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街をオーガニックで包みませんか?

Img_0106 都会に行くと不思議に思うのは、公園や集合住宅の庭の景観の寂しさです。

ドぺェ~と芝があって、樹がチョボチョボあって、パンジーなんかの外来種のおざなりな花壇。それでお終い。

想像力のかけらもない。これでは、なんの潤いの空間にもならないし、第一子供が遊んでも面白くないんじゃないでしょうか。

そこで、私はこんなことを考えました。なんの役にもたたない芝生をひっぺがして、レンゲやクローバーを植えれば瘦せた都市の土壌が豊かになります。クローバーはなんと空中のチッソを固定するという驚天動地の能力があるのです。ですから、私はこの農場を開いた時に、真っ先に大量のクローバー(シロツメクサ)を蒔きました。いまでもそここに白い小さな花を咲かせて、勝手に増えています。レンゲは田んぼの秋に蒔いておくと、早春にあの綺麗な花を咲かせて、地味を肥やします。

それとクローバーやレンゲは、芝と違って他の植物と共生関係を持ちます。一緒にニンジンやホウレンソウ、小松菜などの野菜や花の種をかき混ぜて蒔くと、そここに野菜や花が芽を出します。これは私がよくやるイタズラで、東京に行く時にビンに入れたクローバーと野菜や花の種のチャンポンを公園やアパートの庭にテキトーにまき散らしてきます。除草剤さえまかれなければ、絶対にそここに芽がでてきますよ。ちょっとした花咲爺の気分です。

Img_0033 芝を集合住宅の庭に貼る理由は簡単。手間の問題です。芝の植物的排他性を利用して管理を簡単にしたいというニンゲン様のご都合なのです。だからどこに行っても芝だけ。

そして芝は大量の水を必要とする困ったヤツでして、アメリカのような庭に芝を貼ることがコミュニティの景観義務みたいな国だと、水不足だろうがなんだろうが、スプリンクラーでぶわ~っと水をやっています。バッカじゃなかろか。クローバーはまったく水をやる必要はありません。勝手に生えて、勝手に自分で肥料を空気から作り出すという魔法のような植物です。

ひまわりや菜種も植えましょう。5月には菜種畑が咲き乱れる黄色の波を見せ、8月にはひまわりが優雅に頭を風になびかせることでしょう。ここから子供たちが種を採って、絞ってみたら面白いですね。油なんか外国から買わなくたって自分らの庭でできるんだゾと分かります。こういうのをほんとうの「理科」といいます。

もうこうなると、ビオトープもほしいなぁ。何種類か作って、ひとつはアイガモ様用にして、大きな土管を置いてバチャバチャやってもらいましょう。上はカラス除けの網がいります。見ているだけで楽しいですよ。

もうひとつの池には鯉を飼いましょう。アサザやマコモ、葦(よし)などを植えて川辺や湖の自然植生を再現してみます。今多くの学校で作られていますが、この管理の役目は子供たちの間で奪い合いになるくらい楽しいのです。Img_0005

となると、次はメダカ池かな。メダカは地域に固有の品種がありますから、その地域の品種を入れてみよう。そしてここにも蓮やマコモ、ガマなどの水辺の植物を植えます。うん、いいぞわくわくする!

共同のミニ菜園には野菜やハーブを一杯作ったり、山羊(おとなしい日本ザーネン種)を飼ったり、トリも駆けまわっているし(囲いはいるけどね)、ああそうそう、蜂も飼いたいですね。たぶんニンゲンの母親の過保護が最大の天敵でしょうが。私なんかおとなしい黒毛和牛をの自然放牧を都市でやってみたいんですが、これはちょっとムリかなぁ~。

キューバでオルガニポコス(耳で聞いた言葉なので、違ったらごめん)というのを見せてもらいましたが、おもしろいですよ、つまんない花壇なんかじゃなくて、そこここに菜園があって、例えば、そうですね、職場の庭やアパートの庭にはあたりまえのようにして野菜やハーブが植わっています。おお、そろそろ昼飯にすっか、となるとそこらのトマトやキュウリとハーブをテキトーに摘んで、オリーブオイルと塩をかけてチャチャとゴハンにしてまう。こんなこと、日本じゃ農家の特権だよね。これをなに喰わぬ顔で首都ハバナの人がやっているんです。Img_0001
とうぜん、それを管理する職場や集合住宅、学校の各種オルガニポコス組合があります。だから荒れません。
ガキも、失礼お子さんも宿題で生物天敵の研究なんかをしているらしいんです。日本の学校もこういう夏休みの宿題を出しなさいって。
そして週末ともなるとみんなで揃いのネッカチーフをしてポンコツ・バスにうちまたがって田舎に行き、農家を手伝ったり、自分の研究成果を試したりしています。単なる日本の食育よりズッと身が入っているようです。
キューバの有機農業の技術水準そのものは、失礼ながらたいしたことがないと思いましたが、そのような市民生活の中にしっかりと浸透して、衣のようにむりなくオーガニックを生きているライフスタイルはいいですね。

都市を有機農業の衣で楽しく包みませんか!有機農業は単に農法、技術一般ではありません。人と生物、人と植物、人と土、人と水、そして詰まるところ人と人の関わり方や生き方までを包むものだと思います。
写真はボリビアのボトシ。かつて栄えた銀鉱山都市。4千60mという世界最高度の空中都市。スペイン的な風情があります。ただし、海抜36mに生きている私らには生きるのがやっと。次は何回か登場しているウユニ塩湖。下は氷ではなく岩塩です。下段は昼顔のシェード。これによる遮温効果はとても高いのです。わが農場の鶏舎や自宅はこれを利用しています。この自然利用の遮温についてはまたそのうち。最下段はクローバーの上の私の農場のバスケット。

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コメント

なるほど、これはすごい。

農業は、世界を変える力がある。
人々を、元気にするチカラがある。

生命の偉大さを教えてくれる。
世界は、いま農をこそ求めている。

街を、村を、山を、里を、川を、海を。
農の花が咲き誇る。

投稿: 野生のトキ | 2008年8月 2日 (土) 10時26分

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