飼料輸入制限したらというコメントにお答えして
先日の記事、「「合鴨ばんざい」という刺激的な本を読み始めました」にコメントを頂きました。ありがとうございました。
ここのことろ論争的なコメントを頂かないので、寂しい思いをしていたところです。
以下引用
一度飼料穀物の輸入を禁止(大幅に制限)してみるのもいい手かもしれませんね。
で、肉類の輸入は完全自由化すると‥
「国産」畜産品の正体がよく分るでしょう。
引用終了
さて、おっしゃるような「飼料の輸入制限」政策がなされたと仮定してみましょう。たしかにすごい衝撃が走るでしょうね。これは間違いがない。「国産畜産品の正体」もあぶりだされることでしょう。これも間違いがない。教育的効果はメガトン級でしょう。
どうなるのか考えてみましょう。飼料は4半期ごとに価格を決めて、あらかじめシカゴ穀物市場に先物取引の形でリスクヘッジという危険分散をしています。今、おっしゃるような政策を日本政府がとったとした場合、次期の4半期分のシカゴ穀物市場価格は激動することでしょう。なんせ世界に冠たる日本の穀物輸入が消滅するというのですからその影響はハンパではない。
どうなるんでしょうね。正直、私もわからない。いったんは次期4半期の国際穀物相場はリスクヘッジをした先物取引であるとはいえ、暴落は免れないでしょうね。当然巨額の違約金を請求されるでしょう。そして大きくあいた日本への輸出穀物市場の穴を、穀物メジャーは埋めようと必死になることだけは確かです。たぶん中国にダンピングしてでも売りを掛けようとするのかもしれません。今、日本の開いた穴を埋められる外貨と経済規模を持つのはかの国しかないのは確かですから。
そして、中国はたぶん国策としても買いに廻ります。そして穀物メジャーは二度と日本をまともに相手にしなくなることでしょう。
一方、輸入禁止措置を政府が出す前段で既に、それを見越して国内の穀物市場は高騰を見越した買い占めと投機などによって価格がびっくり仰天の右肩上がりの大高騰を開始します。
なんせ、「今買っておかにゃブツがなくなる」んですから。我勝ちに飼料を買いあさるでしょう。うちですら半年先までストックします。まぁ、現実にはうちのような零細農家にはもはや買えないでしょうが。自給飼料といっても現状では焼け石に水の実験段階ですしね。
連動して、輸入制限前夜で畜産品そのものは大変な高騰を開始するでしょう。え?安い輸入畜産品があるって。米国からもっと輸入すりゃいいって、もっと自由化すればいいっておっしゃるのでしょうか。
残念ですが、このような甘い錯覚は農産物経済を知らない人の考えなんです。前にもコメの時の記事で同じようなことを書いた記憶がありますが、市場価格というものは、高いか安いかという市場力学で決定されます。高ければ、高い市場を狙って参入して来る外国農産品も高くなります。だってそうでしょう。日本市場が「高い」から、わざわざ来るんですから。
まぁ、この際安く売って日本市場を制圧したいという野望を持つ外国業者や日本商社もいるかもしれませんが、それは制圧した後に、妥当な額、つまり元の価格、ないしはより高い価格に戻すだけの話なんです。
ま、その時には日本の畜産業界は、この飼料高騰に耐えきれず、大方ぶっ潰れているか、ごく少数の生き残った大規模畜産業にだけとなっているでしょうがね。鶏卵ではイセファームとあと数社ってところかな。いわゆる寡占化の完了です。
かくして輸入制限の結果、日本は「妥当な」、すなわち外国の畜産業者と寡占巨人企業が勝手につける価格に服従するしかなくなるってわけです。コメント氏は外国畜産物の輸入自由化も同時に提言されていらっしゃいましたから、日本は輸入農畜産物をブロックする武器のひとつもなく、外国の食の植民地と成り果てることでしょう。
今でも確かに日本畜産は本質的にはそのように言えます。いわば飼料を握られていてそこに強依存しているので半植民地ってとこでしょうか。しかし、いちおうは、ヒト、モノ、カネの三要素でいうところの、労働力(だいぶ外国人労働者に依存を強めていますが)、施設、資金そして技術は自国のものなわけです。特に、労働力や技術水準はそれなりに世界有数のものを有しています。そして生産規模も大きい。いわば、日本畜産は飼料という背骨なき巨人なわけです。
ですから、大きな矛盾を抱えつつもなんとかやってきています。資金、施設、技術までもを外国に依存して、安い労働力だけを提供しているような中国や東南アジアなどとは一線を画することを理解していただかないと、正しい日本畜産の処方箋は出てきません。単なる奴隷的な植民地ではないわけです。それを丸っきりの植民地にまで自分をいっそう格下げする必要はないんじゃないでしょうか。
だから問題は複雑なのですよ。単なる飼料問題だけでどうなるという単純な問題ではない。今の日本の畜産はコメント氏の仰せのような強権的な方法でなんとかなる段階を超えています。このような輸入制限政策というマイナスではなく、どのようなプラスを身につけてつくのかが勝負なのです。
それはポンっと劇薬を投薬すればいいというのではなく、もっと広い農業の再建にまで考えを及ばせる必要があると思います。
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インドネシア語の状態から、地面の収穫の準備では、連絡先氏ファーディ+6285649842128氏は話す者が期待してください。新鮮な生姜ゾウ販売流暢なインドネシア語、キロ750円当たりの価格
投稿: arie | 2009年11月12日 (木) 07時06分
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投稿: arie | 2009年11月12日 (木) 07時07分