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2009年4月17日 (金)

太陽光発電と農ギャル

_edited 私は実は10年以上前から太陽光発電を使っています。たぶん茨城県でのかなり最初のほうの設置例だと思います。

当時シャープの関東支社から支店長直々の陣頭指揮で、おまけに東電支店長まで見学に来るというモノモしさでした。

設置方法自体が初めてのケースだったらしく、かなり手こずっていたようです。技術畑出身だという温厚なシャープの支社長の言った「もう、シャープはもうシロモノ(冷蔵庫、洗濯機など)は作りません。液晶と太陽光に社運をかけて一本化していきます」と仰せの言葉が印象的でした。事実そのとおりになりましたね。

東電も県下で初めてのケースで、発電取り引き契約書などのフォーマットもなかったようです。うちには2ツ電気のメーターがあって、ひとつは送電網⇒自宅という普通のもの。そしてこれが珍しい自宅⇒送電網というメーターもあります。昼は送電網へクルクルとメーターが廻って電気を送電しているのが目に見えます。今でも、インバーターの上で発電メーターがクルクル廻った時の感動は忘れられません。

*私のブログ「農と島のありんくりん」の太陽光関係の旧記事


http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_afad.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_7da5.html

さて、それから十余年。
完全に太陽光発電は日常です。インバーターは一回故障しましたが、シャープが無償で交換していきました。もうあることも忘れるほどの日常で発電を静かに続けています。


太陽光発電を使っての感想をいえば
①自然エネルギーの宿命として、曇りだとほとんど発電しません。雨だと完全にダメ。気象条件に大きく左右されます。ちなみに風力発電もかつてちょっとですが実験しましたが、まったくダメ。使いものになりません。大体ほとんど廻らないのだから話にならない。あれは岬の先端でブン回すもので家庭用には不向きのようです。また大型にすればしたで、プロペラの作り出す低周波公害や、野鳥にとって恐怖のギロチン装置で、かなり問題のある方法ではないでしょうか。
②わが家は早寝ですが、それでも多分半分ていどの電気自給率だと思われます。これはわが家の発電装置が旧式なためもあり、今は相当に高い発電効率を叩き出しているそうです。
③たぶん20年くらい償却にはかかります。うちのような先駆事例でもようやく6割償却といったところ。たぶんこれが最大のネックでしょう。これはグリーン助成などの国家規模での取り組みがないと、一台約300万円ではそうそう個人では手がでませんよね。
④故障はまったくといえるほどしません。構造が装置の中でシリコンを回しているだけだからです。複雑な装置ではないので頑丈そのもの。
⑤メンテもいりません。雨で埃がクリーニングされて、それでオーケーなのだからスゴイ。
⑥蓄電はできません。かつて仲間が蓄電器を自作したことがありましたが、ロスが多過ぎて失敗しました。今は技術がフォローアップして、トヨタの家庭用蓄電装置まで出来たそうです。ただ、どのような条件で使うかでしょうね。やっぱり電線がないところかな。

*トヨタのハイブリッド家庭用蓄電装置の記事http://mainichi.jp/select/biz/econavi/

今後はパネルの増設も当然の前提ですが、むしろ社会的なインフラにするために電気会社がなにを恐れているのかということです。
たとえば、東電は大規模太陽光発電をするにあたって、気象条件で発電網がブラックアウトしてしまうことを恐れたそうです。自然エネルギー特有の発電の恒常性への疑問です。
これは自分で設置するとよく実感できます。


諸外国(米国など)は、スマートグリッドという、その時の気象条件による発電量を瞬時にコントロールし、切り換える送電網(グリッド)を実用化し始めました。日本は研究さえもしていないようです。それと送電ロスを防ぐ超伝導送電線です。これはたしか住友化成が実用化しています。

このような社会的なインフラ整備がないと、なかなか次の実用段階にはいかないのかもしれません。日本は太陽光発電で少し前は世界のトップランナーだったのですが、この社会的なインフラ作りの遅れが響いて、世界3位に転落してしまいました。

_edited_3 話は変わりますが、先日ある新聞で「農ギャル」が紹介されていました。渋谷ギャルから転身だってぇ・・・!なかなかスゴイね。金髪でトラクターからイエ~ですぜ。http://mjwatch.jugem.jp/?eid=859
 

正直に言えば、私は大いに不信感がありますね。あんなのが続いたら奇跡です。
マスコミにもてはやされているうちが花です。うちの村にも都会からの若い学生グループが「学生の農業への参入」とか、「地域農業の活性化」などと言って入ってきて耕し始めました。 農家は気がいいので、行方台地の一等地を貸してあげたり、いつもは来ない学生のために日常的な作物管理をしてあげたり、宿泊の面倒をみたりしました。農家の伜もなかなか残らないような中で、やはりうれしかったのです。 私自身も微力ながら協力もしたけれど、たった1年間で、中心的なリーダー格の女の子が逃げ出してしまいました。もっと他の土地で「農業を学びたい」のですと。あまりの不誠実さに、私のほうがガックリして1週間ほどヘコんでしまいました。 彼ら学生はどこにでも逃げれても、私たち農民は逃げれない。本気じゃないのですよ。軽いんですよ。単なるノリなんですよ。失敗したら、バイバイできるんですよ・・・!


しっかりした起業意識がないのに農村にこられると、かえって迷惑です。今は大変な不景気で、農業に注目が集まっていますが、遊び気分だけで農に来られては困ります。真面目に農業をやりたい者がとばっちりを受けてしまうからです。村の人からみると、その見分けはなかなかつきませんからね。農村は都市の人の遊び場ではないのです。 今、流行の農業に来たいという若い人に、あえて、言っておきます。それなりに腹を据えて来いよ!農業は楽しいだけじゃないぞ。

■私の体験的新規就農マニュアル(6回連載)
ブログ旧i記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/1_e9de.html
■私の就農体験記(7回連載) ブログ旧記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_7f9f.html

■写真 わが家の太陽光発電パネルと下は建設期のわが家。私たち30代後半。金はないが、元気!

■本記事は市民エネルギー普及に尽力されている塩川富士夫様の転送フリーの情報提供を基にいたしました。感謝致します。

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コメント

 何兆円もの補正予算は景気対策というが定額給付金につづく選挙対策。エコ、グリーンを言うけど、車や電機産業へのてこ入れ。先にばらまいて、あとで庶民泣かせの消費税大増税。つけは数倍になってまわってくる。弱者に。
 そのエコ政策のネタにも使われる太陽光発電のことはこちらの初期のころのブログでも拝見しました。先駆的な事例であったことに遭遇して感心したものです。あらためて「考え」に忠実、言行一致陽明学派のような行動を、そんな奇特なヒトがいたんだと、字面の上だけで追体験させてもらっています。参考になるなぁ。我が身にすると償却に二の足を踏み、算盤をはじきます。ホントは原子力や化石燃料消費の火力発電の世話にはなりたくねぇを実践したいものですし、頭はこの太陽エネルギーに依存する快感をもとめているのですが…。しかも、今に至ってあのバラマキ政策に「アッソー」とは乗れないつむじ曲がりももたげてきます、四の五のと。
 農ギャル?いいねぇ。ノーギャラの算段も考えています、なんのことかわからないと思うけど

>正直に言えば、私は大いに不信感がありますね。あんなのが続いたら奇跡です。
マスコミにもてはやされているうちが花です。うちの村にも都会からの若い学生グループが「学生の農業への参入」とか、「地域農業の活性化」などと言って入ってきて耕し始めました。農家は気がいいので、行方台地の一等地を貸してあげたり、いつもは来ない学生のために日常的な作物管理をしてあげたり、宿泊の面倒をみたりしました。農家の伜もなかなか残らないような中で、やはりうれしかったのです。 私自身も微力ながら協力もしたけれど、たった1年間で、中心的なリーダー格の女の子が逃げ出してしまいました。もっと他の土地で「農業を学びたい」のですと。あまりの不誠実さに、私のほうがガックリして1週間ほどヘコんでしまいました。彼ら学生はどこにでも逃げれても、私たち農民は逃げれない。本気じゃないのですよ。軽いんですよ。単なるノリなんですよ。失敗したら、バイバイできるんですよ・・・!

同感です。
私の地元も同じでした。
近隣で山里活性化とかいって新規参入者を受け入れていますが、結局公的補助金あっての話。
本気で農業をやりたいのなら、国や行政が口出すのではなく、自ら修行しに自費でいきますって。

ブーム、儲かる?とかそんな流れで来られたらホント迷惑ですわ。

都心部でも今では近隣で野菜つくれるのですから、まずはそこで自分で作ってみろと言いたい。

本業のプロの現場に来るのなら、人生かけてこいよって思ってます。


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