秘蔵写真を大公開!農場、ただ今建設中!その4 「家」のコペルニクス的展開
ニーニャ様から、あの家も手作りなのでしょうか?とのご質問をいただきました。
大体そうであります。大屋根をかけるあたりは技術的に難しいので友人の大工と一緒にやりました。それ以外はおおよそ私たち夫婦の手作りです。
いや、家なんて日曜大工が上手な人にはできません。日曜大工をやる人って一寸も狂わず、ピタっと本棚などを決めるじゃないですか。とてもとても私たちにはそんなマネできません。高校時代の友人には「お前のような不器用な奴がよーやったわい」と言われましたが、そう、不器用だからできたとも言えます。
性格的にダラシがないというか、結果オーライというか、壁に隙間があっても「いいじゃん、後から埋めれば」と思ってしまうタイプらしいのが、やっているうちに分かってきたのです。細かいことを気にしていたら家は建ちませぬ。
まずトリサマ亭という鳥小屋改造住宅から始まって、そこに足掛け3年間でしょう、そして次が倉庫(おとといの記事で、マダムヨーコが乗っかってブイブイ言わしていた建物です)の屋根裏の4畳半2間にまたなんと6年間も住みながら鳥小屋や母屋を作っていたために、完全にフツーの住居感覚がどこかに行ってしまったらしいのです。たくましいと言っていただければ嬉しいのですが、バカというか♪お気楽星からやって来た、といいますか、なんともかとも。
ある時、 家はシェルターなんだということが理解できた時から強かったですね。やはり初めは鳥小屋はともかく、母屋はどうしようかと悩んでいたのです。
その時にたまたま見つけたアメリカの若者たちの生活から作っていこうぜ、みたいな文化の冊子が手に入りました。和訳もされていたアリシア・ベイローレルの「地球の上にに生きる」などの本ですね。70年代のヒッピー文化の粋を集めたような本でした。
その本はThe shelter(ザ シェルター)というのですが、家に対しての私たちの見方を180度変えてしまいました。眼からウロコがコンタクトよろしくポロリと一枚落ちたかんじでしょうか。その本には、土を家の形に盛ってコンクリートをかけて固まったら、土を搔き出してハイ出来上がりなんて「家」(おいおい)や、大木にゴムをかませて(樹は傷つけてはいけない)屋根をかけた家、はたまた最近はメジャーになってしまいましたが、当時はご冗談でしょう扱いのツリーハウスなども紹介されていました。
家や土地をともすれば「財産」扱いしてしまうわが民族の特性から離れて、家なんかしょせん雨よけだぜ、しのげればいいじゃないか、という考え方は刺激的でした。当時の私たちの生活にピッタリだったのです。そう、「家」などしょせん雨露をしのぐ装置、そう考えると気が楽になりました。コペルニクス的展開というやつですな。
そしてその中にログハウスもあったわけです。今やログは日本では別荘族の見栄っぱり建築に成り下がっています。バカデカイ寸法のシベリア唐松なんぞを使いおって、暖炉前でブランデーですか。
プルプル(頭を振る音)ちゃうねん。あれは、技術がない開拓者が、雨よけ、風よけのために作った建物なんです。だからそこらへんの樹を切って、皮を剥いて乾燥させて、ただ組み上げていっただけの素人建築法です。屋根すらなくて防水シートで覆っただけというものも沢山あったそうです。
当然のこととして、壁に隙間がバカバカと開きますから、空気がピュピューと抜ける。雨どころか雪も降り込む。しかし、ドンマイ、ドンマイ気にせずに苔か、粘土で塞ぐんですね。おおらかというか、オキナワ風に言うとテーゲーなもんです。他人様の家だとまずいでしょうか、なにせ自分の住む家ですから、文句いわせない、これでい~よ、です。
ローラ・インガルスワイルダーの「大草原の小さな家」を読むと最初の家は、森の中で、屋根はシート張りだったって書いてあります。その名も「開拓者のログ」というやつです。まぁ、あれですね、私たちが当初目指したものは。
写真は上から、母屋の基礎ができたところ、次は基礎の型枠を作っているところです。
三枚目は鶏にうんしょとニンジンをやっているマダムヨーコ。
次は基礎の上に床板を支える根太を組んでいるところです。この根太組みは、さすがイイカゲンな私たちも、かなり神経を使う仕事でした。ピタッと水平が縦横に決まらないとダメです。
これが狂うと床に置いた鉛筆がコロコロ転がって、訪問者を楽しませてくれます。写真をみると、マダムヨーコがなんかハズしたみたいですね(笑)。こんな写真を出すなって後ろで怒っています。
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