「趣味の農業」様。コメントありがとうございます。
なるほど日本農業は矛盾が山積しています。矛盾がないなどと言う気はまったくありません。
それは私の過去ログを読めばわかるはずです。たぶん私は日本農業内部の現役農家としては、きわめて強い農政批判者です。あなたが思っているような無条件に農業万々歳と思ったことはありません。私は農業内部の人間として直すべきところは直すべきだと思っています。
ここはネットだ!
野良じゃねぇ!子どものように喚きたいなら野良に出てカラス相手にやれや・・・
→言論は保障しますが、ここは2チャンネルの板ではありません。匿名ブログでもなく、実名も連絡先すらも完全公開しているブログです。ここにはここのルールがあります。「カラス相手にやれ」と言われましても、ここは私の個人ブログなんですがねぇ。他人の家に来て、そこの主に向かって表でやれとは、おもしろいことをおっしゃる方だ(笑い)。
書き込みは自由ですが、粗野な言い方はご自分が損するだけと忠告しておきます。
お生憎だね。クイズはほとんど分かっていたよ。
日本は人口大国だ!日本の1/6以下のオーストラリアなんかと比べるなよ!
中国・インド・アメリカ・ブラジル・・・なんてのも全部・日本より人口が多い。日本は物価が高いのだから比べても意味が無い。
→そりゃけっこうでした。いやたいしたものです。前回のクイズ全問正解という人は、農学部の現役学生や農家自身でも数%もいませんので。もしあれを全問正解できるとなると、そうとうに日本農業を知悉した方だとお見受けしました。前回までの失礼な言い方をお許しください。
ならば、日本農業を「趣味の農業」とご自分が言うおかしさに気がつかれ引っ込みがつかなくなっていることとお察しします。
私は今のような「フードアクションニッポン」のように国内自給率40%という偏った日本農業観が跋扈していることに大きな疑問をもっています。
国際的な比較をすることで、日本農業がいかなる位置にいるのかを国民が知るべきだと思っています。カロリーベース自給率というたったひとつの指標で、日本農業を見ることは、過剰に日本農業の実力を低く見せ、結果、真の農業の成長と改革を遅らせることになっていきます。
米食が大きく宣伝されていますが、減反をしており、そこに膨大な税金を投入しているおかしさを知ろうとしません。もし、あなたが日本農業を批判をしたいのなら、このおかしな税金の使用方途についてするべきです。農業内部の人間でもおかしいと批判する人は、この私のように多々いるのですから。
「小規模農家の暮らしと生産を守る」という美名のもとに、民主党政権はとうとう1兆4千億円もの現金をこの兼業農家中心にバラまくとまで言い始めました。どうかしています。米の産出額とほぼ同額の税金を投入するというのです。
これをして選挙の票めあてといわずなんと言います。
さて、あまり一対一的に回答してもしかたがありませんが、農業生産額の世界ランキングで人口を言うのも筋違いでしょう。生産額は相対値ではなく、絶対値ですから。
人口を言うのなら一人当たり農業生産額のほうですね。全問正解の方ならこの違いがおわかりだと思いますが。
また物価が高いのが生産額を押し上げているといわれますが、食費、そのうちの農産物価格が日本が特出して高いとお思いですか?
これはこの短いスペースで書ききれないのですが、実際に欧州などの市場に行ったことがおありですか。私はドイツとイギリスの市場を調べたことがあります。
日本の農産物が高いというのはデマです。特に安いとは言いませんが、EU諸国などの先進国と比較して、いたって普通の水準です。
中国の農民は96万人で1人しか議員を出せないが都市部なら24万人で1人の議員を出せる。
およそ1/4しか権利が無い中国の農民は確かに可哀相だが日本では逆に農村部が大都市圏の3倍(衆議院)6倍(参議院)と一票の格差が有利になっている。
→中国と比較すること自体ナンセンスです。中国は、通常の民主主義国のような選挙制度それ自体存在しないに等しい一党独裁国家です。だいたい農村戸籍という差別的なものがある国です。たぶん世界中の農民でもっとも虐げられている農民は中国農民ではないでしょうか。
私は皮肉ではなく、中国にもっとも必要なものは、ほんとうの意味での「共産党」だと思っているほどです。
それはさておき、日本の一票格差の不条理は認めます。これは是正されるべきです。ただし、これも農民がそうしろと圧力をかけてそうなったというより、長年の自民党政治の票田だったからで、民主党になってもまったく一緒。むしろ劣化コピーですらあります。
この構造は政権交代後も、むしろ民主党が1人区(農村票ですな)の票欲しさで税金を使った買収工作まがいの農家所得保障政策を画策する中で、別の形で再編され強化されていっています。要するに自民党に替わって民主党が胴元になるだけのはなしです。
私はこのような農-政-官の構造が、日本の農業をかえって弱くし、兼業農家を量産し、日本の政治を歪めている原因の一角であると思っています。この構造は打破されるべきです。
しかし、それは単純に農家を「特権階級」とののしることで解決がつくほど簡単なことではありません。
おまけに日本では就農者にしか農地が買えない。
これで100万円程度の農地をショッピングセンターなどに転用して1億円2億円に化けさせるのが日本の農家の悪どい商法だ!
ゆえに日本では農家は立派な特権階級なのだ。
→農地が農家にしか買えないということに対して、過去ログを見てくれればわかるように私は再三再四批判し続けています。農地法は改正されましたが、遅きに失したと思っています。
「農家しか土地を買えない」苦しみは、たぶんあなたより、実際に25年前に農村に来て土地を買うことの出来ない経験を味わい続けた私のほうがよほど知っています。
ただし、そのような矛盾を逆手にとってショピングセンターにこの農地転売で儲けるなどという農民が、いったいどれだけいますか?わが村にはショピングセンターどころか、コンビニが2軒しかないので、ピンと来ません(笑い)。とまれ、都市近郊の農地を持つ人の一部だけでしょう。
このようなショピングセンターに農地転売して巨利を貪るような農家は、そもそも農業をしていないケースが圧倒的です。単なる「農家」という区分の中にいる土地所有者にすぎません。
私が家族農業と何度も言っているのは、このような土地所有者にすぎない多くは兼業農家と区別するためでもあります。私の友人のアイガモ農法の農家はショピングセンターのすぐ脇に水田を持っていますが、まったく売る気などないようです。
一部の事例の不心得な農家をとって農家全体を「特権階級」呼ばわりするのは、論理の飛躍というものです。
それと農地法の功罪というのはあるのですよ。もし農地法がなければ、たぶん今以上にひどい乱開発が進んでいたでしょう。農地法がはまっているから、ひどい不当転売ができにくいのはたしかです。
そのような不当転売を監視する農業委員会の活動は、あなたが想像しているよりよほどきついのです。私の属する農業グループですら、農地転用して直販所という農業関係施設を作るに際して半年間の厳しい審査を受けました。
農民の中によくある農民が虐げられた階層であるという怨念史観には私は与しませんが、かといって「特権階級」とも思えません。多くの生活をする人たちと同じように、まじめに汗を流す者もいて、一方だめなやつもいるといった悩める階層にすぎないのです。
都会もんを甘く見るんじゃねぇぞ!!!
→都会者ですか・・・、私は東京品川生まれの神奈川の茅ヶ崎育ち、お茶の水でサラリーマンもけっこう長くやっていましたが。ですが、それがどうかしましたか?都市住民と農民を対立させることに私はまったく意味を見いだせませんが。
私は都会の出身ですが、一農民としてプライドを持っています。自分の職業を「趣味の農業」と呼ばれたくはないだけです。もしあなたが何のご職業かわかりませんが、「お前の仕事なんか趣味、つまり遊びだ」と揶揄されたらいい気分はしないでしょう。
「趣味の農業」様。今日のコメントは物言いが大変に無礼でしたが、聞くに足る内容も多々含んでいました。たしかに農業というのはこのように都会の人から見られている側面があるのだな、と思いを致しました。
私も腹立ちで感情的な表現があったことをお詫びします。
今回、あなたがなににお怒りかがつかめたのは収穫でした。
最後に、ひとつ貴兄に提案したいのでずが、今回述べられていたことをもう少し体系立てて展開されませんか。紙面は提供します。その場合、なにとぞ、あの挑戦的でぞんざいな口調はご勘弁下さい。感情的対立になり、貴兄の真意が伝わりません。
私は聞く耳はいいほうです。
濱田拝
■レギュラーで来訪いただいている皆様。もうしわけありませんが、このような状況ですので、今日はコメント対応の場とさせていただきました。
■なぜか文章のフォントカラーが一定しません。色が違うのは意味がありませんので、悪しからず。
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