本年中ほんとうにありがとうございました
この拙いブログをご覧になっていただきました皆様、そして温かい励ましを頂戴いたしました皆様に心からの御礼を申し上げます。
去年から今年にかけて私は激変の時期にあたっていました。昨年夏から、茨城県の有機農業を更に発展させる運動の発起人と責任者をしておりました。しかし、残念ながら極度のストレスによりある病気が発症し、あえなくこの秋に入院という面目ない有様となってしまいました。倒れた段階で、代表を仕事なかばで降りざるを得ませんでした。心身ともに満身創痍といった状況でした。
私自身、今までの農業生活25年の集大成と、この農の世界に生きられた恩返しといった気持で関わっただけにこの衝撃は大きく、しばらくは一切の外部世界から自らを遮断して、自分だけの世界に自閉してしまいたいという誘惑に常にかられていました。
この前後の時期にブログを立ち上げることができたのは幸運でした。ブログを書くことで、私はかろうじて外の世界と折り合いをつけ、自分の中でともすればムクムクと黒雲のように頭をもたげようとする絶望感への何よりもの処方箋となってくれました。
ブログを書くという作業を通じて、私は今まで生きてきた農業の世界を思い出し、再び手の内に取り戻せそうな気がしたのです。
また、今まで忙しさにかまけてまっ正面から挑んで来なかった現代日本の農業問題や、日本の素晴らしい農と自然の有り様にも改めて気がつくようになってきました。
そしてなにより、このブログを書くことで温かい気持の交流を得ることができたことです。ゆっきんママ様、余情半様、野生のトキ様、ぶんぶんこ様、ブリンカ様、たクこ様、そしてここに名を挙げられませんでしたが、未だお顔も知らない多くの皆様、ほんとうにありがとうございました。ことに入退院時にいただいた数々のご声援には涙が出ました。「黄色のハンカチを振っています」との言葉に、50の半ばで子供のように泣いている自分を発見しました。
もし皆様のご声援がなけれは、このブログは、いやこの私は、袋小路の中で未だに迷い続けていたことでしょう。
さて、来年、さまざまなことがこの日本と農業に襲いかかることでしょう。それは何十年に一回という大津波かもしれません。そのまま日本の農と食は暗夜に沈んでいくのか、それとも再生のきっかけを摑むことが出来るのかだれにも答えは出せないでいます。
ただひとつ言えることは、農業というものは元来、その地場の農業や人々に根ざしていて初めて価値を持つこと、地場の自然と共存し、その一部であることで輝くものであることです。そのためには大都市のみに生産物を送ることでよしとする現在の農業のあり方から、この地域の中で農産物を循環させ、更には様々な人々に来てもらうような「農の幸福」を分かち合える機会と場を絶えず作っていくことです。
農は常に開かれており、農こそ人を絶望から救う最後の希望の依代であることを信じて来年も生きていきたいと思っております。
末筆ながら皆様のご多幸を心からお祈りし、本年の筆を置くことにいたします。
皆様と出会えた喜びと感謝を込めて
2008年12月30日
濱田拝
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