ありんくりん先生のオーガニック・スクール 第3回 土はどこから生れたのですか?
A5 そう、森は微生物の宝庫だ。
キミといっしょに森に行きたいな。歩くと靴が埋まるようなかんじがするだろう。みなフカフカして、これは毎年の落葉が腐って(誰のおかげだぁ?微生物!よくできました)できる腐葉土だ。森全体が発酵槽のようになっていて、土と水と酸素を製造しているま最中だ。ほら、手にとって土をかいでごらん。甘くてなんともいえないいい香りだろう。これが腐葉土という世界最高の土の香りだからよく覚えておいてほしい。この土と水と酸素という生きるための三大要素が全部あるから、ボクたち人間は森をいとおしく思うんだろうね。
この森の土の生物調査をした学者がいる。1㎡、深さ40㌢に生息する生き物は、ミミズだけで360匹、2㌢未満から0.02㍉までの微生物が330万匹だって。更に微細な微生物は1㌘、つまり納豆一粒の大きさに3億から4億の微生物がいるらしい。えらいこっちゃ。
Q6 土はどこから生まれたのですか?
A6 山の岩石が水によって削れて溶けだしてできました。
今戦争をしているイラクやアフガニスタンの写真を見ると、ゴツゴツした岩山がたくさんあるだろう。ああいった土がないはげ山は世界中にいくらでもあるんだ。そんなところでは農業はとってもむずかしい。先生もパキスタンの奥に行ったことがあったけど、そこも畑を作れる土地は谷底の川のまわりだけだった。キミと同じくらいの歳の子供が大きな水を汲んだ桶をもって畑に水をやっていた。何百メートルもある川から小さな顔を汗だらけにして、うんしょうんしょと運ぶ。学校にも行けないんだ。 この子たちにとって学校こそが夢だ。同じ年頃の友だちと学んだり、ひとり一冊の教科書をもつこと、校庭でサッカーをすること、それが夢だって言ってた。このささやかな夢を聞いて先生は、鼻の奥が熱くなった。 キミらは学校なんか行けてあたりまえだ、親から押しつけられているなんて考えているかもしれないけど、そうなのかな?心のどこか片隅にでもいいから、イラクやアフガンの子供たちのことを置いておいてほしい。あの子たちに平和に勉強やサッカーができる日がくるといいね。 さて、土の話だ。そんな岩山が雨の水や川の水で削れて長い間かかって砕かれた小さな岩になる。そしてちょっとずつ溶けだしていったものが土だ。でもまだ、この土は生き物が住めないんだ。ほんとうに生き物がぐんぐん育つ土になるにはもうしばらくかかるんだ。
« ありんくりん先生のオーガニック・スクール 第2回 もし地球に微生物がいなかったら | トップページ | ありんくりん先生のオーガニック・スクール 岩はどうして土になったのか? »
「農業ほどおもしろいものはない」カテゴリの記事
- ぬか漬けと堆肥(2012.06.09)
- 田植えの方法も色々あります(2010.05.02)
- 春だからしたい、種と交配のお話(2010.04.12)
- 野鳥とともに作るレンコン第2回(2009.12.24)
- 野鳥とともに作るレンコン(2009.12.23)
« ありんくりん先生のオーガニック・スクール 第2回 もし地球に微生物がいなかったら | トップページ | ありんくりん先生のオーガニック・スクール 岩はどうして土になったのか? »
コメント