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共生関係・この世の中はとてもよく出来ています

Img_0001 写真は、昨年秋に咲いたヨメナという名の野菊です。白い花が可憐でしょう。

彼女は近くの野道からこちらに転居をお願いしました。野道を行く時は、小さなレジ袋とミニミコップ(定植ゴテ)を用意して下さい。

そしてできるだけ根の周りから土ごと袋に入れて、水をたっぷりとやった穴にお移り願うわけです。ぜったいに根を裸にしてはいけません。根の周りには、多数の土中共生微生物がたくさんついているからです。たとえば、いちばんのリトル・フレンドはVA菌根菌といって土中の栄養分、特にリン酸の吸収を助けることで知られています。ええっと、キンコンキンなどと言うと、また私がヨタを言っているようですが、ホントの名称なのよ、信じて。

リン酸は分子構造の結合がしっかりとしているために、なかなか土中で分解してくれんのですよ。これをキンコンキン(笑)は見事に分解して、植物の根に吸収させてくれます。

その代わり、植物の根はチビッとばかり光合成で生れた美味い蜜であるデンプンなどを出してキンコンキンにお礼をします。するとキンコンキンはいっそう励むという、まぁよくできた関係ですね。

_edited そうそう、私が今やった移植ということですが、これも実は単なるカッパライのように見えて立派な共生関係なんですぞ。

植物は当然と言えば当然ですが、動けません。動いたら東映映画の怪獣マタンゴです(←ふ、古い!昭和30年代育ちだけが知ってる植物怪獣)。ですから植物は種子を分散させるためにあの手この手を考えました。もうそりゃいじましいくらい。

その植物の手練手管を知る前に、なぜ種子を分散させるのでしょうか?これは案外難しい問いなんですぜ。種の拡大をしたいからぁ。まぁそりゃ確かだけど、なぜにかは応えていませんね。

親株にとってジャマなんですよ。親株は自分の自然界での競合者が仮に子孫であってもツライ場合があるのです。植物もそうですが、自然界の動物はもっとシビアです。うちのストーブの煙突で育ったムクドリ様のご一家は、子供の飛行訓練終了と共に、ガキ共は皆、きれいさっぱりと追ん出されて散っていきました。それはまた見事なほど。自然界にはニートなんか金輪際いませんから。

このご一家で一羽ドジな奴がいましてね。そいつはいつまでも飛べないんです。うちの電線に乗ってひねもすブラブラと揺れていました。母鳥が横に来てせっつく。飛んで見せたり、このデキンボウの頭の上を旋回すらしてみせるんです。そして兄姉はとうに飛んで言ってしまったある日、このデキンボウ、何を決心したのか東の空向けて飛び去って行きました。

と、まぁこのように種子は分散していきます。これを媒介するのが鳥や野生動物です。そしてついでに私たちニンゲン族。種子分散型共生というカッタルイ言い方をするそうです。果実が美味しいのは、鳥や野生動物に食べてもらうため。キレイな色は受けがいいように目立つ色をしているわけです。地味なドングリですら、リスや野ネズミなどの野生動物が食べ残したりすれば、ラッキーにそこで育っていきます。

たまに思うのですが、Img_0007 この世界はとてもよく出来ています。神がつくり賜もうたように精緻で、荒々しく、自らの種、あるいは個体が自らの生存を賭けて闘っています。時に依存し、利用し、利用され、必死に生きています。それは涙ぐましいほどです。

さて、あのデキンボウのムクドリがその後どんな生きかたをしていくのか、知りたくはありませんか。私の家の煙突から育った彼の子孫は今どこにいるのか、会ってみたい気もします。

そしてできたら孫鳥にこう伝えてあげたい。おい、あんたのジィ様は、そりゃデキンボウだったぞ。兄姉は優秀だったからな。さっさと巣を出て行った。あんたのジィ様はなかなか飛べなかったので、母鳥にせっつかれた。彼女は頭の上を旋回してせっついた。きっと母鳥はこう言ったんだろう。

「さぁ、飛べ、飛ばないならあたしは知らないからね。ここでくたばりな!もう親でもなければ子でもない」そして君らのジイ様はある朝、飛び立った。まっすぐに朝日の方角に向けてな。その飛び立った後ろ姿を今でも俺は忘れてないぞ、と。

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