茨城トリインフル戦争・第2回 「週間金曜日」不掲載原稿復刻す!
原因は闇に葬られようとしている
この茨城トリインフル事件について、農水省が2冊の大部の報告書を作成している。2005年10月に出た中間報告書と2006年9月に出た最終報告書のふたつである。疫学専門用語だらけのまるで迷宮のようなこの大部の報告書を読み通してなんとも深い失望感を覚えるのは私だけではないであろう。
この報告書は斯界の権威が並び、膨大な資料を収拾し、これが人為的な違法ワクチンによると九割方指摘しながら、最後の最後で口を濁しているのだ、いわく「最後の詰めとなる証拠がない」と。これが日本政府農水省の最終見解となった。かくして魔を放った者は、多額の補償金すら握って、今や公然と被害者ヅラをし始めている。
おカミがAファームを守っているんだっぺ
さて、ここでこの戦争の最大の「被害者」にご登場願おう。国内では、強引な商法で市場を制圧し、アメリカや中国にまで大規模進出し、社長は「総帥」とすら言われる世界一の養鶏多国籍企業「イセ・ファーム」である。
今回の事件でも一社としては最大の殺処分と「監視下からの殺処分」、あわせて数百万羽以上という「大被害」を受けている。数字だけでみればまがうことない最大の被害者である。
しかし、当地でこの巨大企業のことを被害者と考える者は皆無に等しい。移動制限区域で呻吟した者、殺処分で経営基盤を根こそぎ破壊された者、そして巨額の借財を作り二度と立ち上がれなかった者達は、皆顔をしかめ、声をひそめて言う、「ああ、ありゃイセと愛鶏園が違法ワクチンをぶん撒いたからだべぇ。その上大枚な補償までふんだくりやがって、泥棒に追銭とはこのこったぁ・・・」。そしてその言葉の後には、吐息と共に必ずこう続く、「俺たちがなに言ってもダメだべぇ。おカミがイセ・ファームを守ってんだっぺから」。
本稿においては、雑誌掲載原稿と異なり、社名を名指しした。果たして、訴訟魔イセは、このちっぽけな虫のようなブログまで告訴するだろうか?
写真は、北浦が望める丘からの風景
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