« 自給率について突っ込んでみよう 最終回  ローカルエリア・マーケットを創ろう! | トップページ | 農家の果報 疑問にお答えして »

自給自足事始め 一杯のざるそば農場版

 Img_0009_2 ここ茨城で暮らし始めた25年前頃は、「自給自足」という言葉に「うーん、田舎暮らしの本領はここにありだよね」みたいな気分がそこはかとなくあり、まぁいろいろとやってみました。

 入植した当初は、広い土地を前に茫然自失。と言っても、しょせん8反(2400坪)ていど。今の眼からみれば驚くような規模ではないですが。いったいどうしたらこの広い場所が埋まるんだろうと小首を傾げてしまいました。

 いちおう2年間の農業研修をしているんですが、まぁ、こう言うとまったく申し訳ないのですが、研修生などというのはひと様の土地で勝手に作り散らしてというのが実情でして、さっぱり身になっていないのですなぁ(えばることか)。まことに冷や汗であります。

 いちおう作付け計画など机上では作って、とりあえずパラパラといくつもの野菜の種を蒔いたのですが、まだ9割の土地が空いている!どうする、当時はトラクターはおろか耕運機もなく、鍬ひとつ。こ、困ったぁ!放っておけば草ボウボウ。念願の自分の土地を持ってなぜか青ざめるわが夫婦。

 Img_0006 とりあえず、小耳にはさんだソバを播くことにしました。播きさえすれば手入れもいらない、というのは甘い天の声でしたね。「もしソバ粉が手に入ったら、冷たいザルソバだ」、「ソバ打つのってかっこいいよね」、「作務衣なんぞ着てやろうね」などと言い合いました。蒔きもしないうちから、ファションに走るなっていうの!自分のところの研修生だったら説教だな、こりゃ。

 「もし最悪の場合、粉にまでならなくても、花はきれいだよね」、「そうそう」。あきれるほど軽薄な奴らです。それが25年たつと、やれ地域の農業再生がどうしたの、新規就農支援がなんじゃらと聞いた風を抜かしよるのだから、歳月はこわいものであります。

 ホントにそれはそれはきれいでした。風にそよぐ一面の白いソバの花畑。そのうえ、何とこんぺいとうのような実までついてくれたんです。いやあ、気分は大勝利。で、これを刈り取って束ねて干し、ゴザの上でバタバタたたくと、見事に実が茎から離れる、という寸法です。もう脳裏にはザルソバのイメージ画像がむくむくとがわき上がってきます。

 本来なら、これを挽いてカラと実に分けるんですが、挽くのはまあいいとして、分けるところがよくわからない。昭和30年代の農家向け自給の本を引っ張り出すと、「ひっくり返して風選」というのを見つけました。これは、風のある日に戸外にゴザを広げた上で、挽いたソバを放り上げると、軽いカラは風に乗って散ってしまい、重い実だけが残るというもの。Img_0008 

 半信半疑ながら、これしか手がかりがない以上、仕方ありません。やってみました。容易に想像がつくように、うまくはいきませんでした。風が強すぎて実も飛んでしまったり、パタリと風がやんでカラも一緒に下に落ちたり。何より、作業としてはかなり間抜けで、「何やってるんだ、私は」状態に陥ってしまい、結局元の種の3倍ていどが残っただけでした。これからようやく挽いて、打って、切って出来たるが貴重極まる一枚のざるそば。夫婦が泣きながら食べたことは言うまでもありません。これがどこまでも続く自給自足の花道ならぬ泥道の始まりでもありました。

 ご教訓その1 自給自足は失敗してもへこたれない神経でやるべし。  

 写真特集は、農場の勝手にはえてる自生ハーブの皆様。上から自生しているペパーミント。今年もこれでキューバのモヒートだぁ。中はドクダミの花。今が盛りです。下はこれもミント。ただし、勝手に生えているので(植えた記憶がない)品種名わからず。紫の花がメチャ美しい。

|

« 自給率について突っ込んでみよう 最終回  ローカルエリア・マーケットを創ろう! | トップページ | 農家の果報 疑問にお答えして »

私のダッシュ村時代」カテゴリの記事

コメント

泣けました。weep

投稿: ニーニャ | 2008年7月 9日 (水) 08時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/515571/41783001

この記事へのトラックバック一覧です: 自給自足事始め 一杯のざるそば農場版:

« 自給率について突っ込んでみよう 最終回  ローカルエリア・マーケットを創ろう! | トップページ | 農家の果報 疑問にお答えして »