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2009年11月

仙谷行政刷新大臣への13の公開質問状

拝啓 仙谷大臣殿。

終了した事業仕分けについていくつかご質問いたします。私は、今回の事業仕分けにおいて「廃止」を宣告された有機農業モデルタウン事業を受託した有機農業団体の者です。

■さて、第1の質問ですが、この仕分け事業は、仙谷行政刷新大臣の指揮下にある、「行政刷新会議」の、「事業仕分け」という名称の作業と理解しております。この事業仕分けは民間事業ではありえない以上、これは政府事業ということになりますでしょうか?

■第2の質問ですが、この事業種分け主体である「行政刷新会議」についてお聞きします。この組織は、いかなる国の最高議決機関たる国会の手続き、承認を経て作られたものなのでしょうか?

■第3の質問です。国家予算を「廃止」、「縮減」に仕分けるということは、国と国民、企業、あるいは地方自治体との予算に基づいた契約を一方的に国の側から破棄、あるいは、変更することを意味すると思われますが、いかがでしょうか?

■第4の質問です。その、国の側からの一方的な契約の破棄、ないしは変更とは、国権の発動そのもののだと思われますが、いかがお考えでしょうか。

■第5の質問です。この国権の発動たる国と国民、あるいは企業、地方自治体との契約を一方的に廃棄する権限を、国会の承認に拠らない「行政刷新会議」と称する任意団体に付与したと解釈してよろしいのでしょうか。

■第6の質問です。このような国権の発動たる権限の付与を、誰が、いつ、どのような権限において発令したのでしょうか。その根拠をお教えください。またそれに関する文書名、その根拠たる法律、法令名、責任者名を開示ください。

■第7の質問です。このような「行政刷新会議」を法的に根拠づける法律、法令がないならば、この「事業刷新会議」は、仙谷大臣の私的諮問機関であると解釈することになりますが、その解釈でよろしいのでしょうか。

■第8の質問です。「行政刷新会議」が大臣の私的諮問機関であるならば、このような私的諮問機関が出した結論は、いかなる法的拘束力を持つのかお教えください。

■第9の質問です。この「行政政刷新会議」は、「事業仕分けワーキング・グループ」と称する一群の集団が完全に支配しておりますが、この仕分人はいかなる基準をもって選抜したのでしょうか?それがいかなる理由に基づいた人選であるのかの基準、及びそれを選抜した責任者名を開示ください。

■第10の質問です。この人選についてお伺いします。今回の有機農業モデル事業仕分けに際して、有機農業農について知見をもった農業専門家が存在しません。有機農業推進法に基づいて、既に「有機農業推進会議」という枠組みが作られております。この生産と流通、消費まで網羅した枠組みをなぜ利用されず、まったく別の人選をなさったのでしょうか。その理由をお聞かせください。

■第11の質問です。今回の有機農業モデルタウン事業は、既に受託して2年になろうとしております。この段階で廃止を受けると、地域との関係などで多大な被害を被ります。このような関係諸方面ぬきでの拙速な作業は、一方的かつ不当なものだと思います。なぜ受託者代表を仕分けの場に招致しなかったのでしょうか。

■第12の質問です。最大の疑問は、「廃止」の理由づけです。新規性に乏しい事業を含んでいるので、波及効果の高いものに絞って、画期的なモデルのみを支援すべきである」とのことですが、あまりにも短いので私には理解しかねます。有機農業モデルタウン事業も40数カ所に及びますが、そのどこが「新規性に欠け」るのかお教えください。

■第13の質問です。前項を受けての最後の質問です。ならば「波及効果のある」有機農業モデルタウン事業とはいかなるものなのか、「廃止」を宣告した責任者としてご教示ください。

以上、よろしくご返答いただきたく思います。

敬具  

濱田幸生拝_edited1

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蓮舫さん、あなたがしたことが どんなに重い意味を持つのか自覚しているのですか?

_edited ふっき~様、ゆっきんママ様、コメントありがとうございます。農水省は今の段階ではパブリックコメントを出す予定はなさそうです。
漢方薬の保険外の事業仕分けについては、日本東洋医学会などが署名を集めて4万通にも登る署名が集まって、反撃が開始されています。文科省は、このパプリックコメントでスーパーコンピュータ、GXロケット等の事業仕分けに有効な反撃をすることができていますので、農水省の鈍さはやりきれないですね。

有機農業支援予算廃止の事業仕分けを覆すには相当な困難が予想されます。まず、一般国民には報道すらされていません。今のところ「日本農業新聞」のみが報道しているだけで、一般紙、電波媒体ではひとことの報道すらない状況です。

これは有機農業の社会的に置かれた力関係をそのまま映し出したものだと思っています。私たちの社会的認知度はこのていどなのです。

一方、全国有機農業連絡協議会や、農を変える全国集会を中心として、各地の有機農業推進協議会が結束して行動する方向でとりまとめに入っています。

Img_0001_edited また、伝統的な民主党の支持基盤であった生協関係やデバンダ・グループ(生活クラブ、パル・システム、大地を守る会、東都生協など)にも支援を要請しており、結束して行動する方向を目指しています。

状況は非常に速いスピードで推移しており、今週の中頃には有機農業諸団体と有機農産物の産直に関わってきた消費者-流通団体の統一した反撃の第一歩が始まるはずです。この連携に成功すれば、たぶんわが国で最初の有機農業防衛のための統一された行動になるはずです。

しかしそれにしても、民主党はいとも気軽に「無駄、廃止!」としてしまった有機農業支援予算ですが、彼らは大きな代償を払わされることになることでしょう。
というのは、これらの諸団体は、先程も述べましたように都市部における強固な民主党支持母体のひとつでした。
このたびの選挙戦でも多くの民主党候補者が支援を受けているはずです。また民主党政権樹立に歓喜したのもこれらの団体の人々でした。
鳩山首相の所信表明演説を食い入るように読み、そのコピーを配布したのは、ほんの一カ月前のことではなかったのでしょうか。もう遠くのことのように思えます。

歓喜は失望に急速にとって変わられつつあります。
かねてから危惧していた「コンクリートから人へ」などのスローガンや、事業仕分けなどの派手なパーフォーマンスのみが先行して、それを満たすべき内実たる方法論が大きく欠落しているのが明らかになりつつあります。

Img_0015 すなわち個別政策論と、それを支えるべき知見の致命的な欠落です。平たくいえば、不勉強な素人集団の思いつきで国家が運営されているにすぎないのです。

だから、膨張した94兆円の予算案の帳尻合わせで、有機農業支援予算の廃止などというグロテスクなことを平気でやらかしてしまうのです。そしてこれが政権最初の有機農業政策(?!)だというのですから二重に奇怪です。

たとえば、今回の事業仕分けで,ゆっきんママさんが疑問にもたれた「なぜ無駄なのでしょうか?」という疑問に、事業仕分け人自身が答えられるのかすら果たして怪しいものです。

もし真に「公開、民主、透明」を掲げての予算の事業仕分けならば、なぜ有機農業者、それが無理ならば研究者のせめてひとりも呼ばないのですか?

全有協の金子代表や、当事者たる受託団体の有機農家(私たちもそうですが)、中島紀一先生のような専門家、あるいは藤田さんのような大地を守る会の代表のただのひとりも呼ばれない場で、なぜ強引に決するのでしょうか?ただカメラが回っていれば、テレビ中継されていれば、それが民主的なのですか?

もし、真剣にこの有機農業支援予算を廃止したいのならば、最低これらの知見をもった人々を集め、よく意見を聴取し、反対意見を持つ者からも聞き取り、じっくりと時間をかけておこなわれるべきです。

これでは事実上の弁護人ぬき裁判と同じです。いや、いつ私たちはこんな人民裁判まがいの場に引き出されるような悪いことをしたのでしょう。

しかし、一切の関係諸関係の聞き取りなし、農水省の担当官にいわせると「口を開く間もなかった」ような瞬時の間に、蓮舫議員によって「こんなものいりませんね」の一言で廃止の屑籠に突っ込まれたのです。

ゆっきんママさん、むしろ私が彼女に聞きたいくらいなのです。
蓮舫さん、なにが無駄で、どこが不必要な予算なのですか?
あなたは有機農業についてなにを知っているのですか?
民主党の有機農業政策を、仕分人たるあなたの口から教えて下さい。


そして最後に、あなたがしてしまったことがどんなに重い意味を持つのか自覚しているのですか?

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ひとりでも多くの人々が、有機農業支援予算廃止に反対の声を上げられることをお願いします

Img_0023_edited1 有機農業支援の予算を一瞬にして葬ったのは、やはりあの蓮舫議員だそうです。
この人の、「こんなものいらないでしょう」のたった一言で廃止を宣告されたそうです。なんの討議らしきものもなくわずか数分だったそうです。

さて、先日来、有機農業界の各所と連絡を取り合っています。
いずれもが驚きと衝撃を隠せませんでした。その一方、ある人は「ああ、やっぱりな」と皮肉な笑いを漏らしました。私にはその気持ちがよく理解できます。

有機農業が、「有機農業」としてのアイデンティティを持って30余年。私はその第1世代にあたります。
私たちは、過去一度たりとも国家の支援をもらったことはありませんでした。ただの一台のトラクターの補助金すら国からもらってきたことはなかった。他の農業者があの手この手で、農業補助金を得ることが農家繁栄のコツとわきまえている時代に、一貫して自分の汗した金で機材を買い揃え、土を豊かにし、それを都市の消費者と分かち合うことに没頭してきました。

Img_0026 そして長年にわたり「出来もしない農法」と揶揄され、異端児としてこの農業の世界で生きてきました。農水省や自民党農政族は、これまで、私たち有機農業者に温かい視線を向けてくれたことなど、ただの一度もありませんでした。

決してひがむわけではなく、私たちにとって「国」などなきに等しかったし、農政など無関係だったのです。私たちは独自の産直ルートを強固に作り出し、農業技術的にも、経営としても安定した水準を蓄積してきました。そして、今やあながち自慢ではなく、有機農家ほど安定した家族農業はないでしょう。

独立自尊の精神、わが農場にこそ生きる根拠を持ち、その中にこそ価値を見いだす生き方こそ、私たち有機の世界に生きる人々の共通のものなのです。

折しも、時代が私たち有機農業を必要としました。
20世紀最後に書かれた新農業基本法は、環境に負荷をかけない農業を大きく掲げました。地球温暖化が叫ばれ、もっとも環境負荷のない農業形態としての有機農業が、こうして初めて陽の目を浴びることになりますす。

私たちが時代を追いかけたのではなく、ようやく時代が私たちに追いついたのです。30年もかけて。

Img_0005 有機農業支援法が2007年4月に制定された時に、有機農業の連中がなんと言ったのか聞かせてあげたいものです。
「そんなに国が支援したいというのならさせてやる」

たぶん現代日本農民でこのようなことを言うのは私たちくらいでしょう。そうなのです、傲慢不遜なまでの独立自営農民が私たちなのです。

ですから、今回の有機農業モデルタウン事業わずか5億円が農水省から提案された時、その農水省本省で行われた説明会でこの私が挙手してなんと担当官に言ったのか。
「国は余計なことをしないでほしい。今、県と支援策について交渉している真っ最中だ。国がここで勝手に支援予算を組むと混乱する。私たちの支援政策は、私たち自身が作るつもりだ」

さすがにこの過激な言辞に、全有協代表の金子さんも困り顔でしたが、それが私の本音だったのです。
お仕着せの支援政策などいらない。なぜなら、国は私たちの実態把握もしていないでしょう、どのような農業なのか知ろうともしなかったではありませんか!お仕着せの補助金などいらない!俺たちはたしかに貧乏だが、安く見積もらないでほしい。
そのように私は言いたかったのです。

一瞬、数十名いた会議室は凍りました。しかし、後の交流会で、私は何人もの仲間に「よく言ってくれた」と肩を叩かれたものです。

この3年前の農水省予算説明会が、他ならぬ蓮舫議員にバッサリ「無駄」宣告された有機農業モデルタウン事業だったのですから皮肉な巡り合わせです。

さて、私たち行方地域で有機農業モデルタウン事業を受託する気になったのは、これがいわゆるハコモノに対する予算事業ではなく、有機農業が地域農業の中でどのようにパートナーシップを組んでいくことが出来るのかという「人」に対しての可能性を探る事業だったからです。

Img_0003_edited しかも単年度ごとに査察を受けると言っても、複数年度にわたる最長5年間にわたる事業であることも、私たちを動かしました。単年度ごとのハコモノ投資では、まったくなにも変わらないのです。

そして既に40余の有機農業の産地では、行政やJA、個別の有機農業者、そして消費者、学校関係者まで巻き込んでの「有機農業推進協議会」という枠組みを作り出し、複数年度にわたる計画を策定して、現実にそれを開始して既に2年にもなります。

これがあと3年間を残して廃止に追い込まれれば、地域でせっかく動き始めた「有機を語る共通の場」、「有機を軸に広がる地域の環」は、無残に断たれてしまうことでしょう。

こうして始まった有機農業モデルタウン事業は、農水省と財務省の復活折衝が来週末に待ち構えています。私たちは、来週に行動をおこしていく予定でいます。
私の個人的な感情のみで言えば、これが最後の「国」に対する希望です。

ひとりでも多くの人々が、このような有機農業支援予算廃止に反対の声を上げられることをお願いします。

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民主党は有機農業の支援の芽を潰すな!

_edited1_3 行方市有機農業推進協議会(磯山代表)と、石岡市有機農業推進協議会(芝山代表)は、昨日、この民主党仕分けチームの暴挙に対して、情報を収拾すると共に、農水省環境保全室と民主党ツルネン・マルティ議員(有機農業議員連盟・事務局長)に口頭で、抗議の意志をつたえました。


同時に、全国有機農業推進協議会(全有協)の中島紀一教授、大地を守る会、パルシステム、ポラン広場東京、東都生協に対して支援を要請しました。
また、民主党本部にも抗議をメール送付しました。

これは単なるモデルタウン事業にとどまらず、有機農業全体に対する農政そのものの信頼を揺るがす問題であるととらえます。

有機農業支援法の実体化の端緒であった有機農業モデルタウン事業を、このような形で廃止していいはずがありません。
しかも、日本農業新聞に聞くと、まったく内容の審議なしで数分で葬られたとのことです。腹の底からの怒りを感じます。

来週は上京しての、農水省、民主党への陳情行動も検討しております。

本日は、状況進行中につき、短稿にて。

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有機農業支援事業を、民主党仕分けグループが廃止に追い込む!

_edited1有機農業支援事業を、民主党仕分けグループが廃止に追い込む!

政府の行政刷新会議は24日、2010年度予算概算要求を精査する「事業仕分け」で第2弾の作業を始めた。農水省関係では、民主党議員が中心となって06年に成立させた有機農業推進法を受け実施している有機農業総合支援事業のモデル事業部分(約3億円)など、6つのモデル事業をすべて「廃止」と判定。(日本農業新聞11月25日)

よもやほんとうにやるとは思わなかった信じられない。今までさんざんダメ農政だと言ってきた自民党農政ですら、こんな愚行、いや、あからさまな敵対行動はとらなかった。

この農水省有機農業モデルタウン事業には茨城県の2ツの有力な地域がかかわっている。私たち行方地域と、八郷地域である。それぞれ、大変な苦労の末に推進協議会を作ってきた歴史がある。

この事業は単に 営農法人への助成金、要するに、いわゆるハコモノではなく、それを含めてのその地域の有機農業を核とする可能性を追求するものだった。

今日、農水省環境保全室に聞くと、一括審議でモデルタウン事業はスッパリ切られたのだそうだ。
内容ではなく、審議もほとんどない。

私たちがこの有機モデルタウンを作るのにどんな苦労が・・・、ああ、もういい、うちの行方ではとうぶん有機農業にはペンペン草もはえないだろう。

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地元議員はもはや不要の仕組みに

Img_0015 私の選挙区の民主党議員は、堂々と額賀福志郎さんを破って、国会の赤絨毯を踏んでいます。太洋村という海岸淵の小さな村の村長が、今や衆議院議員です。

彼はなかなかやり手の村長として名を上げていましたが、国政レベルの見識はまったく聞いたことはありませんでした。たぶんかつての中選挙区制ならば、自民党候補のひとりとして立候補したのでしょうが、なにぶん小選挙区の1人区では額賀氏の指定席と化していました。

この元村長さんの民主党候補は、選挙期間中に一貫してこう訴えてきました。
「自民党の現職は大物化してしまい、地元にもろくに帰ってこない。地元は秘書だけで東京の人間となってしまった。これでは地元の声は国政に届かない。地元を知り尽くしている自分はこの流れを変えて、国政に地元の声を届けてみせる!」

それなりに説得力のある呼びかけだったとみえて、総理候補にまで擬せられたことのある額賀さんが、よもやの敗北を喫してしまう結果を生みました。まぁ、比例で復活しましたけれど。

Img_0016 で、今、どうなっているでしょうか?地元の声は民主党候補者の訴えどおり国政に反映されているでしょうか?

地方の声」を政府などに伝える陳情について、民主党県連は20日までに、一元的な受け皿窓口となる「政策推進委員会」を県連内に新設する方針を決めた。陳情の流れも「政治主導」に切り替えるため党本部が幹事長室を窓口として一元化したことに伴う対応で、県内からの陳情は県連から党本部を通じて政務三役などに取り次がれる仕組みとなる。 茨城新聞 11月21日

今まで、個別の地元議員が聴取していた陳情を、今後は県連の窓口で一括することにしたのだそうです。これは、中央の幹事長室一元化に合わせての措置で、県連政策推進室にいったん一元化し、このフィルターを通してから、中央本部の幹事長室に伝えられ、そしてここで選別して、政府に伝えるということになるそうです。

この新しいシステムだと、「県政策推進室」とやらが地域の陳情を聞くだけで、地元議員のこまめな地元応対はいらなくなります。民主党県連は,「地元に根ざした議員を作る仕組み」と言っていますが、どんなもんでしょうかね。
農業というきわめて地域的な色彩が強いものを、このように一括して県窓口で集約というのはいかにも乱暴な話です。

たとえば、同じ茨城県と言っても、山間地の県北と、農業地帯の県南、あるいは沿岸部の漁業地帯では、同じ「茨城県の農業」といってもまったく抱える問題が違うのです。

Img_0018 これを自民党は地元秘書や、議員本人が聞き取り、政府や官庁に取り次いでいたわけです。とうぜん、その間の金銭の授受や、利権構造が発生したことは、想像に難くありません。

これを「改革」すると小沢幹事長は言うわけです。幹事長室、つまりは小沢一郎氏の元に国民の陳情は一括して一元化する、と言うのですからなんともすさまじい。
彼のさじ加減ひとつで「政府に伝えられる」というシステムを民主党は作ってしまったことになります。あたかも、スターリン独裁時代のソ連の社会システムを見るようです。

小沢氏は「族議員を作らない」というもっともらしい言いわけをしているようですが、今までさんざんゼネコンで金権腐敗の限りを尽くした小沢氏の言うことを、真に受ける人がどれほどいるのでしょうか。
今度は岩手の利権だけではなく、全国くまなく利権は自分に集中させる、こう小沢一郎氏は言っているのです。

国会対策委員長レベルにして、小沢氏のご機嫌を伺い、強行採決をしたかと思えば、直ちにそれを止めるという右往左往ぶりが伝えられています。一年生議員は徹夜のまま強行採決の挙手要員に駆り出されたそうです。その中に元村長もいたのでしょう。「地元の声を国政に届ける」のはまだまだ先の話のようです。

今の日本は、ひとりの陰の人物にすべての権力が集中し、一切の利権を牛耳るという「一人独裁国家」に変貌しようとしています。このような国を、皆さんはお望みだったのでしょうか?

先日のTBSの時事放談の記録を読みましたが、他ならぬ自民党田中派の七奉行の数少ない生き残りであり、盟友であると思われていた前民主党最高顧問渡部恒三さんがこう言っていたそうです。ご参考までに付け加えます。

渡部氏国対委員長(山岡賢次氏))おりますけどねえ、まあ何となく小沢くんが右といえばはい、左といえばはい、となっちゃいましたね。はい、と言わない私は首になっちゃった。

Q:でも、民主党議員はそう言われると右左とついていくわけですか。

渡部氏:もうそれは着いていきますねえ。そらたいしたもんだわ。昔の軍隊よりたいしたもんだ。

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究極の玉子かけご飯

012_edited1 上の写真は、うちのグループがフェスタ・、オルガニカ用に作ったかまどです。
今年の祭には私は関わらなかったのですが、若いスタッフたちが何でおもてなしがいちばん素敵かと議論して、「究極の玉子かけご飯」となったと聞きました。

「究極の玉子かけご飯」。よく私たちにも消費者から「何が玉子のいちばんおいしい食べ方でしょう?」と聞かれることがあります。私、躊躇ためらいもなく、玉子かけご飯ですね、と答えるでしょう。

手はかけない、しかし素材の味がキッチリわかってしまうとなれば、こりゃ玉子かけご飯しかないですよ。
あるいはそうだな、半熟のゆで卵をスプーンで掬ってハフハフ言いながら食べるのもいいですね。時間は沸騰したお湯に入れて7分で黄身が半熟、外はやや固いていどかですか。もっと半熟がいいなら、5分~6分。タイマーでちゃんと計ってね。
004_edited1 ともかくいじりまわさない。余計な味をつけない。玉子とご飯と醤油、あるいは塩一本で勝負。ストイックだねぇ!
ただし、よくある市販のたまごかけご飯用醤油なるものはおやめになるほうが無難です。甘ったるくて味の素くさくて、かえって素材を殺します

このシンプルな食べたかは全国共通なようで、前に同業者で酒飲みながら、この話題になったら、やっぱり皆声をば揃えて、「決まっているだろう。玉子かけご飯だよ!」と言っていましたっけ。

バターご飯。パターをひとかけホカホカごはんに置いて、ひとたらしのお醤油。これもうんまい!おーと、もうひとつあった。トキワの石沢さんは目玉焼きのターンオーバーなんて言ってましたっけ。目玉焼きをひっくり返して、頃合いを見てスプーンで黄身をしゃくうんだそうです。これもなかなか。


ともかく、プロフェショナル(←クイクイと胸を張る)の食べ方は、素材に自信があるので、すこぶるシンプルなのです。というのは、生産者は毎日、自分の農場の品質をベロメーターで計っているところがあって、余分な味を使うとわけわからなくなってしまうでしょう。

で、究極の「玉子かけご飯」ですが、うちのグループの田んぼで作った有機栽培の新米を天日干しにしました。天日干しにすると、石油で一気に火力乾燥させるより、心持ちしっとりと乾燥します。そしてなによりお天道様のビタミンDと滋養をたんと芯まで吸い込むのです。


これを贅沢にも、かまどで薪で炊いてしまう。当然水はわが村の自然水。あんがい、うちの村の水はクセがなくておいしいのです。
これでまずかったらウソ。もうこれだけで自己完結するよなぁ。

008_edited1 カマドにお釜というのもスゴイんですよ。電器がまはそうとうによくなってきてはいても、あの薪の強火が出ないのです。お釜の厚い鉄で、分厚い5、6センチはあろうかというぶ厚い木の蓋で圧力をかけるようにして一気に炊く!

この手作りのかまどは、昨年私たちの村にやって来て、今うちの直販所の責任者をしていただいている老練のログビルダーさんが作ってくれました。
木の屋根もついていて、横には食事の合図を、カンカンと知らせるアンティークの重厚な鐘まで付いています。

そしてこの究極の新米に、ガッチリ拮抗するは、私たち平飼生産者自慢の文字通りその朝採れた玉子。

ポンと割ると黄身がもっこり、白身も黄身を持ち上げています。殻はあくまでも堅く、美しい茶色。

これをホカホカのご飯の先をちょっとだけ崩して、割り入れます。そして、これまた有機栽培の大豆と自然塩と麹だけで、おまけに木の樽で仕込んだ醤油をひとたらし。

今回はこのかまどでのご飯炊きを消費者のみなさんに作ってもらいました。パパが懸命に火を起こす。子供が吹く。グツグツ釜が煮えてくる。さぁ火を落として蒸らすんです。皆、この初体験を面白そうにやっていましたっけ。

ただひとつの心残りは、お焦げがうまく出来なかったのです。最後にむりむり作ってようやくお焦げが出来てホッとしました。

あ~、書きながらよだれが湧いてきました。今日は玉子かけご飯にしようかな。

■「フェスタ・オルガニカ」とはオルガニカはスペイン語で有機のこと。つまり有機農業の祭ていどの意味です。初代実行委員長であらせられた私が、キューバ帰りの熱気で命名してしまい、今でも舌を噛むと不評です。反省。

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民主党農政の1丁目1番地・農家戸別補償政策が  財務省にコテンパンにされているようだ

                                         Img_0022_edited_edited  気の毒なことに、民主党が困ったことになっているようです。

いや、普天間などのことではありません。民主党農政の1丁目1番地的な政策である農家戸別所得補償制度がズタボロになりそうな気配が濃厚なのです。しているのは、もちろん弱小野党の自民党ではなく、あの事業仕分けを、アンチョコまで作って主導した「官庁の中の官庁」こと財務省です。

財務省は案の定、こんなことをチクチクと言い始めたようです。

財務省は19日、マニフェストを実行する2010年度予算編成の査定方針を明らかにした。(中略)農家への戸別所得補償制度をコメ以外でまず実施することや、高速道路無料化の大幅縮小も求める。(共同・11月19日)

それを受けて、さっそく野田農水副大臣がこんなことを言い出しました。いや、実に財務省の前に出ると、借りてきた猫のようです。

野田佳彦財務副大臣は19日の記者会見で、マニフェスト(政権公約)の関連予算圧縮で焦点となっている農家への戸別所得補償制度について「本来は(自給率向上を目指す)麦や大豆の方が順番は先だ」と述べ、コメの先行実施を目指す農水省に再考を促す考えを表明した。
麦や大豆の方が予算措置が少なく済むとみられている。(引用同上)

_edited まぁ、ちょっと考えれば来るべきものが来たってとこですか。景気の後退により税収は38兆円を割り込み、たぶん35兆円規模まで縮小するはずです。
そしてこの不況時に景気対策予算に大鉈を振るうという蛮勇を、財務省の手下よろしくしてしまったのが、ほかならぬ仙谷さんたち民主党事業仕分け文革小組です。
これではまず間違いなく、来期の税収は35兆円切れという悲惨なものとなるでしょう。「鳩山不況」という声が、がぜん現実味を帯びてきました。

このような税収収縮という現実にもかかわらず、民主党政権が出した概算要求額は、あろうことか史上最高の95兆円にも登ろうとしています。
その理由は、事務次官会議を「政治主導」のひとことでひねり潰してしまったためです。これで今まであった予算案作りに際しての事前の官庁間調整ができなくなりました。
結果、各官庁はここぞとばかりに、自分の省で必要と思われる予算をギュギュっと詰め込んだ概算要求案を作ってしまったわけです。かくて出るも出たり、史上最高95兆円!

こんな水膨れしたような概算要求案を受け止める立場の財務省が何を考えるのか、深く考える必要もありません。

もはや民主党マニフェストがウンヌンというレベルではなく、財務省として看視できるはずもない。小学校1年生でも出来る算数です。小学校で赤点生徒だったこの私にも出来る(←えばることか)。
95兆引く35兆は、答え60兆円の赤字。なんのことはない、税収のほぼ1.8倍です。事業仕分け文革小組が3兆円削ったなんて言っても、そんなものは屁の突っ張りにもならないのは、財務省はとうにお見通しです。
財務省にとって、あんな事業仕分けなど児戯に等しいこと。民主党に「悪役」になってもらっての超緊縮財政に向けてのショータイムでしかありませんでした。

気の毒に、官僚の中の官僚・財務省の手のひらで踊っていたのが、事業仕分けチームだったようです。

財務省にとって政権与党のマニフェストだろうとなんだろうと、子供手当て6兆円、農家所得保障1兆3千億、高速道路無料化などという国民への甘いお約束は、財務省にとって単なるダボラのたぐいになってきます。

_edited_2今のところ財務省は、政権与党のメンツを立てて「米でいきなり突っ込むより、大豆なんかでおやりになったほうが金がかかりませんよ」ていどに言っているようです。

それを受けての野田副大臣の発言です。となると民主党が、政権交代後に言ってきた「米から農家戸別補償を事業をモデル化する」という大方針がガラガラと崩れて行きそうな気配です。

私はそれならそれでいいのですが、「米から農家戸別補償を」とやれば,財務省からすげなく蹴飛ばされ、どこが自民党の石破さんの選択的減反政策と違うのだと突っ込まれ、あげくに今回の「大豆からやります」では、たぶん民主党に票を入れた農家は承知しないと思うぞ。

とうぶんこんな見苦しいダッチロールが続くのでしょう。そもそも、篠原孝さんが長年研究してキチンと出来ていた直接支払い制度を聞きつけた小沢一郎さんは、たぶんこんなふうに言ったのでしょう。

「欧米でもやっているちゅう農家直接支払いをズドンっとやるちゅうことだ。農家票はジジババ、チチハハ、孫まで3代あるからデカイぞ。一軒で10票は固い。ほら腰だめで1兆3千億でどうだ。角栄先生の頃と比べりゃ可愛いもんだちゅうに。
しかもこれをJA通さずに支給すりゃ、自民支持のJAは泣きついてくるって寸法だ。1人区、総取り。自民党壊滅。これが俺様の復讐なのだ」という例の「天の声」一発で決まったような、いいかげんなしろものもんですからねぇ。

■漫画 いしいひさいち「問題外論」より。小沢氏の怨念と権力の塊といった悪党づらが、よく似ています。

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パキスタン奥地の山賊村に行ったことがある

800pxlandslide_2 かなり前のことになりますが、カラコルム・ハイウェイを東トルキスタン(ウイグル)のウルムチから、クンジュラブ峠を超えて、パキスタンのイスラマバードまでバスで尻にタコをつくりながら走ったことがあります。

ハイウェイといっても、これをよもや高速道路などと思う方はいないと思いますが、そりゃあ見事なまでのボロ道です。そうそう、カラコルム・ハイウェイなんて名よりシルクロード南路といったほうが風情があるかしら。

上の写真は道を修繕しているところですが、だいたい数キロに一カ所は崩落しています。道の下の谷川にトラックの残骸が赤さびて車輪を天に踏ん張っている姿を見るのは、なかなかのものです。

前方を行くバスがものの見事に左車輪を落として、そのままつんのめるようにして車体を半分谷川に落としました。谷に落ちるバスなんて非日常の光景はめったに見られるもんじゃありません。

落ちた拍子にバスの屋根にくくりつけてあった黒山羊が、ロープ一本で転げ落ちるし、ジタバタとうるさいこと。
この時
には幸いに、屋根に乗る人がいなかったのでよかったのですが、インドやパキスタンあたりのバスでは、冗談かほんとうか「ルーフ」というチケットがあって、屋根にしがみついている奴もいるんです。とうぜん、こんな状況だと谷底まっしぐらでしょうな。

419pxkkhそのときは、バスの後ろの窓からワラワラと人が脱出てきて、道端に座ってタバコなど吸っています。さほど悲壮感がないのがすごいといえばすごい。

後続のバスの私たちも知らんぷりもできないし、第一道がふさがれてしまっています。そこで、全員が降りて、バスに積んであったロープでヨッコラショと引きずり上げました。バスを引き上げる途中、黒山羊の野郎がベェ~ベェー、ジタバタとパニくりやがるので、そのつどバスのバランスが崩れます。

引き上げる音頭取り役のバスの運転手が、ヤバクなったらロープをパッね、みたいなことを手真似で伝えます。そりゃそうだ、ボロバスと一緒に谷底へさよーならではしまらない。

それでもなんとか小一時間で引き上げ、パキスタン人もフランス人もオージーも、そして日本人も皆隣の奴とガハハっと握手。そして何事もなかったかのようにギルギットまでの旅が再び続くのです。

ギルギットからイスラマバードまでは、一国の首都への道だと言うのに非常にヤバイ地域となります。
ギルギットからは一般のバスではなく、ガイドがついたミニバスになりました。ガイドが付かないと、外国人は行っちゃいけないんだと言われたのです。余分のガイド料が加算されるので参るのですが、なぜかはすぐにわかることになります。

街道の途中の谷間の小さな集落があります。チャイ屋と飯屋を兼ねたような蹴飛ばせばガラゴロンと谷底に落ちていくような店があって、さて一服ということになりました。
実は、ガイドはやめようと言い張ったのですが、外国人勢が、なぁに言ってんだか、いい景色じゃないか。ケツが痛いし、ショベンしたい、とわがままを言って止めてしまったのです。

降りた私たち外国人がチャイを飲んでいる横で、ガイドが店の親父としきりに交渉らしきことをしています。

私は一服終わって、さぁて出発しますかと、なにげなくそのチャイ屋の店の奥を見るともなく見てしまったのです。てらてらと黒く光るAK47自動小銃が数丁、さりげなく店の裏にたてかけてあるのです。スキやクワのようにさりげなく置いてあるのがかえって、こわい。

2008082700000043yomintthum000そして、今まで人のよさそうな笑みを浮かべていたチャイ屋の親父、その隣の息子、そして老人らしき三人が、ガイドとなにやら激しくやり合っています。
カラシニコフを見てしまった後は、ゾッとしました。すると、ガイドは札を手づかみにするような勢いでチャイ屋の親父に握らせると、もう私たちの尻を蹴り飛ばさんばかりの勢いで、「さっさとバスに乗れ、置いていくぞ!」と叫びましす。こういう時のブロークン・イングリッシュは絶対に通じるから不思議。

その村から離れてしばらくして、ガイドは私たち外国人にこう言いました。
「あの村は山賊、バンデットの村だ。馬鹿野郎!だから俺はよせと行ったじゃないか。通行料を寄越せといいやがった。
同族のオレがいたからいいようなものを、お前らがあいつらに捕まると身ぐるみはがれて、谷底に捨てられるんだぞ。いったん殺されたら、行方不明で終わりだ。さぁさぁ、俺がやつらに渡した通行料を徴収するぞ!割り増しだ!」

村ごと山賊、バンデット、当地の言い方でダコイトは珍しくないそうです。私がびっくりしたカラシニコフにしても、結婚式の祝砲でバリバリ撃ちまくり、流れ弾で花婿ケガ人というのですら、まぁお察しください。

アフガニスタンは指呼の距離にありました。部族的にもパシュトゥン族は、国境を超えてパキスタンとアフガニスタンに分かれて住んでいます。国境はイギリス人が勝手に引いたものですから。

偏見と言われるかもしれませんが、私は日本人ともっとも遠い国は、このようなパキスタン北部やアフガニスタンのムスリムではないかと思います。このアフガニスタンで゛農業指導に取り組み、タリバンにより殺された「ペシャワールの会」の伊藤さんの遺影をアップします。「ペシャワールの会」は、タリバン支持をはっきりとさせていたNGOです。

このような国に職業援助といって4500億円も出す為政者の気がしれません。

■写真は、伊藤氏の遺影以外Wikipediaより引用。

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2004年の奇跡・米国ケリー民主党大統領候補の農業政策

020 Sas様。コメントありがとうございます。私の農政の師匠である笹山先生です。先生からコメントをいただくと身が引き締まる思いです。

やはり、農村地域疲弊原因の根幹に、これまで有力な兼業先であった誘致企業の空洞化という問題がある、というところが、なかなか、理解されていない点があますね。
というか、政治的に利用されていない点というか。
農村地域居住者の総合的収支改善のための政策、という視点がすっぽり抜け落ちてしまっている。
そんな感じがします。
農村地域における無数の換金回路の創出の必要性と、そのためのインセンティブの必要性を感じます。

私は一昨年まで民主党が農政の舵をとってくれることを期待していました。これは私に限ったことではなく、有機農業関係者共通の思いだったことでしょう。
有機農業推進議員連盟事務局長のツルネンマルティさん、地産地消やフードマイレジーの主唱者である篠原孝さんなどが゛居並ぶ民主党は、従来の薄汚れた利権の湿地帯のようになっていた農政を大きく変えてくれると期待していました。

ツルネンさんの講演会をつくば市で主催し、その勢いで茨城県の有機農業推進フォーラムを作り、県独自の有機農業推進法を作ろうと意気込んだものでした。

それから2年。私の民主党に対する眼は冷え切っています。
民主党は、私が衆院選の前に感じた危惧を、そのままなぞっています。

ひとつは篠原孝議員が唱えた、直接支払い制度が、完全に換骨奪胎されて減反政策の中に折り込まれてしまったことです。もともと篠原氏が思い描いたであろうEU型直接支払いではなく、米国共和党政権型の直接・不足払い補助金制度(DCP)に酷似したものになってしまいました(*細部においては異なります)。
027_edited1結局、民主党は米国の不足金払い制度(DCP)の失敗から何も学んでいなかったと思います。米国のこの補助金制度は、米国内の大規模パッカー業者に有利な制度であり、それは地域農業の核であったはずの家族農業を徐々に締め上げていきました。

笹山先生が2004年7月5日に書かれた「ケリー米国大統領候補のルーラル・アメリカ強化プラン」の記事は、私にとって刺激的な内容でした。ブッシュ 大統領と戦い破れた米国民主党大統領候補者のメッセージは、日本農民の私にも感動的ですらあります。
ケリー民主党候補はこう語り始めます。

われわれは、アメリカの家族農業のために戦う時を迎えた。
大統領として、私は、ルーラル・アメリカの声となるであろう。
それは、21世紀に農業が強力な競争性を備えるために戦うことでもある。
農場経営者や牧場経営者たち、全ての生産者が、公平な活動分野をそなえることによって、有利に競争できるようにし、そして、パッカー業者による家畜の保有というような、不公平で反競争的なものに対して、攻撃をすることが出来るような、包括的ブランを、私は有している。
ブッシュ政権の政策は、アメリカの小農を痛めつけてきた。

ケリー候補は、明確に地域における国の根っこのような家族農業者の立場にたった政策を立案します。その多くは日本の農業風土と事情は異なるもののはずですが、これがかならずしもそうとは言えないのですから楽しい。

ケリーさんは、米国の食肉生産業者や加工業者のインテグレーション(統合化・大型穀物業者や加工業者が家族農業を傘下に収めて、事実上子会社化してしまうこと)に対する対抗プログラムをつくろうと呼びかけます。


思わず私はこれに膝を打ちました。野菜作りや畜産が食品会社や巨大流通、あるいは商社系などに統合化されて、がんじがらめになっている
我が国にも言えることです。

そして、ケリーさんは「地域の食料システムの進展」を提唱します。「付加価値のある農業に対する融資の増大や付加価値生産補助金」などです。
これが遅まきながら、わが国でも始まりつつある「地域ブランド」作りを、実に6年も前にケリーさんは米国農民に語っているのです。

CSAプログラムもそれにからめて展開していきます。CSA、コンシュマー サポート アグリカルチャー、まさに篠原孝さんが提唱したそれぞれの地域の農産物を、遠くまで高い運送賃を使って運ばないでも、その地域で市場を作って食べていこうという考え方です。あ、これを話しだすと、私も長くなるので、先にいきましょう。そのうちゆっくり。

そして、農業資源保護施策の拡大。土地の生産性の保全や、生物棲息地保全のためのプログラムです。これなど私がやってきた「霞ヶ浦・北浦環境パートナーシップ市民事業」まんまです。
簡単にいえば、農業と環境保護を別に考えないで、農業-環境保護運動をひとつに融合させた地域プログラムを作ろうや、という試みでした。

この後に、自然エネルギー、食の安全や貿易システムの対抗プログラムが続きます。

やはりケリーさんの政策の核は、地域経済の核になるのがいろいろな意味での「農業の可能性」であり、その農業の可能性を発掘するために合衆国政府が援助しますよ、と言っています。


農業が都市の産業の下請けで安住していてはダメで、
自分の能力を使って付加価値生産をしていこう。そのためには農家単独ではできないのですから、消費者や流通を編み込んだ地域ブランドや地域市場を作っていこう、とケリー候補は訴えているように聞こえます。そこに合衆国政府は金を使うんだと言っています。

まったく見事な体系化された「有機」農業政策体系です。私はこのような農業政策をもった2004年の米国民主党に敬意を表します。
ケリーさんは有機農業という言葉は一言も使っていませんが、これがまさに「有機農業」です。有機農業は、化学農薬化学肥料を使う、使わないなどという農業技術論のレベルで自らを主張すべきではないのです。

ひるがえって考えた時、今のわが国民主党政権の農政は自民党農政のダラダラとした、つまらない延長戦であり、露骨な票田狙いであり、ほんとうに次に来るべき日本農業の哲学がすっぽりと欠落しています。

魂と哲学のない民主党農政は必ず失敗します。

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農業補助金をめぐるふたつの見方

Img_0039   農業補助金を考えています。実際もらったことがない農家の私が言うのだから説得力があるというのか、ないというのか(笑い)。

村の友人に「今、補助金について書いてるんだ」と言うと、このヤロー遠慮なく笑いながら、「ぶ、はは!単純なハマちゃんには無理だべよ。もう入り組んでて、ゴチャになっていて、いままでだって3年ごとにかわってぺよ。それが政権交代して仕組みがまた変わって、もう誰にもわ~けわかんねぇだべ」、だそうです。

農業外の人たちの農業補助金の記事を読むと、おおむね二つあるようです。ひとつは、「農業特権論」とでも言うべき論調です。

代表的な例は余丁町散人さんこと、橋本尚幸氏です。このブログは有名で、別に農業批判ブログというわけではないのですが、ある種執拗に日本農業を目の敵になさっていらっしゃる。
http://www.yochomachi.com/search/label/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E5%95%8F%E9%A1%8C

ご年配のようですが、いや、手厳しいこと。たまに読んでいてムカッとなるほどです。もうケチョンケチョン。日本農民など多すぎる、今の半数になれ、有機農産物なんぞなんの優位性もありゃしない、なんてことを平気でお書きになる。そして、悔しいことには数字的な裏付けや論理建てが明確です。

もし、私のブログに投稿なさったのなら、徹底的に討論をしたいような歯ごたえのある御仁です。宇宙空間から怪電波を発射しますという農業批判ではなくて、一部こっちのまっ芯を射抜いている部分があるのが耳が痛い。

一方、「テツの部屋」さんというブログもあります。この余丁町散人さんと真逆の立場です。
http://blog.livedoor.jp/hikochan4556/archives/51288816.html

Img_0002 さて、こちらの方は「先進国の大規模農業に対する農業補助金が、過剰な輸出食料となり、第3世界に輸出されて、その国の農業を歪めている」と主張します。そのとおりです。ここまではまったく同感です。
しかし、わが国の農業に対してとなると、いきなり違和感があります。「大規模中心の補助金である」(たぶん4品目横断政策のこと)ので、欧米と一緒みたいなことをおっしゃる。

違うだろって。途中までいい線だったのに、最後でコケる。なんで、欧米の農業補助金政策と、わが国のそれを並べるのでしょう。たぶん「テツの部屋」さんはこんな論理展開を考えておられます。
先進国の大規模農業補助⇒国外への余剰農産物の輸出⇒第3世界の農業への圧迫⇒食料危機。

ここが農業外の人にわかっていない一番目です。
日本の農業補助金は輸出には向かっていないのです。逆に、コメという特殊性によって自国内部に収縮します。世界で稀なる生産縮小カルテルに向かっていったのです。それが「減反」です。たぶん、この自国内部に縮小するというややっこしさがなかなかわからないだろうなぁ。

欧米は、国境措置(高関税)と、国内補助金、そして輸出補助金までつけて国内の農業をガードしました。そして当然余る国内穀物や酪農製品の生産は、外国に輸出したわけです。

では日本はといえば、過剰生産が出ると、自らの国の内部で生産を調整していきました。まことに「和の民」です。同じ国内生産過剰という問題を抱えて、出方がまったく違います。

ですから、「テツの部屋」さんが書かれるような、わが国の大規模農家に対する補助金が、第3世界野農業を圧迫することはありませんでした。まったく別種な次元の問題なのです。
欧米の農業補助金と日本のそれとは、一部重なりあいながらも異質なものだったのです。このことを押さえないで、欧米の農業補助金政策と、わが国を比較検討できません。

そしてもうひとつは、「テツの部屋」さんの言う「大規模農家」、「小規模農家」というカテゴライズが、そう農業外の人が思うように簡単なもんじゃないという現実です。

これが農業に本籍を置きながら、農業では食べていない膨大な農民層である「兼業農家」なのです。

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もういいかげん、国家に頼る農業は止めませんか

Img_0001_edited 各国の補助金を考えるという非常に地味なシリーズです。しかし、いつかきちんとやんなきゃなぁと思いつつ来てしまいました。

補助金というのは、農業の舞台裏なんですよ。楽屋裏。稲刈りとか、田植えとか(あれ、順番が逆か)みたいに、消費者の眼には触れない、はっきり言えば「見えません、見えません」というほのくらい部分です。

さて、これはあるところで見た最近の農業者の声です。まぁ読んでみて下さい。

私ら農家は今年の補助金はいくらかってことを最初に考えて作物を選んでる。集団化すれば貰う額が大きくなるなら集団化するし、飼料米をつくれば儲かるなら単純に飼料米を作りたいと思う。政策に踊らされる私らはバカだなぁと思っていたが、戸別所得補償はそれ以上に農家をバカにしてる政策としか思えない。
民主党の先生方や官僚は私らよりもっと頭がいいんだろうから、数十年先の農業を考えて私ら農家を導いてもらいたい。

私はこんな声を同業者から聞くとすると、立場的に言葉では「まぁまぁ、そう言わんできちっと農業に取り組もうよ」と言うでしょう。 

あるいは、長野市の民主党市会議員さんのコメントに「補助金を受けるのは農民の当然の権利」とまで言われた時には鼻白みました。

「趣味の農業」さんからも「農家は特権階級だ」と言われた時には、冗談じゃねぇぞと思いつつ、農家全体を見渡した場合、そうとも言い切れない自分がいました。 

しかし、正直に言えば打ちのめされます。家に帰ってから沖縄民謡を聞きながら、島酒のひとつでもクイっとやらなきゃ、私の精神の安定が損なわれる気分です。

私は帰農者という都会からふわふわと飛んで来たおかしな種です。変種だと自覚しています。それが有機農業と産直いう分野にたまたまラッキーに着地し、それしか食う方法を知らない不器用な奴だったので、、つい25年間もボヤボヤとやってきてしまいました。

何度か書いていますが、有機農業とは、幸か不幸か、国家から一顧だにされることのない「辺境」でした。日本国は徹底して私たち有機農業者に無関心だったのです。

ですから、私はビタ一文も自分の農業に補助金をもらったことはありません。きわめて珍しい農家なようです。これがあたりまえの農業経営だとだと思っていました。

私は水田農家が、こんな米価では食べられないと言うたびに、ホォーと思っていました。転作奨励金で麦を作って、毎年の補助金の額に左右される農家を見ると、正直にいえば不思議でした。

まして兼業農家のような農外所得がしっかりあって米の収入など余祿のような人たちまでもが、補助金をもっと寄越せと言うのは筋違いだ思っていました。

国は有機農業のことを、できもしない農業を趣味的にやっている馬鹿なやつらだと思っていたようです。
今でこそ数周遅れのトップランナーよろしく、農業は環境保全をしているだの、CO2排出がどうしたとか、6次産業を作れとか言っていますが、その萌芽であった私たちになんの関心も、一円の金の補助金も払わなかったのがわが日本国農水省です。


今に至るも1万3千人の農水省官僚で、有機農業担当はただの2人です。予算ははじめてたった5億ぽっちがつきました。ま、有機農業に対する国の関心など、しょせんこんなもんです。あ、いかん怨念になる(笑い)。

まぁ、冗談ではなく、私がこんな自民党農政に心底批判的だったのはお分かりいただけるかと思います。私に限らず、有機農業関係者はおしなべて自民農政に冷やかでした。
それはさておき、結果として、有機農業者には自然と補助金はまったく前提にしない、お国のごやっかいにはならない、自分の農業経営は自分でまかなう、コストは真剣に考える、といったあまりにも当然な「農家という普通の自営業」のスタイルが出来上がっていきました。
今の農家が食えないというなら、補助金があって生きていけるというなら、かつて無一文で農村に来た私たちが、今こうして私の家族が農業で生きているのはどうしてなんでしょうか?
補助金があったらではなく、むしろまったくなかったから出来たのではないですか。自分の働きと知恵と、家族がいたから、補助金は必要なかった、ただそれだけです。

もういいかげん、国家に頼る農業は止めませんか。そうでないと、頭を上げて国にもの言えなくなりますよ。


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民主党農政の顕教と密教

008 民主党って党は面白いですね。右手と左手がまったく違うことをしています。

赤松農水大臣は、先だっての事業仕分けチームの横暴には、同じ社会党時代からの仲間である仙谷「仕分け共闘会議議長」に、「こるらぁ、ふざけんなよ!必ず復活折衝すっからな!」てなことを吠えていました。
いいな、がんばれ、赤松!赤松はよく燃えてススもたくさん出す(なんのこった)。こういう時にへらへら笑っていては、後々ヘタレと言われます。


一方、赤松さんのかつての盟友であった仙谷さんは、仕分け文革小組を率いて、財務省主導の下、川本裕子氏、土井丈朗氏、そしてあろうことかゴールドマンサックスのロバート・フェルドマン氏まで首切り役人にしてしまいました。

011_2 この人たちは「小泉-竹中-ホリエモン」(篠原孝さん命名)路線を推進した当事者です。私が秘かに恐れていた小泉-竹中-ホリエモン路線、言い換えれば新自由主義の復活の兆候ととられてもいたしかたないでしょう。

鳩山民主党政権は、市場原理主義を否定し、小泉-竹中-ホリエモン改革でおかしくなった日本を再建するということで、国民の期待を得たはずでした。それが政権成立早々に、かつての小泉-竹中災厄を引き起こした亡霊を呼び寄せたとなると、私はなんとも複雑な気分です。

今日のニュースではUSTR(米通商代表部)のカーク氏が、シンガポールなど4カ国のFTAに参加することを表明しました。この「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)は、アジア、太平洋地域の経済統合をめざす協定です。

既にシンガポール、チリ、NZ、ブルネイで発足し、オーストラリア、ベトナム、ペルーが参加を表明しています。これに米韓FTA(未締結)が連動するとなると、日本は完全に環太平洋経済圏FTAのカヤの外となります。
そもそも日米FTA締結という民主党マニフェストは、この米韓FTAを結ばれてしまうことによって、日本の自動車産業が米国市場で関税上の不利益を被る、という危機意識から構想されたものです。

間違いなく今週には、財界、そしてそれに連動した連合の自動車総連あたりからは、「この環太平洋FTAのバスに乗り遅れるのか」という叱咤が政権に飛ぶでことしょう。

022さて、民主党農政にはふたつの体質があり、それぞれ未来にはふたつの道があります。

ひとつはいわば顕教である「農民の生活と生産を守る」という道です。安心して作ってくれ、農業を応援するぞということです。これが農家戸別所得補償制度に代表されるように「農家が安心して生産に励める」仕組みです。

バラマキと言われようがどうしようが、減反制度を自由参加にして、参加した農家には直接に金を出します、という制度です。私はさんざん批判していますが、従来の自民党農政と連続する「農民保護」政策です。選挙の時に聞いた民主党のいわゆる「国民目線」の農民版です。

今一つ民主党には別な側面があります。これが密教とでも言うべき流れです。
農業には未来がない、どうあがいでも国際競争力がない、滅亡産業部門だ。ならば、もう終末処理を考えたほうがいい。
成長政策など考えず、農村をレジャーランドにするか、定年退職後の団塊世代の老後の癒しの場とするか、いずれにせよ、農業政策としての考えはもはや不要という考えです。さぁ幕引きの10年が始まった、というわけです。

この密教の信仰する偶像は、国際自由貿易と市場原理主義です。グローバリゼーションと言ってもいいでしょう。
日米FTAをするには「農業が障壁になって、国益を阻害している」(経団連レポートの表現)ので、農業には安楽死してもらう。苦しんだあげく、ムシロ旗なんぞ持ち出されては困るので、そのセーフティネットとして農家戸別所得保障制度がある、というわけです。

政策においてはこのふたつの流れは、政策的に農家戸別所得保障制度で一致しました。しかし心が違うんですね。
前者は、やはり農業や農民に寄り添って発想します。なんとかしたいという気分も大いにあります。まぁ、「愛」があるってんでしょうか。今の赤松さんや篠原さんなどこの流れでしょう。

しかし後者は冷厳に日本農業をとうに見限っています。同じ農家戸別所得補償を言っても、彼らの農民を見る眼はまるで死人を見るような視線です。

このふたつの流れは今後も絡まりあいながら葛藤を続けることでしょう。かつての自民党農政もまったく同じでした。しかし、彼らは農村という人質をとられていたが故に、意思決定に遅れた。しかもその間に、小泉-竹中災厄をまき散らされて、支持基盤が崩壊してしまいました。

その後に来た民主党も同様の苦悩を味わうでしょう。

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耕作放棄地再生予算まで削るのか、民主党!

_edited_2

あまり一般紙には載らない記事なので、大きく載せてみました。「日本農業新聞」11月13日一面トップです。農業関係者の怒りがひしひしと伝わってくるような紙面です。いやーバサバサとやられまくっていますね、農業関係も!

いえ何って、あの「事業仕分け」とやらという名の公開リンチです。
はからずも、私は40年前の大学の大衆団交などを思いだしちまいました。私はあの狂瀾怒濤の世代の最後にあたりますもんで。

色とりどりのヘルメットをかぶった学生たちが、煮染めたような手拭いで覆面をして、スピーカーでギャーギャーとわめく。

引きずり出された大学の教授会や学長などこそ災難。懸命に学生に答えようとするが、だいたいハナっから聞いちゃいない。

ひと言教授が発言しようもんなら、四方八方から罵声の嵐と紙つぶてでフンサイされてしまう。

そもそも学生さんたちは「話あい」なんて生ぬるいことは考えてないわけですよ。あるのは意志の強要。こっちは数がいるんだぞ、こっちの言うことを呑め!
いやはや、そんな不毛な時代はもう二度とやってこない思ってたんですがね。来てしまいましたね。ヘルメット学生の代わりに民主党、一般学生の代わりにテレビ。

数日前から、民主党の事業仕分けチームが、かつての小汚い学生のようになんの罪咎もない一般人を、犯罪者のようにつるし上げをして悦にいっています。
なにせ相手にまったく発言させないんですからスゴイ。結論が初めからあるんですからこれまたスゴイ。
ある年配の品のよい教育関係団体の女性
理事長は「お願いです、話を聞いて下さい!」と悲鳴のような声を挙げておられた。


今回名を上げたレンポウ女史なんて、メットを小粋にかぶらせたら、まんま「民主党のゲバルト・ローザ」。仙谷由人さんなど「仕分け共闘会議」の議長。
かつてのゼンキョートーはまったく権力を持たなかったところがまだ可愛いかったが、今の彼らは亀井静香さんがいみじくも言うように「仕分け作業とは権力行使そのもの」なのですから、なんの法的拘束力もなく、法的根拠すらない、なんの「無駄」の基準もない、このような大衆団交か、公開リンチまがいのことがことが安易に許されていいのでしょうか。

Img_0023実際の話、仙谷さんときたら、「これは政治の文化大革命が始まったぁ!」などと時代錯誤な発言をしているんですからシャレにもならない。
今どきどこの先進国の政権与党が、自分たちの政治活動を「文化大革命だ」なんて表現をしますか!

当の中国共産党にすら完全に否定されているというのにねぇ。もうどういう脳味噌の構造をしているのか、それこそ仕分けてみたい(笑)。

テレビやネット中継までされたそうですから、見られた方も多いと思います。例によって「民主党がやることなすことすべてベタボメする」というのが揺るがぬ大方針のテレビでは、キャスターが「すごいですね。これまで密室での予算折衝が、市民の前に明らかになりました」なんて頭に血が登ったことを言っていました。

私は有機農業のモデルタウン作り予算の5億が削られはしないかヒヤヒヤしていました。わずか5億、されど5億。日本で初めてついた有機農業関係の農業予算ですもんね。


しかしそれにしても、これらの事業案件の膨大な予算書を民主党仕分けチームはほんとうに読んだのでしょうか?私は今まで一回だけ「霞ヶ浦環境パートナーシップ市民事業」で農水省の助成予算を獲得したことがあります。
わずか400万でしたが、膨大な予算書と企画書が必要でした。それも「需要費」とか、「委託費」とか聞いたことのない独特のお役人用語に悩まされ、計画細部まで詳細に書き込み、さらにそれと予算案との整合性を問われます。領収書は1円単位まで必要です。
かつてはウルグアイラウンドで領収書なしの金がウン億行方不明などという話を聞きましたが、今やとんでもない。そんな乱暴な時代じゃないのです。

結局、農水省に提出したものが何度かダメを押されて行きつ戻りつ、まったくえらい体験でした。税金を頂いての事業はもういいやというのが実感でした。わずか400万ですらこうです。9兆8千億円の診療報酬の仕分けがたった1時間でできるわけもない。考えるのも愚か。

こんなイヤ~な気分になった農業関係者は全国に大勢いることでしょう。なんせ概算要求3000案件を、財務省官僚が447に絞った段階で、命運は既に決してしまっているわけです。つまり財務官僚の手のひらで、政治主導というパーフォーマンスをしたい文革大革命チームためにバサバサ切られたということです。

農道整備費にしても無慈悲に「無駄」とバサッとやられましたが、トラクターが畑からの移動のために一般道を通行しているので、いかに多くの事故や渋滞を引き起こしているのかという農村の実態を知らないのです。

Img_0025_edited しかし極めつけは、耕作放棄地の予算までバサッとやるとは思いませんでした。正直、唖然となっています。というのは、「10年後に(カロリー)食料自給率50%にする」という民主党の金看板マニフェストを達成するには、現在埼玉県の面積ほどに拡大している耕作放棄地を再生していくのは当然のことなわけです。

これを切るとなると、「いったいどうやってマニフェストの目標と整合させるのか」と「日本農業新聞」も書いています。当然です。私も???ですもん。

民主党は1日で「無駄」を500億円削減できたとブイブイ言っていますが、これを11日間やってもよくて6000億円弱程度にすぎません。95兆円の概算要求を92兆円に削減する目標差額3兆円には遠く及びません。いったい国民に自民党の放漫財政の無駄を削るといった公約はどう実現するのですか。

しかし大丈夫、本気で民主党が「予算の無駄削減゛」公約を実現したいのなら簡単です。そんな予算の枝葉でチビチビやってもダメですって。
最大の無駄の極めつけである子供手当て2兆3千億、農家所得補償1兆4千億(現段階では6千億)をバッサリと切ることです。
おめでとう、これで3兆7千億、民主党公約実現!

ちなみに、来年はこんな事業仕分けはしないそうです。なぜって、自分らが作った「無駄のない予算」ですから!ややれ、なんたるチャイルディシュなジコチューであることよ。

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民主党市会議員への手紙 ひと晩でも日本農業について語り明かしたい

_edited1 望月様。
貴兄のおっしゃることは非常によく理解できます。
                       ~~~~~
>小泉・竹中・ホリエモン路線(篠原代議士命名)の新自由主義に断固反対の立場をとり、地方・農業・中山間地を活性化することを自らの使命とする政治家です。有権者が一人もいない車中で秘書相手に独り言のように、その思いを痛切に語る姿を見た私としては、たった一度会っただけのあなたに「篠原孝」を語っていただきたくない、というのが正直なところです。
                     ~~~~~~
まさにこのようなことを議員から聞いたのならば、私はまったく違う「篠原孝」観をもったことだと思います。
私も貴兄も似ているなと思うことは、現場で苦悩する農業者の体温を知っていることです。私はいちおう70余人の有機農業の組合法人の創設をして代表を努めました。
ちなみに歳は58です。就農して25年もたっちまいました。最近村の農政課に新規就農ですぅ~と言ったら、あんたはもう中古就農ですよ、って笑われてしまいました(涙)。
貴兄もまた農協という地域農業の要の役職についていらっしゃる。私の友人に同じことをしているやつがいますが、よくやってらっしゃる。得なことなどゼンゼンないでしょう。忙しくて、責任ばかりがあって。まして新規就農なら尚更だ。その上に市会議員か・・・。
いや、すげぇな。自分の畑仕事できないんじゃないですか。いつもカミさんに怒られているでしょう(笑)。あんたなんのために田舎に就農したの、って。
私も代表理事生活の時は年がら年中言われてましたもん。女房から言われるのがいちばん効くよね。自分が「崇高な仕事」に行っている時にその分仕事をしているのが彼女ですから。
さて、私が議員にカチンとなったのは「加温するような農業はCO2削減的に問題なので、止めてしまえ」とか、「外国飼料でやっている畜産はフードマイレージで問題だ」という空疎なエコインテリ的たわごとをしゃべったからです。逆な立場になってこらんなさい。茨城から一日の仕事をカミさんに任せて上京した座談会で、かようなことを一方的に言われたら。
確かに議員は長野1区の人ですが、国会議員は長野1区のためだけにあるわけじゃない。まして「篠原孝」は、オータナティブな生産-流通-消費まで見通すイデオローグでもあったわけです。期待感が大きかっただけに、失望感が大きかったのです。
_edited 私はフードマイレージとか、CO2がどうじゃらというような概念で、現在の日本農業を裁断することは反対です。というか、はっきり言えば、嫌悪感すら覚えます。冗談ではない、そんな輸入概念より生きている人のほうがよほど大切です。
それは私の商務上のパートナーのパルとか大地を守る会などが言っていればいいのであって、現実の農業の現場の言葉ではありません。つまり「都会人の言葉」なのです。私はそのような議員の言葉を聞いて、失望しました。しょせん机上の人なのか、と。
しかし、そのイメージも貴兄のコメントでやや修正されつつあります。
現実の農業は、貴兄もよく知っておられるように矛盾の塊です。石油も炊けば、外国飼料も買い込む。
理想は現実の上位概念ではありません。あくまで現実があって、その中でもがく人々がいて、その人たちをなんとかしたいと思う人がいて、それを支える地域を作っていこうという意志で、私は地域有機農業という難物に取り組んでいます。その芯のようなものが私の思う「理想」であって、他者を切るための道具ではありません。
私は今や、もう「有機農業」というジャンル自体が意味をなさないのではと考え始めています。ましてや有機JASなど、なにおかいわんやです。しかし、有機農業がこの地域で受け入れられて、根付くためには、いったん「有機農業」という衣を自ら剥いで「素の農業」にならないといけないのかもしれません。
25年もやってると、たまにそんなことをボーっと考えます。
                     ~~~~~
_edited_2 >欧米の農業者は、政府からの補助金で生計を立てています。先進国の農業は、政府の直接支払なくしては成り立たないのが現実です(一部の成功した農業者を除いては)。
一部の成功した農業者の生産量だけでは国内需給を賄えない以上、生産農家が暮らしていける方策を考えるのが国家の農政だと考えますし、我が国より条件が良い欧米諸国ですら既に実行しています。
それは奴隷根性ではなく、農業者の当然の権利であり、国家のあるべき姿だと、私は考えます。実際、土地利用型作物の場合、先進国では採算が採れないことは周知の事実です。
私の地元では、一番新しい新規就農者は私です。故に現在も農協の青壮年部長の職にありますが(若手も既に複数回部長を経験しているため)、その私が政治家になり、日頃農作業を出来ない状況になってしまいました。
新たな就農者を待望する状況ですが、現状一人もいません。農協青壮年部最年少は37歳の青年で未婚です。
今こそ、農業者戸別所得法を実現し、全ての農業者が安心して農業に従事し、跡取りを得られる状況を作り、我が国の食料安全保障を実現すべきと考えます。

                      ~~~~~~~

さて最後に、私は貴兄が言われる西欧のように「政府からの補助金で生きているような農民」になるのはまっぴらですし、それを「農民の当然の権利」などは思いません。
これだけははっきりと言っておきます。農民はそんな政府の金にすがって生きていくべきではない。そのような体質が、先だって私のブログのコメント書き込みにあったような都市住民の「農家特権階級」論を生むのではないでしょうか。「特権階級」といわわれればこちらは腹も立ちますが、決して痛くない腹ではないのです。農民以外に、自分の家業が立ち行かなくなったといって生活補償を求めることが「当然の権利」だと言う階層があるでしょうか。
私は補助金はもらったことがないし、仮にもらったとしても3年間でその補助事業がモノにならなかったら、ごめんなさいと諦めます。あくまでも事業に対しての補助金であり、その事業計画=ソフトに対する国家支援です。
しかし、これがいきなり懐に金を突っ込んでくれるとなると、とんでもない毒団子です。これは確実に農家を腐らせます。汗をかかない金をもらってどうなる。
自立のための資金援助はいいでしょう。しかし、恒常的に懐に金を入れるというのは、農家が国家に寄り掛かり、それなくしては生きていけない依存体質を生みます。
私はこれを否定します。
山間地と私のような茨城南部とは比べられないかもしれないことはわかっていますが、山間地対策も兼ねた長野1区としてならともかく、純農村部の茨城3区の農業政策としては誤っています。それは兼業の固定化であり、兼業という日本農業の弱点を解決するのではなく、いっそう永遠化することにつながります。
                     ~~~~~~~            
議員とお話するより貴兄とお話したいですね。ひと晩でも日本農業について語り明かしたい。
こちらは寒風が吹き始めました。長野はもう初冬でしょう。なにとぞご自愛ください。
濱田拝

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民主党現役市会議員様のコメントをいただきました

009_edited 2日ばかりお休みをいただきました。正直言って少々くたびれております。私、こうみえてもナイーブなんですよね。ホント、ですって!
しかし、誤解も解けたようでよかった。ご心配いただきました皆様、ありがとうございました。

さて、このところ今までお知り合いになれなかった方からの投稿をいくつかいただいております。ほんとうにありがとうございます。

今回篠原孝議員の秘書をされていた長野市市会議員の望月義寿様からコメントをいただきました。心から感謝いたします。氏は新規就農者という私と同じ農業への参入の仕方をしており、現在も農協の青壮年部長をされております。望月様のコメント全文は長文ですので、右の「最近のコメント」欄からお読みください。

望月氏のコメントの中心をなしている農家戸別所得保障制度については、じっくり腰を落ち着けて考えていきたいと思っております。とりあえず、下の返答をしたためさせていただきました。

拝復。
望月様、貴重なお返事を賜り感謝に耐えません。
仰せの篠原孝氏についての記事は、私の筆が走ったかと反省しております。申し訳ないですが、それほど議員の「感じが悪かった」というのが強烈な印象で、その印象に支配されていたかもしれません。身近で接しておられる望月様はまた違った氏の人となりを見られているのだと考えさせられました。
さて、政権発足以降、民主党農政中枢と、篠原氏とはかなり異なった軌道をたどっているように思われます。
私は篠原氏のブログは毎回見させてもらっておりますが、最近の記事を拝見しますと、氏をして農政中枢からはずされているのかと慨嘆せざるを得ません。
民主党農政の舵は誰が握っておられるのか?赤松氏か、山田氏か?いずれにせよ、選挙中の日米FTA締結というショッキングなマニフェストは、篠原氏も山田氏もまったく関与していなかったことは、当時の「日本農業新聞」記事からも察せられます。
現在この日米FTAは到底提案できる段階ではなく、ムニャムニャといった感じですが、かかる重大な方針決定に篠原氏や山田氏のようなシャドーキャビネット農水大臣2名ががまったく関与していないとなると、民主党の党内民主主義に大きな疑問を持たざるを得ません。
選挙後、山田氏は政権に副大臣として迎え入れられ、一方篠原氏は今の民主党内では単なる「挙手要員」となってしまったのでしょうか。残念なことです。
Img_0006_editedその悔しさは篠原氏のブログ記事の行間からにじんでくるようです。
ところで、今回の農家所得補償制度は「米を先行させるモデル事業」です。私は唖然といたしました。
これではなんのことはない、自民党の選択的減反と五十歩百歩ではありませんか!前農水大臣石破氏が「民主農政はおおむね合理的な政策だ」と「日本農業新聞」で言うことがかえって理解できます。
篠原氏は最新ブログでふたつのことを述べておられます。
ひとつは、ほかならぬ所得保障制度の生みの親である篠原氏が考えた方向とまったく別な方向に舵を切ったことです。篠原氏はたぶん「米の生産調整分として、麦、大豆、菜種、そばなどの土地利用型作物を作り、それに米並の所得を補償することで、米の生産過剰と自給率の向上、そして農家所得の安定の3ツを意図する政策」だったと思われます。
ところが、これが「米のみから始まってしまう!」と篠原氏は批判しておられます。そしてこれに「1兆円の予算をつぎ込んでしまう」とも書かれています。まことに篠原氏にとってやんぬるかなです。
石破農政の減反選択制はそれなりによくできていて、「減反を半強制から、選択制度にし、同時に米の買い支えもやめる。減反に参加した農家には、奨励金のかわりに所得保証金を出す」といったものです。自民党案としては出色でしょう。
しかし、この選択的減反と現行の民主案とほとんど変わらないですね。直接に金が農家の懐に行くというのも、石破農政がもう少し続いていたのならば浮上したオプションかもしれません。
石破氏が得たりとうなずくのも道理です。しかし、これでは民主党独自の総合的な農政変革はできるはずもないではないですか。しかも今回の民主党政策では共済制度を使うとか、地方農政事務所を使うとか、まぁ今までの農政の尻尾をそのまま大きく取り込んでしまっています。
まったく新味がなく、むしろ農家に対して「どんな分野でもどんなに赤字を出しても、政府が赤字をみんな補てんしてくれる」といった誤った幻想を跋扈させてしまいました。
冗談ではなく、村の一般レベルではそう理解しています。私が「まったく違うって」と言っても、「いやぁ、候補者がそういったぞ。これから国が農業を全面的に応援するのが民主党だ」といいます。
実際、そのような誤解を招きかねない言い方をしていた候補者もいたようです。この誤った期待が裏切られた時には農民はどう思うでしょう。まぁ小沢氏からすれば、来年参院選までこの幻想が持てばいいだけでしょうが。
それはさておき、私のいまひとつの驚きは、このような民主党政権のあらぬ方向への逸脱に対して、民主党随一の農政政策プランナーである篠原氏が農政中枢から排除されて、「すでに政府内で決められており、我々は関与しようがないのだ」と自らの無力を痛々しく告白していることです。
篠原氏のような農政プロパーが事実上排除される現状は、民主党政権にとっても大きなマイナスでしょう。このような
自党の専門家すら排した小沢氏の政府と党の分離、政策決定に対しての党内議論の事実上の禁止策は、まったく異常です。党内でこのありさまですから、一般農民はどのようにして意見をいえばよいのでしょうか。
Img_0004たとえば従来からあった、国民から中央政府に向けてのパイプであった国会議員への「陳情」も、幹事長室一元化政策といった小沢氏の一人独裁政治の下、閉じられてしまいました。
仮に長野1区の農民が陳情をしたいと篠原議員を訪ねても、議員は「私には中央に声を届ける術がないのです」と言わざるをえないことになります。
これならば、かつての自民党の部会→政調→政府→国会委員会といった流れのほうがよほど民主的に思えるほどです。淀んだ族議員政治から、最終的にはひとりにすべての権力が集中するスターリン型独裁政治へと日本は変化しつつあるのでしょうか。
私は今やむしろ篠原氏のような「農政の玄人」が、政権中枢に戻るべきだと思っております。
今の日本農業の現状は素人考えの施策でどうにかなるほど簡単でもなければ、安直でもありません。民主党の魅力は清新さでしたが、その賞味期限も3カ月まで。今後はほんとうに農政を設計できる篠原氏のような人材が必要です。このまま行けば、自民党の二番煎じに大きな国家予算を投入したあげく、手ひどい失敗となることは必定です。
私は篠原氏を個人攻撃する意志は毛頭ありません。むしろ、農政施策に返り咲いていただきたいほどです。私は自民党の農政への批判を続けてきたことと同様に、政権与党となった民主党に、農業者の立場で手加減することなく検証していくつもりです。
望月様、長文失礼いたしました。今後の日本農業についてともに新規就農者として忌憚のない意見交換ができればこれに勝る喜びはありません。
濱田拝

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「趣味の農業」様のコメントにお答えして

Img_0001_edited 「趣味の農業」様。コメントありがとうございます

なるほど日本農業は矛盾が山積しています。矛盾がないなどと言う気はまったくありません。
それは私の過去ログを読めばわかるはずです。たぶん私は日本農業内部の現役農家としては、きわめて強い農政批判者です。あなたが思っているような無条件に農業万々歳と思ったことはありません。
私は農業内部の人間として直すべきところは直すべきだと思っています。

ここはネットだ!
野良じゃねぇ!子どものように喚きたいなら野良に出てカラス相手にやれや・・・

言論は保障しますが、ここは2チャンネルの板ではありません。匿名ブログでもなく、実名も連絡先すらも完全公開しているブログです。ここにはここのルールがあります。「カラス相手にやれ」と言われましても、ここは私の個人ブログなんですがねぇ。他人の家に来て、そこの主に向かって表でやれとは、おもしろいことをおっしゃる方だ(笑い)。
書き込みは自由ですが、粗野な言い方はご自分が損するだけと忠告しておきます。
 

生憎だね。クイズはほとんど分かっていたよ。
日本は人口大国だ!日本の1/6以下のオーストラリアなんかと比べるなよ!
中国・インド・アメリカ・ブラジル・・・なんてのも全部・日本より人口が多い。日本は物価が高いのだから比べても意味が無い。

そりゃけっこうでした。いやたいしたものです。前回のクイズ全問正解という人は、農学部の現役学生や農家自身でも数%もいませんので。もしあれを全問正解できるとなると、そうとうに日本農業を知悉した方だとお見受けしました。前回までの失礼な言い方をお許しください。
ならば、日本農業を「趣味の農業」とご自分が言うおかしさに気がつかれ引っ込みがつかなくなっていることとお察しします。
私は今のような「フードアクションニッポン」のように国内自給率40%という偏った日本農業観が跋扈していることに大きな疑問をもっています。

国際的な比較をすることで、日本農業がいかなる位置にいるのかを国民が知るべきだと思っています。カロリーベース自給率というたったひとつの指標で、日本農業を見ることは、過剰に日本農業の実力を低く見せ、結果、真の農業の成長と改革を遅らせることになっていきます。

米食が大きく宣伝されていますが、減反をしており、そこに膨大な税金を投入しているおかしさを知ろうとしません。もし、あなたが日本農業を批判をしたいのなら、このおかしな税金の使用方途についてするべきです。農業内部の人間でもおかしいと批判する人は、この私のように多々いるのですから。

「小規模農家の暮らしと生産を守る」という美名のもとに、民主党政権はとうとう1兆4千億円もの現金をこの兼業農家中心にバラまくとまで言い始めました。どうかしています。米の産出額とほぼ同額の税金を投入するというのです。
これをして選挙の票めあてといわずなんと言います。

さて、あまり一対一的に回答してもしかたがありませんが、農業生産額の世界ランキングで人口を言うのも筋違いでしょう。生産額は相対値ではなく、絶対値ですから。
人口を言うのなら一人当たり農業生産額のほうですね。全問正解の方ならこの違いがおわかりだと思いますが。

また物価が高いのが生産額を押し上げているといわれますが、食費、そのうちの農産物価格が日本が特出して高いとお思いですか?
これはこの短いスペースで書ききれないのですが、実際に欧州などの市場に行ったことがおありですか。私はドイツとイギリスの市場を調べたことがあります。
日本の農産物が高いというのはデマです。特に安いとは言いませんが、EU諸国などの先進国と比較して、いたって普通の水準です。

 
中国の農民は96万人で1人しか議員を出せないが都市部なら24万人で1人の議員を出せる。
およそ1/4しか権利が無い中国の農民は確かに可哀相だが日本では逆に農村部が大都市圏の3倍(衆議院)6倍(参議院)と一票の格差が有利になっている。

→中国と比較すること自体ナンセンスです。中国は、通常の民主主義国のような選挙制度それ自体存在しないに等しい一党独裁国家です。だいたい農村戸籍という差別的なものがある国です。たぶん世界中の農民でもっとも虐げられている農民は中国農民ではないでしょうか。
私は皮肉ではなく、中国にもっとも必要なものは、ほんとうの意味での「共産党」だと思っているほどです。

それはさておき、日本の一票格差の不条理は認めます。これは是正されるべきです。ただし、これも農民がそうしろと圧力をかけてそうなったというより、長年の自民党政治の票田だったからで、民主党になってもまったく一緒。むしろ劣化コピーですらあります。
この構造は政権交代後も、むしろ民主党が1人区(農村票ですな)の票欲しさで税金を使った買収工作まがいの農家所得保障政策を画策する中で、別の形で再編され強化されていっています。要するに自民党に替わって民主党が胴元になるだけのはなしです。


私はこのような農-政-官の構造が、日本の農業をかえって弱くし、兼業農家を量産し、日本の政治を
歪めている原因の一角であると思っています。この構造は打破されるべきです。
しかし、それは単純に農家を「特権階級」とののしることで解決がつくほど簡単なことではありません。

おまけに日本では就農者にしか農地が買えない。
これで100万円程度の農地をショッピングセンターなどに転用して1億円2億円に化けさせるのが日本の農家の悪どい商法だ!

ゆえに日本では農家は立派な特権階級なのだ。

→農地が農家にしか買えないということに対して、過去ログを見てくれればわかるように私は再三再四批判し続けています。農地法は改正されましたが、遅きに失したと思っています。

「農家しか土地を買えない」苦しみは、たぶんあなたより、実際に25年前に農村に来て土地を買うことの出来ない経験を味わい続けた私のほうがよほど知っています。

ただし、そのような矛盾を逆手にとってショピングセンターにこの農地転売で儲けるなどという農民が、いったいどれだけいますか?わが村にはショピングセンターどころか、コンビニが2軒しかないので、ピンと来ません(笑い)。とまれ、都市近郊の農地を持つ人の一部だけでしょう。

このようなショピングセンターに農地転売して巨利を貪るような農家は、そもそも農業をしていないケースが圧倒的です。単なる「農家」という区分の中にいる土地所有者にすぎません。
私が家族農業と何度も言っているのは、このような土地所有者にすぎない多くは兼業農家と区別するためでもあります。私の友人のアイガモ農法の農家はショピングセンターのすぐ脇に水田を持っていますが、まったく売る気などないようです。
一部の事例の不心得な農家をとって農家全体を「特権階級」呼ばわりするのは、論理の飛躍というものです。

それと農地法の功罪というのはあるのですよ。もし農地法がなければ、たぶん今以上にひどい乱開発が進んでいたでしょう。農地法がはまっているから、ひどい不当転売ができにくいのはたしかです。

そのような不当転売を監視する農業委員会の活動は、あなたが想像しているよりよほどきついのです。私の属する農業グループですら、農地転用して直販所という農業関係施設を作るに際して半年間の厳しい審査を受けました。

農民の中によくある農民が虐げられた階層であるという怨念史観には私は与しませんが、かといって「特権階級」とも思えません。多くの生活をする人たちと同じように、まじめに汗を流す者もいて、一方だめなやつもいるといった悩める階層にすぎないのです。


都会もんを甘く見るんじゃねぇぞ!!!

都会者ですか・・・、私は東京品川生まれの神奈川の茅ヶ崎育ち、お茶の水でサラリーマンもけっこう長くやっていましたが。ですが、それがどうかしましたか?都市住民と農民を対立させることに私はまったく意味を見いだせませんが。

私は都会の出身ですが、一農民としてプライドを持っています。自分の職業を「趣味の農業」と呼ばれたくはないだけです。もしあなたが何のご職業かわかりませんが、「お前の仕事なんか趣味
、つまり遊びだ」と揶揄されたらいい気分はしないでしょう。

「趣味の農業」様。今日のコメントは物言いが大変に無礼でしたが、聞くに足る内容も多々含んでいました。たしかに農業というのはこのように都会の人から見られている側面があるのだな、と思いを致しました。
私も腹立ちで感情的な表現があったことをお詫びします。

今回、あなたがなににお怒りかがつかめたのは収穫でした。
最後に、ひとつ貴兄に提案したいのでずが、今回述べられていたことをもう少し体系立てて展開されませんか。紙面は提供します。その場合、
なにとぞ、あの挑戦的でぞんざいな口調はご勘弁下さい。感情的対立になり、貴兄の真意が伝わりません。
私は聞く耳はいいほうです。

濱田拝

■レギュラーで来訪いただいている皆様。もうしわけありませんが、このような状況ですので、今日はコメント対応の場とさせていただきました。

■なぜか文章のフォントカラーが一定しません。色が違うのは意味がありませんので、悪しからず


 

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ニッポン農業一般常識クイズ

Img_0010_edited_3 昨日、またあの「趣味の農業」氏からコメンがあって、もう自分の愚かさを惜しげもなく振りまくといったていたらくで、まともに対応するのは止めにしようかとも思いました

いわば他人の家の玄関先に汚物をまき散らして喜んでいるような愉快犯です。インターネットの世界にはかなりの数、棲息していると聞きましたが、こんな農業ブログにまでやって来るとは驚きです。
「百姓の子」様、対応をありがとうございました。くたびれましたでしょう。

ところで、あの「趣味の農業」氏の「平安神宮から南禅寺まで人力車で8千円」みたいな意味不明のコメントを、精一杯好意的に現代日本語に訳すとこんなことになるでしょうか。


「日本農業なんて趣味の農業だ。なぜなら、外国の大規模農業と比べれば、カトンボのような家族農業が主体だからだ。日本の農家なんか自営業やサラリーマンと違って、国が保護して食べさせてやっているような連中だ。
だから消費者は高い農産物を買わされることになっている。日本農業も早く大型化、企業化するか、農産物が自由化されてほしい」

_edited_edited こうまとめてみると、よくある俗流農業批判です。この「趣味の農業」氏にいくつかクイズを出してみましょう。おいおい、ザリガニのようにどん引きすんなよ。ひとさんのブログに来て気持ちよく暴れたんだから、クイズくらい答えろや。

●[ニッポン農業一般常識クイズその1]日本の農業は食料自給率が4割だから、6割は外国から輸入しているような食料輸入大国である。イエスかノーか!

答えはノー。農産物輸入額は先進5カ国で順に大きいほうから並べてみよう。まず、アメリカ、ドイツ、英国と、日本は同率、そしてフランスとなる。よく英国は自給率を回復したが、日本は大きく落ちたと比較される英国とさほど変わらない。

●[ニッポン農業一般常識クイズその2]
では、一人あたりの農産物物輸入額を比べて世界主要国で並べてほしい。

日本のトップは譲らないかな?だって日本は国内食糧自給率ワースト一位だもんな。

答え。人口一人あたりにすると、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、日本、オーストラリア、韓国の順となる。
よく評論家やキャスターがしたり顔して「日本は世界でも指折りの食料輸入国ですからねぇ」などと言うのは、知らないにもほどがある。

●[ニッポン農業一般常識クイズその3]
国内GDPに占める食料輸入比率を先進5カ国で並べてほしい。

答え。英国、ドイツ、フランス、日本、アメリカとなる。1位の英国が1.9%なのに対して、日本はその半分以下の0.9%にすぎない。GDPの1%にも満たない輸入比率をしてどうして輸入大国だなんて言えるのかねぇ。

Img_0007●[ニッポン農業一般常識クイズその4]
さて、次は難問だぞ。たぶん日本農業なんて沈みかけた泥船くらいに思っているだろう「趣味の農業」氏さん、日本農業の総生産高を主要国で並べてほしい。

答え。日本は農業総生産(GDP)で、先進5カ国では1位アメリカ1500億ドルに次ぐ793億ドルで、堂々の銀メダル2位。主要国となると、中国、インド、アメリカ、ブラジルに次ぐ、世界5位の農業大国となる。大農業国と思われているオーストラリア、ロシアの実に3倍だ。

先進国第2位の「農業大国」日本農業が、どうして「趣味の農業」だなんてよく言えるもんだね。これは未だ企業化も大型化も満足にされていない「自分勝手のやり方をやっていたい」はずのわが国の「家族農業中心」の実力なのだ。どうだ、少しは驚いたかい?


「趣味の農業」さん、この日本農業のアウトラインのきわめて基本的なクイズにどれだけ答えられたかな?多少国の順番は違っても正解としよう。
たぶんかすりもしなかったろう。わかっていてあの馬鹿丸出しの放言はできないもんな。
あんたは他人の大事な一生の仕事を「趣味」と言ってのけるほど、ご大層な人らしいが、知らないことにくだらないチャチャを入れるな!テレビのコマーシャルをみた程度の知識でこのブログにくちばしを突っ込むな。
寝言は寝てから言え!

さて、日本はたしかに一軒の農家あたり耕地面積は、先進5カ国中最小です。なんせドイツは20ヘクタールを超えますからね。わが国は1.5ヘクタールですから。この耕地面積の少なさ=農業生産性の低さと思われてきました。
だいたいの経済評論家や財界人はそう言います。分かりやすい指標ではあるからです。

たしかに現場の農家のひとりとしても1.5ヘクタールは家族農業としてもチト狭い。専業で野菜などを作っていき、家族3世代10人前後が都市生活者並に食べていくには、最低でも5ヘクタール前後は必要でしょう。

しかしその大きなハンディにも関わらず、日本農業はおどろくほどの努力を積み重ねてきました。たゆまぬ工夫と勤勉です。これが日本農業の宝です。

このように言うと、日本の農業は補助金漬けだろうとか、高関税で輸入農産物をブロックしているからやっているんだろう、という声が聞こえてきそうです。
それが事実なのかどうなのか、データーに基づいて次回に検証していきます。

「趣味の農業」さん、反論があるなら子供のような感情論じゃなくて、データーと資料を持って論理構築して来てください。いくらでもお相手いたしますよ。

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くだらないコメントを書き込んでくるなら、正々堂々と投稿してこい!

Img_0004_edited 私のブログは地味な農業ブログなので、今まで荒らしにあったことがない。しかし、今回「荒らし」といえる内容に初めて遭遇したので、削除せずにあえてここにその恥をさらすことにする。

今まで内容についての批判はあったが、このような無内容な冷笑はなかった。
私はこのようなふざけた内容を書き込んでくる者に、私の記事のどこが、いかなる理由で「趣味の農業」なのかを聞きたい。私が真剣に農家のあり方を探っている記事に、「趣味の農業」という侮蔑的言辞を投げかけるのはいかなる理由かを聞きたい。

農家が汗を流してはたらく姿を、家族を必死に養う姿を「趣味の農業」と嘲る理由を問いたい。そのような資格を持つあなたは何様なのだ?!

家族農業が「趣味の農業」だといいたいらしい。ならば、それを論理的に説明しろ。
それが論理的な内容なら、いくらでもお相手しよう。

このようなことを書く者に限って、匿名である。覆面で冷笑しながら人を斬る。たいした神経ある。

こんな低レベルなコメントを書き込んでくるなら、正々堂々と投稿してこい!いくらでも相手をしてやる。

コメントは以下

趣味の農業・・・結構ですな
 
京都の平安神宮から南禅寺まで2kmもないが
人力車に乗れば 8000円
観光地ですからな・・・京都は
貧乏人のわたしは絶対に乗りませんが・・・

次回の記事から現実に日本農業を支えている家族農業からの反論を加える。家族農業に対する侮辱は断じて許さない。

うちの犬の太郎からもアッカンベー!

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晴れた日に家族農業が見える

_edited いやー、ひさしぶりの休日をとっています。晴れた日の午前に休むって実に気持ちがいい。特に忙しそうに働いているカミさんを見ながら、頑張れやとつぶやきながらズズっ渋茶をすするのはなんともいえません。あ、冗談ですよ、かぁちゃん!
カミさんには、アンタなんか毎日休んでいるようなもんじゃないのとひどいことを言われておりますが、なんやかやで休日が3回飛びました。しかし、思えば、農休日なんて取れるようになったのはこの3年くらいのこと。

わが家業は生き物相手ですから、元旦の朝からケコケコ言いやがるバカドリに餌をやり、今日くらいは生まんでいいと思うのにセッセと生む従業員の勤勉精神すら憎く、あ~休みが毎週2日間あった勤め人時代など、はるかな太古となりおり侍り、いまそかり。

先日、茨大の学生諸君に向かって、黒板に「小規模、家族農業、地域農業」と大書きして、これこそがこれからの日本農業だと大見得を切ったのはいいですが、そう忘れてました。家族労働というのは近代化されなきゃいかん点も多々あるのですよ。

ま、それはともかく、今日は天気もいいし、ちょっと家族労働について考えてみましょうか。

Img_0011 さて、私は農業の基本は家族で働くことだと思っています。これは古今東西を問わずそうだと思います。

親父とカミさんが働くのが基本です。あたりまえと言うなかれ。農業では、ほとんどの仕事がペアでやるようになっているのです。

親父が軽トラックの下からよいしょと収穫物の入ったコンテナを上げる、上でカミさんがどっこらしょと受け止める。トラクターでマルチを張る、後ろでカミさんがそれを押さえる。
寒中に収穫した芹やレンコンを、畑からとって洗うのまでは親父の仕事、それを辛気臭く選別するのはカミさんとおばぁ。

あるいは、たくさん出来た野菜や果実を、漬け物や塩漬けで保存するのはカミさんとおばぁや子供たちの仕事。

家族が皆んなで働いて、汗をかいて自らのその日の糧を得る。田んぼの草取りから逃亡したガキは親父からゴツンとやられる。皆んで自分の家の仕事を支えていて、それを変だと思わない。

だから、農村で女房に死なれると、都会の夫だけではないダメージがあると思います。なぜなら人生のペアと仕事のペアを同時に失うからです。「家族」というチームを支えていたもうひとつの大きな柱がなくなるからです。この感覚は私がサラリーマンだった時にはわかりませんでした。
つまり、女房は仕事のペアであり、家族はひとつのチームのようなものなのです。

これが今や忘れられつつある人間の暮らしの基本の営みだと私は思います。だから都会の人は農に憧れるのです。家族という涙ぐましい世界最小の共同体があって、その宇宙で父が父であり、母が母であり、子供のいる場所があります。

れがおかしくなったのは、アメリカというやたらだだっぴろい土地に、だーっとうちの村全体くらいの畑を一軒で作るという大型農業が跋扈しはじめてからです。
いわゆる、同じ品目(だいたい2~3品目)ばかりバンバン作るという大量生産主義・フォーディズム(*フォード主義・今つぶれかかっている自動車会社のフォードの画一的大量生産方式のこと)というヤツですな。こうなると、農場主と農業労働者がいればいいことになります。

それでも、なんやかや言いながらもアメリカの農家も親父と伜、おっかさんが基本という家族労働構造は案外最近まであったそうです。よくアメリカ映画で見る中西部の農家風景です。ほら映画の古くは「怒りの葡萄」の農民像や「フィールド・オブ・ドリームス」の風景などを思い出してください。
それがだんだん浸食されるようにして、養豚や養鶏などの飼料会社のパッカーと呼ばれる大型企業が直接農地を取得して、トウモロコシ、小麦などを作りはじめました。これがアメリカで穀物生産-畜産-流通-販売まで一貫して包括する農業のあり方になっていったようです。いわゆるインテグレーションつうやつですな。

ではひるがえってわが国ではどうでしょうか。、このような農業の大型化と企業化は部分的であって、未だ企業が農業に全面侵攻をかける時代にはなっていません。

Img_0012 なぜか?
農地法というスゴイ法律があったからです。どこがスゴイかといえば、事実上農家しか農地を取得できないという、ある意味「非常識な法律」だったからです。いいですか、日本の不動産数あれど、同業者にしか買えないという分類の土地がある。それが農地だったわけです。なかなか渋いですね。

ですから、農地は公共事業にかかるというラッキーなことがない限り売れないような極度に流動性がない地目になっちゃったわけです。
よく、農業外のエコノミストなどは、日本の一人当たりの耕地がなぜこんなに狭いのか。それが合理化を妨げて、消費者が高い農産品を買わされているような(←ウソ)国際競争力のなさを生んだのだ(←これもウソ)と論難しますが、しょうがないじゃないですか、農地法があったんだもん、プンプン(←オレはコギャルか)。

この農地法は大いに問題ありの法律で、かつてわがブログでもコテンパンに批判したことがある曰く付きのやつです。結果、21世紀に手つかずのとまでは言いませんが、諸外国に比べ家族農業をやるガラパゴス的基盤は温存されたわけです。

今や私は、これはこれで大切に21世紀の日本農業の財産とすべきだと思っています。このお話は、私のグループの経験も含めてもう少し続けたいと思います。

■写真 沖縄のヤチムン。ヤチムンは焼き物のこと。

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二湖の地を旅する人に安寧と、幸いを

Img_0002_edited 余情半様、ゆっきんママさま、これが包装紙です。「常陸道中記」といいます。
うちのグループの直販所では残念ながら
置いていません。行方市の運営する霞ヶ浦大橋たもとの「こいこい」でお買い求めできます。

しかし、すごいですね。筑波山ですぜ。見ましたか、あの筑波山の双耳峰がしっかりと描かれていますもんね。そしてたぶん下の黒い囲みは霞ヶ浦でしょう。

この風景を海苔巻きに巻き込むという技がスゴイ。あの双耳峰の猫の耳みたいなものを作るって、やったことはないのですが、そうとうに大変じゃないでしょうか。ジグザグに海苔を入れていくわけですもんねぇ。ひたすら感嘆しきり。

しかも、使ってある食材がすべて地場産です。霞ヶ浦でとれたわかさぎの南蛮漬け、しらすと梅、きんぴらごぼう。嬉しくなりますね。米はとうぜんわが地方のものでしょうから、海苔くらいですか、ほかの地域のものは。

製造者は「かつ江」さんです。どなたか存じあげませんが、旧玉造町の女性のようです。玉造は、私の住む旧北浦町が北浦に面しているのに対して、日本で二番目に大きい霞ヶ浦に面しています。


_edited_edited 「かつ江さん」という女性、たぶん50代から60代の方でしょう。霞ヶ浦を彼女は生まれてからずっと見て生きてきたはずです。少女の時も、嫁いでも、あるいは幼子を抱きながら。

このような海苔巻きは祝いのために作ります。村の結婚式、七五三に女衆が腕を振るいます。いや、「でした」というべき過去形になっています。

いろいろの絵柄があるそうです。金太郎さんもあれば、花のようなものもあるそうです。

いまは各所で海苔巻き研究会みたいなものがあって、さらに複雑に、さらに精緻になっているようです。わが民族の凝り性ぶりがわかりますね。このたった直系10数センチに海苔巻きで絵を描いてしまうのですから。

農漁村の女性は、幸福を祈ってこのような複雑な海苔巻きをくるんできました。今でもその気持ちは変わりません。
「常陸道中記」、このふたつの湖に恵まれた二湖の地を旅する人に、どうぞ道中の安寧と幸いが待っていますように、と。

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学生に伝えたいことは「農業者のプライド」

Img_0006 茨城大学・中島紀一先生の授業でのゲストスピーチがどうにか終わりました。

結果は授業アンケートからも大変に面白かったそうです。オレは珍獣か。

はじめの構想では、ちょっとアカデミックにな~んて思っていたのですが、土壇場の前日でコロリと気が変わり、思い切り泥臭くいこう、と方針転換しました。

というのは、農学部の学生というと農家出身、大根の一本も持って踊りそうな芋の煮ころがしのような連中といった気がするのですが、今まで出会った農学部生はそんなことはありません。まったくのフツーの学生さん。農業に特に知識もなければ、キミら農業って好き?って聞くと、ムニャムニャと言われそうな連中が多かったことに思い当たったのです。

後から先生にお聞きすると農学部の学生でも4年間で、現場の農業者に出会う機会などほぼないそうで、就職も農業関係は少数派だそうです。寂しいことですな。

当日は農場の仕事が押していまして、女房にごめんごめんを言いながら学校に行くようなありさまで、仕事着の汚れたパーカー、ネルシャツに作業ズボン、いかん時間がないのに着替えが見つからない。ええいままよ、これが「リアルな現場の農家様」だぁ!ゴム長こそ履き替えましたが、まんま仕事ルックのまま大学へ。

Img_0007_edited_2 レジュメはあるものの、そんなものを読んでいてもしかたがない、気合とノリこそがこの90分一本勝負(プロレスかって)を決する分かれ目です。


だいたい自己紹介から始まるのですが、今までの大学での特別講義の経験では、それをしゃべりだすと、自分でも「わらわの半生記」風になってしまい、就農前後の話などしだすと、自分でもわれながら面白くて止まらないので、こりゃ弱った。

家を作った話なんぞに入り込もうものなら、たぶん1時間、いや2時間は種が尽きません。学生も面白そうに聞いているし、いかん、こんなことをしゃべりにきたのではなっかったのだ!とあわてて修正をかけます。

そうそう、今日は「農業経営学」の時間なのであるよ。
学生諸君に、特に農学部の若者に私から言いたいテーマは実にシンプルです。農業が衰退産業であるという常識めかした迷妄を捨てろ!

一応成功のうちに幕を閉じたこの「授業」、私テンションを上げすぎて、くたびれやした。ついでに風邪ももらいました。でも若いのに語るのは楽しいですね。

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自然発生的に生まれた農業団体の限界・地縁血縁の強さ

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有機農法ギルドの前身というのはいくつかステップがあって、いくつかの団体を経てギルドとなっていったのですが、前身の団体では、安定した出荷先を得るために狭いパイを争うような苦しい時期すらありました。
ああ実にみっともないと思いますが事実です。

というのは、いまでこそ有機農産物は供給量不足ですし、先の記事でものべたような「大地を守る会」や「ポラン広場」にしても当時はミニ団体だったわけです。「大地」さんなど今は幕張の巨大インテリジェントビルに納まっていますが、当時は深大寺でそれはつましく、汗だくになって有機野菜を運んでいた時期だったのです。
ポランさんに至っては、リヤカーですぞ!文字通りどこからかで拾って来たようなリヤカーを引いて、それに大根やネギ、卵を積んで町を流していたのですからえらい。案外、このリヤカーが眼を引いて、よく売れたそうです。

ただし、売れるといっても量販店とはケタが違うのは当然で、こちらの出荷団体に来る注文も、まぁたいした量ではなかったようです。これをリーダーとなった主力の農家は、有機栽培がしやすい作物から自分に作付けていきました。ですから、後から来た農家はたまったもんじゃない。


ボス格の農家は、平然と大根とかサツマイモ、ごぼうなど、作りやすく大量に作れて、出荷時期にも幅があるものをがっちり取りますが、私たち駆け出しには、ほうれんそう、小松菜のような害虫にやられやすく、ひと雨きてカッと温度が上がろうもんなら徒長してしまうようなものしか作付けがこないのです。

これが自然発生的にできた出荷グループの特徴です。やはり何といっても、リーダー格の地縁血縁関係が重いのですね。とうぜん、それからはずれた者たちは面白くない。行方台地を縦貫する通称開拓道路の西と東で微妙な反目が生まれていったのです。

こんなことが引き金となって、地域の有機農業団体は分裂に分裂を重ねていくような哀しい時期が10数年続きました。私たち有機農法ギルドはそのような灰の中から、その反省を踏まえて生まれたのです。

さて今日は中島紀一先生の口頭試問じゃなかった、ゲストスピーチの日です。
3回連続で、私が第1回、2回があのアグリ山崎さん。茨城で大規模な稲作に挑戦している成長法人です。3回目は、ユニークな有機農業と地域作りを進めているJAやさとさん。
いずれもすごいメンツです。どうして私など呼ばれたのでありましょうや。手に人を書いて呑む、ん、呑んだぞ。

(続く)

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小規模、家族経営、地域農業・私の経験から

Img_0004 仙様、コメントをありがとうございます。なるほど「大規模しないのなら否定されるべきなのか?」ですか。気分はわかります。うちなど大規模化しそこなって、2hの土地があるぜといっても未だ、もともとあった30aが経営の主力ですから。

私は経団連あたりがいう大規模でなくてはダメ、、家族労働ではなく法人経営、全国食料基地といった考えは、何言ってやんでぇと思っている男です。
ただし、農家が大規模したい、法人化するのならあえて否定しようとは思いません。

実はこの大規模化、法人化、ネット化という道は、私が創設した(←本業以外にこんなこともやってたんですなぁ。なんせヒマだったからなぁ)有機農法ギルドが辿った道でもありました。しかし、仙様、私たちはただ自分だけがデカクなればいいと思う思考はなかったのが一味違っていたところでした。

私がかつて構想したのは、地域農業の核になる農業団体を作ることでした。小規模家族労働の農家が力になるためには、あるていどの「規模」というか、サイズが要ります。特に有機農法というマイナーリーグのチャンピオンみたいな分野では、こんなことが悩みでした。

_edited まず一戸一戸の規模が非常に小さいので、生産量が安定しないのがもっとも大きな悩みでした。畑の全量を有機栽培しているというのはごく稀で、むしろ私などそんなリスキーなことは止めなさい、私のような赤貧になるよと、実にリアリティのある忠告をしていたほどです(笑い)。そうかお前のようになるのかと、実に説得力でありました。

また、なんといっても今のように有機農法の技術に定式がなく、経験も乏しく試行錯誤だったことです。これを話しだすとこれ自体でシリーズ化できるような大テーマですので、そのうちということにして、技術的なデコボコや、個性がおおいに反映されていたわけですです。

これは突出した農の偉人を生み出す反面、多くの脱落者を生みました。有機農法に挑戦して、いったいどれだけの人が無念の涙を呑んだのか計り知れないほどです。
農協などの出荷部会が、平準化されたカチッとした栽培方法や、農事歴、農薬使用、収穫時期を持つことと非常に対照的です。

また、当時有機農法の農家は、長い時間をかけて夜の8時9時に消費者のお宅に宅配をするのが習わしでした。わずかの荷を保育園に届けたり、あるいはくそ高い宅急便を使って遠方の消費者に大根一本届けたりしていました。
昼間目一杯畑で働いて、夜も配送をする毎日というのはやりたくてやっている農業の仕事とはいえ、なかなかのものです。個人の努力では限界に近づいていたのです。
有機農業者の集合体というか、共同の経済団体が必要な時期にきていました。1985年あたりのことです。私が就農3年生のあたりかな。まだ30代です。

では、このような有機農業者が自然発生的に集まって地域の出荷団体をつくろうとなった時に、なにが障害となったのでしょう。

ありていに言って、まず取引先が大前提です。個性の強い有機農業者が集まって出荷グループを作ったのはいいですが、かんじんの売り先がないのです。いまだからな~にやってんだかと笑えますが、当時は笑えない、笑うどころではないわけです。

ここに都会で有機農業こそが未来を開くと思い詰めた変人、もとい素晴らしい人たちがいくつか現れたのです。向こうも有機農産物を探していて、あちらこちらを回って、あちらでコツン、こちらでゴツンと頭をぶつけていたようでした。

それが、今に続く「大地を守る会」や「ポラン広場」の人たちでした。当時の町から来た流通の連中も、いわばTシャツ一枚でオンボロトラックで、集荷に来るというビンボー臭さが、まことに私たち有機農家の連中と波長があったのでした。

■今日からフォントを黒にしました。見やすくないですか。

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