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皆んな百姓になれ!実践的就農マニュアル 第1回 就農は起業である

Img_0002 野性のトキ様からのリクエストで、都市生活者のための実践的就農マニュアルを作ってみようと思います

あらかじめお断りしますが、ここでは「農の心」といった理念はとりあえず省略いたします。意味がないのではなく、まったく逆に、それだけで話が終わってしまうくらいに私の大好物だからです。

もうひとつ、いわゆる「田舎暮らし」がしたいという方も除外します。都市と田舎の二重生活をしたい方も、すいませんが今回は対象からはずします。このシリーズで語りたい対象は、本気で農業に飛び込みたい新規就農者の人達に絞らせて下さい。

まず、都市生活者が、農業にいきなり飛び込むのはベリー・デンジャラスだとご忠告をいたします。確率8割で失敗します。私が知っているだけで、ひい、ふう、みい、よー・・・6、7人の失敗した人を知っているほどです。彼らは皆、せっかくいったんは入った農の世界を捨てて、Img_0003 再び都会に戻っていきました。

その原因はいくとおりもありますが、ひとことでいえば、準備不足です。この傾向は特に農の心や、農的生活をロマンチックに求めるタイプに偏在しています。

農業で起業しようという人にはほとんど失敗する人はいません。

農的な生活は、実はしっかりとした経済基盤とそれを支える技術がないと成立しないのです。このリアリズムが分からない人は、単なる夢追い人に終わってしまいます。夢が夢なうちは夢に過ぎません(なんのこっちゃ)。夢が身体をもってこそ、ほんとうに自分の人生を変える夢になるのです。

よく週末農業で猫の額ほどの土地を耕して百姓になったと勘違いしている人もいますが、はっきり申し上げて、5反(1500坪)以下は「農業」とはいいません(妙にきっぱり)。鶏でいえば、1000羽以下は養鶏といいたくありません。われながらまったくロマンチックではないのですが、農業とはそれで喰えてなんぼなのです。個人で事業を興すこと、つまり起業なのです。

農業とは、語義どおり「農」で「生業」(なりわい・生活)を立てることを意味します。週末に土にふれ、気持のいい汗を流すことと、それで生業を立てることとは一見よく似ているようでいてまったく次元が違うことです。アマチュアとプロの差と言ったらいいのでしょうか。ですから、私は就農希望の人には現実主義者になれと言っていつも嫌がられています。

Img_0005 農業はいつも天気の日にだけできるわけではありません。どんなどしゃぶりの日にも、酷暑の夏にも、台風が荒れ狂っていようと、あるいは大雪の冬にでも、ついでに言えば二日酔いの朝にも、「生業」を継続することは、想像以上に大変なことです。

注文がくれば、身体が調子が悪かろうとどうしようと、子供に熱があろうとなかろうと、大雨だろうが、雪だろうが、夫婦喧嘩をしていようと、這ってでも出荷に間に合わせなければなりません。「今日は出ません」という言い訳は、農業者としての信頼を落してしまい、やがて注文が来なくなります。そして食えなくなります。言い訳がきくのは両親の葬式だけだと思って下さい。

それが嫌なら、法人を作り労働の回転システムをつくらねばなりません。

Img_0001 とうぜんのことですが、「農業という仕事」は、しっかりとした農産品を出荷してはじめて成立します。私は、都市で週末農業をしていた人のほうが、かえってこの「農業という仕事」に入りにくいのかもしれないとさえ思っています。

というのは、自分で作って自分の家族で消費する分には、規格や出荷量、出荷日などということは念頭に置く必要がないわけです。好きなものを、好きなだけ、好きな時に、作ればいいわけですから。週末農業は一作失敗しても苦笑いで済みますが、グループ出荷をしている農家がそれをやると、次回から作付けが回って来なくなります。

就農するということは、週末農業の延長にはありません。一回どこかで頭を根本で切り換えて臨んで下さい。今までやってきたのは趣味、これから立ち向かうのは農業を本職にすることなのです。この区別がつかないと、多額の借金をして都市に逃げ帰るはめになります。

週末農業は、それ自体充分に農的世界の中にあります。むしろ単作農業や重油を炊きまくって初めて成立する園芸農業より、よほどまっとうな農のあり方かもしれません。そこから、一歩を踏み出すべきか否かは、その方その方の人生に対する考え方や、暮らしの条件によるのです。ぜひじっくりお考え下さい。農は逃げませんから。

第1回はことさら厳しくお話しました。ま、私のようなグータラに出来たくらいですから大丈夫です。次回はもう少し具体論に入ります。

写真は、3日間の人生を終えたせみの亡骸。次は蝉のぬけがら、背中から割ってでていきます。見ましたが、なかなかすごいシーンですよ。次はカラスウリ。そろそろ実ができてきました。最後は秋の野草のヨメナの最初の一輪。

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コメント

こんにちは♪
>よく週末農業で猫の額ほどの土地を耕して百姓になったと勘違いしている人もいますが、
まさに我が夫のことです!
猫の額すらないのに~
我が夫にこのブログ読んでもらわなくっちゃ♪

投稿: ゆっきんママ | 2008年8月20日 (水) 15時21分

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