霜の道、霧の道、水の道
今日は雨だ。朝起きて、というより夜来の雨の音を聞くと心がなえる。雨の農作業はほんとうにつらい。これに風が加わると、雨具など用をなさない。あ、もちろんカッパですよ。傘じゃ、仕事にならんもん。
うちの農場の地形は北に向かっての緩斜面なので、北風がスロープを巻き込むようにして煽るような強風となる。感覚的に言えば、モロに真っ正面から吹きまくられるといったかんじ。今日などたいした雨量ではないが、大雨だと水泳しているような気分。エラが首あたりにほしい。
土地の性格というのは、どしゃぶりの雨や台風の日、霜が降る朝、濃霧の早朝にしか分からん、というのは前に一回登場した種屋のおやじの教えだ。おやじさんに言わせれば、土地とその風土には「霜の道」、「霧の道」、そして「水の道」があるのだという。
同じ村でも、霜が降る場所と降らない場所があり、水が湧く場所がたくさんある所と、掘ってもなかなか水が出ない場所がある。霞ヶ浦名物の霞も、濃厚に立ち込めるところとそうでもない場所がある。濃厚な場所は昼まで晴れない。
そういうことを考えて耕す土地に合った種を選べという。たとえば、大豆は今でこそ汎用種になってきたが、この村にも大豆は、何種類かあって、字(あざ)が違うと、芽が出なかったもんだという。
種や作付けの選択を誤ると、芽が出た頃に霜に叩かれてアウト。霜の道を知らなかったからだ。霜の道の畑は、多少寒さに強い品種を選んだり、作付けを農事暦よりやや早めにせねばならない。こんなことは学校では教えてもらえない。智慧というのはこのようなことを言うのかと思う。
さぁて、6時30分。時間だ。農場に出よう! トリさんが腹を減らしてお待ちかねだ。
写真は本日の雨の農場
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朝も早よから農作業に勤しんでいられるようでよかった。パソコンの前にばっかりおられる怪しい農民かと思っておりました。かあさんにでも叱られたのでしょうか?肝臓だかすい臓だか気弱になっている方に何か毒消しでもないものでしょうか?こちらには毒入り○○しかないものですから。
投稿: 余情 半 | 2008年5月29日 (木) 13時15分
濱ちゃん
これは、田舎の農の雰囲気がでてすごくいいな。
本当に、豊かなブログですね。
本来の豊富な体験と知見を更にアップして。
ただし、情報を圧縮して。
よろず卸屋さんにも、コメント入れたいのですが、うまくいきません。
投稿: 野生のトキ | 2008年5月30日 (金) 02時41分