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2008年5月22日 (木)

湖岸男ののっこみ文化

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私は霞ヶ浦の湖岸に住んでいるが、「のっこみ」というのをご存じだろうか?湖の淡水とほとりの乾いた土地との間にある中間域で、かつては様々な魚やドジョウやウナギなどの漁が盛んだった。それこそ水鳥と争ってヒトも漁を楽しんだようだ。
生物種多様性などと堅苦しいことを言わなくとも、生きもの、やや露悪的に言えば、食い物が多様なところはサギもヘビもヒトも知っていた。

 湖岸の男共の趣味は、パチンコとカラオケ以外に湖の夜の漁があった。夜に懐中電灯を持ち、あるヤツなどオデコにタオルを巻いてその間に小型の懐電を差し込む。足拵えは12枚コハゼの地下足袋。まるで八墓村である。夜の道で出会いたくない連中ではある。そして安眠しているのっこみの魚やウナギを手網ですくうのだ。うまくいけば入れ食い状態だそうである。お魚の立場からいわせれば、ほとんど夜盗に襲われたようなものである。

 男の子は兄に、兄は父親と共に夜間出撃をした。見よう見まねで足袋を履き、懐中電灯を点けすぎると兄貴からゴツンをされた。忍び足でこけると、顔から泥に着地して皆んなから大笑いされるはめに。こうして湖の村の男の文化は継承された。

しかし、コンクリート護岸になってからこの「のっこみ」が激減したために、この湖岸の男の「夜の娯楽」は壊滅状態だ。私が知っている「のっこみ」のプリンスは、今や水上バイクでブンブン湖上を爆走している始末。コンクリートで固められた湖岸は、生物種多様性の消滅だけでなく、湖の辺に住む男の民俗の継承すら潰してしまったようだ。

写真は、朝もや煙る湖岸の田んぼ

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