エンザロ村のかまど 村の小高い丘から
涼しい風が吹く夏の朝や、黄金色の穂波を揺らす8月の末の午後にでも、一度私のお気に入りの村の峠にご案内したいものです。
村を見渡せる丘は正直です。その村が栄えているのか、苦しんでいるのか、村人が元気なのか、この村を去りたがっているのか、皆わかってしまいます。丘や峠は、そんな不思議な場所なのです。
「エンザロ村のかまど」という絵本は、この村をみる少年の背中から始まっています。彼が風に吹かれながら見下ろす自分の村は、活気に溢れています。ある人はマンゴーの実を落とし、ある人は牛を引き、乳を絞り、水汲みに行くお母さんや子供の姿も見えます。
このエンザロ村はガーナの首都ナイロビを朝たった自動車が、夕方に到着する距離にある谷間の村です。エンザロという名は、砂粒という意味で岩を砕いて砂にするのが産業です。
この村には2千人の人が住んでいます。村の中心にある大きな建物は、学校と診療所です。電気はありません。
大部分の人は農家で牛やウズラを飼ったりして、自給的な暮らしを営んでいます。主食はウガリというトウモロコシを練ったもので、お母さんの自慢の一品です。ご飯の話の前に泊めていただいたリハンダさんの家をご紹介しましょう。リハンダさんは元校長先生でした。今は引退していますが7人の男の子がいます。
ああ、いかん!とても面白い本なので、こんな調子でご紹介していると何回連載になるのか分かったものじゃない!え~、というわけで、このエンザロ村に来た私たちはとんでもなく懐かしいものを発見することになります。
(続く)
■すべての画像は、「エンザロ村のかまど」さくまゆみ 沢田としき(福音館)から引用いたしました。ありがとうございます。
■スキャーナーで絵を取り込んだのですが、あまりにクリアなので、自分でも驚いています。昨日の記事のトップの表紙もアップし直しました。
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コメント
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エンザロ村に行かれたことは、ありますか?
絵をみていると、行って見たくなります。
エンザロとは砂粒という意味だそうですが、写真の絵本からは岩を砕いているような様子は見えませんが、終わりまで読むと殺伐とした雰囲気がでてくるのでしょうか。楽しみです。
投稿: 葦原微風 | 2009年7月21日 (火) 23時54分