エンザロ村のかまど 一冊の本から第3世界援助を考えてみよう
ちょっといい本のご紹介です。福音館から出されている「エンザロ村のかまど」という絵本です。さくまゆみさんが文、そして沢田としきさんが素敵な絵を描いています。
エンザロ村を知っている日本人はほとんどいないと思いますが、アフリカのケニアは知っているかもしれません。そこで日本の知恵が、思いもかけぬ貢献をしているというお話です。
私は若い頃に海外青年協力隊というところに行きたかった時期がありました。ただ、その時は教えられるような農業や建設の知識がなかったので、どうしようかなぁ~と思いつつ、自分の農場作りにかまけてしまったというわけです。今でも旧フォスタープラン(現「プラン・ジャパン」)や、JVC(ジャパン・ボランティア・センター)などの発展途上国支援団体に、できるだけのことをするようにしています。
さて、この本の面白さはなんと言っても日本の農の知恵から生れた民の技術が、そのままアフリカの農村の中で再び甦って、人を幸せにしていることです。
今でもアジアやアフリカに行くと、えっなんでこんなことで皆んなが大変な思いをしているんだ、ということにぶつかります。たとえば水汲み。ネパールの少女は頭に大きなバケツを乗せて、数百mもの谷から水を汲み上げて登って帰り、家の水桶を満たしています。これを一日に十回もせねばなりません。ほんの小学生3年くらいの、骨の固まらないような女の子がです。
また、これもネパールで見たことですが、煮炊きに使う小さなカマドには煙突がありません。となるとどうなるのでしょうか。お察しのように、煙や煤が狭い台所に立ち込めてしまうのです。そして多くの女性が眼や肺を患っていました。ひどいと失明や肺疾患になることすらあるそうです。
農業技術も、お世辞にも高いとはいえず、輪作体形をとらない場合が多い上に、堆肥を作る習慣がないので地味がどんどん瘦せていってしまいます。特にトウモロコシなどを山の斜面に植え続けていると、斜面の土がガタガタに瘦せて崩れてしまいます。そしてせっかく作った段々畑が壊れたり、ひどいと川を土砂で埋めてしまい、大雨が降ると水害を起こしたりもするそうです。
こんなことは大がかりな政府援助などではなく、私たち普通の人の支援ができるはずです。この本は、そんなことを思いついた人達のお話です。
(続く)
■写真下 タイのシェムレアップの道ですれ違ったトラクターの荷台に乗った兄妹たち。子供は万国共通、荷台に乗ってぶんぶん風に吹かれて走るのが大好きです。それにしてもただ荷台にいるだけなのに、なんかカッコいい!
■ゆっきんママ様、コメントをありがとうございます。マクロ撮影機能は大体どのような機種でもついていると思います。ロータリー・セレクト・スイッチでチューリップの花のマークがそうです。(すべてのメーカー共通)機種によって接近できる限界の距離は違っていて、説明書に50㎝とか書いてあると思います。また、マクロにすると、ちょっとした手ブレで画像が流れますので、必ず手ブレ防止を入れて下さい。
▲ときわ様、コメントありがとうございます。あ~仰せのとうりカンボジアでございました。タイにもあったんすか。知らなかった。シェムレアップって「タイを追い払った」とカンボジア現地で聞いていたもので。おもしろいですね。
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ありがとうございました♪
投稿: ゆっきんママ | 2009年7月20日 (月) 20時42分
文中の「タイのシェムレアップ」は、「カンボジアのシェムレアップ」ではないでしょうか。
タイにも同じ地名があるのかも知れませんが、念のために。
投稿: ときわ | 2009年8月 1日 (土) 10時40分