「木のヒゲ」じぃさんの懐で眠りたい
今、こうして書いている窓の外は早朝からかしましい、やかましい。ヒヨドリが奇声を上げ、ムクドリがついばむ。何を?サクランボをである。彼らの大好物サクランボの季節がやって来たのだ。
この季節、農場の庭のサクランボは満開となる。3本のサクランボの樹にたわわにサクランボが実る。勝手に実る。私の手柄でもなんでもない。初めに15年前だったかに買って植えたサトウニシキのたった30センチほどの苗が成長し、その途中で実をならせ、野鳥が食べ、人もそのお余りを頂戴し、こぼれた実から芽が吹き、今やその数3本。
ソメイヨシノではこうはいかない。実がならず、種ができないからだ。だからソメイヨシノをいくら植えても、勝手に繁殖することはありえない。しかし、自生している樹木は、しっかりと実に種を抱き、あるいはドングリをバラ撒く。
そうそう、わが農場には一抱え以上もある大きなカシの大樹がある。名前は「木のひげ」と呼ぶ。「木のひげ」氏の一族は今や年々増加し続け、一帯に6本ものカシのお子さん、お孫さん、やしゃごたちに囲まれて幸せに生きていらっしゃる。今年も小さい芽がいつくも吹いた。どこまで増えるわが家の樹たち。いやさか、いやさか。
樹の上の家を作りたいと思っている。この「木のひげ」一族の中に入れてもらって、その上に雑事から逃避する小屋を作りたい。「樹の上に逃げる」のだ。
なにかイヤなことがあった時はするするとカシの樹によじ登り、梯子を上げてしまう。ランタンひとつで好きな本を読んで、野蒜と味噌をつまみに焼酎をくらう。催せば、樹の上からジョーとしてしまう。たまに、酔って落ちる。
興が向けば座禅やヨガなどをしてみる。失敗して落ちる。ああ、今年こそ逃げよう、樹の上の小舎に!
写真は、樫の樹の長老、「木のヒゲ」じいさん。「木のヒゲ」はトルーキンの「指輪物語」に出てくる歩く大樹一族エントの長の名。
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