ルートの死
昨日、私の愛犬が死んだ。プラムの樹の下に穴を掘って埋葬した。ルートという。 おとといまで元気だったのに、昨日突然におかしくなった。
獣医に連れていったが、原因はわからず、とりあえず強心剤とリンゲルという対処療法しかなかった。
農薬を飲んだか、自動車にぶつかったのかと、獣医は言うが、そのようなことは覚えがない。
みるみる内に弱っていくのがわかる。食べない、飲まない。尿をその場で洩らす。
人なつっこい気のいい犬なのに、頭をなぜてやっても反応がない。いつもなら、嬉しそうに眼を輝かせ、うるさいほど私にせがんだのに。夜になれば、彼の横でふたりで、星空をながめられたのに。
私にできることはなぜてあげることだけだ。苦しげに口を開く。
そして、私たちが少しはずした時に死んでいた。口をかすかに開け、眼を半分閉じて。口は閉じれなかったが、眼は閉ざした。
スコップで穴を堀り、最後のひとすくいを彼女にまかせた。私たちの中で大切にしていた赤い毛布に包まれてルートは埋まってしまった。
優しい子だった。怒ったところを見たことがない。いつも、兄弟の中で、食事場所を探していたような奴だった。たった4カ月の人生だった。なにもわからないまま死んだ。好きな雌も知らないまま、この農場も里山の中も知らずに死んだ。それが哀しい。ルートが生き切っていないことが哀しい。
ルート、お前の記憶をたくさん残せなっかた。
お前が途く空が晴れたらいいね。
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コメント
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遠くに泊まりで出かけて、帰京したら、通りの犬が死んだと言う。生まれて初めて、犬にお線香をあげ、手を合わせた。この通りに18年間居た犬。皆が声かけていたのは、飼い主が一人暮らしの支えにしていたのを知っていたからかしら?
飼い主が昨日、真っ赤な黄身?の卵を持ってきた。
いのちのある場所。帰る場所。
投稿: ぶんぶんこ | 2008年6月19日 (木) 10時44分
遠くに泊まりで出かけて、帰京したら、通りの犬が死んだと言う。生まれて初めて、犬にお線香をあげ、手を合わせた。この通りに18年間居た犬。皆が声かけていたのは、飼い主が一人暮らしの支えにしていたのを知っていたからかしら?
飼い主が昨日、真っ赤な黄身?の卵を持ってきた。
いのちのある場所。帰る場所。
投稿: ぶんぶんこ | 2008年6月19日 (木) 10時45分
若いルートくんもブログ主さんもお気の毒です。犬を飼ったことがありません。いつか書きたいと思っていたニャンの思い出のひとつをアップしました。
たいしたこともしていないのですが、疲れ果て早く寝て夜中起き、また疲れ果てるという悪循環をやっております。
南の青空を期待しています、気分を変えてきます。
投稿: 余情 半 | 2008年6月20日 (金) 03時24分
死と生のパラドックス
身体が引き裂かれるような思いをするくらいなら永遠に、一人でいようとすることは勝手だろうか。
投稿: 野生のトキ | 2008年6月20日 (金) 08時17分