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地球温暖化について考えてみよう 第6回 ツバルを地球温暖化のアイコンにしてはいけない・外国文献から見る

Tuvalu3_4 ひさしぶりで食品汚染問題に揺らぐわが列島を離れて太陽輝くミクロネシアに戻ってきました。

ツバルです。このシリーズ第2回でも取り上げました。追加の資料が出てきましたので続報いたします。Tuvaluを英文で検索するといくつかの英文の論文にヒットしました。その中でサリー・バリューナス博士の「ツバルは沈んでいるのか?」という論文をご紹介します。

この論文はふたつに分けられ、前半でツバルの海水面のデーターを見ています。そして後半はその原因を考えています。

博士は、ポセイドン観測衛星の記録から海水面は約10㎝落ちていると報告しています。また1978年以来の潮位記録から、1997年~98年のエルニーニョ(4年に一回発生します)には約30㎝も潮位が落ちているそうです。このようにエルニーニョは、太平洋を取りまく島々の海流や気圧に大きな影響を与えている最大のものです。

_edited_3 また博士は、オーストラリアの潮位観測の責任者であるウオルフガンシェーファーさんの意見も取り上げています。この中でシェファーさんは「海水面の上昇があるという観測データーはどこにもない」と断言しています。

これは私が調べた限りで複数のデーターが同じ指摘をしています。最大で57㎜(第2回の図参照)で、それ以外のハワイ大学の観測記録を(図2)に載せましたのでご覧下さい。どう考えても、どの方向から見ても、13年間で最大58㎜、最小で0.9㎜ていどの海面上昇で島の沈下が引き起こされると_edited_4 考えるほう無茶ではないでしょうか。

ツバルの浸食される美しい海岸線、そして左の写真(毎日新聞撮影)のように沈む家屋の前でもの悲しそうにしている島の少年の姿に心痛まぬ者はいないでしょう。

しかしそれを地球温暖化のアイコン(イコン・象徴)に仕立て上げることとはまったく別次元なことのはずです。そのことにより解決が遠のくような気がしてなりません。一部の環境活動家は、これが「CO2増大による地球温暖化の悲劇の最初の例」だと叫びました。多くのマスコミはそれに追随していました。

結果どうなったのでしょうか?ツバルの島民1千人をオーストラリアに移住させるような案さえ持ち出されています。オーストラリアは近隣であり、しかも先進国としての道義的な責任があるという論法です。しかしこれがツバルの島民をオキナワ的表現でいえば「ウマリシマ」(生まれ島)から引き剥がしてなんのツテもない大陸に移住することが果たして幸福なのでしょうか。

私はそう思いません。言語や文化的な差から地域になかなか溶け込めません。たぶん島民は一か所に住み「ツバルコロニー」を作ってしまうでしょう。その土地もオーストラリア政府が政府の土地に作るリザベーション(居留地)のようになるでしょうから、職を探すのも簡単ではなく、多くの元島民は北米の先住民やアボリジニの辿ったような道を歩むような気がしてなりません。

島民は世界の人々とつながりながら、島の自立した道を堅守すべきです。難民になってはいけません。私たちは彼らツバル島民を悲劇のアイコンに祭り上げるのではなく、島民の島を守る日常的な自立への動きこそ支援すべきなのです。上の写真の子らが大人になる時に、自信をもって自分たちの島は俺たちが守ったと言えるような!すがるのではなく、誇りをもって立ち上がり、己が島を守る彼らと繋がっていきたいと思います。

さて、博士は沈下の原因を以下のようにまとめています。①海岸線の砂を建築資材として採掘してしまい、海岸線の浸食を早めた。②この海岸線の砂の浸食(最上段の写真参照)により、内陸部に浸食による水路が沢山作られていっそう浸食を早めていった。③これが人工的構造物であるビルなどの重量で、多孔質の隆起珊瑚礁の地盤の脆さにより海水の汲み上げ現象による沈下を進めた。④エルニーニョなどの短期的な(4年に1回といわれる)自然現象により、沿岸海流の流れや温度の変化が影響。⑤人口増加に伴う地下水の大量汲み上げによる沈下と、海水が飲み水に混ざることにより生活ができなくなって内陸部に移住が進む。そして居住面積が圧縮されたためにいっそう人工が過密になるという悪循環が生まれた。*以上の所見には、博士の説を中心として他の研究者の説も交えてありますことをお断りします。

_edited_5 ところで左の図(図3)は、大阪のこの百年の地盤の沈下の気象庁によるデーターです。横軸の1900年から2008年までになんと縦軸で3.8mも沈下を起こしているのが分かります!ドヒャー!よく大阪市民は溺れ死ななかったものですなぁ。

このデーターを見つけた時に、私はシリーズ第2回で58㎝の海面上昇なんかなっちゃことないと思いました。なんせ3.8mですぜ(o^-^o)

カミさんは東京ゼロメートル地帯の生まれですから、58㎝なんか満潮の時の増水分ていどじゃん、などとホントかウソか言っております。カミさんに言わせれば、海岸ぷちや江戸川などの大きな河の淵には高い堤防があって、台風なんかでも決壊したことはないそうな。決壊するのは神田川なんかの内陸だよ、とのことでした。

大阪で起きたような人口増加、地下水の汲み上げ、そしてツバル特有の隆起珊瑚礁という多孔質地盤、エルニーニョ現象の影響などが複雑に絡まってツバルの沈下をもたらしたようです。がんばれ、ツバル!

Is Tuvalu Really Sinking?: Man-Made Problems, Sallie Baliunas and Willie Soon, Pacific Magazine, February, 2002

http://www.tuvaluislands.com/news/archived/2002/2002-02-01.htm

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コメント

こんにちは♪
ありがとうございます。
それにしても、なぜ、サリー博士やシェファーさんの意見がメジャーにならないんでしょうか?
不思議でなりません。

投稿: ゆっきんママ | 2008年9月22日 (月) 14時27分

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