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2009年4月14日 (火)

シェムリアップの少女

_edited アルバムをめくっていたら、シェムリアップの少女の写真がみつかりました。アンコールワットの外で、おずおずと農民のスカーフを売っていて何枚か買いました。

買ってあげたら、恥じらうような笑みをうかべたのを写しました。

こういう時に、よせばいいのに時々思ってユーウツに思うのですが、私のやってきた有機農業とか、自然卵養鶏などの真の価値が輝くのは発展途上国じゃないのか、と。おいおいと、私の片方の理性は説得してるんですがね。

かねがねあった私の中に疑問が眠っていました。今の日本で有機農業を訴えると、どうしても「安全安心」になってしまいます。まぁ、それはそうなのですが、それは消費者サイドの利害なわけです。しかし初めから消費者方向に目線がいっているのです。目線の位置がちがうんじゃない。

誤解を呼ぶかもしれませんが、消費者の「安全安心」は、私たち農家にとってあくまでも副次的なことで、私たちにとっての気持のいいフカフカの土をつくろうとしたら、たとえば土中燻蒸剤をつかったらできません。なぜなら、土中燻蒸剤は毒ガスだからです。土中微生物は、きれいさっぱり皆ん~な死ぬ、いい虫も、害虫もね。

私たち農家はフカフカの土を作りたいからやっているのであって、結果、農産物が安全になります。生産者と消費者との利害の一致ってもんです。たまたま作り手と食べ手の利害が一致してよかったねていどで済ませたい。

こんなヒネクレ者の私ですから、あまり安全、安心を言う農家はふ~んという気分になります。なんででしょうか?たぶん、消費者、お客さんばかり見ているからです。農家としての視線がアッチにいっている。言いかえれば、自分の売る商品としてしか見ていないからです。

本来、野菜も、卵も、あえて言えば商品ではありません。いやいや,もちろん売り買いされる商品に違いはありませんが、それだけではないはずです。

初めに戻りますね。有機農業や自然卵養鶏は元来、「自分のためのもの」でした。この写真のカンボジアのシェムリアップの女の子が、いかに銭を使わずに、自分の身近な牛のウンコを、ついでに自分の家族のウンコも、これまた身近な米のヌカと混ぜたりして、ゴチャゴチャ、コネコネして畑にぶん撒いたら、ちっと野菜の伸びがよくなった、近くで鶏の餌を探したらこんなのがあった、そしていい玉子ができた。

しょせん、そんなもんが有機農業や自然卵養鶏なのではないかと、そうたまに思います。そしてこの少女は小学校に通っていないと思います。いったいこのスカーフを売っていくらになるのでしょうか。

この子がおかえりなさいと待ってくれている家に帰れるといいね。

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コメント

安心も安全も分析と定義が進歩しました。そのために管理と監視の仕組みがさらに出来つつあります。また、そのために記録用紙と点検者の数とパソコン操作、監視カメラ、記録装置、格納整理、検索、あらゆるスキルも進歩しつつあります(産業化しつつあるように実感します)。分析、解析、さらに検索、もっとさらに上級レベルの監視という風に積み上げつつあります。「フードディフェンス」。この少女の笑みすら一応警戒しなければなりません。性悪説、いやそれは行き過ぎで「性弱説」としています。そのうちに、消費者という人種はゲートシティに住まざるを得なくなるかもしれません。幾重にも点検された「安心安全」商品しか入り込めなくなります。まるでお殿様の毒見の済んだ冷めた食事のように。
この少女の笑み、恥らうような笑み、無垢の世界に、デイフェンスもとりたてての「安心安全」コピーも必要ありません。信じあえる社会。それを取り戻す方がより確実だとは考えます。職務との矛盾に悩みます。
そして、有機農業や自然卵養鶏の本質、お説に納得します。本当は「同感」と言いたいのですが私は農業したことないので憚れます。

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