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地球温暖化について考えてみよう 第7回 なぜ煽るかマスコミの謎

Photo 昨日の記事についてのゆっきんママさんの「どうしてマスコミはこんな事実をつたえないのでしょうか」という疑問は私もかねてから首をひねっていたことです。

そうなのです、ほとんど洪水のようにテレビ、ラジオ、新聞で毎日のように「CO2を削減しないと、地球温暖化による破滅がやって来る!」という情報が流れ込んできています。うちの小さな村役場にも柵にヒラヒラと「CO2を削減しましょう!-6%チーム」などと桃太郎旗が翻っています。

そのためか、誰もかれも、ネコもシャクシも家のお風呂が沸きすぎたといえば地球温暖化のためだと言い、家計がマッカカなのも地球温暖化のせい、亭主が遅く帰って、顔がマッカカなのももちろん地球温暖化のためです。ましてや台風が来ようものならもちろん地球温暖化です。逆に来ないなら来ないとなると、気象変動の前兆です。

面白いことにはこのことに関しては、右も左もなく産経から朝日、読売から毎日、フジからNHKまでベタ一色でぬりつぶされている感があります。まこと天下の奇観といえましょう。私は思春期からコッチ、こんなすべてのマスコミが歩調を揃えた光景は初めて見ましたよ。正直言ってやや気味が悪い。いや相当に気持が悪い。

ついでに言えば、電気事業連合会が原発や六ヶ所村再処理施設をクリーンエネルギーの最大の決め手と宣伝している声に、彼らと共に天を頂かざるはずのわがエコロジスト・有機農業陣営も一緒になって「地球温暖化阻止」を唱和している光景も相当に気持が悪い。

Jpg_edited それはさておき、こんなキテレツな呉越同舟の光景を作ったのがマスコミであるのは間違いがないことです。上の昨年に放映されたNHKスベシャルを単行本化したものをご覧くだされ。帯のトーンなど「もう手遅れなのか」ですよ。もう手遅れなら、そもそもこんな番組なんか作る必要もないだろうに。

公共放送が、こんなに古館さんよろしく大絶叫していいのでしょうか?地球温暖化CO2説はあくまで未だ科学的な定説のない「仮説」にすぎません。異論も多々存在します。

しかし、NHKは異説を一切ないもののように扱います。地球上の科学者が、皆声を揃えて同意見であるかのように編集しています。

しかも、視聴者にコンピュータ・シミュレーションでこれでもかというあざとい映像をお茶の間に見せていきます。大洪水、天変地異、飢餓、疫病・・・しかしこれはあくまで電脳上で「予測」された、しかも100年先の「最悪の予測」でしかないのです。*上のNHKのCGはNYにカテゴリー4のハリケーンが来たもの。

もちろんNHKは周到にナレーションでそのような説明はしているようです。しかし、現実に番組をリアルタイムで見ていた私に印象されたのは上のようなカタストロフ(破局)のシーンでした。たぶん皆さんも見ていたのなら、たぶん同じ感想をもたれたのではないでしょうか。

このようなやり方を、「印象操作」といいます。強烈な印象のシーンをぶつけて屈伏させ、見る人の意識を情報を流す側の思うがままの一定の方向に誘導する報道手法です。ある種の反則技で、古典的な方法ですが、それが故に効きます。

上のような映像が流れたとして、それを検証しようと思う視聴者が実際何%いるのでしょうか?たぶん番組を見たまま、その説明を忘れてショッキングな映像のみで地球温暖化問題を「理解」します。だいたいビデオにとって、繰り返し見るようなことをしない限りそれがあたりまえなのです。しかし、しっかりと番組の「地球温暖化は大破局を近い将来に招く」という制作意図は伝わったのです。

このようにして多くの明らかな誤りの情報がマスコミから流れていきました。経済学者の池田信夫氏は2つの例を紹介しています。TBSは100年後に6.4°の温度上昇があると、IPCCの1.8~°4°という予測より大幅に大きな数字を流しました。完全な誤報です。

また、読売新聞も100年先と注釈せずに、地球温暖化が進めば、「日本の9割の砂浜がなくなり、渡り鳥の干潟もなくなる。農漁業に大きな影響が出る」と報道しました。この1m海面上昇の根拠は、このシリーズをお読みになった方ならお分かりのように仮説の最大値58㎝に高潮時を足したというような数字なのです。しかもくどいでようですが、100年先の!第一、IPCCの予測値は平均38.5㎝なのです。

他にもこのシリーズで検証したツバルや北極の氷河崩落、ホッキョクグマ絶滅など、この地球温暖化問題はまさに誤報と過剰な破局を煽った報道の宝庫と言えます。

なぜマスコミは誤情報に振り回されるのでしょうか。いや、それどころか社会に混乱を与えかねない煽り的情報を流すのでしょうか?

この原因は簡単です。不勉強。そして付和雷同。長いものには巻かれろ。それに尽きます。うちの農場に来たマスコミの不勉強さを教えてあげたいくらいです。下勉強をして来た者などいません。もうインタビューを受けていてイヤになるくらいです。

次に、初めから「結論」らしきものをもってくるのです。うちの農場だったら、「都市から来て、生きもの好きな明るい家族」とか、まぁあるわけですね。その意図でシナリオを書いてきます。私が「町に戻りたいですねぇ。いやもう飽きました。どよ~ん」などと冗談でも言おうものならカットです。私如きでもそうですから、ましてや政府がらみの国際問題と化している地球温暖化問題など、異論はカット、カット!でしょうな。

最後にマスコミは「絵」がなければ生きられない人達なのです。ピッタリと自分の制作意図に会う「絵」。これもうちに来たTBSなど、私が延々と霞ヶ浦浄化のことを案内してもうわの空。関心は外来魚であるアメリカナマズの大きいやつの「絵」です。出来た番組も本来の趣旨である外来魚駆除による霞ヶ浦浄化がどこかにいき、なんとタイトルは「霞ヶ浦に巨大ナマズを求めて!」ですゾ。ブ、ハハ!ここまでくると、もう怒る気にもなりません。

このかんじで仮に記者がツバルに行ったとしても、現地の海面水位専門家から「いや、あれはツバルが沈んでいるんで、水面が上がったんじゃないんだよ。ほらこの資料を上げよう」などと言われても、おいそれと「ハイ、そうですか」と帰って来れないでしょう。デスクの怒った顔が目に浮かぶ。で、しかたがないので沈下した家屋の前に少年を写しこんで「環境難民の島」という記事にしてしまうわけです。哀しいマスコミ心理ですね。

あともう一点。これは後にお話しますが、6時だいのもっとも奥さんたちが見る時間帯のスポンサーが、電気事業連合会とか東京電力なのはなぜでしょう?ヒント。CO2削減の掛け声で、今後一番儲かっていけそうエネルギー産業はな~んだ?

なお、新聞-テレビ系列の外にある出版社-週刊誌系統のマスコミは比較的冷静であるようです。ばらつきはありますが。

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