なぜ、トリインフルエンザは東西に拡大したのか?
トリインフルエンザは私の仇敵です。この仇敵を、私は2年間にわたって追跡をしてきました。その報告は「グラウンドゼロ」というメールマガジンで発表しました。同時に、民事訴訟まで視野に入れた戦いも準備し、農水省に質問状を提出いたしました。
しかし残念ながら、昨年、力及ばず一敗地にまみれました。まさに矢折れ刀尽き、哀れ玉砕といったかんじです。戦いが終了した時には、まったく私の中には闘志のかけらも残っていないほどでした。
それから1年余、今、気を取り直してもう一回この大きなテーマに取り組むつもりでいます。皆様に多角的にトリインフルエンザを知って頂きたく、この3回の稿を作りました。
さて、ご存じのように、今、韓半島がスッポリとトリインルエンザに覆われました。感染地図をみると2カ所を除いて真っ黒です。しかも強毒性のN1型です。韓国の防疫当局は必死なのですが、局地化できずにむしろ拡がり続けています。
現在の季節が渡り鳥が北国で生活する時期だからよかったようなものの、冬季なら大量の感染した渡り鳥が、日本に殺到したと思われますですから、今年の冬に韓半島から飛来する渡り鳥は、原則として保菌している可能性が極めて濃厚だとみねばなりません。この秋から冬いっぱいは厳戒態勢でのぞまねばなりません。自然養鶏は、自然界と接する機会が多いので、そのぶん警戒をせねばなりません。
さて、今回は少し角度を変えて、なぜ感染拡大が東西方向に伸びて行くのかを3回にわけて考えてみます。と、言いますのは、ご承知だとは思いますが、渡り鳥は、南北方向にしか移動しないからです。
え、太平洋を横断する渡り鳥はいないのか、ですって。なんか、雁あたりがハワイあたりに向けて飛んでいそうですが、錯覚です。映画で雁をライトプレーンで導いている勇敢で優しい女の子の話しがありました。あれも確かカナダから北米の湖に向けての南下の旅だったと記憶しています。
なぜなのでしょう。それは渡り鳥が方角を探知できなくなってしまうからです。彼らの方角ジャイロは、地磁気による、と言われていますから、北極と南極のN極とS極を感知して飛んでいるのです。ですから、東西軸には飛べないのです。
では、どうして東西にトリインフルは拡大したのでしょうか?矛盾していますね。
ひとつは感染した家禽を人が持ち運んだということもあり得ます。そしてもうひとつの学説がこれです。このヒントは思わないところにありました。

(続く)
写真は、本日のわが農場の梅雨の景色
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私も鳥インフルエンザのことが心配です。
投稿: liangkim1999 | 2011年1月29日 (土) 14時54分