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2008年9月12日 (金)

地球温暖化について考えてみよう 第4回 北極海の氷が溶け出す謎

_edited上の水しぶきを盛大に挙げて崩落する北極海の海氷写真や映像は、皆さんも幾度か眼にしていると思います。ほとんどといっていいほど多くの地球温暖化の報道番組で使われています。

ハッキリ言いましょう。この写真は地球温暖化となんの関係もありません。ましてやCO2の増大などにはなおさら関係ありません。

このことについては、赤祖父先生に説明していただきます(典拠・「正しく知る地球温暖化」)。先生は、アラスカ大学国際北極圏研究センターの所長をなさっています。北極研究の世界的な権威です。

_edited_8 先生どうぞ!お、先生はかなりお怒りのようです。ゼーゼーいっておられます。過呼吸です!おい酸素、酸素をもってこい!やっと第一声が出てきたようです。「ば、馬鹿者!ど阿呆、無知、蒙昧、粗暴、野卑!」←こんなことはおっしゃってません。念のため(゚ー゚;)

先生の著書は専門用語満載ですので、市民語に不肖私が翻訳してみました。私にかると先生の10ページがただの3行に要約できてしまいます(えばることか)。一本指でピアノが演奏できることを自慢する3才の子のようですな。

赤祖父先生によれば、このような現象は、氷河の末端でよく観測されていることで、極地の温暖化とはなんの関係もないそうです。

氷河とは文字どおり、「氷の河」で、常に高い所から低い所に流れているそうです。高い所に降った雪が、夏になると溶けて流れて皆同じ♪ではない、氷河の下に潜り込む水流もあって、それでいっそう氷河が滑るのだそうです。

この氷河が海まで進んでドシャ~ンと落ちる崩落現象がなかりせば、北極はうず高く氷の山が築かれているでしょう。このような関係のない現象までも地球温暖化の実例としてショッキングに報道するから、温暖化そのものに懐疑する人が増えて困るのです。このような誤情報は、農業でいえば、きゅうりが自分を保護する白い粉を農薬だと騒ぎ回るようなものです。先生はこのような映像を、温暖化の証拠として出すような番組は即スイッチを切って、トイレに行って寝てしまいなさいと言いたげでした。

では話を少し変えて、先生、北極圏の氷が溶けているというのはほんとうなのでしょうか?「それはほんとうです」。え、やっぱり溶けているのだぁ!その様子を下に見てみます。(典拠・JAXA北極圏研究ウェッブサイトを「ニュートン」2008年別冊が編集したもの)

_edited_2 このイラストは2003年9月とその5年後の2007年9月同時期の北極圏の海氷を重ねたものです。

イラストの薄い青色の部分が海氷が溶け出してまばらになってしまった海域です。比較して178万平方キロも少なかったそうです。イラストの左の赤線は、2002年以降の北極海の海氷の最小値をつなげたものだそうです。2006年秋からガクっと減少していることが見て取れます。これを実際に写した写真もありますので、お見せしましょう。ほぼ同時期、同地点の北極海の画像です。

1997年に砕氷船ルイサンローラン号から撮った写真です。びっしりと氷が張っているのがみてとれますでしょう。_edited_3

97年当時は、氷上でテントを張ってキャンプができたそうです。今はそんなことをしたらブクブクと沈んでいってしまいますね。

また、氷が溶け出したために塩分濃度が希釈されて1㌔㌘中97_edited_4年には30㌘あった塩分が、07年には20㌘になってしまったといいます。

ではこの北極海の氷の溶け出している原因はなんなのでしょうか?また赤祖父先生にご説明願いましょう。先生、これぞCO2増大⇒地球温暖化⇒海水温度の上昇⇒温められた海流の北極海侵入という説の動かぬ証拠ではないのでしょうか?

先生またもや首をかしげていらっしゃいます。「そんな単純なもんじゃないよ」と言いたげです。翻訳いたします。まずこの原因は、暖かい海流が北大西洋から北極海に流れ込んできたのはホントです。下の図をご覧下さい。

_edited_edited この図を見るとオレンジ色の暖かい海流が北大西洋をシベリアに沿って北極海に流れ込む様子がよくわかります。(右の左端の欠けている部分は1990Sです)これが北極海の海氷の溶ける主原因です。しかし先生は、これはCO2増大とは直接の関係は疑問だと話しておられます。どういうことでしょうか。

これは自然現象だと思われます。気象、気候には多くの「振動」的現象があります。太平洋のエル・ニーニョ現象、ラ・ニーニャ現象、北極振動、そしてこの「北大西洋振動」などです。「振動」とは、地震などではなく、風の方向や、風の流れ、水流の温度や方向が一定の幅で変化する自然現象を指すようです。

これは「準周期変動」と言って一定の期間で、風の強さが変化することだそうです。その風が暖かい海流を北極圏に流し込んだのだそうです。1975年からその準周期変動は始まっているので、CO2による温室効果の可能性を説くのなら、その自然変動の分を差し引かなくてはならないそうです。

実際その海を流れる風の強さは、温室効果ガスなどのように時間をかけずに短期間で効果を現すそうです。よく、私たち素人は海水温度の上昇というと、即CO2の増大と結びつけてしまいがちですが、CO2で気温が上昇していたとしても、海水が外気温で温まるまではかなりの時間を要します。

考えてみればそうでしょう、普通お湯を沸かそうとすれば、鍋に水を張って下からコンロに火をかけます。外からドライヤーでブンブンやる人はまずいないでしょう。ドライヤーでお湯を沸かそうというのが、CO2による大気温度上昇による海水温上昇説です。ややムリを感じませんか。私にはこれは人為的な現象ではなく、大きな自然現象の移り変わり、変動によると考えた方がしっくりくるのです。CO2増大も関連しているのでしょうが、原因の一部のような気がします。まだ勉強の途中なので結論めいたことは言えませんが、それをCO2主犯とするには飛躍がある気がします。

なお、長くなるので簡単にふれるだけにしますが、北極中央部はかえって氷が厚くなっていることが観測されているそうです。原因は、北極の海淵が溶け出して、それが温められて水蒸気となり、雪となって中央部に降り、氷となったそうです。また北極と隣接するグリーンランドでは海氷の溶解はないそうです。

様々な原因が組み合さって自然界は出来ています。それをCO2増大⇒地球温暖化とだけ短絡させず、それもひとつの原因として押さえつつ、大きな地球環境を見る姿勢を養うべきではないでしょうか。少なくともプロパガンダのような誤情報で煽るような一部マスメディアの姿勢には疑問を感じます。このようなことをしていけば、この誤りが明らかになると、温暖化自体を疑い、ひいては低炭素社会の実現そのものを疑う人々が増えていくと思います。それは不幸なことではないでしょうか。

[本日のまとめその1] 北極海に崩落する有名な画像は、氷河末端が北極中央部の高地から海に押し出されてドパーンとなっている珍しくもない自然現象。CO2増大はおろか、地球温暖化とすら無関係。こんな映像をいまだ地球温暖化の証拠とする本や番組には眉にツバをつけよう。

[本日のまとめその2]  確かに北極海は溶け出している。それは北大西洋の暖かい海流の流入による。しかしそれは必ずしもCO2の温室効果と関連があるのかとなると諸説が存在する。赤祖父先生は北大西洋の準周期振動によると見ている。ただし、これには異論もあることを付け加えておきます。

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コメント

納得いく説明でした。
自然現象ですから、根拠が不十分になりやすいところ
凡人にもわかりやすくご説明いただくあたり、
恐れ入ります。
ホントはドウなの? ってことが
いままで、周囲に聞けずにいました。
アル・ゴアさんについても、以前コメントで書いたように、とって付けたような環境評価に、私も疑問を感じます。

パチパチパチ!!!!!
ブラボ~!ワンダフォ~!グレイト!
デリッシャ~ス!(?)
サンキュ~ソウマ~ッチ!

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