拝啓、吉野家様 完結 先進国の条件とは農業国である
ほかの先進諸国はどうでしょうか?調べてみました。
私が子供の頃に習った教科書にはイギリスは「世界の工場となって自給率を落とした」と書かれていました。当時の子供の私は「ほ~、先進国になるというのは自分の国でメシがたべられなくなることなのだな」と思っていました。
違います。なるほど、1970年のイギリスの食糧自給率は46%で、わが国は60%でした。ドイツは68%でした。ところが、今、イギリスの食糧自給率は2001年に61%で、ドイツに至っては99%です。そして、我が祖国は40%です。この際、「世界の穀倉米国」は言うも愚かですから除外します。
世界の先進国の特徴は、どこも「売るほど農産物を国内で作っている」ことです。言い換えると、先進国の条件とは、「農業国であるということ」なのです。この30年ほとんどすべての先進国は食糧自給率のアップを国策としました。先進国とは、「自分の国でメシを食えてあたりまえ、勢いがあったら、農産物商品として他の国にも売ってやるぜ」という気概があります。現にフランスなど工業先進国でありながら、完全自給して、まだ30%オツリがくるそうです。もうシャレにもなりません。
どうして他の先進国がこの30年をかけて国内自給率を押し上げている時に、唯一我が祖国ばかりが武装解除してスッポンポンになってしまうのでしょうか?その薄氷の上に乗って、「飽食とグルメの時代」を気取っているのですか?グルメと280円牛丼、どちらも同じ薄氷上に乗っていたのです。
吉野家様。今回のあなたの蹉跌に学ばせていただきます。私たち農業者はあなたが壊してしまった道をじっくりと修復していきます。時間がかかりますが、それが私たちの仕事ですから。 敬具
■ 写真はタンポポの花の上のニホンミツバチ。花粉の採取中です。自分で言うのもなんですが、タンポポのオシベ、メシベまでバッチリ撮れたので驚きました。一心不乱で、私がカメラで狙っていても気がつかない可愛らしさ。
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