ありんくりん先生のオーガニック・スクール 第2回 もし地球に微生物がいなかったら
A3 いるなんてもんじゃないわんさと住んでいる。
実は、キミのおなかの中にもマイリトルフレンドの微生物はいっぱい住んでいる。特に多いのは腸の中だ。ワシワシと住んでいて、たまにウンチョといっしょに表にでてくるそうだ。その数だけでハンパじゃない。1㌘のウンチョの中だけでなんと1兆もいるんだぜ。
キミが生まれてすぐにはウンチョはおろか、腸内にはなにもない。無菌状態なんだ。そのかわりお母さんのお腹の中でもらった免疫で厳重に守られているそうだ。だけど3日めあたりでおかあさんのミルクからキミの身体のなかに取り込まれて、キミの一生のあいだズーッと住み続けてくれる。もちろん代は変わるけどね。
さて、こんなふうにものすごい沢山の種類の微生物が、その土地、その土地にあった種類を選んで住みついているらしい。木や草が違っただけで住む微生物の種類は違うとさえいう。同じ土でも、土の奥底の空気があまりない所が好きな菌(嫌気性菌)もいれば、土の表面のお日様に照らされている土が好きな菌(好気性菌)もいる。
いちばん有名で、地球で最も数多い枯れ草菌(バチルス種)は、その仲間だけで、何百種類といて、ある者は稲わらを好み、あるものは土の中が好きだとなかなか好みがうるさい。大昔、まだニンゲンなんかがいない時から、その地の土や植物、動物に住みついてもうこの組み合わせしかないってくらいピッタシの仲になっているから仕方がないんだよね。
Q4 もし微生物がいなかったらどうなるの?
A4 地球は砂漠に、人は消化できず、味噌も醤油もできない。
え、なんだって、ニンゲンはえらいから、こんなチッポケな小人なんかいらないって!なんつうタメグチをこくか、このガキは!?じゃあ、もしもこのちいさな微生物がいないとしようか。秋になって草が枯れてもそのまま、イノシシのウンチもそのままカチカチになって石みたいになるだけ。
だから、土は栄養が得られなくて、おなかが減って死んでしまう。そう、土がおなかが減って飢え死にした姿を砂漠って言う。木も草もはえない、動物も虫も生きられない、石ころばかりがゴロゴロしている、そんな土しかないところだ。死の世界だ。
初めて宇宙に言ったガガーリンさんという宇宙飛行士が「地球は青かった」っていう言葉を残している。水と緑の惑星、それが地球だ。こんな水と緑の星を探そうと天文学者は、毎日宇宙を観測しているが、今のところ見つかっていない。つい最近の火星探査の写真のように石がゴロゴロしてるだけだ。こんな素晴らしい地球にしてくれているのはこのマイリトルフレンド、微生物のおかげだ。
同じようにキミの身体から微生物がいなくなっちゃえば、キミは食べ物を消化できないからウンチョもオシッコも出ない。味噌や醤油は麹菌でできているから大変だ。パンも焼けない。だから、キミはあっという間に死んでしまうだろう。こら、微生物に謝りなさい。
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