メダカと田んぼの豊かな関係 その3 家庭用メダカの学校の作り方
そういえば、見学した時に若い女の先生に小学校のビオトープではメダカが増えないんですよぉって質問された時のことを思い出しました。こりゃ難しい。いちおうマニュアルどおりに浮水植物などが浮いてはいるのですが、サヤミドロなどの藻類がまったくないのです。
藻類がないとメダカは出ない
「先生、藻類がなけりゃプランクトンは出てきませんよ。プランクトンやミジンコ類がなけりゃメダカはいきられませんから」って教えたら、ヘ~、藻ですか、でも汚いじゃないかしら、だって。
さっきもお話しましたが、水槽ではほとんどメダカは繁殖できません。そこで家庭用メダカの学校の作り方をお教えしましょう。この方法は不耕起栽培の先駆者である岩沢信夫先生の方法です。
①大きな発泡スチロールの箱(30㌢×50㌢×20㌢)をスーパーの裏から頂戴してきます。夜に忍び込むとワクワクしますが、もらってきたほうが無難です。
②次に、その中にバケツ一杯ほどの普通の園芸用腐葉土を入れます。買うのがイヤだったら庭の土、できたら立樹の下の落ち葉が枯れたあたりの土がいいですね。これを突き硬めて、この上に有機栽培の田んぼの土をひとつかみハラリとかけます。
③一株稲の切り株を真ん中に植えて、稲藁の刻んだものを散らします。そして田んぼの神様に、どうか可愛いメダカを与えたまえとお祈りをして下さい。
④水深が5㌢になるていどに水を入れます。ただ、この場合、消毒剤を消すために汲み置きしてね。米のとぎ汁を大さじ1じゃなかった1ℓくらい多少水でうめて入れて下さい。さぁ、これでほんとうの田んぼと理屈は同じになってきました。
⑤ここにできたら有機栽培の稲の苗を二本ていど植えます。
⑥近所の、できたら県をこえない場所からメダカを連れてきます。ヒメダカは鑑賞用なので、ビオトープとしてはやめたほうがいいでしょう。また他の地域のものもできたらパス。ビオトープというのは固有の地域の固有種で作らないと本当の意味がありません。
(続く)
■写真 アイガモの雛の兄弟が田んぼを泳いでいます。
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