日本農業はこうして腐った その5 民主党も自民党も農業政策はどっちも同じ
今日の「日本農業新聞」(4/9)を読むと、政党支持率で自民党40.3%、民主党24.2%、今度の選挙で入れたい政党は自民35.2%、民主29.9%だそうです。
これは日本農業新聞読者だそうですから、だいたいJAを中心とした農民層の動向ということになります。
私は最近、無責任だとのソシリを受けそうですが、「どっちでも同じじゃないの」というかんじで、投票日はエンピツ占いか、こっくりさん(古い!)にでも任せようかというところです。だってぇ、どっちも同じじゃん。
一時、そうですね、2001年から2003年あたりまでは、かなりハッキリと民主党に期待感を持っていました。なぜかと言えば、2001年マニュフェストにはこう明確に書かれていたからです。
「事実上強制となっている米の減反については選択制とし(中略)新たな所得政策の対象を農産物自由化の影響を最も大きく受ける専業的農家」と絞り込んだ農業政策が語られていたからです。また、03年のマニフェストでも、「食料の安定生産・安定供給を担う農業経営体を対象に、直接支援・直接支払制度を導入します」とあったからです。これはどこからどう読んでも、減反を選択制という形で段階的に廃止し、専業農家に直接支援を行っていくという政策です。
ところがこの文言は小沢民主党となることによって変化します。04年マニュフェストで大きく変化をします。そして07年の参院選大勝利をへて、とうとう08年時の民主党「次の内閣」で承認された「当面の米政策の基本的動向」においてはは、堂々と往年の自民党と寸分違わぬことを言い出しました。
いわく「米価下落の大きな要因は、米の需要を上回る過剰生産である。米の過剰作付けを抑制し、需給調整を確実に実行することが、米価安定のため、さらには自給率の向上のための基本要件であることはいうまでもない」・・・要するに現行の減反政策をガッチリ堅持するぜ、ご安心下さい農村の選挙民の皆様、ということです。
そしてトドメは、なんと言ってもあのエグイ戸別農家所得補償政策です。この2本の政策、つまり、減反死守、戸別農家所得補償がワンセットになって、農村の半分強の票を、かの参院選で自民党からもぎとったわけでした。これが1人区である農村選挙区での民主党の劇的な勝利にむすびついたわけです。たぶん今現在の段階で衆院選が行われるのなら、たぶん似た結果となるでしょう。ただし、追加経済対策で自民がかなり農業関係の大盤振る舞いをしましたから、若干温度が違ってきたかな?
まぁ、いずれにせよ自民と民主の政策の差はほとんどなく、言い方が自民が「地方産業と農を守る」とか言って金をバラまけば、民主はもっとダイレクトに農家の所得まで補償してしまおうという所まで来ていることだけおわかりいただければいいでしょう。あ~、ため息がでます。この傾向は昨年末の金融危機以降拍車がかかり、もう止めようもない勢いです。
せっくかく芽生えたMA米の毒米事件発覚と、農水省の実態のあまりのひどさに国民がその問題の根幹にある減反政策に疑問をもった矢先でしただけに、私は残念な気持です。そのあたりを次回以降もう少しお話したいと思います。
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