今度は収穫直前に緊急農機械リース支援を凍結 ほんとうに農業現場を知らない民主党
衆院選が終わって静かになったと思ったら、今度は自治体首長選挙だそうです。いまでこそ平成の大合併で市になりましたが、気分はあいかわらずの村です。
そのかつての村が自分の地域の代表を出すのですから、これは大変です。新庁舎建設を隣町に持っていかれそうな形勢のわが村としては、ダンコ反対。箱ものに金を使うなという声が響いています。だってどうやら入札にはうちの村の業者は嚙めそうになさそうですし、おいしいところを渡したうえに、市の中心部を旧隣村に渡してなるもののゾといったところです。
しかし選挙好きのわが村の衆も、衆院選と同日であった県知事選、そして今回の市長選ですから、さすがくたびれているみたいですね。うちにも両陣営が一回来たきりという静かさ。片方の陣営で来た運動員に民主党候補の旗を振っていた知り合いがいたので、土地集積促進基金や、緊急農機械リース支援事業をなぜ民主党がぶっ止めたのかを聞いてみました。
この緊急農機械リース支援事業は、目と鼻の先の収穫期に使うというので、申し込んだ人が、うちの村にもいるからです。「いやー、わかんねぇよ。おれさに聞かねぇでくれや。オレが推した新人議員だって、まだ国会にも行ってねぇべさ」とのことでした。チャンチャン♪
まぁ、村の民主党支持者の諸君には衷心から同情を惜しまないよ。祝宴を上げてバンザイを連呼していたが、その後はさんざんだもんなぁ。
「いっぺん変えるっぺよ」はいいが、何変えてるんだつう~の罵声の連続でたまらんよな、お察しします。
この緊急農機械リース支援事業も、民主党が農家所得補償制度という金看板を作るために、姉葉建築士よろしく農業という建物の鉄筋を抜いた仕事です。
しかも今回は農業機械のリース事業が執行されて、もう使う寸前になっての緊急凍結。ありえないですね。常識の外です。村の民主党支持者も、さすがに弁護しようがなくて、黙ってしまいました。
下手に答えると、いかに民主党の農業政策を作っている人達が、農業現場に無知かバレてしまうからです。どこの世界に、合法的に取得した助成を、使用する直前で止めるアホウがあるかっていうんです。
またまた、民主党の農業現場を知らない悪弊が出ました。まだ新政権が始まりもしないうちにこれですから、始まったらどうなるのでしょうか。
中央官庁に百人の政治家を送り込んで、官を統制するなんて民主党は息巻いていますが笑止。こんな無知だけならまだしも、不勉強なヒヨっこ政治家にヒネられるような幼稚な官僚諸君ではありませんよ。農業現場と霞が関の間に挟まってニッチもサッチもいかなくのが目に見えていますね。
篠山登夫さんがブログで、このような理由の乏しい助成金の凍結には、法的手段を使えるとおっしゃっていました。「天災地変によらずの予算執行凍結はない」と予算適正化法に明記されているそうです。そりゃそうですよね為政者や、行政職員の恣意でコロコロ決まっていた助成金が凍結されたり、果ては執行されていた資金を変換しろなんてなったら大混乱ですもの。
以下篠山さんのブログから引用いたします。いつもながら的確なご教示に感謝いたします。http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?cat=7
[引用開始]
参考 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律
第十条 (事情変更による決定の取消等)
「2 各省各庁の長が前項の規定により補助金等の交付の決定を取り消すことができる場合は、天災地変その他補助金等の交付の決定後生じた事情の変更により補助事業等の全部又は一部を継続する必要がなくなつた場合その他政令で定める特に必要な場合に限る。」
これだと、政権交代は、天災地変並みとなっちまいますわな–「不当干渉等の防止」 (第二十四条)なんてのもありまっせ—適化法の所管は、財務省であるってこともお忘れなく---よもや、適化法の所管省自らが、第10条違反で訴えられるなんて、みっともないことにはならないでしょうな。
参考 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律
第二十四条 (不当干渉等の防止)
補助金等の交付に関する事務その他補助金等に係る予算の執行に関する事務に従事する国又は都道府県の職員は、当該事務を不当に遅延させ、又は補助金等の交付の目的を達成するため必要な限度をこえて不当に補助事業者等若しくは間接補助事業者等に対して干渉してはならない。
[引用終了]
ならば、今回の民主党政権は「天災地変」の類かと爆笑、と篠山さん。では私ら農業現場も、こんな不勉強で、強権的な素人が権力を握ってしまったことに、力なく、トホホ~。こんなことが続くんじゃ、民主党に入れた奴も一票サけぇせって言ってんぞ!
小泉改革で荒廃した地方を再建すると公約した民主党、言っていることとやることが正反対です。そもそもこんな法律違反ぎりぎりのことをしなければ出来ないようなバラマキ政策自体を見直すべきです。
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コメント
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農作物が元気に育ってますね。自分のところも兼業農家ですが、男手を一気に失ったので農協に委託してます。時々訪れるブログです。よかったらどうぞ。知っていたらごめんなさい。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi
投稿: | 2009年9月 9日 (水) 13時51分
濱田様
あまり怒っていると身体に悪いですよ。役人の書いた法律は実に融通無碍で、法律違反だと叫んでも天災地変以降の文章によって、逃げ道を作っているのですから裁判では勝てません。腹が立ちますけどね。
NHKでスーパー雑草の被害について報告していました。今後の農業のあり方に変化を起こすかもしれません。米国流の大農地に単一の作物を機械化によって少人数で育成する方法が通用しなくなるかもしれない。もし、そうだとすれば、それは、自然の逆襲ともいえるし、農業の根幹を変えるものとなるかもしれない。農地を大切にしながら、生産性を高くする(土地のではなく、人的資源の)真剣な取り組みが未来の農業の姿なのではないでしょうか。米国や中国の農業、農地が崩壊したら、大変なことになります。日本はすくなくとも、自給率100%を目指すべきだと思います。本当は130%くらい欲しいと思いますが、可能でしょうか?日本の耕作可能地とその生産性から計算して、日本で生存可能な人口は何人なのでしょうかね。江戸時代方式ですと三千万人という試算はありますけど。勿論生活様式をどの程度におくのかによってもその数あは変わるのでしょうが。取り合えず、現在の食生活から来る消費量を前提としたとき、日本で何人生きられるのか、概算でも結構ですが、可能ならば教えてください。無茶を言ってすみません。無視されても結構です。葦の原をそよそよと渡る風のように、気分を安らかに持たれますように。
投稿: 葦原微風 | 2009年9月 9日 (水) 19時14分