生き、生かされること その5 人は孤独ではない
自然は、アフリカや中東は知らないので、少なくとも私が接している日本の農村の自然は、人々が作り上げた精緻なエコシステムだとも言えます。
それを保っているのは他ならぬ共同体です。これは都市でのコニュミティとはやや違います。生存と生産、後世の孫子のための「保全と再生産のための共同体」です。
この中で私たちは暮らしている。言い換えれば、このような共同体の中で「生かされている」ともいえます。
う~ん適当な言い方ではないな、ややニュアンスが受動的すぎます。むしろ「生き・生かされている」という相互性の中にいることがわかります。
人は協働をして生きています。特に協働という理想をもっているというわけではなく、自然の前でそうせざるを得なかったからです。その協働はただいま現在のものだけではなく、遠い彼方の時間の人々とも協働しています。それが「生き・生かされている」ということの意味です。
また大きくは、生態系の基部をなす小動物、昆虫、微生物、地虫に至るまでを包括した「自然」との相互関係の中に生きているといえるでしょう。私たち人類という孤独な種は、孤独が故に共同を求めた。共同とは自ら生きる地を守ること、いわば「地守」あるいは「里守」の役割を永遠に続けるための手段です。この「地守」であることを絶やささなければ、私たちは決して孤独ではないのです。
グローバリズムを頑強に拒むもの、それがこの「保全と再生産のための共同体」、つまり私たちがその中で生き、生かされているこの日本の自然なのです。
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