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2008年10月13日 (月)

富山和子「川は生きている」を読む 第4回 これは川ではない、滝だ

富山さんはこの本を次のように語り始めました。 [引用開始]

むかし、ある外国人は日本の川を見て、驚いて言いました。

「これは川ではない、滝だ」と。Img_0022_edited_edited_edited_2

それほど日本は山が険しく、川は短くて急なのです。雨が降っても、水は洪水となって一気に海へ突っ走り、後はたちまち乾いてしまう暴れ川です。ヨーロッパのライン川やアフリカのナイル川のように、国から国へと悠々と流れていく外国の大河とはまるで性質が違うのです。[引用終了・平仮名を漢字にしてあります]

下のグラフをご覧下さい。各国の主要な河川の勾配が示されています。日本の安倍川は標高800mからわずか10㌔足らずで海に流れ込むのがわかります。たしかにこりゃ「滝」でありますな。

うちのカミさんがコスタリカくんだりまでラフティング(ゴムボートでの河下り)に行ってきましたが、帰国してテレビで日本の河下りを見ていて、「わざわざ、地球の裏側まで行くこたぁなかった」とぼやいていました。

カミさんの愚痴はともかく、日本の典型的な大河である信濃川をみてみましょうか。これも標高800m強から流れだし、約300㌔でストンと海にゴールです。欧州のロアール川は確かに標高はアルプスですから1200mと高いのですが、ゆるやかに落ちて河口まで1000㌔弱かけて下っていきます。東南アジアの最大の河川であるメコン川は、標高わずか100mから流れだし、実にえんえんと1000㌔有余をかけて河口に達しています。いかがでしょうか、日本の川が世界でもいかに特異な存在であることがおわかりいただけましたでしょうか。ま、言ってみれば急峻な山岳にへばりついていて、川が滝のように河口に流れ込むような国なのです、わが国は。

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富山さんは著書「水と緑の国、日本」という著書の冒頭に、これを凝縮してこう書いています。 [引用開始]

およそ日本文化を理解するにあたって、予め知っておきたいことがある。

日本は地形急峻、川が短く、雨は梅雨と秋の台風時にまとまって降ること。[引用終了]

このような大量に降り注ぐ雨水はどのようになるのでしょうか?たぶんほおっておけば、急峻な山岳を鉄砲水のようにして下り、川の周りに水と土砂をバラまいて、数時間後にには河口に達してしまいます。まこと、ジェットコースターのような河なのです。

富山さんは、このそのままにしておけば暴れ馬のようなわが国の河川をどのようにして日本人が手なずけてきたかを語ります。それもハンパな手なずけ方ではなく、暴れている河を手なずけ、そして「味方」にしてしまったのです。

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