ノギャル嬢、色々と楽しませて頂きました
テレビであのノギャルにまた出会ってしまった。いやはやなんとも面白い。
ノギャル嬢がシブヤから行った先はなんとあの大潟村だった。へぇ~田んぼならシブヤから1時間以内でもあまたあろうに、あんなに遠くまで御苦労様でした。
30年前のノギャル、今はノババのカミさんとふたりで、遠慮なく笑いころげながら見物させていただいた。まずはお約束のシブヤ駅頭でのシブヤギャル(←まだこんな言葉が生きてたんかい)にボードで「この中でお米はどれから採れるのでしょう?」とのテレビの質問。ボードの写真には、麦、すすきまであったな、プハっ。よもやと思ったが、半数以上が麦、中にはススキが米だそうだ!これには大爆笑!すすきからコメが出来れば、お百姓は笑いが止まらない。確かに食育がいるわけだと納得。
ちなみに、シブヤギャルの皆さんの農業に対するイメージは「暗らーい」、「キタな~い」、「ダサ~い」の三拍子で、まぁこれは毎度のことで特に驚かない。ある意味、ちょっとムッとするが当たっていないこともない(←おいおい、勝手に納得すんなって)。
昨今の小学校では総合教育の中でけっこう田植えなんかをやるので、その前のギャル世代のほうがダメなんじゃないかな。そしてギャル嬢におかせられては、もはや米なんか食べないんだそうだ。パスタだそうだ。米は無洗米をたまに、くらいだとか。
第一、今や水嶋ヒロも言っているように「おばぁちゃんは和食を教えてくれた」時代なのだ。もうひとこと天道、「まずい飯屋と悪の栄えたためしはない」のだ。ムハハ、ノギャルの諸君、イタリアンなんてダサくはないか。(筆者注・DVD「仮面ライダーカブト」参照)
ねぇシブヤギャルの皆さん、伊太利ではパスタは米が食べられない貧乏人が食べるんだよとウソを教えたくなる。伊太利はヨーロッパ最大の米の産地。とてつもない大面積(平均20ヘクタール以上)を一軒の農家が大型機械でダーッと耕作している。リゾットとピラフ用の2種類だったと思った。
それはともかく、ノギャルの皆さんの田植えへ行くファッションが素敵だ。とりあえずゴム長(死語みたい)はいいぞ、しかし、シルパーメタリックで丈も短いから、こりゃ全没して靴の中にまで泥が入るなぁ。お、今度は白いパンツか、いいぞ頑張れ、泥汚れって落ちねぇんだよな、一枚ダメにする気でガンバレ。モンペと日除けボンネット着せたかったねぇと、旧ノギャルは大喜び。歳を取ると意地が悪くなるのであります、はい。
ノギャルのカリスマのなんじゃら嬢のインタビューがふるっていた。「シブヤ米を作って売りまくる」(確かに売れると思うよ。ただ実際ほんとうに君らが作っているかどうかだがね)、そして「潰れかかっている日本の農業にノギャルが農業革命を起こす!」のだそうだ。その意気たるやよし!
しかし、そのての「地域農業の支援」だとか、「農業革命」だとか、はたまた「農村に都会の若者を連れてくる」とか、私のほうは聞き飽きてるんだけどなぁ。単純に、「農業で遊ばせて下さい。そのかわり広告しちゃいます!」ってほうが可愛いぞ。なにかスポンサーを当てにしているみたいで下心が透けてしまう。
そして、「農業革命」を起こすべくノギャル軍団、現地大潟村に到着。一角にしっかりとノギャル様専用田んぼが既に用意してある。いちおう種まきと、トラクターは少数の有志がやったようだ。やったといっても、農家の手取り足取りだが。
じつを言えば、援農というのはけっこう農家の負担になるのだ。田畑に来ていただくことはほんとうに嬉しいし、実際交流していると疲れも吹っ飛ぶ。視野も拡がる。消費者の殺し文句である「美味しかった」なんて言われればニコニコしてしまう。
しかし、来て頂く人達にスケジュールを合わせて作業暦を調整せねばならないし、田や畑に入ってもらうための段取り、作業用具、食事,トイレ、送り迎えなどそうとうに大変な農家側の仕事となる。勝手にやって勝手に帰る市民農園との違いだ。
それでも、きちんとした仕切れるリーダーがいて、何回も通うリピーターが現れるようになればしめたもので、ほんとうによく働いてくれて、駆け出しの農業研修生など足元にも及ばないほんとうの意味の援農となってもらえる。そのためには最低で半年、毎月2回は通ってもらわねばならないが。
さてシブヤのノギャル軍団御一行。白いパンツにケバイ厚化粧という姿でドブドブと無造作に田んぼに入る。たちまち、おーとっと、よろける。カエルに悲鳴を上げる。そして横に一列に並んで、紐か板を出して統制してやらないもんだから、♪右に左に兎のダンス。通常は、田んぼの左右に紐を出すか、板を出して、それに株間の印を打って、一斉に植えていく。
馴れれば、あらかじめトンボで引いた縦横のラインに合わせてなんとかなるが、初心者はテンポも体力もバラバラだからせーのという統制を取らないとなかなか難しい。ま、小学生だって紐も使わずにやってるけどな。
昔の田植え歌や早乙女の民謡は伊達にあるのではなく、労働のリズムを統制するためにもあった。農民の知恵はたいしたもんだ。
田植えの後の交流会で、ノギャル連中ががおにぎりを頰張って「甘~い!」。ボギャ貧だが、微笑ましい。美味いは甘いか。なるほど、田んぼで足も手も、全身が丸ごと疲れたから、美味しかったろう。どうだノギャル、甘い米はパスタより美味いだろう。
この企画を作って、これだけ大勢のメディアを呼んだノギャルのカリスマ嬢、なかなかやる。時流を読んでいることは確かだ。もちろん本気で農業をやる気などさらさらないだろう。そんなことに期待するのはヤボな大人の考えというもんだ。ただの遊びにしては念がいっているので、一種の農村を借りたイベント業、広告業といったとこだろうか。まぁ、それもよし。
きょうびお菓子系もありよと元祖ノギャルのカミさんになぐさめられた。ノギャル、あの田植えの後のニギリメシの甘さを忘れんじゃないぞ、と遠吠え。ちょっとあいつらの不器用さを好きになった。
■写真上 今が旬。新茶の若葉。この若葉を摘んで蒸して揉みます。
■写真中 シロツメクサ。クローバーです。
■写真下 アヤメ。
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