JAS有機認証の後先の風景 その1
JAS有機認証が制定されて8年にもなります。一時画期的だと評価された認証制度は、なにを日本の農業にもたらしたかを考えます。
私は2000年(研究段階まで含めると、実際には1997年頃から)有機認証の旗を高く掲げました。まず当時、なにがなんだか分からないようなジャングル状態の「有機」にうんざりしていました。ほとんどが、紛い物なのです。「有機栽培」のシールさえ、市場で普通に売っていた時代です 。
一方、小農-個人産直という従来の提携運動の流れの中では、一定規模以上の流通団体とは組めませんでした。あまりにバラバラで、規格もなく、農法も拡散しており、そしてなにより、余りに小規模でした。
この流れは、有機農業が出来た時からある伝統的な方法でしたが、極少派から抜け出せず、早晩行き詰まることが目に見えていました。
そしてそのような季節に、JAS有機認証が出てきたのです。客観的でジビアな、公正な基準。私はこれを新しい有機農業の「軸」にしたいと考えました。
このJAS有機認証を、「軸」に作られたのが、私たちGです。県境をまたいだ、有機農業グループの統一基準などそうそう簡単にできるはずもありません。私たちはJAS有機の基準をそのままあてはめました。その意味で、ラッキーでした。
このように、広域で有機農産物を流通させる方法こそが、有機認証の本質です。広域で有機農産物が行き交う。 そして、私たちが想定した県境をはるかに超えて、外国もあったのです。
では、その結果なにを有機農業は失ってしまったのか。それを次回に見ます。
写真は、ボリビアの可愛い人形。
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だって、解からない....。ごちゃっぺ。
有機認証が、消費者の毎日にどう伝わえるのか
それを、食卓でどう表現するのか、最後は味に
なっちゃうと、食いしんぼ。
お勉強会しないとならないの?くたびれる。
食べる側が食卓で参画する認証の在り方は?
意議あると思うんだけどな。
投稿: ぶんぶんこ | 2008年6月 9日 (月) 09時14分