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2009年2月 7日 (土)

必要とされる有機農業・伸びない有機農業 その7 官僚統制の強化としてのJAS有機認証

_edited こちらの地方でも梅が寒風の中で揺れています。まだ満開というにはいささか早く、蕾あり七分先ありとてんでの季節です。

梅はいわばわが県の県の県花。桜より愛されているような気がします。水戸の偕楽園など色とりどりの梅、また梅。

農家でも何本かの梅を植えている農家があたりまえです。私の農場にも3本ほどあります。美しく実は利用価値が高いという可愛い樹ですね。

梅干しは毎年漬けているのですが、どうにもハードボイルドに辛い。涙が出るほどに辛いのでどなんしようと思っていたら、友人の農家に聞くとなんのことはない、塩出しをするとそれだけでも食べやすくなります。潰して甘味を足し、味醂と酒、好みで鰹節を加えて仕上げます。味噌バージョンも美味しい。桃屋の「梅好み」のようなものになります。

Img_0002 これを熱々のご飯にかけたり、お蕎麦に乗せたり、クレープに巻いたりと楽しめます。ただし、いったん塩出しをすると保存性が悪くなりますので、お早めにお食べください。

さて、JAS有機認証はなにがいけなかったのだろうと考えると、各論では限りがありません。資材という項目を立てただけで、かなりの問題が摘出できることでしょう。それはそれで、農家が現実にぶちあたる障害ですが、今日はもう少し離れた位置から見てみることにします。

私は今や、2001年4月に本格施行となったJAS有機認証とは有機農業に対する官僚の権限の強化の道だったと考えています。官僚の本能的な性向として、自らの権限の拡大を限りなく求めていくというものがあるらしいのがこの一件を通じて分かってきました。

官僚は、自らの政策の思惑に当てはめて、対象に対して飴と鞭を繰り出します。飴とは助成金であり、鞭とは規制と罰則です。JAS有機認証に関しては、飴はなし、ただひたすらあるのは鞭!飴にあたる支援は、JAS有機認証成立のはるか後の2006年12月に制定された内実のあいまいな有機農業推進法まで待たねばなりませんでした。しかしその時まで、JAS有機認証によって有機農業界は疲弊しきっていたのですが。

_edited_2 このJAS有機認証は、官僚の思考方法をよく物語っています。まず規制があります。重箱の隅をつつき回すが如き基準-規則を作り上げます。

そしてより重要なことは、基準-規則と一対になった法解釈権限にあります。官僚はこの法解釈の権限を一手にわがものとすることで、その対象業界を絶対的な管理下に置くことができるわけです。

土に触れたこともない霞が関の官僚が、農民に対して使えるJAS有機認証許容の有機資材はナニ、やっていい技術はコレと、指導という名の教えを垂れるのですから笑止ではありませんか。

つまり、本来有機農業を育てていかねばならないはずの農水省の立場を忘れさ去り、生きている農業を基準-規則-罰則で縛り上げ、その解釈権限を我が物とすることで支配下に置こうとしたのが、JAS有機認証の本質なのでした。

かくして、今まで多くの在野の有機農業者によって作られてきた小さいながらも自由であった有機農業の世界は、一夜にして官僚が隅々まで監査し、パトロールをする世界に変わり果てたのでした。

■本記事は私の所属する団体の公式見解とは異なりますことを言い添えます。本記事は私の責任において、私の主宰するブログに掲載したものです。

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