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2008年10月19日 (日)

農業を、自分の国の「言の葉」で語ろう

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私は、横文字が嫌いです。な~んて言って実はよく利用しています。でもやはり、できるだけ使いたくありません。だってスカシているんですもん。なんか、カッコよく言いたい、これが外国が評価している概念だみたいな腰の軽さがミエミエです。

ところが、わが陣営といいますかエコロジー、オーガニック(ほら横文字だ)はその花盛りです(ため息)。いわく、フードマイレージ、CO2削減、低炭素社会、持続可能性、アニルマルウエルフェア、ライブストック、循環システム、パーマカルチャー・・・。

まぁ理念としてはそのとおりなのですが、もともとこんな概念は日本の農業の中にあたりまえにあったのですよ。それをCO2から説き起こして、フードマイレージという定規を使って断罪し、畜産にはアニマルなんとかや、ライブストック、「持続可能性」などという生硬な訳語にしてしまう。

これでは外来の思想や言葉の輸入をもって知識人足り得た明治開化、ザンギリ頭の時代への逆戻りです。それらはもともと日本にあったオリジナルな農のあり方を西欧人が吸収して、横文字化した後に、おもむろに海の向こうから日本の知識人が逆輸入したわけです。 

さて、ある農水官僚出身の国会議員と話をした時に、彼が実にエラソーに言っている言葉が、元来日本であたりまえにしてあった言葉だと気がつきました。

彼は自分が発案したというフードマイレージから説き起こし、今ある欧米のローカル・ファーミング・サポートという運動は、自分が外国に紹介したものだと妙に胸を張りました。彼のように頭がよろしくない私は、フードマイレージをミニマムにするてっことは、自分の地域の中での生産-消費-廃棄-再歳循環のことでしょう。よくいう地産地消とどう違うのと思いました。

あるいは「提携」という生-消の連携も、もともと日本の、特に少数の消費者を対象に出来なかった時期の有機農業運動が作り出した言葉です。それを彼は横文字に訳したに過ぎない。

ハッキリ言って、アッチがコッチをパクったんです。その国会議員は単なる「翻訳者」にすぎないのではない。本来教えたのは日本農業。欧米的な大規模収奪型農業に行き詰まって、コッチに助けてもらったのは欧米なんです。

それをまたなんで、外来語、横文字で逆輸入するのか。まことに卑屈な!欧米に認知されて初めて日本人が何者であり、なにをなし遂げてきたのかが分かるというのでしょうか。倒錯していませんか?

このような「訳語構造」を変えていかないと、知識人のフィルターを通したことが時代を先導するようになります。かつて日本のマルクス主義はそのような知識人偏重型シフトによって自滅しました。知識人のみがその理念の語り部となってしまったからです。

自分たちの「農」の中の生々しい言葉を作っていきたいですね。それは迂遠な途ですが。フードマイレージ、ライブストックなどということの意味を、練れた自国語、つまりはわが国の言の葉に変えて溜めていきませんか。それだけで豊かになれるような気がします。

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