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減反・この日本農業の宿痾 その3 転作にかかった税金、7兆円!

_edited ニンゲンという生きものは、立場で勝手にイメージを作るので、世の中には思い込みというものが後を絶たないのですが、農業という分野ほどヒデェ誤解にさらされている所もあまりないと思います。

まずよくある誤解の最たるものは、わがブログでもひんぱんに応戦しちょりますところの(←何弁だ?)、「農業は高関税をかけているから、消費者はえらい高い農産物を買わされている。けしからん、自由化しろ!」というものです。

これも事実を知らない。日本の農産物って世界レベルでいえば、むしろ低関税なんですぜ。平均して12%ていど。野菜なんか関税ゼロでしょう。乳産品類が諸外国より高いだけです。小泉純ちゃんも誤解していて、「農業は鎖国だぁ!」と言ってたことがありました。おいおい農水省、首相に正しい知識入れてやれよな。

EUなんぞもっとエグイんだからね。そしてEUやアメリカは、あれやこれや手を変え、品を変えて、輸出補助金というWTOの違反行為を平気でし続けています。

それはさておき、じゃあ、なぜ「日本の農産品は高関税をかけている」という誤解がはびこっているのでしょうか?理由は簡単です。コメがウルトラ・ハイパー高関税の778%(!)をひとりで叩き出しているからです。そのために、ほかの農産物までトバッチリを食ってしまいました。

この米の約800%高関税はなんのためにあるのでしょう?これは減反政策とコインの表裏の関係にあります。減反とは、日本の水田の実に40%で生産調整というとキレイですが、農家に米を「作らせない」という生産制限カルテルです。カルテルとは業者同士が結託、談合して自分にとって有利な価格を維持するための取り決めのことです。

当然、自由競争が前提のわが国では違法行為、独禁法違反なはずです。しかし、コメという巨大市場に関しては堂々とお国がおやりになっている。いいんですかね、お国が率先して大規模オキテ破りをするっつうのは?

_edited_2 今の米の市場価格は、大体一俵(60㌔・昔のタワラ換算が脈々と生きています)14,000円というところでしょう。まぁコシヒカリというエース級か、その他の早生米(*わせ・早い時期に出荷する米)では違いますが一応の目安で。

これを高いというか、安いというかは、私には「わからない」としかいいようがありません。なぜでしょうか?等級や豊作、凶作という問題はとりあえずややっこしいので単純化して言いますが、アイガモ農法などで工夫して、手をかけて美味しい有機栽培の米を作れば一俵が2万円でも人は買うでしょう。一見高く見えても、ご飯一杯にしたらウン円の差です。これはかつての記事でも検証しました。

工夫もしない、おまけに汗もかかない、かわりに農薬を多く使う三拍子のパートタイム,・ファーマー(兼業農家と読んでね)が作った米など、失礼ですが、ほんとうは1万円以下でもいいはずです。あ~書いてしまった!わが村の衆がこのブログ記事を読まないことを切に祈る。ま、いいか本当のことだから。

今度は質だけではなく量も考えてみましょうか。もし、仮に「オレはデッカク米を作りたいんだぁぁぁぁ!」(←エコー)という青雲の志に燃える農業者がいたとして40町歩をかき集めたとします。「北の国から」の岩城光一のようなキャラですね。

深く考えなくとも、これは必ず儲かります。そりゃそうでしょう、作る時にいちばん心配な価格を考えずに、作れば売れるんですから。第一、デッカクすればスケールメリットが生じます。たとえば、今まで10人で耕していたところを、1人で大型機械でブワーっとやってしまう。10人で収穫したところを、大型コンバインでドバーッと刈ってしまう。装備は、例によってバッチ協同組合を作って、低利の助成金を引いて買ってしまう。

_edited_3 これは困る。さすが農水省も考えたわけです。農水省の本来の考えでは、小規模農家がシコシコとせいぜいが、そうですね米作5反くらいの農家がチョビチョビと削って減反をしよう、ということだったからです。

そこで農水省がこんな不届きな大型化米作農家を統制するために考えたのが、転作補助金です。要するに、小規模農家が貸さなければいいんです。集約化するような不届き者に水田を貸さなければいい。元から絶つというわけです。

そう考えた農水省は転作奨励の補助金を出します。「コメを作らずに、麦作れば、はいお金」、「大豆を作れば、はいお金」・・・。その額たるやるや、累積でなんと積もり積もって7兆円!もう啞然とするしかない額です。

このような減反維持のためにかかった税金を、もっとまっとうなことにふり向けてくれ、そう私は思います。農業は、国民の税金を吸い込むスポンジではありません。

■写真 上からプラムの若葉、田始めた山椒の若葉、最下段はまぁご覧の通り。

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コメント

日本の農産物への関税が12パーセントそこそこってのは、タリフラインベースの話で、実際に消費者が実際に負担している金額とはあまり関係無いよ。
其々の家庭の食習慣とも絡むので一概に言えないけど、とにかく、主食(米と小麦)への関税が高過ぎるのは何とかしないとダメだね。
それと‥コンニャクとか、エンドウ豆とか、ピーナッツとか、あの高関税は何?
「特定の農家の為です」て言っているようなものだけど‥

投稿: | 2009年4月22日 (水) 19時25分

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