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2008年6月23日 (月)

食糧の地殻変動

Img_0024  去る6月19日に農業界を静かなパニックが襲った。

JAによる肥料価格の大幅値上げである。最大の値上げ幅は7割、それを6割の肥料商品に、この7月から転化するという驚くべき発表である。

 このような、急激な価格値上げに、いっせいに肥料の前倒し購入が始まっているとも聞く。4月の石油の駆け込み購入と同じ光景が、各JAのグリーンショップで繰り広げられることになる。

 原因は、中国によるリン鉱石の輸入の実質的な禁止措置だ。6月1日から既に中国は開始している。これは4月段階からわかっていたことだが、例によって農水省は何の手も打たなかった。まいどおなじみの無作為である。怒る気にもなれない。

 今まで日本は、リン鉱石を、南洋の島ナウル共和国とアメリカ、ロシア、そして中国から輸入していた。しかし、ナウルは既に掘り尽くしており、アメリカ、ロシアもまた禁輸に走った。自国資源の保全のためである。

 そして残った唯一の輸出国である中国も、これに追随した。リン鉱山が今回大地震を受けた四川省に集中している関係もあるとされる。いずれにせよ、もはや日本にリン鉱石を売る国は、事実上なくなったことになる。

 また中国は中国産の農産物に100%関税をかける方針だという。そして、別な機会に詳報を出す予定だが、アメリカ中部の大洪水は、トウモロコシの生産に大打撃を与えた。市場相場は需給の逼迫を想定して、早くも高騰している。たぶん、世界的な飼料価格の暴騰、畜産物の大幅値上がりは避けられないだろう。

 昨年は激烈な熱波がオーストラリアを襲った。そして今年は、世界的なリン鉱山のある四川省に大地震が襲った。そして原油価格の天井知らずの高騰。

 しかし、食糧サミットでも示されたように、アメリカはバイオ燃料の生産を減らすことも、ヘッジファンドの規制も拒んだ。他の食糧輸出国も食糧の禁輸措置をゆるめることに同意しなかった。つまり、世界各国は、自国の利害防衛にしか関心がないのである。わが国は、まぬけにも金の提供を申し出ただけだ。問題の本質が政府には分かっていないようだ。札びらを切ればどうのという時代ではないのだから。

 資材高、原油高は、産業として既に疲弊しつくしている農業、漁業を直撃している。年内に廃業に追い込まれる生産者が激増していくのが目に見える。

国際市場価格は変動するもので、変動の周期が変化すれば、また一服するという経済学者もいる。また、国際市場価格が上がれば、国内産の農産物の生産増加が始まるという学者もいる。

 果たしてそうなのだろうか。私はもっと深い部分での食糧の地殻変動が起きている気がしてならない。いわば、金を出しても食糧を買えない時代に。

 昨日スーパーに行った。そのようなことと無縁に、あいも変わらぬ「生活応援」の安売りがメーンだ。危機感はみじんもない。ハレーションを起こしたような白昼の幻想を見た思いだ。

写真は、わかったら偉い。煙草の花。今の季節は満開です。

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コメント

まさに。

食糧枯渇と資源争奪の時代。
危機は、川上で始まっている。
日本は、量販店が支配しているため、まるでダム湖のように矛盾がせき止められているのです。

ハッキリ言って国産農産物はいまや宝の山。
輸出すれば、飛ぶように売れます。
しかし、今こそ都市住民は、田舎と堅く結ばれないと生きていけない。そのことが、分かるまであと半年か。

ハイマートロストを気取ってきたからね。
お江戸の粋は。さて、粋の反対を野暮と書く。

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