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2008年10月 1日 (水)

田んぼの旅 第5回 なぜ赤とんぼはいなくなった?

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なぜ、アキアカネはいなくなったのだろう?

今は村内でもこのお百姓の田んぼと数カ所にしかアキアカネ(赤とんぼ)は出てきません。きっとコンバインのせいかもしれないとお百姓は思いました。

この10年ほど、村ではコンバインでの収穫があたりまえになりました。コンバインがバリカンで刈るように稲穂の波を押し倒し、食い取り、あっという間に稲の茎をバラバラに切り刻んでいきます。それまでバインダー(*結束機)で稲束にしていたのですが、コンバインを使うと稲刈りがほんのわずかの手間で終了してしまうのが魅力です。

 藁の神秘

バラバラにされてしまった稲藁は、昔のように藁細工を作ることもできません。そういえば、ジッチャンはオレが子供の頃には藁で正月の飾りを作っていたよな、とお百姓は古い記憶を引っ張り出しました。お百姓が大きくなった時には完全に消えていましたが、野菜の株間にはこの藁をたんねんに敷いていったものです。

それでも、自家用の畑はジッチャンが作っていたので、敷き藁を使っていました。ある時、その敷き藁をはがすと、藁に無数の白いニョロニョロした糸がたくさん着いてきました。気持ちわりぃと当時子供のお百姓は、エンガチョとばかりに敷藁をふんづけたのですが、考えてみればあれは畑を豊かにしてくれる枯草菌(納豆菌の一種)だったのです。

 労働力の軽減を得て、そして失ったもの

コンバインで収穫するようになって、お百姓は腰が折曲がるような稲刈りの重労働から解放されました。それはいいことです。今でも、沖縄の村では稲刈りで曲がってしまった腰を伸ばすために、稲刈り後の休みを皆でとることを「コシユックイ」(腰ゆっくり)と言うほどです。だからコンバイン自体が悪いわけではないのです。第一、コンバインまで否定してしまっては農業は成り立ちませんもの。

しかし、稲藁を使ってたい肥を作ったり、納豆菌の出る敷藁(しきわら・株間に敷く被覆用の藁のこと)にしたり、藁細工を作ったりもできなくなりました。日本の農民文化がひとつ消えました。この田んぼに捨てられた藁は、春先には雑草(昭和天皇がおっしゃるとおり「雑草」という名前の野草はありませんが)の種を燃やすということで、火が着けられます。

 さっき言ったように、アキアカネは稲刈り後の田んぼに卵を産みつけます。これは田んぼを中心に生きているほかの生き物も同様です。ところが、この野焼きならぬ田焼きで産みつけられた卵は大部分燃えて死んでしまうわけです。

お百姓はコンバインは使いますが、稲刈りが終わった冬になると田んぼに水を張って田んぼ全体を一回発酵させるようにしています。そうすると、サヤミドロのような藻類がまず生まれ、ついでプランクトンが発生し、それがヤゴやちいさな魚の餌になることがわかってきました。

まるで曼陀羅絵だなと、お百姓は思いました。

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コメント

私達の世代が、まるで赤とんぼの翅をむしったようだわ。今から、できる事はじめないと。

こんばんは♪
我が家のは買ってきた敷きわらですが、それをどかすと白い幼虫なんかが出てきます。
ミミズや蛙・・・トンボや蝶々・・・青虫などなど・・・
ブナガヤさまの田畑に比べたら、曼荼羅とは言えませんが、ちっちゃな生き物たちの楽園と化しています。
なので、人間の取り分が少なくなってはいますが・・・

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