故以前から日本は、いや世界中の原発が通常業務としてやってきたことで、なにを今さらです。
つまりは進次郎さんが言った汚染水は出させないという発言は、一見福島漁民に寄り添っているように聞えますが、実は風評を拡散しているのとなんらかわりありません。

野党政治家なら口当たりのいいことを「言ってみました」で済みますが、いま進次郎さんの立場は環境行政のトップです。
言ったらそれに伴う実行についてきちんとした別の計画を国民に提示せにゃなりません。
大臣は野党ではないのです。

「小泉進次郎環境相は11日夜、環境省内で行った就任記者会見で東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発について「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい」と述べた。2030年度に再生可能エネルギーの電源比率22~24%を目指すと掲げた政府のエネルギー基本計画に関し、さらに比率を拡大すべきだとの認識を示した」(毎日9月12日)

この発言を聞いただけで、この人が今までいかに原子力問題をまじめに考えてこなかったのがわかります。
脱原発について、私はこのブログでほぼ1年かけて淡々と記事(カテゴリー「原子力を真面目にやめる方法」参照)にしてきましたので、これを読んで下さいね、でおしまいにしたいくらい幼稚です。

「どうやったら残せるのかではなく、どうやったらなくせるのか」ですって(苦笑)。
あなた、反原発運動家と同じこと言っているね。
現実に「なくす」ためには、減らしながらなくすしかないんですよ。
つまり一定数の原発を残しつつ段階的に長期間かけて「なくす」のが、もっとも合理的な回答なのです。

短めに言いますが、脱原発するためには、社会にいかにダメージをあたえないでするための経済的側面、そして今まで積み上げてきた使用済み燃料をどう処分するのか、最低でもこの2点について回答しないと話にならないのです。

このテーマは始めると長くなるので、過去記事をご覧いただくとして、一点だけ指摘しておきます。
原発を止めるということは、すなわち火力発電の比率を高めることなのです。
既存のエネルギー基本法でも、2030年に再エネを16%から24%にするためには火力を56%でキープせねばなりません。
この火力を微減させるためには、再エネを20%台にして、原子力を今の3%からかつての水準に近い20~22%にまで増やさねばならなりません。

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そして再エネを倍にすればどうなるのでしょう。これには実例があります。脱原発を宣言したイタリアとドイツです
この両国は再エネを日本の倍もっていますが、電気料金はこのありさまです。

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https://criepi.denken.or.jp/jp/serc/source/pdf/Y17504.pdf

上図の薄い緑色が再エネですが、ほぼ独伊が倍であるのがわかります。
図を横切るように上昇する黒線が家庭用電気料金を現していますが、日本は現在中位の電力料金で済んでいますが、再エネを2倍にすると30円/kWhに跳ね上がって世界でも電気料金上位の国となります。
この第2次日独伊三カ国同盟は止めるべきです。
つまりそれでなくても福島事故以降、菅政権が原発ゼロにした祟りで、上りつづけている電気料が更に国民生活を直撃するということです。
経済と生活に打撃をあたえての脱原発など本末転倒です。

そのうえ進次郎さんは国連の地球温暖化会議にぬけぬけと行くと言っているようですから、地球温暖化のためには火力をバンバン削減せねばなりません。
火力
がもっとも二酸化炭素をだすのは、分かりきったことだからです。
仮に原子力ゼロの上に、原発なき後に主力電源の重責を背負っている火力まで止めてしまうと、日本は工業国家であることを止めるたけではなく、文化生活も止めることになるでしょう。

つまりは進次郎さんの言っていることは、ただの空論のキイレイゴト、あるいはただの偽善です。

蛇足ですが、育休とるとか言って、とらないのは古いとか言っているようですが、なぁに言ってんだか。
大臣は、国民が育休を取れる仕組みを作ることが仕事で、てめぇひとりが取ってどうすんの。
国民の付託には休日はないんですよ。
しかも大臣は休んでも賃金は丸々保証されるかもしれませんが、国民は所得はガタ減り、それどころか復帰したら机がないかもしれないんですぜ。
ならどうするのか、そこをかんがえるのが為政者の仕事で、自分だけとって「国民はオレを見習って休め」ではシャレになりません。
これも厚労省の管轄なんだけど、ま、いいか。

とまれ進次郎さんは、大臣がどのような仕事なのかまったくおわかりではないみたいです。
そこからのようですから、彼を高く買っていられる菅さんは、どこかでキッチリと叱ってやって下さい。
本気で総理をめざすなら、まずはそこからです。

 

2019年9月13日 (金)

旭日旗についてIOC見解が出る

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あまりうるさいから、書いておきます。
なんですか、あの旭日旗が戦犯旗だのどうだのって。
え、なんだって?旭日旗はナチ党のハーケンクロイツですって。
ハッキリ言ってあげましょう。あんた、イッちゃってるよ。

ただ国内でワーワー言っているぶんには、はいはい永久に言ってなさい、といった気分でしたが、オリンピック・パラリンピックという国際的行事にまでモンスタークレームをつけてくるに至っては、無視するわけにはいかなくなりました。

この韓国のヤクザもどきのいいがかりについて、日本側は一貫して馬鹿言ってんじゃないよ、という対応をしてきました。

「橋本聖子五輪担当相は12日の記者会見で、韓国政府が来年の東京五輪・パラリンピックの会場などで旭日旗の使用禁止を求めていることについて「旭日旗が政治的な宣伝になるかということに関しては、決してそういうものではないと認識している」と述べた。大会組織委員会も旭日旗に政治的意味はないとの立場で、会場への持ち込みを禁じない方針を示している」」(時事9月12日)

この橋本新大臣の言い方は、立ち上がりだけにそうとうにセーブした言い方で、「旭日旗は政治的な宣伝になることはない」ですか。
あたり前だろうって。
これについて提訴されたIOCはうるさくなったのか、橋本さんよりもっとハッキリと答えをだしました。

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IPCアンドルー・パーソンズ会長 https://www.asahi.com/articles/DA3S13198414.html

「国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長は12日、東京パラリンピックのメダルデザインが旭日旗を想起させるとして大韓障害者体育会が問題視している件について、「伝統的な日本文化の要素を扇に反映したデザインであり、全く問題ない。大会組織委員会に見直しを指示するつもりはない」と述べた」(時事9月12日)

チャンチャン、はい韓国さんこれで投了ですよ。
いいですか、このパーソンズ会長の言い方はあなた方にとってちゃんと逃げ道も作ってある名裁きなんですよ。この部分です。

「また、パーソンズ会長は、東京大会の会場などで旭日旗の持ち込みを禁止するよう求める書簡を韓国側から11日に受け取ったことを明らかにした。その上で「これはあくまで政治問題。スポーツと政治を混同するつもりはない。断固としてその方針を貫く。大会とは無関係だ」と話し、韓国側の要請には応じない姿勢を示した。」(時事前掲)

会長はこの旭日旗問題は、純然と「韓国の政治問題だ」という言い方で、そちらの国内でやるぶんにはいかほどでもどうぞ、と言っているのであって、国際スポーツ協議大会の場に国内政治を持ち込むなと一線を画しているだけなのです。
ね、韓国さんよかったね、旭日旗の価値判断については判断を避けているのですよ。

国際パラリンピック委員会が言っているのは、放射線状のデザインがなんでも旭日旗に見えるという「旭日旗神経症」については、ダメと言っているだけです。
今回、韓国が言っていることのひとつは、旭日旗の持ち込み以外にパラリンピックメダルが旭日旗=戦犯旗だから禁止しろということでした。
どんなもんかいちおう見てみますか。

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はい、このメダルが旭日旗に見える人、手を挙げて。その人、眼科を受診しましょうね。
旭日旗はこのような旗です。

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似ているというなら朝日新聞の社旗などまんま旭日旗ですが、韓国は同盟軍の朝日にはなにも言いません。
朝日はソウル支局では掲揚していないそうです(プっ)。
ネチズンには、、もし旭日旗が禁じられたら朝日社旗を大量に振ってやるぞ、なんて人もいたかもしれませんね。

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ご承知のように、日本海軍が軍艦旗として創設以来使用してきたもので、それ以前から伝統的に日本では使われてきました。
戦後は海自に受け継がれて今に至っています。
この旗と上のパラリンピックメダルのデザイン的共通性はただ放射線状だというだけのことで、放射線状デザインは日が昇る様子をイメージしたどの国にも昔からある普遍的なデザインに属します。
今回のメダルデザインも扇をイメージしたもので、別に軍艦旗をシンボライズさせたわけではありません(決まってんだろう)。

韓国は今や世界中の放射線状デザインについてクレームをつけまくって撤去させています。
いや、いつもながらこの暗い情熱はなんなんすかね。
佃煮にできるほどたくさん例があるのですが、ひとつだけ紹介すれば、米国ロサンゼルスの高校にある体育館に描かれた米国人画家による絵のケースです。

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これに韓国系米国人団体が猛抗議して、撤去せよ、しないで大騒ぎになりました。
はい、もう一回お聞きしましょうね。上のロスの壁画が旭日旗に見える人。目薬の中で眼ん球をよく洗ってくださいね。

ちなみに、日本海軍と苛烈な戦いを経験している米海軍は、この旭日デザインが大好きで、よく登場します。
米国から「戦犯旗」といわれるなら、いつ日本海軍が戦犯、つまりは戦争犯罪をしたんだという具体的な議論にもなりますが、なんせあーた、韓国は当時日本ですぜ(笑)。
ちなみに
戦後の海自に旭日旗を許したのは、他ならぬかつての最強の敵だった米国海軍ですから、念のため。

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実はこの旭日旗=戦犯旗という言いぐさは、根が浅いのです。
あまり韓国人が騒ぐので、戦前の日本が統治時代に、韓国人が嫌悪する旭日旗を強制的に押しつけてきた歴史がアル、なんて勘違いをしている向きもあるかもしれませんが、2011年1月25日AFCアジアカップ2011準決勝「日本対韓国戦」に突然登場して以降のことです。
たった8年前からこのことなのです。

この試合で奇誠庸(キ・ソンヨン)が得点した際に、国際スポーツ試合にあるまじき相手国侮辱行為を働きました。
なんとまぁ、いい歳をして猿顔をしてみせたのです。
我々日本人としては怒るというより、この猿男のあまりの下品さと低能ぶりに感嘆すらしますな(苦笑)。

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猿男のとった侮辱行為に対して日本サッカー協会は強く抗議しましたが、当のキはこうツイートして居直りをきめこみます。

観客席の旭日旗を見て涙が出ました。私も選手の前に大韓民国国民です」

なに、言ってんだか、育ちきらない猿坊や。
たしかキミはスコティッシュ・プレミアリーグで、東洋人であることを差別されて猿まねをされたことがあったよね。
これは人種差別行為に当たるとして英国でも大問題となったわけですが、それを今回は自分がやれば愛国心だから許されるということだね。ご都合主義なことを。
自分がやられてイヤなことは他人に対してやらないもんだよ。
やれやれ、いつもの反日無罪ということです。

これは日本に対する侮辱行為を、歴史問題にすり替えて合理化するいつもの手口ですが、これがなんとに韓国サポーターはやんやの喝采を浴びることになりました。
「いやあれはリッパな愛国敵行為で旭日旗に復讐しただけ」という意見が大勢を占めるようになったっていうんですから、むしろその方に驚きます。

この猿男が見たというのが旭日旗で(実はスタジアムの写真を詳細に観察してもみあたらないんですがね)、以降、旭日旗は戦争犯罪の旗、すなわち戦犯旗という韓国にしかない新概念にあいなったわけでした。
理屈と膏薬はどこにでもつく、反日とファビョはどこにでもつく、というお粗末の一席が今回改めて国際的に否定されたのは、まぁあたりまえではありますが、いいことには違いありません。

どーでもいいですが、この猿男は新婚旅行に日本に来ており、猿の惑星探検のつもりだったのかもしれません。
あるいは、黒田勝弘氏が言う「昼の反日・夜の親日」なのかもしれませんけどね。

なお、私はだからといって、対韓国戦にむやみと旭日旗を持ち込むのはお勧めできません。
あくまでも旭日旗は軍艦旗(自衛艦旗)という軍事的な色彩が強いものだからです。
スポーツ大会に軍事的なトーンが強いものを持ち込むんでしまっては、まるでスポーツ大会を戦争の代用品にしているような勘違いをもたらします。
特にサッカーの国際試合は、ヨーロッパではまさに戦争の代用品だった歴史が存在するために、スポーツに対して軍事的色彩を持ち込むことについて見る目が厳しいということを覚えておいたほうがよいでしょう。

旭日旗は勇ましい図柄ですから、特に海軍ファンでもなくても振りたくなるのはわからないではありませんが、韓国への怒りのシンボル旗として無闇やたらと振られたら、対北で三カ国連携を堅持している海自からしてれば複雑な気分になるでしょうから。

 

2019年9月12日 (木)

千葉大停電 感情的に騒いでも復旧は早まらない

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毎度毎度のことですが、千葉の大規模停電などがあると、定番のように遅れた責任は政府の責任だとか、人災だとか言う野党議員や文化人が出ます。
たとえば立憲民主の某議員のツイートは、
「組閣よりも千葉県への大規模支援を。 政府、マスコミの対応を見ていて苛立ってきます。 何のために行政はあるんだ! 」とか、蓮舫さんなんかは「今日組閣する必要があったのか」なんて言っているようです。

ただの感情論にすぎません。こんな時に政府の責任を言い立ててなんになるんでしょうか。
かえって災害時の正確な情報の伝達を妨げ、混乱を助長するだけです。

災害時における行政対応の大枠さえ知らないで言っているようですから困ります。
災害対策基本法を一回くらい読んでから言って下さい。
災害復旧の主体はあくまでも県、あるいは市町村にあります。

いちおう押えておきます。

「災害対策基本法 第四条 
都道府県は、基本理念にのつとり、当該都道府県の地域並びに当該都道府県の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該都道府県の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、その区域内の市町村及び指定地方公共機関が処理する防災に関する事務又は業務の実施を助け、かつ、その総合調整を行う責務を有する」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/336AC0000000223_20160520_428AC0000000047/0?revIndex=3&lawId=336AC0000000223&openerCode=1#33

この条文の主語は都道府県で、ここが防災計画を作り実施し、かつ、消防・警察、市町村行政と調整をしろと書いてあります。
国はこの後方支援の役割にあたります。
今回は、官邸は台風が関東上陸コースを予測された段階で対策を立ち上げています。
時系列でいえば、総理官邸は台風が来る3日前の9月6日11時15分に情報連絡室を設置し、その時点で関係省庁は既に動き始めています。

内閣改造とたまたまぶつかってしまっために、内閣改造のショーのために対策が遅れたから人災だ、なんて言いたいようですが、その批判はあたらないのがおわかりになるでしょう。
アレはアレ、コレはコレなのです。

内閣改造で台風災害がおそろかになっているという馬鹿なことを言っていますが、救援時に中央にできることなんかないのです。
あえて言えば各官庁の調整くらいなもので、それすらも災害対応で多忙の地方官僚に中央から「どうしてますか。状況を教えてください」なんて問い合わせが増えて仕事の邪魔なだけです。

日本版FEMA(緊急事態管理庁)を作れという声は常にこういう時には起きるもので゛それも一理あるのですが、いまの様な状況で何をするんだろう?
中央から人を送っても、電力復旧のような専門性が要求される分野には、既に後述するように電気事業連から1500人規模の大規模な専門家による支援部隊が行っていますしね。
給水や風呂などは、自衛隊がとっくにやっています。来ても邪魔なだけです。
災害現地に人が来るというのは、その人のための食糧、宿舎、サニタリーなとが増えること意味しますから、来て欲しいのはその自給可能な自衛隊だけです。
そもそも今回は水害型ではないので、そんなに人はいらないんですよ。

また被災者の中に、アベが韓国ばかり叩いているからこうなったんだなんて訳のわからないことを言っている人もいましたが、もう見当外れも極まれりです。
外交問題と災害を混同して、アベを呪えば電気の開通が早くなるんでしょうか。
私も今回の台風で真上を通過されましたから、約2日の停電を経験しましたが、そのていどのわきまえはありますがね。

「森田知事は、農林水産業への被害が極めて大きいとして、県の担当者に対し速やかに政府に支援を要請するよう指示しました」と述べました」(NHK9月11日)

ここで森田知事が言っているのは、直接的な人員派遣ではなく、おそらくその後の復旧・復興などの予算措置についてではないでしょうか。
というのは、国がこのような災害に際してできるのは、災害後の復旧・復興局面での激甚災害指定などだからです。
激甚災害制度は、国民経済に著しい影響を与えるような激甚な災害から復旧するにあたり、自治体の財政負担を軽減するために、公共土木施設や農地等の災害復旧に必要な費用に関して国庫補助の嵩上げを行うものです。
つまり、激甚災害指定とは、今のような救援・復旧が目的ではなく、災害復旧・復興が対象なのです。 

千葉県の動きを時系列で見ると、台風が直撃したのは9日未明ですが、台風の通過に伴って千葉県は10日4時に自衛隊要請しました。
もう多くの国民は理解していますが
、自衛隊は都道府県首長の要請がなければ動けないのですよ。
首長の要請が遅れたために自衛隊という最大の復旧力を初動で使えなかったのは阪神大震災の悲劇的教訓でしたが、今は多くの首長はすぐに要請を出すようです(あたりまえだ)。

「9月10日04時00分に空自中部航空方面隊司令官に対し、04時30分に陸自第1空挺団長に対し千葉県知事から災害派遣要請。15時25分に陸自第1師団長に対し、神奈川県知事から災害派遣要請。11日06時00分に陸自第1空挺団長に対し、千葉県知事から災害派遣要請あり」(河野太郎ツイート)
https://twitter.com/konotarogomame

自衛隊の救援活動については陸自東部方面隊のツイートをご覧下さい。いつもながら、自衛隊なかりせばわが国はどうなったのかと思うばかりです。
https://twitter.com/JGSDF_EA_PR

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千葉県は朝4時に自衛隊に要請し、9時に災害対策本部設置しました。

さてこのような大規模停電になった最大の理由は、台風による倒木や送電線や電柱が予想をはるかに超えて倒壊していたことにあります。
東電は当初、決められた対策指針に沿って、多重化された送電網で迂回ルートを作ろうとしました。
しかし実際に現場に入ったところ想像を超えた倒壊状況で、迂回ルートを設定できない地域が大規模に発生しました。

「一般的な停電では、損傷した部品の取り替えだけで済む。だが、台風をはじめとする大きな自然災害の場合、部品取り替えに加え、倒木の撤去などの作業が加わる。電線が建物に接触したケースでは、電線の引き離し作業も必要になる」(産経9月11日)

特に君津火力発電所近くの送電鉄塔2基が倒れたことにより、送電が発電所近くで切断されたことが大きく響いたようです。
下写真右側隅に倒れた鉄塔が写っていますが、こんな大きなものが倒れるなんていかにすさまじい強風だったのか分かりますね。

「東京電力によりますと、千葉県君津市の長石付近で送電線の鉄塔が2基倒壊しているということです。
高さはそれぞれ、45メートルと57メートルで比較的大型のものです。東京電力によりますと倒壊は台風の影響とみられるとしています。
鉄塔が倒壊した送電線は、主に千葉県内に電気を供給しているということで、現在、東京電力が詳しい被害の状況や停電への影響など調べています。復旧の見通しはたっていません」(NHK9月9日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190909/k10012071111000.html

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それでも当初は11日中の復旧を予定していましたが、それが更に延び延びになっていきます。

その理由は、悪いときには悪いことが重なるもので、台風が通過した翌日の復旧作業の真っ最中に今度は落雷が発生して、復旧作業を中断させたうえに、落雷被害の復旧まで重なってしまいました。
これによって当初予想の作業量予測を遥かに超える膨大な作業量となってしまったようです。

東電は9日の段階で、既に電力各社に応援を要請していました。

「千葉県内で大規模停電が続く中、電力大手各社が復旧に向けた要員や、電力供給のための電源車などの応援派遣を拡大させている。台風通過直後の9日に、各社が応援を表明。
この時点では、合計で約1300人、電源車46台を派遣するとしていたが、東京電力側からの追加要請もあり、11日午後の時点で派遣要員が計2400人、電源車150台と大幅に増やしている。 関西電力が11日に、協力会社を含めた358人の追加派遣を発表したほか、九州電力も約100人を追加増員した。各社ともに電力復旧の支障となっている倒木などの伐採に従事できる要員も派遣している」
(産経9月11日)

なお、この応援規模は近年最大規模のもので、北海道地震時を上まわっているそうです。
電気事業連のツイートをみると、これだけ短時間にこれだけ大量の専門家を現場に投入できる業界はないでしょう。
率直に脱帽します。
やれ徹夜して作業しろとか、東電の人災だなどと軽薄にいう者は、この数字を噛みしめてから言ったほうがいいでしょう。

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2019年9月11日 (水)

ボルトン更迭される


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驚くべきニュースが飛び込んできました。
トランプがジョン・ボルトンを解任したそうです。まだ飛び込んできたばかりですので、私も情報を収拾している段階で、速報としてアップしておきます。

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http://japan.hani.co.kr/arti/international/33006.h...

「【ワシントン時事】トランプ米大統領は10日、ツイッターで、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を更迭したと明らかにした。
 「ボルトン氏の多くの提案について意見が異なった」と指摘。「彼の任務はホワイトハウスで不要になった」と述べた。後任は来週指名する。トランプ氏は9日、ボルトン氏に更迭を通告したという。トランプ氏と強硬派のボルトン氏は、北朝鮮やイランとの対話やアフガニスタンからの米軍撤退などをめぐって意見対立が表面化していた」(時事9月10日)

ボルトンとポンペオの間には確執が伝えられていました。

「公式な会議を除いてほとんど口もきかない状態が続いているといい、政権の今後に影響が出る可能性がある。
2人はこれまでも摩擦が指摘されることがあったが、最近は「全面的な対立」に発展しているという」(時事9月8日)

今回のボルトン更迭には国務省が動いたと言われています。
ボンペオとボルトンは閣内で完全な対立関係となっていて、この間ボルトンは重要な会議からはずされていたようです。
その理由がふるっていて、ボルトンが機密情報を漏らしているだろうという疑惑を言う者が「ホワイトハウス高官」にいたからだと言われています。
この「高官」とはたぶんポンペオでしょう。

ボルトン氏はこのところ、政策決定の蚊帳の外に置かれる場面が目立つ。ワシントン・ポスト紙によると、8月16日に政権幹部がアフガニスタン和平への対応を話し合った際、出席者のリストには当初、ボルトン氏の名前はなかった。「和平案に反対し中身をリークする」(高官)ことが懸念されたためとされる。
 CNNによれば、この動きを主導したのは国務省だった。政権の要のマルバニー大統領首席補佐官代行も、自身のチームに安全保障の専門家を置くなど「ボルトン外し」に加担している。これに対しボルトン氏は巻き返しを図り、アフガン和平などで大統領に対し、批判的な意見具申を続けているという」(時事9月8日)

トランプのツイートです。

....I asked John for his resignation, which was given to me this morning. I thank John very much for his service. I will be naming a new National Security Advisor next week.

私は昨夜、ジョン・ボルトンに対し、もうホワイトハウスには不要だと伝達した。私は彼のアドバイスの多くに強く反対しており、政権内外にもそのように考える人が多い。私はジョンに辞任を求めたところ、今朝、辞表を受け取った。ジョンが職務で尽力してくれたことを感謝したい。国家安全保障アドバイザーは来週指名するつもりだ。

巷間言われてきたことは、ボルトンが直言タイプだということです。
彼は諫言を厭いません。
トランプはかつてこれ以上の国防長官は望めないと思われるジェームス・マティスを解任した原因は、トランプに同盟の重要さを直言したことによって軋轢が生じたからだと言われています。
マティスは米国は自由主義陣営のリーダーとしての責任の上に米国の利害があると見ますが、トランプは米国の一国的利害こそが大事で、同盟諸国はもっと応分の負担をするべきだと主張しました。

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https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180...

ちなみに、就任したボルトンがマティスに挨拶に行ったところ、「あなたのことは悪魔の化身だと聞いている。あなたのことをお待ちしていた」というブラックユーモアでもてなされたそうです。
このふたりの路線もそうとうに異なっていましたから、マスィスにとってなんでよりによって、という心理があったのでしょうね。

それはさておき、ポンペオが柔らかにトランプと接して軋轢を回避し、側近の地位を確保していったのに対して、ワンマン社長タイプのトランプから見ればボルトンはうるさいご意見番として煙たがられていたようです。

こういうキャラ的な問題がそのまま政権内の確執になってしまうのが、トランプ政権のウィークポイントです。
トランプはかつてと較べればそうとうに練れてきてはいますが、いまだ共和党を支配しきったとはいえず(再選候補にはなるでしょうが)、ワシントンのオーソドックスな既成官界、政界からは激しく遊離した存在であることにはかわりありません。

ですから、彼は既成概念を打ち破った思い切った外交交渉が出来る代わりに、いつまでたっても一匹狼的な性格から自由ではありませんでした。
それがトランプ政権の強みであり、同じ理由で弱点なのです。

さてこのボルトンとポンペオ両者の軋轢は、ボルトンの強硬策に常に反対してきた国務省派にとってすこぶる好都合なことでした。
国務省が進める軍事的オプションを回避してスティタスクォ(現状維持)を図ろうとする方針にとって、すぐにダンビラを抜きたがる(と国務省には見える)ボルトンは一刻も早く排除したい存在でした。
国務省やリベラルメディアはボルトンを「壊し屋」と呼んでいました。
このように見ると今回の更迭劇のシナリオを書いたのは、ポンペオと国務省だろうと推察されます。

もうひとつは、トランプ社長との微妙な路線対立です。
ボルトンは原則派に属します。
口から出した言葉は、なんらかの形で実行しようと考えるタイプです。
これはトランプがえてして、ボルトンのよう強硬策を口にしても、それは必ずしも本心ではなく、相手の妥協を引き出すためのただのブラフ、あるいはディール(取引)であることと対照的です。

たとえば、先日のイランによる無人機撃墜事件の時にも、ボルトンはイランの軍事施設を報復すべきだと主張したようです。

「米紙ワシントン・ポスト(電子版)は15日、中東への空母派遣など対イラン強硬策を進めるボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)らに対し、「トランプ大統領が不満を抱いている」と報じた。米・イラン間の緊張の高まりが軍事衝突につながると危惧する声も出ており、トランプ氏は外交解決を望み、イラン指導部と直接交渉したいと考えているという」(時事5月19日)

トランプにとってイランに対する軍事カードはあくまでもカードにすぎず、イランにかぎらず中東には深入りしたくないというのが本心でした。
それはトランプが中東かへの介入を批判して当選したからで、彼からすれば公約の一丁目一番地だったからです。

「トランプ氏は、泥沼化したイラク戦争(2003年開戦)を「避けられた大失策」と批判し、中東の米軍撤収を目指してきた経緯がある。ポスト紙は「トランプ氏は新たな戦争に巻き込まれるのを懸念しており、より好戦的な補佐官らの姿勢に対する強力な重しになっている」と指摘した」(時事5月16日)

「(ボルトンは)イラク戦争を支持した張本人でもある。イラクが大量破壊兵器を製造し国際テロ組織「アルカイダ」系の武装勢力を匿っているという疑惑が誤りだったと判明しても、戦闘継続を主張した。トランプ政権で大統領補佐官に就任して以降は、冷戦下の米ソ間で締結された中距離核戦力全廃条約(INF)の破棄や、イラン核合意からの離脱を促進した」
(ニューズウィーク2月1日トム・オコーナー) 

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https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20190...

北朝鮮に関しても同様で、トランプは大向こう受けする派手なディールを好み、正恩との直接交渉をやってのけました。
これは是非が別れるところで、北朝鮮のようにトップに権力が集中した独裁国家相手だとひょっとしてひょっとするかもしれませんが、正攻法ならありえないような場の雰囲気で動かされかねない危うさもあります。

私は2回の直接会談は薄氷の上の綱渡りだったと思っています。
トランプは手柄欲しさに「北朝鮮の非核化」とすべきところを、「朝鮮半島の非核化」で合意してしまいました。
危ない、危ない。「朝鮮半島非核化」って、北朝鮮にとって在韓米軍の撤退を意味しているんですぜ。
このように米国が譲ったにも関わらず、北朝鮮は完全非核化はおろか、なにひとつお土産を持ってきませんでした。
オンボロの核施設ともう使っていない核実験場の廃棄では話になりません。

この失敗に終わりかねない直接会談に歯止めをかけたのがボルトンでした。
会談に出席したボルトンがうんにゃと言ったと言われています。

しかしこのボルトンは既に板門店における正恩との会談において同席を許されていませんでした。
こいつがいるかぎり北朝鮮はオレのディールに乗ってこない、こいつをクビにすことは北への次回会談へのシグナルになる、たぶんトランプはそう考えたのでしょう。
ボルトンを毛虫のように嫌っていた正恩は、このボルトン解任のニュースをさぞかし手放しで喜んでいることでしょう。
たぶん次回会談は年内に開かれるでしょうが、ボルトンなき会談がどのようなものとなるか、ゾッとしません。

今後の最悪なケースを考えると、ボルトンが主体となって進めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)は神棚に祭られてしまう可能性がでてきました。
米国にとって、米本土に届く長距離核さえ封印すれば、このままズルズルと短距離弾道ミサイルを容認し続け、日本を目標とした中距離核については事実上の容認をする可能性が濃厚となりました。

また黒井文太郎氏によれば、アフガニスタン問題で、トランプがタリバン代表を呼んで直接会談をするという計画があり、ボルトンは強く抵抗しその際に激しい口論となったようです。
結局タリバンとの会談は流れましたが、これが直接に辞任のきっかけとなったそうです。

トランプは直接会談が好きだねぇ、あの男、よほどディール力に自信があるのか、みさかいなくやりたがりますが、裏方の長期間のきちんとした積み上げがないところでボス交渉をしても結果は得られません。
かえってつまらない妥協を呑むだけの結果に終わり、ひいては同盟国の不信をよぶだけに終わります。

最後にボルトンは拉致被害者の家族と親身に接してきた人であり、ホワイトハウスで拉致についての日本の立場を代弁できる数少ない理解者だったことから、大変に残念なことです。

 

2019年9月10日 (火)

ムン閣下の絶望超特急

 

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さてさて、よもやとは思ったんですが、やっちゃいましたね。
チョ・グクを法相任命してしまいました。

「【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、公約に掲げた検察改革の推進役として、家族をめぐる疑惑の捜査が進む最側近を法相に任命する前代未聞の人事を断行した。
検察による強制捜査に対し政権や与党の幹部が「検察改革潰しだ」と反発する一方、渦中のチョ・グク氏は疑惑が晴れず、政権と検察が対立する中での異例の法相就任となった。 「私が任命されたのは、未完の課題だった法務・検察改革を仕上げるべきだという意味だと考える」。チョ氏は9日、法相就任のあいさつで文氏が託した検察改革への決意を強調した」(産経9月9日)

1iwit ここで産経が「前代未聞の人事」と驚くのはむりないところで、ムン閣下が正常な判断力を維持していたならば、フツーしないよね。
私はこのムン閣下のチョを法相にするかどうかがバカ判定器と思っていましたから、ムン様やはり黒光りするようなルーピーのようです。

よほど世間をなめているのか、 それとも勇気凛々瑠璃の色かのいずれかです。おそらく両方でしょう。
強行突破というのは、政権末期に現れる特徴的な政治選択です。
本来、一定の謝罪としかるべき処分をして世論を鎮静化してから捲土重来すればいいだけのことなのに、ともかくその前の危機対応で眼の前真っかっか。
イケイケと突っ走りさえすれば、40%ギリギリで維持している左翼シンパの鉄板支持層は「ムン様命」と着いて来るさと思っているのでしょうね。

朝日新聞が慰安婦謝罪をした後もあいもかわらずファーレフトしているのは、部数激減で経営難になると逆に左派鉄板読者だけでも固めておきたいという心理が生まれるからです。
バランスのいい記事なんか書いていたら、彼らにも見捨てられますからね。
かくして朝日の場合、いっそう朝日らしい「角度がついた」、つまりはバイアスかかりまくりの記事ばかりとなります。
ムン政権も窮すれば、いっそうムン政権らしくハチャメチャになるというわけです。

ただ、あくまでもこれは延命策にすぎず、強行突破なんて政権の政治選択の幅が極端に狭まります。
もう元に戻りたくても戻れないからです。
本来政権を余裕をもって運営するには、シナリオを複数用意しておくべきです。
なのに世論が怒っていようと、反対だろうと、ともかく力でねじ伏せちゃおうというわけですから、当然どこかで反動がきます。
今回なら弱体の野党は頼りないとしても、いっそう検察は対決姿勢を強め、疑惑の徹底解明に走るに決まっています。
検察としてはそうしないことにはチョ新法相に「改革」されてしまいますからね。

たぶん全力でチョ一族の大掃除をしているはずで、韓国富裕層で、裏口入学、贈収賄、インサイダー取引、懲兵回避なんか当たり前すぎて話題にもならないくらいですから、まだまだ出ることでしょう。
法相が指揮権なんか使おうもんなら、さぁどうなりますことやら(わくわく)。

ム ン閣下は自分の支持層さえ固めれば政権が維持出来ると思っているはずです。
それはここに来て一気に野党自由韓国党との支持率の差が縮まってきたからです。

時系列で政党支持率推移を並べてみましょう。
2018年5月の政党支持率です。左青の与党・共に民主党が右赤の野党・自由国民党を36ポイントと圧倒的に差をつけているのがわかります。
ピョンチャン五輪の熱気冷めやらぬ頃で、「外交天才」の名をほしいままにして、キラキラしていた時でしたなぁ(遠い眼)。
このくらい野党を突き放していれば、大統領制の強みをいかんなく発揮し、ムン閣下は好き勝手に政権運営しました。

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それが暗転するのはムン閣下のキラキラのトリックがバレた今年に入ってからです。
外交はメチャクチャです。頼みの北からはクソミソに罵られ、日本との関係は氷河期、米国とも氷河期前段、経済はもうズタボロ破綻寸前ですから、ムン閣下は青瓦台の別棟にある大統領離れに閉じ籠もってヒッキーになってしまっています。
オーイ大統領閣下、どこにいるんだーいと、彼に面会できるのはごく限られた人間だけとなっているとのことです。

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なぜか政権に有利な数字が出るといわれているリアルメーターですら1.6ポインまで差が縮まってしまいました。
このへんになるとムン閣下は反日くらいしか政権浮上の手段がなくなってきます。
そこで本来は継続しようとしていたGSOMIAをばたん場でチャブ台返しするという愚行に走り、米国を激怒させます。
ま、ムンさんはGSOMIAの意味なんてゼンゼンわかっちゃおらず、かつては中国とも結ぼうなんて言ったこともある人ですがね。
いや分かっていないというよりも元々反対なんです、この人。野党時代は反対運動の旗振っていた人でしたから、

「朴槿恵前大統領が崔順実氏に機密情報を漏らした疑惑が報じられ、退陣を求める声が広がりはじめていたのである。当時、文在寅現大統領が顧問を務めていた「共に民主党」は、協定にある韓国が入手した情報を日本に伝えるという部分を取り上げ、大統領解任要求に利用。国民は意義と内容を理解しないまま59%が反対した」
(ニューズウィーク8月26日号佐々木和義)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/gsomia-5.php

そして今回のチョ法相任命強行となりますが、チョはこんなことを言っているようです。

「チョ氏は2日の記者会見で疑惑への関与を否定。会見は休憩時間をはさみ3日未明まで約11時間行われた。チョ氏は「周囲に厳格でなかったことを深く反省する」と疑惑の道徳的側面について謝罪した。一方で法的責任については「知らなかった。法的に問題はない」と否定し続けた」(産経9月3日)

これだけ身内から疑惑が噴出しているのに、「法的には問題ない」ということですが、ならば側近疑惑で死ぬまで牢獄につながれそうなパククネなんてどうなるんでしょかね。
しかもその時に批判の急先鋒にたったのが、他ならぬご当人のチョグクですから、シャレにならへんわ。
これだけ疑惑のたまねぎ男と化してもなお
チョがやりたいのは、ブラックユーモアのようですが、検察改革だそうです。
自分が検察に猛烈に追求されている時に、法相がその検察を「改革」したいからと就任を強行する、なんのために法相になりたいのか、わかりすぎるくらいわかって困ります。


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https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190905...

一方、迎え撃つ検察は徹底抗戦の構えのようです。
まずは法相就任前の先制攻撃とばかりに続々とガサ入れし、チョの妻を在宅起訴まで持ち込んでいきます。
叩けば埃が出放題の韓国有産階級ですから、出るわ出るわ、いまはファンド会社にまで飛び火しています。
てたぶんこんなもんじゃ終わらないことでしょう。

チョ氏の法相としての適性を審査する国会の人事聴聞会と前後し、検察は2度、社会を驚かせた。最初は8月27日に娘の大学不正入学疑惑など一連の疑惑に絡み、大統領府への報告もなしにソウル大など数十カ所を家宅捜索したことだ。 次いで聴聞会が開かれた今月6日、娘の進学に有利になるよう大学総長の表彰状を偽造したとして、大学教授である妻を在宅起訴したことだ。時効が迫っていたためだが、事情聴取もない極めて異例の措置だ。 
チョ氏の法相就任を阻むかのような捜査に与党や政府首脳が「政治的だ」と相次ぎ非難。大統領府高官が疑惑を打ち消そうとすると、最高検が「捜査介入をやめるよう」苦言を呈した。こうした検察の強気の姿勢は7月に就任した尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長のパーソナリティーによると指摘されている」(産経9月9日)

この指揮を執るユン・ソクイル(尹錫悦) 検事総長というのがなかなかユニークな人で、権力に媚びる体質が強い官僚の世界にあって、「オレは人には忠誠を誓わない」と言う人です。
かつてパク政権時に、
検察上層部の反対を押し切って情報機関の大統領選介入事件の捜査を進めたために見事地方に左遷せされたという向こう傷の男で、朴、崔両被告の疑惑事件では現政権によって捜査チーム長に一躍抜擢されました。
これであっぱれ国民的スターとなり、ムン閣下は自らの検察改革の看板としてソウル中央地検トップ、次いで検事総長と異例の大抜擢を行いました。
ちなみに、いまや狩られる立場となったチョは当時ユンに、「いつまでも心に残る」とラブツイートを送り、ムン閣下など7月に検事総長に任命した際に、わざわざユン検事総長をかたわらに呼んで言った台詞がふるっています。
「大統領府でも与党でも生きた権力に厳しく臨んでほしい」だったそうです(苦笑)。

はい、ユン検事総長は、ムン閣下の熱い期待を満身に浴びて、「大統領府の生きた権力」と戦っておりますですよ。

 

 

2019年9月 9日 (月)

香港独立だって?

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名無し氏からこんなコメントをもらいました。入れる場所がまちがっていますので、次回は宜しく。

「香港で最近捕まり、いまだに逮捕されているアンディさんが日本保守に1番近い思想らしいHongkong独立派であり,尖閣は日本だと言ってくれる香港デモ独立派のアンディさん。

顔は、1番ゆうめいで最近逮捕されてもすぐに釈放されたアグネスさんは、残念ながら最初からなぜかシールズと仲良くこれから山本太朗やシールズとの対談も反日てれびが演出を計画しています

沖縄を独立させたい共産主義勢力+山本太朗+シールズ+パヨク+アグネスが
これから日本で大々的にメディア応援の中で共闘し全面に出そう計画を日本の反日派がテレビを使い計画中」

 

せっかく入れてもらってこういうことを言うのもナンですが、日本の政局にはなんのつながりもありませんし、アグネスさんが山本と親しかろうとそうでなかろうと、関係ありません。
なぜなら、彼女は一個人だからです。

これでアグネスさんが行政長官だったとしたら、それなりにその影響を考えておく必要がありますが、一個人でなにをどう言おうと無関係です。

彼女が尖閣をどう思っているかも、まったく関係ありません。

 

一言ご忠告しますが、政治情勢を見るときに自分の政治的クローンを探すのは不毛だから止めたほうがいい。

異なった地域で、異なった運動をしている人を捉えて、うちの国の誰それと懇意だから、パイプがある、なんて言ってもなんか意味がありますかね。

また「香港独立」ですが、私が一番警戒している潮流です。
もし、「香港独立派」が大多数を占めた場合、北京政府はためらいもなく武力弾圧のカードを切るからです。
そのへんの按配については細かく書いたつもりなんですが、読みとばしましたかね。

政治的に「正しい」ことと、政治的に「正しい判断」であることは別次元なのです。
政治的に正しいことも、出す時を間違えたら弾圧を呼び込むだけです。
「香港独立」は、5大要求にも書かれなかったように香港民主派で圧倒的多数というわけではなく、むしろ少数派にすぎません。

大多数の市民にとって、一国二制度をしっかりと堅持できればよいのであって、「その先」にあるだろう香港の分離独立は危険極まる選択だと感覚的に分かっています。

 

香港が分離独立したらどの国が承認しますか。
米国はしませんよ。
つきあいの古い台湾さえも台湾関係法でかろうじて守っているくらいで、いま台湾を承認してしまったら北京政府に侵攻の口実を与えるからしないのです。

運動は一時の感情の高まりで解決できるわけではありません。
「香港独立」がなまじ「正しい」が故に、いま独立を言い出してしまっては元も子もなくなります。
元も子も亡くなるというのは、自由主義国の反権力デモと、香港のデモはまったく別次元だからです。
政治的自由が確立されている国で、ワーワー叫んでも、そんなものは分厚い民主主義の脂身に吸収されてしまいますが、香港はむき出しの中国の暴力と対峙しているのです。
アグネスさんがシールーズと仲がいいというのは初耳でしたが、よしんばそうだとしても、あんな甘ったれたいくえにも保護された運動のどこが気に入っているんでしょうか。

シールズは負けても平気です。かれらにとって青春の記念にデモのひとつもして、あとは就職してサラリーマンやるだけのことですから。
一方香港の民主派の戦いは、文字命をかけることあり、命を張って戦うことです。
負ければ、事後摘発を食って移送法が通っていれば本土の収容所送りです。
厳しさは天と地の違いがあります。
だから香港の戦いは人の心を打つのであって、シールズ如きお坊ちゃんお嬢ちゃんデモと一緒にしてもらっては困ります。

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https://oyakochoco.jp/blog-entry-2056.html

さて「香港独立」ですが、考え方としてもナンセンスな主張です。
それは台湾を見れば分かるでしょう。
慎重に蔡英文台湾政権は「独立」を避けて通っています。
もちろん現在の台湾政権は台湾独立派ですが、おくびにも出しません。
その理由は北京政府がこのように言っているからです。

「[北京 24日 ロイター] - 中国国防省報道官は24日、この日公表した国防白書について会見し、台湾の独立に向けた動きがあれば戦争も辞さないと表明した」
https://jp.reuters.com/article/china-taiwan-usa-idJPKCN1UJ09R

このように北京政府が言っている時に、あえて「独立」などと言う必要はないばかりか、挑発することによって、台湾侵攻を速める働きすらあります。
台湾政府ができることは、さまざまな手段で仕掛けてくる中国への統合策動を、ひとつひとつ丁寧に潰していくことだからです。
地位としては大変に不安定ですし、先日南太平洋諸国が中国に切り崩されたように、常にピンと張ったロープの上を歩いているようなものです。

台湾独立はこのロープを大きく揺らすようなまねをすることです。
香港も同じです。
香港民主派がどのような政治的未来を掴むか分かりませんが、それは多くの妥協の産物であって、すっきりとした解決などはこの世に存在しないのです。

 

2019年9月 8日 (日)

日曜写真館 極楽ツァーにようこそ


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蓮の花を東南アジアからの人がわざわざ見にくるそうです

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極楽ツァーにようこそ

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砂糖で作ったお菓子みたいです

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よく蜂が花粉の中をころげまわっています

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«どこでキャリー・ラムは間違ったのか?