民主党、米国とのFTA締結をマニフェストに! 「一回変えてみよう」の代償は巨大
一般紙では報道されないと思いますが、大ニュースです。今日の朝刊を取りに行って、大見出しをみただけで、ズッコケそうになりました。ああ、危ねぇ。
民主党がかねがね直接に農家にお金を恵んで下さるという農家所得補償を農業政策の目玉にしていたことはつとに有名です。これについての私の論評は避けます。
あ、いちおう言っておきますか。愚民化政策の極です。これで日本農業は骨抜きになることでしょう。
これは民主党の他の農業政策である、農地の集積化を止めるという方針と一対になっていて、農業の中で体力を強化していくのではなく、いわば、もうあんたがた寿命なんだから、おとなしくお国から金もらって消えていってね、という発想です。
これもスゴイが、今回のマニュフェストに盛り込まれた新政権(と言ってもいいでしょうな)の政策はものすごいの一語に尽きます。本日の最新版「日本農業新聞」によれば、米国とのFTA(自由貿易協定)を「締結」することを、民主党はマニフェストに入れたそうです!
これが自民党の政策だったら、上を下への大騒ぎです。内閣のひとつも飛びかねないことです。漢字の読み間違いがどーしたとか、「80以上は今さら遅い」などというどうでもいいようなお笑いレベルではない根本的に日本農業の死を直接に宣告しかねない政策を民主党は堂々と出したことになります。
FTAを米国と締結することは、非常にシンプルなシミュレーションを描くことができます。米国の輸出品が排他的に無関税で入って来ることを意味します。つまり今さら、米国の工業製品、そうですね、たとえば車などが日本に無関税で入ってもなんということもありませんが、農産品はまったく違います。
豚肉、牛肉、小麦、、乳製品、そして米がノーガードで日本に流入することになります。既に現在米は輸入量の50%、小麦60%、豚肉40%を独占している米国は、このFTA締結によって圧倒的に日本市場を独占することでしょう。
このFTAが締結されれば、もはやWTOでコメの交渉をしていることすら無意味になります。そうでしょう、日本に唯一コメを輸出できる質と量を持つのは米国以外に存在しない以上、米国と無関税条約を結んでしまえば、ま、これでWTO交渉はゲームオーバーですな。わが国が韓国だったら、さしずめ明日あたりから農民が街頭に繰り出しての 過激デモ炸裂というところでしょう。
それにしてもものすごいことを言い出したもんだ。日本の農業関係者は今日は一斉に緊急会議でしょう。特にJAにとってこれは計り知れない大打撃を呼び込むマニフェストですから。
まぁ、農家個々に直接支払いをするという政策そのものが、JAを迂回したものであることは常識ですし、民主党の農業系議員は「政権をとったら、JAは弱体化させる」とまで公言していると聞きます。(*)
私は単に直接補償だけではそれは無理だろうと思っていたら、とうとう駄目押しが出たというわけです。それが米国とのFTAの締結ということになります。これで日本農業は、直接補塡のはした金をもらって、壊滅の道を約束されたことになりました。日本農業にとって「一回変えてみよう」という気分の代償は巨大なようです。
あんまりすごい民主党の政策なので、とっ散らかった記事で申し訳ありません。とりあえずご報告までということで。なにせ一般紙にはまったく触れられもしていないので、もう少し情報を集めてみますね。
*根拠としては以下のサイトをご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/4a9907b64ecef773cff84ec34a9bee8b
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民主党が、今度の衆院選のマニフェストで、「日本の農林漁業・農山漁村の再生」と「FTAの推進」の2つを、農業政策の柱として掲げている事を知りました。
はっきり言って、このニュースには我が目を疑いました。これでは、何故この前の参院選で、地方でも自民党が負けて民主党が躍進したのかが、当の民主党自身も全然分かっていないのではないかと、言われても仕方がありません。分かっていたら、こんな「自民党の後追い自殺」を図っているとしか思えない様な言説を、わざわざ選挙直前の時期に、口にする筈がありません。
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農業政策の根幹にかかわることを、さらっとマニフェストにいれて、農家の個別保障などで、ごまかしているとは、こまっものだ。どうすればいいのだろう。
投稿: 葦原微風 | 2009年7月28日 (火) 08時52分
お初にコメントを書かせていただきます。私は台風直撃の日に行方の農園へ大挙して押しかけた者です。炭火焼きサンマなどを食い逃げしたお詫びに貴方のブログを欠かさず読ませていただき喝!を注入しております。さて今回の民主党マニュフェストの件、驚愕です。政権交代後の真意を知らぬ無知な国民にはならぬようアンテナを張ります。その昔の牛肉オレンジの輸入自由化、またはパサパサタイ米を噛みしめた日々を思い出します。やっぱりブラックチェリーより高いけど佐藤錦のほうが美味いもんね!といくのでしょうか?いやいやカリフォルニア米のコシヒカリはSUSHIにピッタリ!となるんでしょうか。その昔、O前研一とかいうオッサンが首都圏の農地をすべて宅地にすれば土地問題はカイケツー。農産物はゼーンブ輸入!日本の未来は加工立国とのたまっていたのを聴き、末恐ろしくなりました。ヨーロッパ諸国の食料自給率の高さと我が祖国の低さに憤然といたすのであります。すみません、お初コメントなのに清志郎チックになってしまいました。今後もラジカルなブログを期待しておりますです。
投稿: 秋葉丈生 | 2009年7月28日 (火) 21時36分
今、どこかを旅行中のゆっきんママさんに代わって申し上げます。
葦原さんと元気な秋葉さんに「me too♪」あれっ。
投稿: 余情 半 | 2009年7月28日 (火) 23時22分