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メダカと田んぼの豊かな関係 完結 メダカが好む田んぼを作ってやると不思議にうまくいく

_edited_3 おかしなことを聞くようですが、米の「原料」とはなんでしょうか?土と水と苗です。単純だが永遠の真理です。いい土、いい水、いい苗があれば、陽気さえ普通ならまずはずしっこありません。では、いい水と土はどんな顔をしていますか?簡単にみわける方法は、「風景」を観察することです。

日だまりの田んぼの中でミジンコがクルクルと円を描くように泳ぎ、それをとろうとメダカが小学校の生徒のように列をなし、メダカをめあてに来たシラサギやツバメが華麗に舞う。アカトンボの幼虫のヤゴを食べるクモが朝露に美しい輪を描く、このような景色があれば、そこの土や水は健全だといえます。きっと、その田んぼからは秋には輝くような良い米が収穫できることでしょう。

私は小さなイトミミズがこの田んぼの底土の下にたくさんいることを知っています。それらが毎日微細なトンネルを掘り、土の中に空気の穴や水の穴を無数に掘っていることを知っています。これが稲の根を気持ちよく育てる秘密になっているのです。そしてこのような土はイトミミズの糞によって非常に豊かな微生物をもつようになります。

Img_0050_edited そしてこのイトミミズのエサはプランクトンで、それは藻類のサヤミドロなどから生まれてきます。サヤミドロは微生物相が豊かな土壌にしか発生してきません。ね、これで一回転したのがわかりましたか、車輪のようでしょう。これを私たち有機農業者は循環と呼ぶのです。

この循環がどこかで切れたり、パイプがふさがると、たちどころに生き物が減り、病虫害が多発したりするようになります。すると、対処療法のステロイド剤でアトピーを抑えるようにして農薬が必要なわけです。 人間の農業がしょせんどこまでいっても反自然であるのは(有機農業ですらそうです)、自然界という精密な仕組みの中でヒトのために自然界ではありえない単一種を大量に作るという行為そのものが、自然の摂理に反した行ないだからです。そのいわば罰として、私たちは病虫害や凶作に遭遇し、痛めつけられ泣きます。

だからせめてみずからの「罪」を自覚して、この大きな自然という宇宙の均衡を崩すことを最小にしようと願っているのです。私はクリスチャンではないのですが、もしお望みならこれを「原罪」と呼んでもいいでしょう。

_edited_4              たしかにメダカを増やすために農業をしているわけではないのかもしれません。しかし、メダカが好む田んぼを作ってやると不思議にうまくいくことがわかってきました。メダカの好きなサヤミドロ、サヤミドロの発生する土壌、土壌を豊かにするイトミミズ、イトミミズを食べにくる昆虫類や鳥類。これらによって微妙なバランスを作っている小宇宙がこの田んぼです。

ほんとうに素晴らしいものはすべて美しい 形をしています。日本人の田んぼがそうです。山懐から裳裾のように流れる田んぼの連なり、ひとつひとつの川に寄り添うように耕された田、水をたたえたた青空を写す田、夏の緑に燃え立つ田、そして黄金の原の田、そのひとつひとつに小宇宙が宿っており、多くの生き物の依代でした。この環を転がしながら、私たちは生きていこうと思います。

(完)

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