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2008年6月21日 (土)

プロが教えるハブ防衛術指南その2 服装篇

052  さてここで、毒蛇に対する防御法をお教えしましょう。これは、私の先生である、クチョーからの直伝に、少々の私の経験を加えたものです。

 あなたの眼の前に鎌首をもたげSの字に身体を優雅にくねらせたハブがいたとします。

 このSの字態勢に入ったハブは、ベリー・デンジャラスです。このハブのSの字態勢は、攻撃モードに入ったことを示しているからです。前回の写真は警戒モードで、この首がクッと直立して、やや頭が後ろに傾いで勢いをつけたら、攻撃モードに入っています。

 ハブは、体を直立させて、後ろに頭をやや倒し、それを繰り返しながら、攻撃対象を見定めています。この振り子運動は次の飛翔のための予備運動です。

 そしてこの攻撃モードから、目標が定まった瞬間にハブは攻撃対象に向けて一気に飛翔します。無音で跳んで来るミサイルにハブは化します。

 だいたい体長の3倍、ときには4倍とも言われています。最低3~4mは飛び掛かってきます。これがハブのスゴサです。無言で、スパーンという感じで跳んできます。よく漫画で書かれるような、シャーなどという擬音は聞こえません。あっと思ったら、嚙みつかれていたということになります。

 人間に対しては首や腕、指の先という無防御の部分を狙います。鼻に食いつかれたという話も聞きました。ほとんど、ハズしません。ですから、素人には、避けることはそうとうに困難でしょう。野性の一殺必中のハブと、文明にほややけた人間とは勝負にならないのです。気がついた時には、腕にハブがぶら下がっていることを発見するあなたがいることになります。

 嚙まれると筋肉組織を破壊する毒素が、牙の先端から注入され、牙が引っかかるようになるために、容易には抜けません。血清がない場合は悪くすると死にます。血清が遅くなると、その部分が壊死します。

 クチョーの右手人指し指はおかしな形で曲がっていていますが、これはハブに喰われたためです。彼の唯一のハブに対する敗北です。仔ハブだったそうで、彼の優しさが裏目に出ました。すぐにスネークバイトキットという応急キットを出し、メスで切開し、小さなゴムポンプで毒液を吸い上げ、ゴム輪で縛って、嚙まれた手を手拭いでつり上げ、血清のある街まで歩きました。

 7㎞ほど歩き、国道に出て、車に乗せてもらって病院に着いた時には、さすがのオジィも気を失いかけていたそうです。指は曲がったものの良く生きていたものです。

 では、どうしたら防護できるのでしょうか?まずは、身繕いから。「ハブ防護服」が必要です。いや、なんの雨具のカッパとゴム長ていどでいいのです。なければダブダブの作業服でもいいでしょう。仮に嚙まれても、牙が簡単に皮膚に達しません。つまり、牙がむなしく衣類にガプっに終わればオーケーなのです。

 首筋にはタオルを巻き、できたらフードも被ります。樹上から降ってこられても、首筋が大丈夫です。蛇は視覚情報よりも、赤外線探知に頼っていますから、身体全体をゴムで包むのは有効な対策です。

 沖縄や先島諸島、奄美諸島の草むらにショートパンツにTシャッツ姿で分け入るのは、私からみれば、それは自殺志願者です。ハブがいる島、いない島はひとつおきですから、島に行ったら、そこの人にこの島にハブがいるかどうかを聞きましょう。

 劣等生の見本は、映画「ランボー」シリーズです。上半身裸のマッチョ男がジャングルを走りまわっていますが、絶対にありえない光景です。私などあの映画をみるたびに、クチョーだったらなんて言うかなと苦笑いしています。

 たぶん100mも行かないうちに、上からはヒル、草むらからは毒蛇、ついでに皮膚の傷口から入った感染症という多重攻撃を受けて草むす屍となることでしょう。絶対にいい子はマネをしてはいけません。沖縄では、まねをする小学生が出たので、あの映画は上映禁止になっている、という冗談がウチナンチューの中にあるそうです。

写真は、ヤンバルの空気 。羽地(はねじ)内海。

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コメント

ヘビと付き合わなくなって、年数がたった。
すると、たまーに出会うとカラダが硬直する。

やはり、こういう身近でないヤツは絶えず、付き合っていないと拒絶反応が本能的におこるな。
弱くなった。トシだな。

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