なぜ、トリインフルエンザは東西に拡大したのか? 第3回
西ナイルウイルス謎の西進の謎は、やはり渡り鳥の北米大陸での移動を解明することで分かってきました。これは私にとって眼ウロコでした。
こういうことで説明がつきます。東海岸でウイルスの宿主となった渡り鳥は、春に一旦北のアラスカの湖へ戻るのです。そしてその保留地で他の渡り鳥に感染を移します。
そしてウイルスを移された他の渡り鳥が西海岸へと飛来するという行き来をするのです。いったんアラスカに行って、そこでウイルスの宿主の乗り換えをして、また南下するわけです。
この往ったり来たりが、西ナイルウイルスがNYからロスにまで行く2年間だったのです。つまり、南北に行ったり来たりしながら、ジワジワ、ジグザグに地軸に対して横方向の東西に移動するということです。
このようなことは当然、アジア大陸でも起こっていると思われます。例えば、アジアのトリインフルウイルスは、青海省⇒中国東北部⇒朝鮮半島⇒日本列島に来るのですが(*もうひとつのルートは、バイカル湖⇒シベリアルートです)、途中の中継地で別の渡り鳥に感染を拡大します。その渡り鳥が北に帰る時には、移した鳥とは別の保留地に向かいます。そしてまたそこでウイルス拡大をして、また別なルートが出現する、というメカニズムです。
こうして地軸に対して横方向のジグザグ転移を、宿主を複雑に変えて、その感染を拡大しながら、数年規模で行っているのではないでしょうか。
このようにして、世界最強の感染症であり、ヒト転移も始まっているトリインフルエンザは世界中に蔓延していったと思われます。また、機会を変えて、トリインフルエンザの謎を追求します。
(この稿 了)
写真はボリビアの高地。標高3500メートルの村。
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さすが、ハマタヌさん。いや、様。
これですよ。本来のリポートのすごさが出てきましたね。
これは、すごいブログになってきました。
どんどん、走っていってね。
投稿: 野生のトキ | 2008年6月 3日 (火) 17時36分