プロが教えるハブ防衛術その3 対峠篇
一番大事なことは、毒蛇と出会わないことです。当たり前だと言うなかれ。蛇もコワイのです。いや、蛇のほうがビビっているといってもいいのです。ですから、人が攻撃を受ける場合、出会い頭事故が圧倒的です。草むらの窪地や穴で、いい気分で昼寝をこいていたハブをうっかり踏んでしまった。眠っている樹を揺すってしまった。シュワッチとハブは、即応態勢に入り、攻撃をしかけてきます。
ですから、沖縄で草むらを歩く時は、長い棒などでガサゴソと周囲を叩きながら移動するのが賢明です。また夜間では、「長いものは跨がない」ことも覚えておきましょう。それがハブの場合があるからです。
歓楽街も安心はできません。桜坂の飲み屋街で、ネズミをねらった2mもの大蛇がいたことがあるくらいです。沖縄の歓楽街に行きたいなら、先ほど教えた雨合羽とゴム長、長い棒装備が基本です。その覚悟で行きましょう。 沖縄の飲み屋街はカッパと長靴姿の男たちでいっぱいです。(わけない)
しかし、バッタリと出会ってしまったらどうしましょう。慌てて、パニックになり背中を向けて逃げようとしたら、多分、確率9割であなたの奥さんは未亡人です。ハブはあなたのふくろはぎを狙って、正確にミサイルのように跳んできます。良くて脚一本は進呈せねばなりません。下手すりゃ死にます。
ここで、もしあなたが、大きな布かエプロンを持っていたらこれはラッキーです。これをハブにふぁ~と被せます。そしてすぐに、間髪を入れずハブをくるむようにして遠くに投げて下さい。
上着でも結構です。これは私の得意技で、先週もマムシ殿を一匹この方法で投げ捨てました。しかし、一般的言って、けっこうコワイですよね。ならば、闘牛士よろしく身体の前に垂らすだけでも効果的だと思います。ハブがあなたの体を見られないからです。ただし、闘牛士のように絶対にヒラヒラ振らないように。
あなたが棒を持っていたとした場合、それでいきなりなぐりつけるのは必ずしも賢明とはいえません。たぶんハズすからです。ハズしてしまった場合、第2撃の態勢にこちらが移る前に、間違いなくハブに嚙まれます。
棒を決して振り下ろさずに、構えたままで、眼を逸らさずにジリジリと後退しましょう。だいたい10メートルあたりまで後退したら、後は死に物狂いで、助けてくれぇとかわめきながら逃げましょう。
要は、毒蛇界の大関クラスであるハブと闘う状況を作らない、仮に作ってしまっても、温和に解決する。包んで投げるか、じりじりと逃げるというのが一番です。
万が一山の中で嚙まれたら、心臓に近い位置を縛り、心臓より高い位置にかざし、近くの人家に頼り、たぶんその集落の区長か公民館にあるはずの血清を打つしか方法はありません。時間が勝負です。幸運をお祈りします。
写真は、「幻の村」に続く道。私が住んでいた20年前にはまったく未整備の狭い砂利道だった。画面左手にわずかに見える巨大なシダ類は、ヒカゲヘゴ。
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