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2009年7月26日 (日)

エンザロ村のかまど  谷間の村に電気を灯す

_edited このアジアの山中の村に電気を灯したい、そう考えたのは、何回かトレッキングの途中にその村に寄ってお世話になったからでした。

彼は数年に一回トレッキングをするのが生き甲斐で、てくてくと山歩きをしては、その村の村長のお宅に泊めてもらっていたのでした。そしてある時、彼がお土産で持ってきた絵本を子供がランプの乏しい光でかざすように嬉しげに読んでいるのを見て、そうだこの子供たちのために電気を点けようと思い立ったのだそうです。そうすれば、真っ暗の台所の土間で料理をしているお母さんも嬉しかろう、と。

そう思い立った彼は、仲間と語らって考えを巡らしました。まずどうやって発電するかです。下の町から電線を引くのは論外。百キロ以上ある上に途中が険しい山道です。どれだけのコストがかかるか分かったものじゃありません。

_edited_2

で、お次の案は自家発電機でしたが、これは大き過ぎるし、油などの維持費がかかります。これもボツ。太陽光パネルは蓄電装置が大がかりになります。そんなこんなで、結局、その村のそばにある急流を利用する水力発電はどうだということに衆議一決しました。

水力発電といっても谷間の急流に設置するいたって小規模な装置です。これなら分解して搬入も楽だし、金額的にもなんとかなりそうでした。谷間の急流から数百m電線を引けばいいだけです。それからすったもんだ数年がかりで、国内の発電機メーカーにあたって協賛を得て、マスコミを通じて支援を呼びかけて多くの温かい善意の支援にも恵まれました。 そしていよいよ現地搬入と設置です。村人と共に原生林を拓き、電柱を立て、立てられないところは竹に通してつなげました。最初のぼわーととぼけたような電球が点いた時に、それは灯台のように周囲を明るく染めました。彼と仲間は、どうして涙がこんなに出るのか分からないほど、泣けたそうです。

ここまでは実にいい話です。「地球家族」のようなテレビ番組があったら、ここでエンドロールが出てお終いでしょうが、続きがありました。

数年後、この山間の村に行った彼は、まったく動いていない発電機に再会することになったのです。

(続く)

■写真 ベトナムの小学生と働き者の娘さん。

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コメント

動いていない発電機、これはよくある話ですが、その続きが楽しみです。出来れば、彼がどんな人なのか、名前や、活動の説明があれば、なんとなく、実在感が生まれるのですが、無理にとは言いません。

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