• 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014

« 地球温暖化について考えてみよう 第1回 なぜ火中の栗を拾うのか? | トップページ | 地球温暖化について考えてみよう 第3回 海水面はどれだけ上昇するのかの謎 »

2008年9月10日 (水)

地球温暖化について考えてみよう 第2回  ツバルと海面上昇の謎

_edited いや~、いきなり不謹慎なことを言うようですが、眠いっす。2日がかりで地球温暖化の資料をとりまとめていました。

実はとりまとまりませぬ(苦笑)。このシリーズのどこかで学説の散らばり具合も検証してみようかなと思ったくらいです。というわけで、私としてはまずは分かるところから書いていこうということになりました。本ブログ始まって以来の難工事でした。

私も映像にはいたく弱い人間ですので、影響された映像というものがあります。映像って理屈ではなく、直接に感性に伝わるので説得力もあり、おまけに残るのです。私が地球温暖化でガガンっとなった映像は、かつてのNHKスペシャルの東京水浸し、ミクロネシア全水没などというショッキングな映像でした。あとは「デイ・アフター・トモロー」の大洪水と温暖化による寒冷化(ややっこしい。そのうち説明します)。そしてツバルの浸食されてヤシの樹の根本が洗われるような海岸線と滑走路から吹き上がる海水でしょうか。あれが先進国がまき散らしたCO2のせいだと説明されれば、心ある者、誰しもグサっときますよね。かくいう私もグサグサときたひとりでした。

_edited_2 私のみならず「沈み行くツバル」は多くの日本人に影響を与えました。これは温暖化による海面上昇によると多くのマスメディアが伝えました。ほとんど例外なくそのようなコンセプトで報道されているはずです。

NPOのツバル関係の記事を検索しても100%そのように書いてあります。あるツバル支援団体は、将来1mもの海水面上昇が予想されるためツバルは完全に姿を消すとまで書いています。

まさに地球温暖化による「悲劇のシンボル」としてツバルは報じられたのです。

私もつい半年前まで、このCO2の増加⇒地球温暖化⇒海面上昇⇒ミクロネシア諸島の海没という構図の信奉者でした。特に調べもせずに、まぁそのように思っていたってとこです。すいません。

ところが、ブログ仲間のゆっきんママさんに触発されていろいろと調べてみることにしました。すると意外な結果がでてきてしまったのです。

まずは最上段のオーストラリア政府のSPSLCMP(South Pacific Sea Level and Climate Monitoring Project)のデーターをご覧頂きたいのですが、ツバルでは1mどころかわずか75㎜の海水面上昇しか計測されていません。この記録は、ツバル近海のフナフチ環礁で1993年5月から2006年5月までの13年間の記録の累積の総計です。つまり表の右から2番目のトレンド(傾向)の毎年の観測数値を13年間分足してみると75㎜となったというわけです。1年間に75㎜だとすると、確かにヤバイ数字ですが、あくまでも13年間の総計です。1年にすると1㎝にも満たないわけです。ですから、このデーターの見出しの書き方は、やや誤った印象を私たちに与えてしまいますので、ご注意のほどを。くどいですが13年間のトータルの数字ですゾ。

*SPSLCMPのデーター http://tuvalu.site.ne.jp/topics/20070115/top.html

さて、この1㎝にも満たない海面上昇で、いかに海抜1mのツバルといえど果たして海に沈むでしょうか?考えるまでもありえません。原因は多々あるでしょうが、隆起珊瑚礁の浸食です。これは私自身沖縄に住んでいましたので、実感で理解できます。沖縄の八重山の先島に行くと、同じ隆起珊瑚礁ですので、少しずつ削られていくのが目でみえる地点がいくつかあります。これは別に隆起珊瑚礁のみならず、海岸淵の岩場に行ってみれば同じような浸食が見られます。年間70㎜ていどの浸食などザラでしょう。

原因について、大阪学院大学教授で、太平洋諸島地域研究所理事の小林泉先生は以下のように指摘しています。このミクロネシアを知悉した小林先生のご意見は、私にもしごく妥当かと思われます。

①日本より稠密な人口密度が、狭いツバルの、しかももろい隆起珊瑚礁を圧壊している。②アメリカ型の生活スタイルの定着によりペットボトルなどのゴミの散乱など島の環境破壊が進んでいる。③滑走路の水没は、かつての米軍のいいかげんな工事のためである。

また、この調査をしたSPSLCMPのプロジェクト・マネージャーのフョリップ・ハル氏は、このような海水面上昇は10年ではまだ短く、20年以上といった長期の観測が必要であると語っています。また、原因として、エルニーニョなどの異常気象を挙げています。

2002年のオーストラリア政府の発表によると、1978年~2001年の期間に、ハワイ大学とAustralian National Tidal Facility (NTF)の共同研究では、データーの欠損を認めつつ、ツバルの首都フナフチ環礁での海面上昇は約1㎜程度であり、危惧する必要はないという意見を出しています。

沈みいくツバルの皆さんには大変に言いづらいことですが、公平に見て、島民の苦難とは別に、その原因は地球温暖化にはないと思わざるを得ません。しかし、お断りしますが、だからツバルの苦難に対して、同じ地球に住む人として何もしなくていいという理由にはならないことは強調したいと思います。

明日は、地球レベルの海面上昇についてお話したいと思います。

« 地球温暖化について考えてみよう 第1回 なぜ火中の栗を拾うのか? | トップページ | 地球温暖化について考えてみよう 第3回 海水面はどれだけ上昇するのかの謎 »

環境問題」カテゴリの記事

コメント

わたしはCO2さえ減らせば地球温暖化が止められるかの風潮に
疑問符をたくさん抱えている一人です。
猫も杓子も「ストップ温暖化」「CO2を減らそう」…、
標語としてはとてもわかりやすいし、
それがあったからこそここまで無関心層を取り込めたことは
一定の評価に値するのでしょうが。。。

でも、そんな単純なことじゃないよなぁ、きっと。

と思っているのは素人考えでしょうか…?

こんばんは♪
本当に本当にありがとうございます!
私も小林教授の分析には真実を感じます。
私は科学者ではないので、これが真実だ!とは言えないけれど、いつもメディアの偏った報道には疑問を感じています。ある意味何も知らない国民へのプロパガンダ・・・メディアが意図するしないに関わらず、とても罪のあるものだと思いますし、メディアはそれを自覚し、正確に報道するべきだと思っています。
先日は、誰(どの国)にとって不利な温暖化なのか?と言った内容の記事を読みました。
色々と偏った情報に一石を投じている専門家の方たちもいます。
そういった方たちも、もっと広く取り上げてほしいな~って思います。

ブルータス お前もか… と叫びたくなります。
ディアフタートウモローは私やツバルの映像は、私も脳裏に焼きつきます。でも そうだったのですか。
先だってのコメントにもお名前を出しましたが、アルゴアさんの社会へ向けたアピールは社会現象にもなり、京都議定書の内容によって、多くの方の行動や関心が大きく変わってきたことも事実です。
昨今、言われていることと現実がずれていることの原因が、一部の企業や政府の懐を暖めるだけのものだとすれば、非常な罪であります。
しかしながら、これらのことと、生活者の一人として、東京23区内の
ごみの処理のことなど、ひっくるめて考えても
意識行動が変化したことについては、まずは第一歩と考えてみたいものです。 

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 地球温暖化について考えてみよう 第1回 なぜ火中の栗を拾うのか? | トップページ | 地球温暖化について考えてみよう 第3回 海水面はどれだけ上昇するのかの謎 »