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2009年8月24日 (月)

グローバリズムの洪水の前に その1          中南米文化圏の食・トルティーヤとフリフォーレス

_edited メキシコ人はなにを主食にしているのか知っていますか?いや、メキシコといっても昔は大きな中米共和国のようなものがあったそうです。

しかし、シモン・ボリーバルの手によってスペインから独立した後に、お定まりの内紛にあって分解していきます。また、メキシコはリオグランデ河以北をアメリカによって分捕られてしまって、独立した時よりだいぶ小さな国になってしまいました。

しかし、大きな中南米文化圏とでもいうべきものは今でもしぶとく生きています。まず食べ物をみてみましょう。中南米は共通した食べ物がふたつあります。ひとつはトルティーヤといってトウモロコシの全粒粉を練って、焼いて作ったお焼きです。これにトマトとタマネギのサルサソースと具をくるんで食べます。

_edited_2 そうそう、アメリカに渡ってタコスという名になっちゃいましたが、そちらのほうが有名かな。わが沖縄では、米兵が持ち込んだタコスをライスに乗せるという荒技でタコライスというチャンプルーなものをデッチ上げてしまいました。これも流行中だそうです。わしゃ好かんがの。

さてこのトルティーアは全粒粉でなので、完熟のトウモロコシ粒を使います。未完熟だとでないと挽けませんものね。この完熟するということが大事なのです。完熟であることで、初めて栄養素がバランスを備えたものになります。また全粒であることで胚芽まで食べることができます。つまり完全食なのです。

日本で前に食べたタコスは、ふざけたことに小麦粉でした。(←食べ物のこととなるとすぐにイカル)ひでぇな、これをトルティーアとは言いたくない。トルティーアは、完熟したトウモロコシの種子に託された次の世代への生命から作られるから意味があるのです(←日本人のくせにうるさいな)。

インディオ(あるいはインディヘナ)はこのトウモロコシの原種を、たぶん数百種類持っているといわれています。実際持って帰ったトウモロコシの種だけで黒、黄色、白、ムラサキ、赤と色とりどり、大きさも日本のような大きなものは少なく、大部分はこぶりなものでした。甘味はほとんどありません。この原種を巡って、NAFTAがらみで米国とひと騒動あるゆですがそれは別な機会に。

現地の人はこのトウモロコシの茎の根元にインゲン豆の種を蒔きます。するとインゲン豆はトウモロコシの茎を支柱にしてクルスルと大きくなっていくそうです。混植農法ですね。

このインゲン豆もまた、干して乾燥させ茹でてフリフォーレスという食べ物になります。ウズラ豆の塩煮みたいな味です。これも中南米文化圏共通の食です。

_edited_3 食べ物はその地から離れて存在しえません。トウモロコシも日本で食べるような未完熟なまま食べてしまったら、確かに水々しいでしょうが栄養的には遥かに完熟した種子にはかないません。たぶん風土病も多い高温多湿な地で生きる人は、病気に罹ってしまったと思います。

農業とはつまるところ、風土でできる食を末永く食べ続けるための人の知恵の鎖の環のようなものです。私たち日本人が瑞穂の民、稲作民族であるために、千年の時を積み重ねてきたように、中米文化圏の人々はトウモロコシといんげん豆に命を託し、育て守ってきたのです。

食べることとは文化です。文化は本来売り買いできなかったものです。地域市場の中でやりとりされ、やがて国内市場流通をしていきました。しかし、安易に国境を超えて、異文化の土地に「ただの商品」として流されていくものではなかったはずでした。

私がWTOやFTOに感じるいかがわしさの根っこはここにあります。

■写真 ボリビアのラパスのメルカド(市場)。日曜市の風景です。インディオの女性がたくさん働いています。中南米はアルゼンチンを除いて、多くの国でインディオ、あるいはそれと白人の混血であるメスティーソが大部分を占めます。あまり笑わず憂鬱そうな表情が気になりますが。

手前のドンゴロスに入ったのはジャガイモ。これも、トマト、トウモロコシに並ぶ中南米が原産地の食料です。実に多種多様なジャガイモがあります。

■写真下 グアテマラのティカルで買ったカルナバル(カーニバル)のジャガーのお面。これを被って乱舞するわけですが、迫力ですよ。

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