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野菜は甘くて、柔らかくて、白ければいいのでしょうか?

_edited 冬の露地野菜ほど美味しいものはありません。葉は光合成をしっかりとしていますから、美味しいデンプンをしっかりと蓄え込んでいます。

野菜の美味しさとは、よく誤解されるように品種でもなはないのです。

バカなテレビのレポーターは、「美味しい、甘~い!」などと日々絶叫していますが、まぁそう言っとけばどうにでもなるやね。だいたいテレビに出てくると農家はまず品種を言うようです。だって、私のテレビ取材の経験でも、アッチはそれしか聞いてこないから。いくら育てかたや、ここの風土と季節を詳しく言ってもなかなか短い時間ではわかってもらえないからでしょうね。

ですから、テレビの「ブランド野菜、ここにもこんなスゴイ野菜がぁ!」みたいな番組ですと、まず伊勢丹あたりの青果売り場の担当者が、「え~これは長野の糖度15以上のホワイトなんじゃらという特別なトウモロコシで、一日わずかしか入荷できません」とか、「四国どこじゃらの糖度14のトマトです。まるで果物のようです。売れに売れています」みたいなことを聞いて、現地に行くと大体が農家の「マル秘スペシャル品種」の自慢が大部分。

_edited_2 誤解のないように言っておけば、私は野菜のブランド化というのはいいことだと思っています。今までのようなナショナル・ブランドをどこでも作っているより、地元の風土に適した、特長のある品種を作ることは農業の生き残りをかけた大切なことです。

しかし、その呼び文句が皆んな「甘い」はいかがなもんか。能がないじゃないかというのが私の不満なんです。たまには「どうだこのトマト酸っぱいだろう。どうだ、この大根甘くなくて、堅いだろう」という自慢が出てもいいと思いませんか。

実際、私たちのグループはやりました。樹熟麗玉(きじゅくれいぎょく)という品種で、糖度と酸味の比率である糖酸比率が理想的なのです。ですから今のようなひたすら「果実のように甘い」を追求する品種の真逆なわけです。どう言うことかっていいますとね、トマトは元来そんなに甘いもんじゃないのです。なんせ原種はアンデスの瘦せた土地にしがみついていたような健気なミニトマトですからね。

_edited_3 私ぐらいの世代なら知っていますが、昔は子供がトマトを酸っぱくて食べられなかったもんなのです。そこで母親はお砂糖をすこしかけてダマくらかして食べさせたものです。トマトの美味しさとは思うに、適度なさわやかな酸っぱさと、ほのかな甘味が持ち味であって、甘ければいいというものではないと思うのです。大切なことは、そのバランス、ハーモニーなのです。

トウモロコシもひたすらハードボイルド。堅くて、甘くないので、お醬油をつけ焼した焼トウモロコシが美味しいんです。今のトウモロコシの品種は惰弱に柔らかくて甘いので、焼トウモロコシには向かないのです。

明日は本来の野菜のもっていた味と、今の野菜がどれだけ変わっていったかを考えてみます。

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コメント

おはようございます♪
私も「甘い!美味しい!」を連呼している1人です。ボキャブラリーが少ないものでcoldsweats01
でも、確かに最近の行き過ぎた甘さ追求にはちょっと疑問を持っていました。ほんと!
日本だけらしいですね!こんなに甘さにこだわるのは。
明日のブログも楽しみにしています。

投稿: ゆっきんママ | 2009年2月 9日 (月) 09時08分

私も甘い、甘い ジャガイモを持っています。
9月に収穫した時はそうでもないのですが、寒い、寒い北海道で寝かせていると、2~3月には澱粉が糖に変ってびっくりするぐらい甘くなるんです。
でも、甘いだけが追及される野菜って疑問ですよね

投稿: スニフ | 2009年2月 9日 (月) 19時42分

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