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2008年8月 5日 (火)

米、この奇跡の穀物 その2 世界で最もスゴイ穀物

Img_0038 今度は生産者の側から米をみてみましょう。

米の驚くべき特長は、連作が可能なことです。連作障害がでないのです。

これは消費者からみればふ~んていどのことかもしれませんが、ほんとうはすごいミラクルなのです。だって同じ場所で、同じように作り続けられるんですよ。別の場所に同じ規模の圃場(ほじょう・畑のこと)を用意しなくていいのです。小麦の場合、連作障害が出ますから、三圃農業(さんぽ)といって、小麦⇒大豆⇒牧草を回して作ってきました。つまり、同じ穀物の収量を安定して得るためにはその3倍の農地が必要なのです。今でもアメリカ中西部の穀倉地帯はそのような回し方をしています。

一方、わが村では50年、60年の田んぼなどザラです。江戸時代から同じ場所で稲づくりをしてきたという田んぼもいくつか知っています。うちの相棒などそのひとりで、自慢たらしく「わが田は江戸城献納米であったのだぞよ」ともう30回は聞きましたかね。

Img_0007_1 これは水耕栽培により、常に水の形で必要な栄養素やミネラルが補給されていて、また汚染物質が加水分解されたり、流れ去っていくからだと言われていす。そしてこの水もタダものではない!都会の水道水とは大いに違います。

ではここで皆さん、美味しいコメができる地形をご存じでしょうか?私は有名な南魚沼郡に行ったことがあります。新潟の平地のように田にくるぶしが水に漬かるていどの浅い平野ではなく、高度こそ低いのですが山また山の地形の中の深田です。山の岩盤と、豊かな里山の腐食土を通してとても美味しい水が湧いています。水がうまくなければ、いいコメがとれません。そしていい水とコメができる地形がいい酒ができるところです。

また、南魚沼でうかがった話では、山がちの地形特有の朝と夜の寒暖差がいいとおっしゃっていました。面白いもので、コメは亜熱帯が原産ですが、ただ暑いだけだと美味しいコメになりません。なんというかダラけてしまうのです。夜にキュっと冷えると、コメは「子孫のためにいい蓄えを残すぞ」という引き締まった気分になるようです。そして豊かなデンプン質を蓄えてくれます。日本の山がちの地形は、まさに美味しいコメができる最高の条件を備えていたわけです。Img_0014

米はまた、大量の肥料も必要としません。むしろ大量のチッソ系肥料は腰折れと言って、倒伏の原因にさえなるほどです。ですから過剰施肥→富栄養化による水質汚濁の原因を作りにくくしています。

そしてそれだけにとどまらず、小さなダムまるまる1個分くらいの水が、ひとつの地域に田んぼの形で保全されているのです。豪雨の時には水を蓄えて逃がさず、逆に旱魃(かんばつ)の時には水をキープします。このような水の保全、水量調整も果たしています。そして更には、田んぼのサブシステムとして多くのため池があります。これらの水のコントロールシステムがなかりせば、日本は台風や豪雨のたびに出水していることでしょう。

そして・・・なにより、田植えの後の水を湛えた田んぼの美しさ、盛夏の青い穂波、初秋の黄金の海・・・。私はこれほど美しい田園風景を知りません。これが日本人の心の原風景なのです。

Img_0037 コメはこのように収量、食味、収穫後の作業工程の簡単さ、連作障害のなさ、保管性の良さ、環境保全などあらゆる視点から見ても、世界の穀物の最上位にあるミラクル穀物です。

縄文時代から稲作跡が発見されています。なんという長きに渡ってコメ作りに情熱と愛情を傾けてきた瑞穂の民!

さてもう少しで、世界一美味い瑞穂の国の新米が食べられるぞ!台風よ、来るな!

お断り・先日アップした記事を加筆修正していましたら、どんどん膨れ上がってしまいました。とほほです。しかたがないので、分割して、第2回といたしました。ご了承下さい。

写真は、私の村の風景。2番目は消防団の器材倉庫。消防団があるうちは村は滅びないと言われています。次は旧庄屋さんの家。冠木門(かぶきもん)が立派です。

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コメント

ありがとうございます。きれいでしょうコメの花は。

ベランダでだって頑張っているんだい!後4日かな。

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