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2008年10月10日 (金)

富山和子「川は生きている」を読む 第2回 水と森林の国、それは稲の国

01jpg_edited 外国から帰ってきて、真っ先に飛行機から見えるのが青々とした山々、そして急峻な山ふところにまで伸びている水田です。この圧倒的な緑の風景こそがわが日本です。

たとえばそうですね、バングラデシュの上空を通過したことがあります。緑は見えません。見えるのは大蛇のような褐色の大河が、ほんとうに蛇のように絡まりあい、合流し、また離れていく風景です。その周辺にはわずかに田んぼが見えますが、日本のようにどこまでも続く水田とは趣を異にしています。

タイ北部はどこまでも続く褐色の荒廃した土地。ロシアのアジア部では行けども行けどもツンドラと針葉樹。人の気配さえ見えません。アメリカのヒューストンから出れば、たちどころに砂漠です。所々に丸く灌漑された農場が点々とばらまかれています。

有機農業立国といわれるキューバにも使われていない土地が目立ちました。山ははげ山が目立ち、その懐はただの野原にすぎません。私たち日本人は、どうしてあの山に植林をしないのか分かりません。樹が育てば、土壌が出来、土壌が出来ればいい水が湧いてきます。いい水があれば米がとれるのです。キューバが米をベトナムから輸入する必要がなくなります。キューバの大変なところは、大規模国営プランテーションでオレンジやグレープフルーツ、砂糖を輸出して外貨を稼ぎながら、その反面、米が自給できていないことです。

キューバの有機農業政策は憲法にも謳われているほど徹底していて尊敬あたわざる所ですが、肝心な自然と農業とのつながりという核心部分が理解されていない気がしました。キューバを無条件で持ち上げる人は日本でも多いのですが、キューバに教えることも日本はやまほどあります。

それはさておき、山があって、森林があり、そしていい水が湧いて、米ができる。こんな私たち日本人には自明なことが、世界の多くの人にはまだ理解できていないようです。いいかえれば、これが日本人が世界に誇るべき独特の自然生態系モデルなのです。最近流行りの言い方で言えば日本型エコシステムです。

このように言うと、えっ、思われる方も多いと思います。森なんかそりゃあ杉なんて植えていても、前からあったもんでしょう?水や米なんか珍しくもないし・・・。さてそうでしょうか。ほんとうに手つかずの自然のままが日本の「自然」だったのでしょうか?そこから考えていきませんか。

では、次回は日本の国土と川がどんなに世界のフツーと異なっているのかを見ていきましょう。

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