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直販所が日本農業を変える!

_edited まぁ自分で言うのもナンですが直売所自体はことさら新しいもんじゃありません。「道の駅」という素晴らしいネーミングで今や津々浦々に増殖し続けている、大ヒット商品です。これが今、日本の農業の形を根っこから大きく変えていっています。今日は、もう少しそのあたりを説明しましょう。

この「道の駅」という名がよかったですね。ロマンがある。テクテクと街道を旅人が、旅埃を払い、足のまめなどに絆創膏などを張って、おもむろに眼をやればその土地の風景や物産がある。そして土地の人情に浸れるという趣がある言葉です。ただし、このネーミングは勝手に使用できないようですが。

道の駅は静かな農業の流通革命でした。前回もお話しましたが、今まで完全に市場と量販に牛耳られていた農産物の動きが、地場の中で回り出したのです。

ところで、わが同業者の農家はどのように朝刊を読むのかご存じでしょうか?全国紙はあまり読まないですね。だって農産物の市況が載ってないですからね。で、朝一仕事終えて、飯を食った後に梅干しが入った渋茶など飲みながら、シーハーと楊枝でせせり(←ジィ様、茶で入れ歯を洗うなよな)、老眼鏡をかけて日本農業新聞の中ほど4面あたりにある市況欄を見るわけですな。

ふむ、ありゃ小松菜また下がったかぁ、次回は別な奴にするきゃなかっぺな、村が勧めているわさび菜でもちょこっとやっぺか、それにしてもリンゴの値はひどいな、青森のテイは死ぬ思いだんべなぁ・・・。それから葬祭欄を見て、マンガとテレビ欄をチェックして、1面をざっと見ておしまい。

こんな風に市況と農家は切っても切れません。大規模になればなるほどそうです。兼業は、本籍農業、現住所は町の勤め人ですから一年に一回米の相場で青くなったり、赤くなったりと変色するていどで済みますが、本業は真面目な人ほど大都市の市場相場に縛られていたわけです。

_edited_2 都市の相場や市場動向に拘束されるかぎり、都市への農産物流通を一手に握るJAや市場、量販店の元にガッチリと抱え込まれて身動きができなかったわけです。

ここが大きく変化をし始めました。村に直販所が出来ることで、自分で農産物を持ち込んで、自分で値を決め、売れたらその分だけ代金を受け取り、売れなければ持って帰るという農産物の地場流通が生れ始めたのです。

これは画期的なことでした。こう言っちゃ悪いですが、道の駅の主導者でもあったJAにとっては痛し痒しだったのではないのでしょうか。この新たな直販場ルートでは、従来のJAの圧倒的な農産物の大量集荷-大量流通-大量販売能力は必要がなくなり、ただの場所貸しとなってしまいますもんね。

直販所が各地に出来るにしたがって、農家は各々のルートで農産物を持ち込み始めました。もう市況を気にかける必要はありません。ハンパな量でも、規格外でも原則としてはいいのですから、農家にとっては福音でした。おまけに、バァ様の漬けた漬け物や若いママが作ったパイ、婦人部で仕込んだ味噌などの農山加工品も置けるのですから面白くてたまりません。一時は滅びかけた農家における農産物の加工が甦り始めました。

今や、直販所が盛んな地域では、農家出荷の3分の1、時には半分も直販所で売る人もでてきました。こうなるともはや立派な農産物のもうひとつの販売ルートの誕生です。

Img_0037_edited そして面白い現象もでてきます。出荷をかねて出掛けた直販所で他の生産者の野菜や卵を買っていく光景が珍しくなくなってきたのです。お、これはうちでは作ってなかっぺな、買っていくかってなもんです。100円で売るホウレンソウを入れに来た農家が、帰りに100円で卵を買っていくわけです。一種のブツブツ交換です。もう少し発展すれば、農家に限り、ホウレンソウ2把とたまご6個などというレートが誕生して、一種の地域貨幣もどきになるかもしれません。

私は炭酸ガスを吐きながら大都市に出荷するだけが能ではない時代が既に来ていると思っています。地域の中で自分で値を決め、規格を考え、自分で売る時代の到来です。今まで地域で作り、地域で消費する、いわゆる地産地消運動がともすれば意識の高い生産者と消費者の個人産直の域を抜けなかったことから、ごくあたりまえに農家の中に浸透していく、そんな時代が始まったのです。

■消防団の建物が左前に傾いておりますが、これは消防団が傾いているのではなくて、私のカメラが傾いているのです。すいません、消防団のテイらよ、悪く思うな。しかしなかなかカッコいい建物でしょう。

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コメント

自分が手塩にかけてつくったものを自分で値が付けられない。魚もそうでしたが、不合理です。「規格」ですらも誰かがどこかでいつのまにかつくったものです。型にはめて、それ以外は排除してきました。しかも「規格」が一人歩きしてきました(実はこれが人間界にも蔓延していて、とりわけ教育はひどいものがあります)。

敷居が低く、鮮度がよくて、規格もほぼ“ありのまま”、いろいろなものがあって掘り出し物がある。農産物直売所は元気がでるはずです。痛快ですね。

投稿: 余情 半 | 2009年1月12日 (月) 23時40分

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